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門川市長記者会見(2017年5月26日)

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2017年6月13日

市長記者会見(2017年5月26日)

地下鉄5万人増客の達成及び新たな増客目標について

 

 本日は,私から2点御報告します。まず初めに,地下鉄5万人増客の達成及び新たな増客目標について,御報告します。

 私が市長に就任したとき,1日4,600万円もの赤字があり,危機的な状況でした。全国一厳しい地下鉄であるということについては今も変わりはありませんが,平成20年度決算において,全国の公営地下鉄で唯一,財政健全化法に基づく経営健全化団体に指定されました。そしてその時に様々な経営健全化策を打ち立てましたが,とりわけ,平成30年度を目途に,市民の皆様,また市役所全庁が一丸となり,5万人を増客するという目標を立て取り組んできました。

 しかし,市の外部監査委員の専門家は,5万人を増客することは絵空事だと言っていましたが,市民・事業者の皆様の御理解と御支援のもと,熱意溢れる市職員の力を結集して,挑戦し続ければ必ず実現できると確信して取り組んできました。

 本日,皆様に2年前倒しで5万人達成の御報告ができることを,大変うれしく思っています。

 これも,「歩くまち・京都」の理念と人と公共交通優先のまちづくりをしていこうと,四条通歩道拡幅,京都駅八条口の歩くことを中心においた再整備に,取り組んできた結果であります。オール市民の皆様,事業者の皆様,そして積極的に地下鉄・市バスを御利用いただいた方々,とりわけ交通局が努力してくれた賜物です。

 本市では,平成22年3月に,市会の御承認を得て策定した経営健全化計画において,「増客なくして健全化なし」の考え方の下,1日5万人の増客を健全化策の柱の一つに据え,平成22年4月には,副市長をトップとする「京都市地下鉄5万人増客推進本部」を立ち上げました。

 市民の皆様の御理解・御協力のもと,オール京都市で取組を進め,平成28年度のお客様数は,計画策定時の平成21年度から7年間で5万2千人増加し,5万人増客を目標としていた平成30年度から2年前倒しで達成することができました。

 この間の増客の主な要因として,一つは,地域や事業者の皆様との協働による公共交通優先の「歩くまち・京都」の理念が浸透し,民間主催の事業でも,公共交通を御利用してくださいという案内を積極的に呼び掛けていただくなど,市民ぐるみの取組の進展があります。

 花灯路,京の七夕,京都マラソン,二条城や京都市美術館における魅力的な催しなど,地下鉄駅周辺で,観光・集客イベントを積極的に開催してきたこと。また,山ノ内浄水場跡地における京都学園大学京都太秦キャンパスの開設や同志社大学文系学部の今出川への移転,岡崎地域全体の活性化等,「地下鉄を核としたまちづくり」が進んだ結果であると思います。

 お客様の利便性向上と駅の賑わい創出を目的とした駅ナカビジネスもこの間,積極的に展開し,大変な支持をいただいています。

 今ではお馴染みとなった地下鉄・市バス応援キャラクター「太秦萌」の創出をはじめとする「若手職員増客チーム」が作ったキャラクターがアニメになり,現在もキャラクターが増えております。これも全国の地下鉄,あるいは役所の事業ではあまり考え付かない斬新な取組を行っています。

 加えて,観光MICE戦略に基づく取組の大きな効果も相まって,計画を大幅に上回るペースで地下鉄のお客様が増加しました。お客様数の内訳を見ると,平成21年度と比較して地下鉄全体のお客様は5万2千人,16.1%増加しており,そのうち,

通勤定期が17.3%と大幅に増加しています。

 京都の場合,観光客が増えているため,その影響が大きいと思われていますが,京都市内に新たな大きな商業施設ができたというような変化はこの7年間はないにも関わらず,通勤定期や通学定期が増えています。定期券全体でも御利用のお客様は15.9%と大きく増加しており,これが固定したお客様であり,非常にありがたい状況です。

