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平成30年市長年頭訓示

ページ番号230467

2018年1月4日

 皆さん,新年おめでとうございます。

 皆さんの凛とした,清々しいお顔を拝見し,熱意を感じ,心強く感じております。

 市長就任後,10回目の新年を迎えました。今,市民の皆さん,議会,並びに職員の皆さんに感謝の気持ちで一杯であります。

 現地現場主義に徹し,京都の今を見つめ,皆さんと一緒に未来のためにまい進してまいりました。困難な課題も山積しておりました。しかし,その度々に,市民力,そしてそれらを活かし改革しようと献身する皆さんの職員力,チーム力に感銘を受けてきました。

 今,市役所の職務執行力は,全国トップであると実感しております。

 そして,私にとって10年の節目の本年が,明治維新150年,市役所開庁120周年,更に京都が都市の理想として掲げた「世界文化自由都市宣言」から40周年の年であります。

 そうした節目の年の出発の日,この格式高い議場で皆さんと決意を新たにできることを嬉しく思います。

 先ほどは,片山九郎右衛門様,分林道治様,橋本忠樹様による「高砂」の謡い,皆さんと吟ずることができ感激です。日本の伝統と文化を大切にしていこう,同時に「世界文化自由都市宣言」に掲げた「世界と交流を深め,優れた文化を創造し続ける永久に新しい文化都市」という理想を共々に求め,実行する年としたいと考えています。

 さて,まず,御礼を申し上げます。

 昨年の九州北部豪雨では,発災直後から,多くの職員が,被災地へ駆けつけていただきました。また,現在も東北,熊本,九州北部で多くの職員が活躍していただいています。

 また,メキシコ地震では,消防局の3名のメンバーが国際救助隊の中枢メンバーとして大活躍されました。京都市の誇りであります。

 それから,市民の皆様の生活を守るため,この年末年始も多くの皆さんに各々の職場で御尽力いただきました。心から感謝いたします。

 昨年を振り返りますと,多くの取組が実を結び,また土台を作ることができた年でした。特に様々に文化で彩られて充実した年でした。

 昨年4月,「子どもはぐくみ憲章」10年の節目に,市民ぐるみで育ててきた「はぐくみ文化」を深化させるため,「子ども若者はぐくみ局」を創設することができました。貧困家庭の取組も新たにスタートしました。

 また,5月には,区役所・支所に保健福祉センターを創設し,「子どもはぐくみ室」等を開設し,子育て支援コンシェルジュ機能をはじめ,組織の抜本的な再編を皆さんの力で実行することができました。これは単なる役所の組織改革ではなく,市民ぐるみでの「はぐくみ文化」の創造であります。

 地域ぐるみで子どもを大切に育み,そのことによって,大人も高齢者も,更に地域全体も元気になっていく,これこそが,今最も大切な少子化対策であります。あるいはコミュニティの活性化。そこに京都の新たな文化をしっかりと融合していく年にしていきたいと思っています。新しいまちづくりへの大きな一歩であります。

 また,オール京都で,関西の支援も得て,文化庁の京都への全面的な移転に向け,「文化庁地域文化創生本部」が満を持して発足し,様々な取組が展開されました。

 文化庁と共に全力で取り組んだ東アジア文化都市,ASEANも含めた17文化都市サミットでの京都宣言,大政奉還150年を記念した二条城宣言,応仁の乱550年,「ONEPIECE」とのコラボ事業,様々な取組が展開され,市民しんぶんも内閣総理大臣賞を受賞しました。

 世界一安心安全おもてなしの取組では,犯罪認知件数は引き続き減少しました。

 健康長寿の取組も,歩くまち京都の推進,公共交通優先の取組とも相まって,また,市バス・地下鉄の増客も,交通局の懸命な努力もあり,順調であります。

 水道事業も,攻めの経営革新を断行,黒字経営を確保するとともに,琵琶湖疏水 通船がいよいよ復活いたします。

 中小企業未来力会議の取組も魅力的な議論を進めています。また,ソーシャルイノベーションの取組も順調であります。

 観光も,文化との連携を含め順調でありますが,同時に,全庁を挙げて違法民泊を許さない取組,京都ならではの民泊条例制定と,市民と観光客の安心安全を両立させる取組を,全国の注目のもと進めています。

