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平成31年市長年頭訓示

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2019年1月4日

平成31年市長年頭訓示

平成31年1月4日 行財政局 人事部 人事課 075-222-3232

 皆さん,新年おめでとうございます。

 皆さんの凛とした,晴れ晴れとしたお顔を拝見し,心強い限りです。私も身の引き締まる思いで,この場に立たせていただいています。

 先ほどは,金剛流の「高砂」の謡いをご披露いただきました。この格式高い市会議場で,皆さんと共に「高砂」を吟ずることができ,感激しております。

 「世界文化自由都市宣言」から40年,この間,伝統を生かしつつ,「世界と交流を深め,優れた文化を創造し続ける永久に新しい文化都市」という理想の実現に向け,文化を基軸とした市民ぐるみの都市経営を進めてまいりました。そして,この度の,オール京都で取り組んだ,文化庁の機能を強化しての京都への全面的な移転決定も,その理念と実践の延長にあると考えています。

 同時に,その理想の実現のためには,京都のまち,市民の皆さんの暮らしの中に文化が息づき,新たな文化が創造できることが何よりも大切であります。そこで先ずは「魁より始めよ」と仕事始めから,能を通じて日本の文化に触れる貴重な機会を2年前から設けました。また,着物の文化を大切に,との取組も趣旨は同じであります。あらゆる機会を通してよろしくお願いします。

 

 さて,まずは,御礼を申し上げます。

 昨年は,大地震,豪雨,3度の台風と大規模な自然災害により,京都市においても厳しい被害を受けました。

 しかし,一人として,市民の尊い命が失われませんでした。これは,東日本大震災,6年前の台風18号など大規模災害時の本市における災害対応を,その都度,徹底的に点検し,市民の皆様と共に対策を積み重ねてきた成果でもあります。特に,自主防災会,消防団,水防団,自治会,社会福祉協議会など,市民の皆さんのご尽力,京都の「地域力」,「人間力」の賜であります。

 京都市の各局,区役所,消防局,第一線の土木事務所,まち美化事務所等において,昼夜を問わない緊急対応等に,頑張っていただきました。また,ブロック塀等の徹底した安全対策などを進めていただき,緊張感とスピード感,使命感を持って粉骨砕身いだきました。

 私も被災地を回りましたが,多くの市民の方から,感謝の声をいただきました。

 そして今も,復旧復興に向けて,全力を挙げて取組を続けているところであります。

 同時に,ここから教訓を得て,より安心安全なまちづくり,レジリエント・シティに繋げていく,こうしたことも大事であります。

 また,年末年始も,市民生活の安心安全を守るため,多くの第一線の職場でご尽力いただいた皆様にも,この場で改めて御礼申し上げます。

 さて,昨年を振り返りますと,明治150年,自治120周年,世界文化自由都市宣言40年,パリ友好60周年等,大きな節目の1年でした。歴史に学び,今を見つめ,未来をデザインし,願いを立てて行動する。そして未来につなげていく。そのような1年になったと実感しています。

 嬉しく,心強いことがいくつもありました。また,課題もあります。いくつか紹介します。

 まずは,職員の市民応対についてです。「来庁者のアンケート調査」で,満足度が95%を越えました。特に区役所・支所においては,昨年度の大規模な組織改正に伴う窓口の再編以降,初めての調査でしたが,満足度が大きく向上しました。

 市長就任当時,連日早朝に,区役所などの第一線の現場を駆け回り,「笑顔」,「親切」,「丁寧」,「テキパキ」,そうしたことをお願いしてまいりました。私として,これほど嬉しいことはありません。

 子育て・教育の分野では,厚生労働省の基準で,5年連続保育所等待機児童ゼロを達成し,学童保育は7年連続ゼロとなりました。同時に,質の向上も図っています。また,文部科学省が発表した全国学力調査では,京都市立小学校が全国政令指定都市トップになりました。地域,保護者,PTAと共に,一丸となって学校改革を進めてきた成果でもあります。

 民泊対策では,「違法民泊は絶対に許さない」,という決意の下に,全庁体制で,市民の皆さんと連携して取り組み,日本一厳しい条例を議会でも制定いただき,市民生活を守ることを基本に,観光客との調和に取り組みました。