 これは,京都で営業している民間の鉄道事業者と比較しても,京都市の地下鉄の通勤定期の伸びが著しく,マイカーで通勤されていた方が,地下鉄,公共交通に転換していただいていると感じます。同時に有効求人倍率が非常に上がっており,中小企業等で雇用が進み,あらゆる京都経済の今を表す状況だと思います。

 なお,市バスの1日当たりのお客様数の推移は,偶然ですが,市バスも地下鉄と同じ5万2千人の増になっています。この間に,車両を44両増車しました。市バスは,巨額の累積赤字を解消することができ,自立した経営に転換し,徹底してお客様目線に立った積極的な経営を進めております。市バスは764両から808両まで増車し,74系統から83系統に増やすとともに,地下鉄をはじめ,JRや私鉄との乗継利便性の向上を図りました。そしてこのように取り組んだ結果として,大幅な増客が実現したと考えています。

 バスのこの間のお客様全体の増加は16.6%です。そのうち,通勤定期は31%増加しています。バスを使って通勤する方が非常に増えており,ありがたく思います。

 続いて,新たな増客目標です。地下鉄5万人増客達成が視野に入ってきたとき,京都市会から,また市民の皆様からも次の目標をどのようにするか問いかけを多く受けております。地下鉄の経営改善は一定進んだとはいえ,なお全国一厳しい経営状態であり,経営改善に向けてサービスの向上,利便性の向上,増客にさらに取り組んでいかなくてはならないと同時に,京都市全体が「歩くまち・京都」,公共交通優先の取組,また「健康長寿のまち・京都」をさらに推進していくためには,ひとと公共交通優先のまちづくりを,市民の皆様とともにより積極的に行っていく必要があると考えています。

 地下鉄の経営が厳しいから地下鉄にだけ視点をあてた増客目標から,地下鉄・市バスも含めた公共交通全体の利用促進の取組に進化させ,市民ぐるみで実現を目指す新たな増客目標として,「地下鉄・市バスお客様1日80万人」を掲げていき,非常に厳しい目標ではありますが,平成31年度までの3年間でこれを達成することを目指すこととしました。

 この7年間で地下鉄・市バス両方で10万人のお客様が増えました。あと3年間で地下鉄・市バスで6万人増やすというのは非常に高い目標であります。また,最近は増客の伸びのペースが鈍化している傾向もあります。

 しかし,目標というのは,高すぎるといわれるくらいの目標を持って新たに挑戦することが大事であると同時に,市民の皆様の御理解,御支援をいただくことが大事だと考えております。

 しかし「80万人」という数字は,100万人の市民の皆様が1箇月にあと2回,マイカー乗らずに地下鉄又は市バスに乗っていただくことで達成できる目標でもあります。したがって市民の皆様がこの取組に御理解いただき,行動していただくためにしっかり取り組んでいきます。

 そして新たな目標達成に向けての体制については,まず,京都市のまちづくりの重要な担い手でもある民間事業者の皆様に御参画いただく新組織「チーム『電車・バスに乗るっ』」を設立し,民間と行政の共汗で,公共交通を活用したまちづくりを一層推進していきたいと思っています。

 先立っての議会でも答弁しましたように,今年から,周辺部の民間のバスの乗り場環境の改善に5分の4の補助をしようと考えており,また民間バスが地域の皆様と一緒に公共交通の利便性向上を図るための取組にも支援を行っていこうと思っています。

 したがって,数値目標は地下鉄と市バスで80万人ですが,公共交通全体の取組にしていきたいと考えています。

 2年後,梅小路にJRの駅ができます。駅ができると確実に市バスのお客様は減少しますが,民間事業者を含め,公共交通をより便利にしていく,鉄道とバスの結節をよくしていこうという徹底したプラス思考で取り組んでいかなければならないと思っています。