 さらに宿泊税条例も議決いただき,正念場の年であります。

 そして,人類史上初の温暖化対策の京都議定書誕生20周年を迎えました。更に全人類が参加するパリ協定の実践に向けて地球環境京都会議を18箇国の参加のもと開催し,「京都宣言」を高らかに発しました。

 この20年の京都市におけるゴミの49%減量,エネルギーの26%減少等,世界的に広く評価されました。

 新景観政策実施から10年が経過し,その成果を市民ぐるみで確認するとともに,課題も明確にしてきました。基本理念をしっかりと踏まえ,進化させることも今年の大きな課題であります。

 中央卸売市場も90周年を迎え,市場宣言を発しました。

 さて新しい年であります。

 今年は,明治維新から150年であります。そして,平成という時代を実質的に締めくくり,新しい時代が始まろうとする年であります。時代の大きな変化であります。この1年がどれほど重要であるかを,ここで私が力説する必要はないかと思います。

 そして「世界文化自由都市宣言」40周年の年であります。明治維新で都の地位を事実上失い,人口が34万から23万に激減するという,都市の存亡の危機の中で,私達の先人たちは,全国初の小学校を明治2年に直ちに発足させ,地域ぐるみで運営し,子どもを育てました。また,全国初の芸術大学,工業高校を創設されました。

 即ち,教育,人づくり,文化芸術,それを基軸としたものづくりに力を入れました。続いて琵琶湖疏水や市電の開業等々で今日の基礎を築かれました。奇跡と言われる明治京都施策であります。

 先人たちの志と偉業に大いに学ぶとともに,文化を基軸に,教育,人づくりを中心に,観光,福祉,環境,まちづくりなど,あらゆる政策分野を融合し,京都の力,潜在力をしっかりと掘り起し,結集できれば,京都の未来も明るくなると同時に,京都が全国の文化芸術,国づくりを牽引できると思います。市民生活が豊かになり,中小企業が元気になる。

 そして「世界文化自由都市宣言」の理想を実現できると思っています。

 さらに文化庁との連携強化,「明治維新150周年記念プロジェクト」,そして 日本初開催となる「国際博物館会議京都大会(ICOM)」,東京オリンピック・パラリンピックでの「京都文化力プロジェクト」,翌年の「ワールドマスターズゲームズ2021関西」,そしてその先を見据えた取組を,市民参加を大切に,オール京都で推進しましょう。

 その一方で,最も重要な課題が2点あります。1つが「少子化対策・人口減少社会への挑戦」であります。もう1つは「財政の健全化」であります。

 そこで,新年に当たり,皆さんにお願いしたいことを3点に絞って申し上げます。

 1つ目は,「理想と理念の共有」であります。そしてそれらを具体的施策に照らし合わせ,施策の中身をもう一度深掘りして融合することであります。

 「優れた文化を創造し続ける永久に新しい文化都市」,これが「世界文化自由都市宣言」の理想であります。

 その理想を実現するために,強靭な都市として持続可能なものとしていく,百年後,千年後を見据え,自然災害はもとより,人口減少や少子高齢化,コミュニティの弱体化などあらゆるショックとストレスにしなやかに対応する,強靭な「レジリエンス」の理念を,本市行政のあらゆる分野を横断する都市経営の理念として,明確に位置付け,「世界文化自由都市」と「レジリエンス」の理念を一体化していく。その政策の融合を図っていただきたい。

