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令和2年市長年頭訓示

ページ番号262336

2020年1月6日

 みなさん,新年おめでとうございます。

溌剌とされた皆さんのお顔を拝見し,今年も市民の皆さんのため頑張ろう,そんな熱意がひしひしと伝わってきます。心強い限りであります。私も,京都の今と未来のために全身全霊を捧げたいと決意を新たにしています。

 文化庁の京都への全面的移転が決まって以降,隗より始めよ!と,職員の皆さんが率先して京都の文化に親しむ取組を進めていただいています。先ほどの高砂の連吟も感動的でした。また,あらゆる文化を支える着物をはじめ伝統産業にも親しんでいただいております。有難うございます。今年も市民の皆さんと共に京都から日本の文化を元気にする,また,厳しい状況にある伝統産業の振興にも共々に頑張ってまいりたい,そのように思います。

 さて,この1年,そして,市長就任以来の12年間を振り返ると,市役所の各職場の雰囲気が劇的に変わりました。チーム市役所としての職務の執行力も大きく向上しております。年末も,環境政策,上下水道,市バス地下鉄等,いくつかの第一線の現場を訪ねましたが,生き生きとした職員の姿が心強く,就任当初,現場を回り,様々なお話をさせていただきましたが,隔世の感があります。

 市民アンケートでは,区役所をはじめ第一線の職員の窓口等の対応に,市民の皆さまから95%の評価をいただき,また,年間1,300件を超える第一線の現場での仕事の改革への職員提案が寄せられ主体的な改革が実行されています。また,各職場での丁寧でかつ的確な職務の執行力は全国トップ水準に達してきた。このように確信しています。私自身も現地現場主義に徹し,市民の皆さんの活動の場等を訪ね,1万箇所を超えましたが,市の職員と市民の皆さんとの信頼関係・絆が深まって来ている,そんなことを実感する昨今であります。同時に,なお,温度差があることも事実であり,すべての職員が更なる高みを目指し,自己点検し,共々に頑張りたいです。お陰様で私が4年前に市民の皆さんにお約束した公約も99%着手・実行することが出来ました。

 さて令和2年,この1年を今日までの前進を土台に,新たな京都へ,輝かしい京都の未来へ向けた挑戦と改革のスタートの年にせねばなりません。基本構想策定から20年! また,現行の10年の基本計画の完了,そして次期計画の策定と同時進行でスピード感を持って改革実行する極めて重要な年です。

 この10年で市民ぐるみ・オール京都で取り組んできた京都のまちづくりは大きく前進しました。誰一人取り残さない!持続可能な社会を目指すSDGs先進度全国1位,都市の総合力2年連続1位など,各方面からも高い評価をいただき,この10年間で5万人減少すると予想された人口も転入人口の増加でほぼ横這いを維持しています。しかし,これからが極めて大事です。前進の中で新たな課題も生じており,しっかりと検証し,新たな挑戦・改革が喫緊の課題であります。

 市民生活を最重要視した持続可能な観光都市の実現に向けた「混雑」「マナー」「宿泊施設の急増」の課題を,50の取組強化で解決し,「観光先進都市・京都」から「観光課題解決先進都市・京都」へ!京都のまちが美しくなってきたと,多くの方に評価いただいている新景観政策。これらを大切にしつつ,同時に,持続可能な活力あるまちづくりが大事であります。

 子育て環境日本一へ! 保育所等待機児童6年連続ゼロ,学童保育8年連続ゼロを実現しましたが,少子化に歯止めをかけ,みんなが子育ての喜びを感じて頂ける京都へ!働き方改革も含め,京都ならではの地域に根ざした「はぐくみ文化の醸成」などオール京都の取組を深化させねばなりません。

 人生100年時代の安心,健康長寿,医療・介護・生活支援の充実,社会参加促進の取組・貧困,格差,虐待,孤立,引きこもり・8050問題などの解決,まさに「誰ひとり取り残さない」貧困ゼロ,虐待ゼロ,孤立ゼロなどの取組は,京都が先頭に立って,全国のモデルとなる取組を進めましょう。さらに,環境問題,2050年CO2ゼロへの取組。続発する自然災害への地域に根ざしたソフト・ハード両面での的確な対応など,挑戦すべき課題が山積しています。

文化庁の京都への全面的移転を控え「日本の文化の都」から「世界の文化首都・京都」の実現へ。さらに,文化で日本を元気に,世界から,より尊敬される日本へ!

