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門川市長記者会見(2017年4月24日)

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2017年5月10日

市長記者会見(2017年4月24日)

「京都市動物園生き物・学び・研究センターの研究体制の充実」について

 

 「京都市動物園生き物・学び・研究センター」の研究体制の充実について御報告いたします。

 明治維新のあと,京都は人口の3分の1が減少するなど,都市衰退の危機に遭いました。しかし,京都の先人たちは,日本で最初の小学校を作り,また,琵琶湖疏水を開削し,水力発電を作るなど,さまざまなイノベーションを実現してきました。そして,明治36年4月には,市民6千人から建設総額の約4割にもなる寄付が寄せられ,日本で2番目の動物園,「京都市動物園」を開園しました。

 上野動物園は天皇陛下の恩賜の動物園でありますが,京都市動物園は,大正天皇の御成婚を記念し,市民の皆様から寄付をいただくことで上野動物園に次いで開園したという歴史と伝統を誇っております。そんな多くの方々の思いの詰まった動物園の魅力にさらなる磨きを掛け「京都市動物園があって良かった」と言っていただけるような動物園を目指し,段階的に再整備を進めてまいりました。

 都市型動物園として,第一期は,色や形を見て驚き,楽しんでいただく場,第二期は,動物の生態を学び,動物と触れ合える場として進化し続けてきました。そして,今,動物園は第三期を迎えており,チンパンジーがどのように子育てをするのかといった,“動物の学び”を学ぶ場として,取組を進めております。

 それらをさらに強固なものとするために,文部科学省が指定する,科学研究費等補助金が受けられる「学術研究機関」を目指し,新たに京都大学から研究者をお迎えし,研究体制を充実する運びとなりました。「学術研究機関」に選定されれば,公立動物園では初となります。

 平成20年4月には京都大学との間で,「野生動物の保全に関する教育・研究の連携協定」を結びました。そして,平成25年4月に,田中博士をセンター長としてお迎えし,動物園内に研究機関「生き物・学び・研究センター」を設置しました。そして,今回は次の3点の取組を進め,さらに充実,強化しようと考えております。

 1点目は,希少動物の研究を推進し,その成果を,飼育動物の長寿命化や繁殖の成功率向上等,種の保存の取組を進めます。動物福祉の向上に活かし,その成果を,他の動物園,世界の動物園に広げていきたいと思っております。

 2点目は,教育普及活動を担当する専任の研究員を配置することで,先進的な研究成果をわかりやすく市民の皆様に,子供たちに提供する,「楽しく学べる動物園」として一層,教育サービスを充実してまいります。

 3点目は,京都市動物園になら安心して預けられるという国際的な信頼を高め,海外の動物園や研究機関と連携しながら,存続が危ぶまれている希少動物の導入に積極的に取り組み,「様々な希少動物が御覧いただける」,「市民に愛され親しまれる」,そのような動物園に維持・発展させていきたいと思っています。

 具体的な研究体制,教育普及体制の充実ですが,研究を企画・実施・統括する「主席研究員」を京都大学からお迎えするとともに,研究や教育普及を行う非常勤嘱託員を配置します。現在京都大学の特任教授である田中正之センター長,京都市の獣医師とし着任している伊藤英之研究教育係長,また,主席研究員と非常勤嘱託員の5人体制で取り組んでまいります。体制充実の時期としては,今,京都大学と最終の調整を行っておりますが,平成29年6月1日を予定しております。

 京都大学との教育や研究の連携は,京都市動物園の大きな財産,強みであり,京都大学から優秀な研究者をお迎えすることによって,その強みを最大限に生かし,全国の,いや世界の動物園をリードしてまいりたいと思っています。

 動物園は,人の心を癒し,塞いだ心の闇に希望の灯を灯してくれる,楽しく,また学べる場であります。さらに,共々に命の大切さをしっかりと学び実践していける場としていきたいと思っています。

 なお,ラオスと日本の国交60周年を記念して4頭の子象を贈っていただきました。日本には多くの動物園がある中,100年を超えて象を飼育してきたという実績,また,京都大学の「野生動物研究センター」,「学術研究機関」での実績などにより,ラオスにおける象の繁殖について一緒に研究できる動物園であると評価されたと考えております。そうした強みを活かした取組をしっかりと進めてまいります。

 

「京都市上質宿泊施設誘致制度」案について

 

 次に,「京都市上質宿泊施設誘致制度」についてでございます。案となっていますが,手続きをして5月1日の施行で進めています。地域の魅力や地域特性を最大限に活用して,そこでしか味わえない奥深い京都の魅力が体験できるとともに,地域活性化,京都経済の発展に貢献する宿泊施設を積極的に誘致していくため,「京都市上質宿泊施設誘致制度」案を取りまとめましたので,御報告いたします。