 「チーム『電車・バスに乗るっ』」の具体的な取組は,例えば,商業施設と連携したプレミアムフライデーを切り口とした事業や,東西線20周年を記念した事業などを通じて,地下鉄・市バスをはじめ,あらゆる公共交通の利用促進をしながら,京都の魅力を感じてもらいたいと思っています。

 また,文化庁の京都移転や働き方改革も含めて,生活,暮らしの中に文化を取り入れていき,あらゆる取組と融合していきたいと思っています。

 合わせて,現行の「地下鉄5万人増客推進本部」の体制を継承した全庁組織「地下鉄・市バスお客様1日80万人推進本部」において,各局・各区役所が連携して増客の取組を進めていきます。これまでに400を超える事業を展開してきましたが,さらに充実させていきたいと思っています。

 例えば,今,動物園,植物園,水族館,京都大学,青少年科学センターを含めて連携した取組を京都大学の山極総長に監修していただいていますが,この発想は交通局がなんとかお客様を増やしたいとの考えから進めてきました。

 動物園や水族館には市バスを導入し,また植物園や青少年科学センターにも取り入れていこうと検討しています。これらの取組が,理科離れの子どもを理科好きな子どもにするといった青少年の健全育成にもつながるなど,あらゆる取組に結びつけたいと思っています。

 また,地下鉄・市バスお客様1日80万人キックオフ宣言を,5月28日の日曜日に,地下鉄京都駅コトチカ広場で開催する「地下鉄5万人増客達成イベント」の中で行います。

 ちょうど7年前のキックオフで力強く取り組んでいただいた皆様にも集まっていただきたいと思っています。そして,147万人の京都市民の皆様の暮らしを支え,年間5千万人を超える観光客の皆様の快適な旅をサポートする公共交通機関として,重要な役割を担う地下鉄と市バスですが,さらに民間鉄道,バスと連携した取組をしていきたいと思っています。

 とりわけ,今年は「京都議定書」20周年の年であり,「環境モデル都市」の取組,その第一の柱である「歩くまち・京都」実現に向けた取組を進めていきますので,これからも御指導,御支援をよろしくお願いします。

山科区公式アプリ「やましなプラス+」の運用開始について

 

 次に,「山科区公式アプリ「やましなプラス」の運用開始」について,御報告します。

 「区役所は区民の皆様の役に立つところ」。それは今も昔も変わりません。

 かつての区役所は,市民窓口サービスが非常に重要であり,それが業務のほとんどでした。市内には11の区役所がありますが,11の行政区が同じサービスをするということが重要と言われる時代がありました。

 しかし,現在はどんどん改革が進み,区ごとに区の基本計画をつくり,区民提案の様々な事業に予算をつけるなどの取組が進んでいます。

 区長を先頭に,市民の皆様の一番身近なところにいる職員が区民の皆様のあらゆる可能性や悩みをしっかりと把握し,そして地域力や地域住民の皆様の人間力を生かし,新たなまちづくりをしていく。区役所が大きく変化しています。

 私は,常々,区役所の区長はその区の担当市長である。山科区長であったら山科区の市長と思って仕事をしてほしいと申しています。そして区役所が市役所の本庁を動かし,府も動かし,国をも動かす。これが,地方創生,京都創生,地方分権社会のあるべき姿だと思っています。

 様々な取組が進んできましたが,その先頭に立っているのが山科区です。

この度,従来の広報紙やホームページによる情報発信に加え,政令市初の総合的な情報を発信する地域密着型スマートフォン・アプリ「やましなプラス」を開発し,運用を開始することになりました。

 今回のアプリケーションの開発・運用には,4つの特徴がございます。

 1点目は,「区内のあらゆる情報を効率的・効果的に配信・提供」することです。2点目は,「便利機能で日頃の生活を快適に」することです。3点目は,「ウォーキング促進で健康長寿に」の取組です。4点目は,「山科の魅力である豊かな歴史と文化を区内外にPR」し,そして,区民の方々に歴史や文化を通じたまちづくりに参画していただこう,あるいは観光客に山科に来ていただこうという取組です。