今年はいよいよ東京オリ・パラ,京都でも多彩な取組を展開します。国連の最大規模の会議,犯罪防止刑事司法会議・「京都コングレス」も開催され,再犯防止など,しっかりとした取組をレガシーとして京都で培わなければなりません。その先には,ワールドマスターズゲームズ関西Japan,大阪・関西万博,そして,文化庁の全面移転や京都芸大の移転など,まさに,京都の文化やあらゆる魅力・強みを活かし,経済の活性化,市民の皆さんの豊かさ,世界の平和に貢献する絶好の機会が目白押しであります。そして,それらを,この間,特に力を入れてきた,市民の皆さんが主人公の「じぶんごと」「みんなごと」のまちづくりとして深化させていかねばなりません。

 また,重要なのは連携の強化であります。西脇知事とは全国トップ水準の府市協調を更に新たなステージへとバージョンアップしていこうと合意し,意気投合しています。更に,経済界,文化,大学,福祉・教育・子育て支援,環境などに取り組む皆さんと共に「オール京都」体制の発展が極めて重要です。オール京都で創設した「経済センター」の教訓を,まちづくり全ての分野に発展的に活かしましょう。

 こうしたことを踏まえ,新年に当たりお願いしたいことを3点に絞り申し上げます。

 1つ目は,「理念の共有と実践」そのための「伝える力」であります。「都市は理想を必要とする」。これは本市の最高理念「世界文化自由都市宣言」の冒頭の一節であります。そこに掲げた「優れた文化を創造し続ける永久に新しい文化都市・京都」という都市の理想を実現するため,文化を基軸に,持続可能な都市を目指す「SDGsの理念」と,あらゆる危機にしなやかに対応し,より魅力的な都市・京都へ「レジリエント・シティの理念」を融合させる。

市民の皆さんにこの理念と目標,そして具体的な施策をご理解頂き,そして行動の共有が何よりも重要です。しかし,十分に市民の皆さんに伝わっていません! 残念です。勿体ないです。先ずは,職員が深く理解し,市民の皆さんに丁寧にお伝えする,そして,更なる市民参加と行動の輪を広げねばなりません。

 2つ目は,「百年先の京都を展望した,攻めの都市経営」「活力ある京都」であります。素晴らしい兆候があります。例えば,この5年で,市内の雇用者は58万人から63.7万人と,5.7万人,10%増加しました。うち正規雇用者は4・3万人13%の増加であります。全国は4%,大きく前進しました。そうしたこともありまして,昨年は,納税義務者が6年連続増加し,過去最高を更新し続けています。厳しい財政の中でも,国とも連携して進めてきた積極的な施策の成果が,実を結んできている,そのように思います。

一方で,地方交付税の大幅な減少や,社会福祉関連経費の増加等により極めて厳しい財政状況が続いています。こうした状況を打破するために,京都ならではの強みを徹底して活かした経済の活性化策,市民の皆さんの豊かさの実現と担税力の向上が重要であります。全庁挙げて,また市民ぐるみで取り組まねばなりません。

近年,京都市の都市格・魅力の向上と共に,クリエイティブな企業や,スタートアップしていく企業の開発拠点,デザインセンター等の京都への進出が相次いでいます。また京都の中小企業も,地域企業として懸命に努力され,厳しい経営状況の中ではありますが,その成果もでてきております。そこで「大学のまち,学生のまち」「知恵産業のまち」さらに「文化芸術のまち」など,京都のあらゆる強みを活かし,融合し,新たに「スタートアップの都!」としての飛躍のチャンスであります。

 3つ目は,京都ならではの「人を大切にする働き方改革」「真のワーク・ライフ・バランスの推進」であります。人間らしく,生き生きと創造的,効率的に働ける風通しの良い職場環境をつくる。そして家庭も,さらに地域での活動も大切にしていただきたい。その事がお一人お一人の人間力を高め,仕事の質を高め,人生も豊かに,京都も豊かになる!ここでも「隗より始めよ」であります。また,職員の皆さんご自身も,可能な限り京都市にお住まい頂き,文化に触れ,主体的に京都のまちづくりにご参画頂きたいです。

結びになりますが,今年は子年であります。ねずみは賢く効率良く,行動的です。同時に子孫繁栄の象徴でもあります。

今日の大きな課題の一つである少子化対策をはじめ,様々な課題に賢くスピード感をもって挑戦する。そうした始まりの年にしたいです。

皆さんお一人お一人の,また,チーム市役所としての結束したご尽力に改めて心から敬意を表し,この一年を素晴らしい年とするため共々に努力することを誓い合い,新年の挨拶とします。ありがとうございます。

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