 国全体の人口の減少など様々な課題がある中で,京都の,日本の経済の活力と市民生活の豊かさを牽引し,千年先も京都が京都であり続けるためには,観光による交流人口の増大は必要不可欠なものとなっております。

 同時に,日本の歴史,伝統,文化,心を真に受け継ぐ京都が,観光の面,文化の面でもしっかりとした取組を行い,国の方針である「観光立国・日本」を牽引していくという役割も京都にはあると思います。

 このため,京都市では,観光政策は,産業,文化,環境,交通,教育,福祉,医療,都市整備など,あらゆる分野を横断する総合政策と位置付けており,「京都観光振興計画2020」において,191の事業を掲げております。そのうち,既に189の事業に着手しております。

 しかし,今,大きな問題は,外国人宿泊客の急増に伴い「泊まりたくても泊まれない」状況が深刻化し,特に日本人宿泊客やビジネス客,あるいは国際会議の誘致にも影響を与えているという点です。

 また,違法民泊の利用が増え,社会的に大きな問題となっています。そこで,「民泊通報・相談窓口」を開設し,通報のあった民泊への指導等を徹底して強化する,さらに,集合住宅内での民泊やオーナー不在の民泊は決して認めないとの考え方を示し,各地方の実情に応じた条例をもってそれを規制できるように,何度も国に提案,要望を行い,国会で法案にも審議されるようにもなっています。これからも国の法案審議等を注視し,必要な要望を続けていきたいと思っています。

 一方で,今でも多くの違法民泊が存在しており,徹底した市民の皆様の通報に基づき指導を強化しているところであります。日本は法治国家であるため,違法なことを取り締まることは当然であると考えております。

 例えば,駐輪場についてですが,かつて京都市内で定点観察による調査を実施したところ,1万台を超える違法駐輪がございました。モラルの啓発やさらには土日,夜間に違法駐輪の撤去作業を行うなどの取組を進めた結果337台にまで減少しました。

 同様に違法な民泊が広がるということは,「泊まりたくても泊まれない」絶対的な宿泊施設の不足,経営者のマナーやモラルに問題があると考えています。

 こうした課題に対応するため,昨年10月,「観光立国・日本を牽引する質の高い宿泊観光」を目指して,京都市の宿泊施設の拡充誘致に関する総合的な考え方や施策をとりまとめた「京都市宿泊施設拡充・誘致方針」を策定しました。

 本方針では,観光の質,観光客の満足度を向上させるために,基本的な考え方として,地域や市民生活との調和や市民と観光客の安心・安全の確保など,多様で質の高い宿泊施設の積極的な拡充・誘致を進めることとしております。

 「上質宿泊施設誘致制度」は,本方針における「上質な宿泊施設の誘致」を具体化した制度案となります。市民,事業者,地域の皆様が誘致する,あるいは事業を検討することに支障が発生しないよう,中身を明確にしました。

 制度の運用期間は,平成33年度末までの5年間を想定しております。5年という期間で区切り,その時の状況を踏まえ,廃止若しくは,形を変えるなどの検討をしてまいりたいと考えております。

 本制度の目的は,宿泊施設の立地が制限されている区域においても,地域や市民生活との調和を前提としたうえで,地域の歴史や文化,自然環境・景観との調和が図られ,安定した雇用や伝統産業・伝統文化の振興に資するなど,地域の魅力を活かし,地域の活性化に寄与する「上質な宿泊施設」を積極的に誘致することでございます。

 この京都経済,地域の活性化に寄与する「上質な宿泊施設」とは,富裕層のみを対象とした豪華な宿泊施設ではなく,例えば,山間地域において,地域の農林業と連携するなど,質の高い,そこでしか味わうことのできない体験ができ,魅力を感じられる施設や,また,工業地域等では,ものづくり都市・京都,国際会議都市・京都が活性化することができる施設などを想定しております。

 本制度の流れでございますが,宿泊施設の誘致や開業に向けた地域住民や事業者の皆様からの相談,提案を本年4月10日に開設した「旅館・ホテル等拡充・誘致総合窓口」において受け付け,「上質宿泊施設計画」の実現に向けた支援を行ってまいります。

 上質宿泊施設候補に選定された計画については,宿泊施設の立地が制限されている住居専用地域,工業地域,市街化調整区域において,都市計画法や建築基準法等の関係法令に基づき,それぞれ審議会等がございます。それらの手続きに基づいて,特例的に開業を認める措置の活用を個別に検討してまいります。