 2つ目は,京都ならではの「働き方改革の推進」と「文化力の向上」であります。

 大きな時代の変化の中で,新しい時代のニーズを見極め,いや,先取りして,創造的,効率的,効果的な仕事をすることが職員一人ひとりに,また,京都市政に求められます。

 各職場で大改革が実行できるか否かに,京都の未来はかかっていると思います。変革は小さな組織から,個人から始まります。

 一人ひとりの職員が,受け身でなく,創造力に溢れ,一人ひとりが変革者でなければなりません。

 各職場が未来を創造する,イノベーションを起こす,そんな気風に満ち溢れ,職員が仕事を通じて育ちあう,そんな職場を作っていきましょう。

 そのため,私から3つお願いがあります。

 1つは若い人の力を活かす。職場で若い人を育てる。同時にベテランも育つ。そうした仕組みづくりです。

 2つ目は,風通しの良い職場づくりです。目標やビジョンの共有,方向性,筋道,ゴールの共有により,行き詰まりや手戻りをなくし,時間を有効に活かす。職場でのコミュニケーション,あいさつや様々な日常的なことが大切であります。

 3つ目はトップマネジメントです。時間を徹底的に意識し,効率性を求めていただきたい。

 そして,そんな職場で,人間らしく,生き生きと効率的,創造的に働き,育ち,子育てや介護など家庭を大事にすることはもとより,町内会やPTA活動等,地域社会に貢献する。

 そのことが一人ひとりの人間力を高め,仕事にもまちづくりにも活かされ,更に人生が豊かになる。そんな循環を,市職員が隗より始めましょう。世界の人が憧れ,文化庁が移転してくる。その京都の職員一人ひとりが京都の文化,京都の地域社会の素晴らしさを生活の中で感じ,文化を大切に,人生を豊かにし,京都の未来にも貢献できる。そんな職員像を,みんなで作り上げていきたい。

 「真のワーク・ライフ・バランス」の率先実行は,職員一人ひとりと京都の文化力向上にかかっていると思います。

 3つ目は,「財政健全化への努力」であります。

 そのために,京都のあらゆる潜在的な価値を徹底的に活かしていきたい。そして市民の豊かさ,中小企業の活性化に繋げ,将来の担税力の向上にしっかりと繋げていきたいと思います。

 世界の人々は,京都は最高のまちであると評価しています。

 豊かなまち,美しいまち,文化力の高い市民,優れた企業,大学,教育や子育て環境,治安の良さ,それらが評価されています。そして,多くの観光客がお見えになっています。

 それなのに財政が厳しいのはなぜなのか。

 個人の市民税は着実に増えております。財政の厳しさは,我が国の税,財政構造の在り方に大きな要因もあり,国に対しても様々な要望も繰り返しています。しかし同時に,私達は京都の潜在的な力を出し切れていないのではないかとも思います。

 13,000人の職員があらゆる叡智を尽くして,京都の潜在的な力を出し切ろうと労力を割けば,市民生活は豊かになり,そして将来の財政力が高まる。必ず実現できると思います。

 そのための,大きな大きな一歩となる今年一年であります。

 行財政改革では,皆さんに大変な御苦労をかけ,着実な結果を出しております。しかし,職員を減らすだけでは,財政の健全化はできません。担税力を伸ばす必要があります。

 市民が豊かになり,市民税が増えていく,このような循環が大切であります。

 財政の将来的な健全化なくして,京都の未来はありません。そのことを肝に銘じて,取り組みたいと思います。

 結びになりますが,今年は,戌年であります。

 戌年の人は「勤勉で努力家」と言われています。同時に私は「知恵者」であると思っています。創造的で,攻めの仕事ができる人と思っています。

 戌年は,皆さんと一緒に,勤勉で努力家,更に知恵と文化,そして創造性を発揮し,攻めの仕事をする。そして,京都の歴史に残る1年にしていきたいと思います。

 改めて皆さんの日頃の尽力に敬意を表しますとともに,新たな挑戦をしていく,そんな1年にしたいと思います。

 どうぞ,よろしくお願いします。

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