 まずは,「区内のあらゆる情報を効率的・効果的に配信・提供」です。

 行政や自治連合会をはじめとする地域の各種団体,NPO,サークル等が配信する山科区に関する地域情報等を集約し,子育て,文化・観光,健康長寿など利用者の関心に応じた分野に分類し,効果的に配信・提供します。

 例えば,毎月発行している「市民しんぶん区版」等に掲載しているお知らせやイベント等の情報をはじめ,段階的に,山科区内でまちづくり活動等を行っておられる地域活動団体やNPOなど幅広い団体の活動を御紹介するニュースを配信する予定です。

 次に,「便利機能で日頃の生活を快適に」です。リアルタイムな「区役所窓口の待ち人数表示」をはじめ,地下鉄や京阪バスの「ルート検索」,避難所や被害想定を示した「防災マップ」など,区民の皆様の生活に役立つ便利な機能を提供します。

 山科区では,この間,安心,安全の取組が積極的に進められていますが,住民の皆様の地道で献身的な活動の成果として,刑法犯認知件数が昨年までの6年間で約6割減少し,特に昨年は,区制40周年の取組とも合わせて,防犯の取組を強化したことにより,前の年に比べ,約3割減少しました。

 この結果,山科区は人口あたりの刑法犯認知件数が11行政区の中で少ない方から2番目になりました。かつて山科は犯罪が多い所であると認識されていましたが,決してそうではありません。全行政区でも減っていますが,山科が特に減少しています。

 3点目は,「ウォーキング促進で健康長寿に」です。ウォーキングを日常生活に取り入れる動機付けとなるよう,スマートフォンの持つ歩数計機能を活用し,毎日の歩いた歩数に応じて,買い物などに使える「やましなポイント」を付与します。この取組により,区民の皆様の健康長寿の実現を目指します。

 なお,「やましなポイント」は,ポイント交換サービス「Gポイント」を通じて,TポイントやWAONポイント,nanacoポイント,航空マイルなど,120社以上のポイントに,100ポイントで約1円分の各種ポイントに交換できます。

 最後になりますが,山科には非常に高い文化力・歴史力,地域力があります。しかし,そのことが京都市民の皆様にも,また全国の皆様にもあまり認識されていません。

 山科の歴史は平安京より古く,1,400年の歴史があります。区内には,御陵(みささぎ)の地名の由来となった天智天皇陵があり,また,奈良の興福寺は699年に山科で創建され,のちに奈良に移転した山階寺(やましなでら)が起源です。

 蓮如上人によって建立され広大な寺内町を形成した山科本願寺をはじめ,隨心院や勧修寺などの日本史の舞台となった史跡も数多くあります。

 また,日本最大級の陶磁器の産地である清水焼団地や師走の風物詩となった山科義士まつりのほか,仏壇仏具なども作っています。こうした山科の誇る歴史や文化を「やましな特集」として,区内外に発信していきます。

 以上がアプリについての主な機能ですが,その他にも,ICTの双方向性を生かした「アンケート機能」や,「京都府防災・防犯情報メール配信システム」と連携した防災・防犯情報をリアルタイムに配信していきます。

 アプリの運用は,5月29日から山科区で開始し,山科区における運用実績や,各区の特性等を踏まえ,段階的に他の行政区へ展開していきます。まず山科で成功させる。その山科の事例を11行政区の取組に生かしていきたいと思っています。

 今までは本庁で計画し,それを全区で実行していましたが,これからは区役所と区民で考えたことを本庁が取り上げ,全市に広げていきたいと思っています。

 

堀池山科区長

 私は山科区に参りまして,ちょうど2年が経過します。この2年間で感じたことが,区民の皆様が自分たちの手でまちを良くしていこうと大変熱心に取り組んでいるということです。