 本制度を活用いただくことで,より早い段階から地域住民とのマッチングや合意形成等を図ることができ,本市が求める上質な宿泊施設の開業に向けて,各種の必要な手続を,できるだけ窓口を一つにして,これまでよりもスムーズに進めることができるものと考えております。

 今回,本制度の運用に当たり,地域住民の皆様,事業者の皆様からの上質宿泊施設計画の提案に対し,本市として期待する事項を「上質宿泊施設候補要件」として,取りまとめました。

 共通要件として,5点ございます。

 1点目は,山間地域など,それぞれの周辺地域の魅力を最大限に活用した計画であること。2点目は,長期の事業計画であり,安定した雇用の創出,農林業や伝統産業をはじめとする地域経済の活性化に寄与するものであること。3点目は,地域住民との意見交換・合意形成がなされた,地域と調和した計画であること。4点目は,伝統産業製品,市場流通・市内産食材,市内産木材等の市内産品・サービスを活用した計画であること。これだけ観光客にたくさんお越しいただいていますが,京都市が認定している74の伝統産業についてはいずれも厳しい状況にあるため,それらがあらゆるところで活かされるようにと考えております。5点目は,その他,防災や障害者雇用等の福祉,環境対策など,市の方針や政策に寄与する計画であることであります。この5点が共通項目であります。

 その上で,上質宿泊施設として3つのタイプを設け,タイプごとに要件を設定しております。

 1つ目は,ラグジュアリータイプでございます。これは,上質な宿泊体験やサービスを提供し,京都の奥深い魅力や文化を堪能できる宿泊施設を想定しており,スイートルームの設置はもとより,最低客室面積を40㎡程度と広く設定するとともに,滞在型宿泊施設として必要な付帯設備を完備していただきます。現在,市内の宿泊施設は順調に増加しておりますが,簡易宿所がほとんどです。これまで京都にあまりなかったカプセルホテルやビジネスホテルが急増しており,ゆったりとしたラグジュアリーホテルについてはまだ足りていないと考えております。

 2つ目は,MICEタイプでございます。国際会議等,MICE機能をはじめ,地域産業活性化に寄与する機能を持った宿泊施設として,京都市南部の工業地域などで,既存の交通インフラを活かした集客力の高い宿泊施設を想定しております。MICEタイプでは,ものづくり産業の関係者の利便性を高めるために,会議場や研修室を設置していただきたいと考えており,主たる客室の最低面積は25㎡程度,また,滞在のために必要な付帯設備を完備していただきたいと考えております。

 3つ目は,地域資源活用タイプでございます。特に,その場所や建物の特性などの地域資源を活用したサービスを提供する施設でございます。具体的には,山あいの古民家を改築した宿泊可能なレストラン,いわゆるオーベルジュや歴史的価値の高い建築物の利活用を想定しております。オーベルジュタイプは,宿泊可能人数よりレストランの座席が多く,宿泊特化型ではありません。新築の場合は,主たる客室の最低面積は30㎡程度とし,客室数は3室以上を想定しております。また,歴史的建築物タイプにつきましては,歴史的価値のある古民家や近代洋風・和風建築などの既存建築物を活用した宿泊施設を想定しております。

 選定につきましては,事業者から提出された「上質宿泊施設計画申請書」及びプレゼンテーションの内容を踏まえ,アドバイザーとして選任する外部有識者等に経営状況などについて専門的な意見をいただきながら,宿泊施設候補として選定し,そしてあらゆる提案を総合的に判断して決定していきます。

 なお,開業後も当該宿泊施設がその地域の活性化に寄与する上質な宿泊施設として運営し続けられることが大事でありますので,市と事業者,地域住民の三者で協定書を締結するなど,計画の実施及び計画が将来にわたってしっかりと引き継がれるよう,

管理がなされることを担保するとともに,継続的な支援を行ってまいります。

 世界があこがれる観光都市として,京都がビジットジャパンの役割を果たしていくためには,市民の皆様にとっても「住んでいてよかった」と実感でき,同時に京都で働いている方,そして観光客にとっても,非常に快適な状況を確保するといったことで,伝統文化,伝統産業,中小企業の活性化,農林業の活性化を図ってまいりたいと考えております。

 京都市は約75%を山林地域が占めており,そこには千年を超えて集落が継承されていますが,人口減少をはじめとした課題を抱える地域もございます。このような地域にも光が当たるように取組を進めてまいりたいと考えております。

質疑応答

報告案件に関する質疑

(動物園のポストについて)