 また,持続性のある京都のまちづくりのため,全国初の,民泊も含めた全ての宿泊施設を対象とした「宿泊税」を創設しました。

 難しい仕事ですが,職員が一丸となって,市税,国民健康保険料,介護保険料等において,過去最高の徴収率を達成しました。

 市バス,地下鉄も徹底した市民目線での攻めの経営に取り組んでいただいています。

 運転手不足,管理受委託料の高騰など,新たな課題も深刻ですが,これも乗り越える努力をしていただいています。

 上下水道も厳しい経営環境の下,大胆な経営改革を行い,災害対応等も推進しています。

 消防も,消防団が50年ぶりに4,500人を超え,若い人が,女性が参画いただいている。そうしたことも前進いたしました。

 そして,府市協調についてです。このためには,政策の融合が大切ですが,安心安全,子育て環境日本一など,本市がこれまで大事にしてきた施策を公約の第一に掲げられた西脇知事の誕生で,新たな府市協調のステージに向けた取組に確信を持てました。

 

 さて,新しい年であります。

 平成が幕を閉じ,新しい時代が始まります。

 新しい時代には,ICT,AIなど,科学技術の更なる発展など大いなる希望が持てる一方で,人口減少・少子高齢化,自然災害,地球温暖化など,深刻な課題を克服しなければなりません。

 そして,どんな時代にあっても京都が京都であり続けるために,本市のあらゆる政策の大前提・基盤とすべき都市経営の理念が「文化」であります。そして,「レジリエンス」と「SDGs」の取組としっかりと融合させていきましょう。

 人口減少,自然災害など,あらゆる危機に,粘り強くしなやかに対応し,より強靭になる「レジリエンス」や,多様性と包摂性のある持続可能な社会の実現を目指す「SDGs」の「誰一人取り残さない」という理念と連携・融合させ,あらゆる政策に横串を差し,総合的,横断的に市民を主体とした取組を進めることで,次の時代も人々が生き生きと暮らせる,魅力あふれる京都であり続けられると確信しています。

 また,今年は京都経済百年の計,「京都経済センター」が開設されます。商工会議所立石会頭をはじめ,経済界への提案,要請,合意の下に,副市長や局長等が産業会館,市営駐車場,市バス操車場等を廃止して,まさに京都百年の計として,一丸となって,関係者と共に努力してきた成果でもあります。「地域企業宣言」に基づく,京都の持続的な発展にしっかりとつなげなければなりません。

 さらに,JR「梅小路京都西駅」の開業,美術館の再整備,市立芸大等の崇仁への移転着工,ICOM京都大会,「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」,「観光と文化をテーマにした国際会議」も京都で開かれます。

 まさに,文化と経済の融合に一層磨きをかける年であります。

 そして,ラグビーワールドカップ,2020年東京オリンピック・パラリンピック,ワールドマスターズゲームズ2021関西ジャパン,更にその先に,関西が一丸となって誘致に取り組んだ万国博覧会などが目白押しであります。

 これらを単なるイベントと捉えるのではなく,本市の施策としっかりと連携させ,市民参加と協働につなげ,「じぶんごと」,「みんなごと」のまちづくりを深化させる。そして,未来への財産を創造していく取組を共々に推進していきましょう。

 そこで,皆さんにお願いしたいことを3点申し上げます。

 1つ目は,「『レジリエントシティ・京都』の実現」です。

 この2年,市民フォーラム,ワークショップ,全庁体制での議論を通じて検討を重ねてきた「京都市レジリエンス戦略」をこの3月に策定します。今年は,その取組を力強くスタートさせる年であります。

 特に,市民ぐるみの取組が極めて重要であります。そのためにも,人口減少・少子化対策をはじめ,地域力・市民力の強化,防災・減災対策,安心安全のまちづくり,地域に根差した福祉・教育・子育て支援,危機にも強い京都経済の確立,景観を大切に,街並みの保全・再生,そして,持続可能な財政の確立など,市民生活にかかわるあらゆる施策を,「レジリエンス」の視点で点検する必要があります。

 そして,京都の強みである「文化」を基軸とし,多岐に渡る施策の融合・連携を一層深化させ,京都ならではの「文化によるレジリエンス」を推進していただくことをお願いします。

 

 2つ目は,「京都の未来の成長と発展につながる,攻めの都市経営」であります。

 私は市長就任以来,一貫して京都の今と未来を展望し,国の施策とも一体となり,深みのある,京都ならではの成長戦略を進めてきました。

 こうした取組は着実に実を結び,京都の都市格の向上と共に,市民税も着実に増えています。

 しかし,本市の財政は極めて厳しい状況であります。

 市民税が増えても,その75%分の地方交付税が削減される等,国の財政のあり方には大きな課題があります。国に対して,議会と共に様々な要望を行っていますが,同時に,私達自身が,京都の京都らしい価値をもっと活かさなければならないと痛感しています。