 この動きをもっと広げていきたいと思っておりまして,そのためには,区民の方が自分たちのまちのことを好きになる,自分たちのまちのことを誇りに思う,愛着が湧くということが重要であると思っています。

 そして,まちのことを好きになるためには,まずは自分たちのまちのことを良く知るということが大切であり,このアプリがそうしたことの一翼を担えるのではないかと思っています。

 それから,健康ウォーキング,ウォーキングポイントです。実は5年前から検討を重ねてきました。ただ,5年前はまだスマートフォンの普及率が3割に満たない状況でした。スマートフォンに代わるデバイスをとも検討しましたが,なかなか現実的ではありませんでした。

 しかし,最近はスマートフォンの普及率が全世代で68.7%まで上がってきております。40代の方だと8割を超える方が持っておられ,50代でも過半数の方がスマートフォンを持っておられます。まさに機は熟したということで,健康ウォーキングを始めていきたいと思っています。

 皆さん歩くことが健康にいいことは分かっておられると思います。でも,義務感で歩きましょうと言ってもなかなか続かないと思います。ウォーキングポイントを貯めることで,楽しく歩いて健康になっていただく。そしていつまでも住み慣れた山科区で幸せに,健康に暮らしていただくということを目指していきたいと思います。

質疑応答

報告案件に関する質疑

(地下鉄5万人増客の達成及び新たな増客目標について)

記者

 地下鉄5万人増客を2年前倒しで達成できたことに対して,市長はどのように思っていますか?

市長

 地下鉄は京都市政の財政健全化の最大の課題でありました。道路を造ることは行政が主体的に取り組むことが出来ますが,お客様を増やすということは行政だけでは出来ません。どのようにして,市民の皆様と事業者の御理解いただけるか,そして行動していただけるかということについて,この間,「歩くまち・京都憲章」をつくるなど,様々な取組を進めてきました。

 これは単なる地下鉄の経営健全化ということではなく,京都のまちづくり,また,京都に息づく市民の皆様の暮らしの美学,こうしたこととも結び付けて取り組みました。

 さらに,私は市役所職員がいかに創造的であるかということを実感しました。「太秦萌」のキャラクターが典型であります。担当の業務とは関係のない職員が集まり,創造的な取り組みをすることによって,結果として2年前倒しで,不可能と言われた地下鉄5万人増客目標を達成することが出来ました。感慨無量であり,感謝の気持ちでいっぱいであります。

 また,京都の市民力を最大限に生かせる市役所の体制,職員力がいかに大事であるか。市民の皆様の願いを聞き,それを実現していく職員の姿勢も含めて,漸進したものであると思います。これは,あらゆる市政改革,京都のまちづくりのモデルとしていきたいと思っています。

 

記者 

 新しい目標は,市バスと地下鉄のお客様数を合わせていますが,それには,どのような意図があるのですか?

市長

 増客目標達成の大きな要素に,歩くまち京都,公共交通優先による脱自動車中心社会,このような取組を,地下鉄経営健全化とは別に進めてきたこともあります。地下鉄の経営が厳しいから,地下鉄を利用してくださいと言っても,お客様が増えることはありません。

 平成12年に28.3% であった自動車分担率を,20%にするという目標を掲げました。国は10年ごとにしか全国調査をしていないため,京都市では独自調査をしており,平成28年は21.8%で6.5ポイントの減少となりました。大都市では,一番減少率が高いのではないかと思います。その分,鉄道,バスのお客様が増えている。このような取組と連動していくべきであると思います。地下鉄のお客様を増やすだけではなく,民間の交通機関も含めて増やしていくような取組を今後も進めていきます。

 

記者

 地下鉄でいうと,京都市美術館の閉館や,市役所前広場の工事のマイナス要素があるなかで,今後のプラスの要素としては,どのようなものがありますか。

市長 

 京都市美術館の閉館と市役所前広場の工事,また,地下鉄沿線での大規模な都市開発も完成してきております。その中で,新たな知恵を絞って,さらに二条城や岡崎地域,梅小路公園等の地下鉄沿線でのイベントをやっていく必要があると思います。

 一方で,「歩くまち・京都」の理念の浸透や,公共交通機関優先の取組による,この間の通勤定期券の利用増加は,我々に大きな可能性を与えてくれていると思います。これは,民間の交通機関と比べると,突出して増加しており,これは希望であると思っています。高い目標を掲げ,緊張感を持って取り組んでいきたいと思います。

 

記者

 定期の増加については,今後も続いていくと思いますか?

市長

 通学定期の増減であれば分かりやすいですが,通勤定期が増えている要因の把握は困難であります。雇用情勢や自動車通勤から変わられた等,様々な要因があります。例えば,烏丸四条に京都経済センターを建設するため,市民の皆様の反対の声もありましたが,年間約3億円の収入のあった四条烏丸駐車場を閉鎖しました。それにより,他の駐車場を利用される方もいると思いますが,中にはこれを機会に公共交通機関を利用した方もいると思います。

 そうすれば,夜は同僚と一杯飲みに行くことができ,お酒の消費の増加,コミュニケーションにも繋がると思います。総合的に考えれば,自動車よりも公共交通機関を利用した方が,健康や環境,地域産業と地域コミュニティの活性化等,あらゆる面でプラスの効果があります。

 多くの方から,京都市は観光客が多いことにより潤っているのですね,ということを言われます。それを否定はしませんが,決してそれだけではありません。地下鉄の利用者数だけで言えば,平日より連休の方が減っています。

 

記者

 サービスの向上・利便性の向上のための,具体的な取り組みを教えください。

記者

 一点目は,新たな方針に地下鉄だけでなく市バスを含め,さらに,民間の鉄道,バス事業者にも参画していただき,京都全体の公共交通機関の利用促進に進化させます。それにより,鉄道とバスの結節を改善していく取組が可能になっていきます。また,民間バスの利便性向上に京都市が支援してきたいと思っています。それには,民間事業者にその気になっていただく必要があります。そうなるための環境の醸成に取り組んでいきます。

 二点目は,市バスにおいて,「前乗り後降り」の社会実験をしていこうと思っています。京都市では,元々中心部を市バスが,周辺地域を民間バスが走っていましたが,降りる際に距離に応じた金額を支払う必要がありました。この間,京都バスの英断により,均一運賃区間を拡大し,全市の八割になりました。この八割の区域では運賃は均一であるため,前から乗って,後ろから降りることで,降りる際に乗客がかたまらず,乗り降りはスムーズになる。また,キャリーバックを持っている方がバス内前方にいる際に降りにくくなることも防げます。この社会実験については,出来るかぎり早く実現と思っています。バス停や道路の構造を変えていかなければならず,課題はありますが,利便性の向上に向けて,一歩踏み込んだ取組にも挑戦していきたいと思っております。なお,どのような方法があるかという点については,新たに作る組織において,積極的な議論をしていきたいと思っています。

 

記者

 オリジナルキャラクターの「太秦萌」が,具体的には,地下鉄の増客にどのような影響を与えたのですか?また,これほど人気のある地下鉄オリジナルキャラクターは,全国的にも例は少ないように思います。「くまもん」のような活用方法や,地下鉄だけではなく京都市全体のPRキャラクターとして活用する等,今後の活かし方についてはどのようなお考えですか? 