 京都の豊かさ,美しいまち,景観,文化力の高い市民,優れた企業,大学,教育や子育て環境,安心安全,いずれも全国トップ水準であり,世界の人々を魅了し,近年,ますます評価が高まっています。

 京都で暮らしたい,京都で働きたい,京都に移転したい,京都で事業所の規模を拡大したい,そうした企業が,人が,京都に,日本に,世界に,数多くおられます。

 そうした方々の願いに応え,京都で頑張り続けていただける環境を作り,市民や,京都の中小企業,地域企業の豊かさにしっかりと繋げ,そして,将来の担税力の強化に繋げて,持続可能な財政を確立する。これは,京都なら可能であります。

 そうした点で,今までの取組をしっかりと総括し,共々にスピード感を持って改革していきましょう。

 また,昨年12月に発足した,「京都の未来を支える財源創出プロジェクトチーム」を先頭に,寄付やネーミングライツといった自主財源の確保にも,戦略的,全庁的に取り組んでいただきたいと思います。

 

 3つ目は,京都ならではの『「人間を大切にする働き方改革」,「真のワーク・ライフ・バランス」の推進』であります。

 私たちは,10年前,基本計画に「真のワーク・ライフ・バランス」を掲げました。これはパブリックコメントでの意見を反映した項目であります。そこに,あえて「真の」を付けました。

 その趣旨は,人間らしく,生き生きと創造的,効率的に働く,そして家庭もしっかりと大切にする。更に,地域貢献等も主体的に行い,人間力を高める。そのことが,一人ひとりの,またご家庭での幸せにつながり,地域社会も持続可能なものとなる。こうした考えであり,実に先見性のあるものであります。

 そこで,仕事と家庭,地域貢献を別々の物と捉えてバランスを取るのではなく,仕事が充実しているから,家庭も幸せに過ごせ,家庭が幸せだから,仕事も充実する。地域貢献も家族ぐるみででき,更にモチベーションを高め,家庭も仕事もうまくいく。そうしたワークとライフのハーモニーを大切にしていきたい。

 こだわりの仕事も大事ですが,同時にスピードが大事です。職場の風通しを良くし,職員が情報を共有し,知恵を出し合い,チームワークで効率良く働き,限られた時間で,市民のためにより多くの仕事に取り組み,成果を挙げる。そうした「生産性の高い働き方」を職員一人ひとりに実践いただきたい。

 そうした取組の中に未来が展望でき,長時間労働が解決していくと思います。そのために,各職場で議論し,大胆な仕事の進め方改革の熟慮断行をお願いしたい。

 このための一つの提案です。

 職場の風通しを良くし,チームワークを高めるためにどうすればいいか。

 「笑顔」であります。

 「一生懸命」の「生」を「笑」と書き換える。

 しかめっ面で懸命に働くのではなく,また,ただ笑いながら慣例で働くのでもない。人間関係を大切に,職場で,笑顔でコミュニケーションを,チームワークを大切にする。「にこにこ顔で命がけ」であります。よろしくお願いします。

 そして,一人ひとりに様々な事情があることは十分承知していますが,京都市職員の皆さんには,できる限り京都市に住んでいただきたい。ご結婚され,地域ぐるみで子育ての喜びを感じ,市民の皆さんと共に,京都の文化も楽しみ,地域から京都の未来に貢献していく。こういったこともお願いしたいと思います。

 

 結びになりますが,健康にも十分気を付けてください。

 健康長寿も,「隗より始めよ」であります。

 私も昨年6月から妻に勧められ,毎朝ヨガを実行しています。おかげで体重が 半年で5キロ減量でき,階段の上り下りも楽です。毎朝体重を測りますが,体重計には体内年齢も出ます。53歳です。一人で喜んでおります。

 今年は,亥年であります。

 イノシシは,どんな相手にも果敢に向かっていく勇気のある動物です。

 本年を,変化を恐れず,何事にも果敢に挑戦する,そんな1年にしていきましょう。

 皆さんの日頃のご尽力に敬意を表し,御礼申し上げまして,この1年が京都の今と未来のために素晴らしい1年になることを誓い合いまして,新年の挨拶とします。

 ありがとうございます。

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