市長

 先週,京都駅に行った際に,伊勢丹が「太秦萌」のイベントをやっていました。伊勢丹の社内公募により,新キャラクターとして「伊勢京香」が出来ました。このような広がりは非常におもしろいと思います。「くまもん」のように権利を問わず,自由に使用できるものとする,又は,公共交通優先というような条件をつけた上で使用可能とする等,今後も検討していきたいと思います。

 数字として,どれだけ成果があったかという点については,お答えしづらいです。「太秦萌」のクラウドファンディングで100万円の目標のところに,1,000万円が集まり,そしてアニメ化されます。地下鉄の経営危機を改善するためには,市民ぐるみで取り組まなければ実現出来ないという危機感から,色んな挑戦をしました。市民の皆さまが参画していただき,各区ではこのような名前を付けてほしい等の要望があれば検討してもいいと思います。このように,地下鉄に乗ること,公共交通機関を大事にすること,また,若者のマイカー離れ等に対して,大きな役割を果たしており,さらに,それが「コトチカ」の繁栄にも繋がっていると思います。

 

記者

 観光客が増えることによって市内の混雑が課題になっていると思いますが,市バス・地下鉄と組み合わせて何か対策をお考えであれば,お聞かせいただきたい。

市長

 観光客のマイカーでの訪問が迷惑の典型です。20年ほど前は観光客の41.7%がマイカーでしたが,4年前に15.1%になり,一昨年6.3%まで減りました。かつては特定の日,特定の時間に交通渋滞することがありましたが,最近では,連休でも東大路通や四条通でも順調に車が流れているような状況になってきました。ここで気を緩めてはいけないので,マイカーで来ないでくださいとの周知を徹底していかないといけません。

 また,観光客の混雑は,市バスの混雑がものすごく多いです。これは議会でも説明していますが,500円の一日乗車券がすごく人気があるからです。かつて700円だったのを500円に値下げしました。これは四条通や河原町通等の黒字路線に民間バスが乗り入れることを規制しないという国の規制緩和の方針がかつてあり,3分の1の黒字路線で,3分の2の赤字路線を支えている市バスにすると大打撃を受けることになるので,国に訴えると同時に,思い切って象徴的な取組として一日乗車券を500円に値下げしました。

 その結果,その当時100万枚であった一日乗車券の販売枚数は,今では614万枚となりました。500円の乗車券で京都駅から金閣寺へ往復する場合がありますが,地下鉄で北大路まで行って,市バスで金閣寺に行く方が余程早いのです。特に外国人の方は市バスが一番便利だと思われていて,結果的にお客様が市バスに集中し,市バスの混雑につながっています。

 それを今委員会を立ち上げて,地下鉄も市バスも乗れる1,200円の一日乗車券の値段のあり方や,通勤時間帯の地下鉄の乗車等について検討を進めていきます。また,観光客の特定の場所への集中が加速しているような状況がありますので,場所と時間の集中の分散を進め,朝観光・夜観光の推進等に取り組むことが,より京都の魅力を知っていただくことができ,混雑の解消につながるものと考えます。

 

記者

 今回,新たな増客目標を80万人にするということですが,その意義を教えていただけますか?

市長

 市民や事業者の皆さんの御支援と,交通局をはじめ京都市全体での歩くまち京都,公共交通優先,市バス・地下鉄の利便性向上等の取組により,この7年間で,10万人を超える増客を達成しました。これを市バス・地下鉄の両方を合わせて,あと3年間で6万人増加という,これまでの取組に比べて非常に高い目標ですけれども,あえてこれを設定して,5万人増客を実現したからといって緩まないようにし,市民の皆さんの御理解と御協力のもと,より加速させることにより,結果として,地下鉄の経営健全化にもつなげていきたいと思います。

 また,今年度から市バスの利益の一部を地下鉄支援にも回しておりますので,市バスと地下鉄の経営を一体的に考え,より結束を大事にしていきたいと考えています。さらに,観光地へ行くのがバスに偏っているのを鉄道に誘導していく必要があります。

 例えば伏見稲荷への移動手段はすごくバスが多いですが,これを鉄道に誘導するためには,民間の鉄道・バスと京都市は運命共同体という考えのもと,市バス・地下鉄だけではなく,オール公共交通で取り組んでいきたいと考えています。

 

(一日乗車券の価格の適正化について)

記者

 一日乗車券の価格の適正化について,市バスの乗車券は600円からスタートして,700円に上がり,500円に下がっている現状がありますが,市バス・地下鉄の乗車券との価格差を狭めていくということは以前の700円ぐらいまで戻すということも想定されているということですか?

市長

 これは委員会で議論していただきたいと思います。市バス・地下鉄の料金設定は消費税等の影響で上がっているものはあっても,下がっているものはありません。そうした中で500円の一日乗車券だけが700円から下げたままで,平均的に4回乗る想定で単価は約125円となりますが,そうすると通勤定期の単価より安くなってしまい,乗車券を主に使用する観光客の方が市民よりも安く市バスを利用することになります。

 パリの公共交通では,市民よりも観光客の料金の方が高く設定されています。確かに市バスは便利で,マイカー抑制に貢献したのは事実ですが,あらゆる角度から検討していければと思っています。

 

(山科区公式アプリ「やましなプラス+」の運用開始について)

記者

 「やましなプラス+」は,今後,他の区にも広めていくお考えですか?

市長

 まず山科区で成功事例を作ります。そして,区民の皆様と事業者の意見を聞き,改善,充実させます。その経過を踏まえて,全11行政区一斉にではなく,各区が区民の皆様と相談しながら進めていきます。

 形が先行するのではなく,過程も大事にしていきたいと思っています。しかし,出来るだけ早くやっていきたいと思っていますので,そのような機運になるよう,山科区では区長を先頭に結果を出していきたいと思います。

 

記者

 高齢者等,スマートフォンを使用されていない方へのケアについては,どのようにお考えですか?

市長

 そのようなケアは大事です。既に取り組んでいる市民しんぶん,区民しんぶん,京都市ホームページ,町内会や自治会等でのお知らせの回覧を,さらに充実させていきます。

報告案件以外に関する質疑

(待機児童4年連続ゼロについて)

記者 

 待機児童の4年連続ゼロを達成された一方,潜在的な待機児童が400人ほどいる中で,その解消に向けた取組についてどのようにお考えですか?

市長

 厚生労働省が,保育所に入れないため育児休業を延長する場合も待機児童に含むといった新しい基準を示しました。京都市では,これまでからこういった事案に対して丁寧な取り扱いを進めてきましたので,国の新しい基準においてもゼロを達成することができ,これは多くの保育所・幼稚園関係者や地域の関係者のご理解,ご協力があってのことと思います。この1年,こども若者はぐくみ局を創設する等,議論に議論を重ね,保育所の増設や幼稚園の機能の充実を実現できたのは関係者の皆様のおかげであり,改めて感謝申し上げます。

 近くの保育所をお示ししても,どうしても特定のところでないと駄目なんだという方については,今も待機児童に含めないというのが国の考えであり,一定の妥当性のある基準かとは思います。

 しかし,改善された国の基準に満足することなく,すべての方が保育所に入りやすいと実感していただける京都市を目指して,より一層の保育所の定員増やニーズにあった幼稚園の機能の充実に,関係者のご協力のもと,全力を尽くしていきたいと思います。

 また,過去最高の1,100人を超える保育所等の定員増に向けて予算措置を行い,全力で取り組んでいるところです。

 

(寄贈モニュメント解体について)

記者

 美術館のモニュメントについて,分割切断止むなしということで判断された時点での市長の思いと,再検討するということであれば,いつまでに方向性を示されるのですか?

市長

 平竹文化芸術政策監が適切な判断をしてくれたと思っています。当初は,止むを得ないということで,芸術性をうまく活かしながらの分割を考えていましたが,作者が出来るだけ残したいと思う気持ちもよくわかりますし,私もよく知っている芸術家でもありますので,時期がいつまでということではなく,あらゆる英知を結集すればよいのではないかと思います。

 

記者会見資料

地下鉄5万人増客の達成及び新たな増客目標について

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山科区公式アプリ「やましなプラス+」の運用開始について

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