記者 

 動物園の新設ポストについて,これまでの研究に関する市長のご所感と,新設の主席研究員に期待することをお聞かせください。

市長

 ラオスから4頭の子象が送られてくるというのは奇跡のようなことです。同時に我々もラオスを応援していかなければならないと思います。また,田中センター長が「長年,野生動物が住んでいるアフリカ等で研究をしてきた。それでもわからないことがたくさんあった。しかし毎日動物園に来て,飼育員と同じように走り回っていると,自分がわからなかったことを飼育員が知っている。京都市動物園の職員は動物と家族のような生活をしており,研究者との違いを感じた」と言われていました。こういったことが大事かなと思います。

 今,環境の変化,破壊とともに野生動物が危機的な状況にある。このような時に,世界に冠たる京都大学の野生動物研究センターと歴史と伝統を誇る京都市動物園が共同研究で実績を積み重ねており,ゴリラが動物園で三世代育っているのは京都市動物園だけです。そういう成果を活かしながら,種の保存,命の大切さ,動物の学びを伝え,子どもたちが実践していける動物園にしていきたいと思います。

 

(上質宿泊施設誘致制度について)

記者

 上質宿泊施設誘致制度で,運用は5年間ということですが,この制度でどれくらいの施設の立地を見込んでおられるのですか?

市長

 昨年10月の発表で,2020年までに少なく見積もって10,000室不足している中で,4,000室は見通しがついていますが,あと6,000室が足りないと申し上げました。この10,000室というのは非常に少なく見積もっております。一昨年の京都市の外国人宿泊者が316万人であります。国は2,000万人の外国人宿泊者を2020年までに4,000万人に倍増するという方針を出していますので,京都市では630万人ということになりますが,これを440万人と試算し,市内だけでなく,亀岡や大津,奈良等とも広域的に連携して以降と考えています。

 今,国内外から宿泊施設の用地の取得について相談が殺到しております。先だっての立誠小学校の跡地活用についても13社が競争されるような状態でありました。しかしいずれも,200室程の規模で,東京のように1つ立地すれば1,000室できるといったものではありませんので,この制度により,6,000室のうち一定のものを確保していきたいとしか,現時点ではお答えできません。この制度は,部屋数だけでなく,いいものを確保しようという考え方です。

 

記者 

 上質宿泊施設誘致制度で,各地域でどのような施設を誘致したいとか具体的なイメージがあればお願いします。また,地域との合意形成が大事であると書いてありますが,地域のどういう立場の人と合意することになるのですか?

市長

 行政がこの地域の規制を変更して誘致しましょうということではなくて,広い京都市の中でやることですので,具体的イメージを申し上げるのは控えさせていただきます。しかし,これだけ京都観光が活性化しているにも関わらず,例えば大原の観光客はピーク時の3分の1に満たない状況で,人口も減少しかけている。この一因として,市街化調整区域のため,農家の後継者しか家を建てられないということがあります。そこで,地域の農林業や様々な歴史と伝統を持った三千院や寂光院といった施設としっかりと連携すれば,地域にとっても,京都観光全体にとっても,伝統産業にとってもすばらしいものになるということが,大原だけでなく市内のあちこちであると思います。西京区の大原野も同様です。

 それから,例えば住居専用地域で,誰も住まなくなった立派なお屋敷がある場合,解体してマンションにはできるが,宿泊施設にはできません。こうした場合,住居専用地域ですので,観光客がどんどん来るのではなく,そのお屋敷をしっかりと活かして,1日何組かの宿泊施設に活用すれば,景観にとってもよいし,歴史的遺産を残すことにもなります。

 さらに,南区等の工業地域において,京都のものづくり企業や先端産業の工場見学をして,シンポジウムを実施するなどの例も増えてきました。こうした場合に,ミーティングもできるような宿泊施設であれば,工業地域であるけれども認めてよい。どんどんビジネスホテルを作っていこうという考えではなく,地域特性と調和したポリシーのあるものを作っていこうというものです。

 また,合意形成については,京都の場合は,近隣の自治会や町内会がしっかりと機能していますので,こうしたところと調整していくことになります。車が通るということで,近隣から声が上がれば,周辺部も含めて意見調整をしていくことになると思います。

 

記者 

 上質宿泊施設誘致制度で,これまでも宿泊施設の立地が制限されている地域で特例措置を適用するという制度自体はあったと思いますが,過去どれくらい事例があったか教えていただけますか?

市長

 それ程事例はありませんが,東山区のフォーシーズンズホテルは,道路から30m以上離れたエリアでのホテル立地はできませんでしたが,近隣にきちっと説明会を行うなど合意形成を図り,景観への配慮等を踏まえたうえで,特例許可を出した事例です。その他,北区に建設中の(仮称)紙屋川庭園ホテルは,マンションはできるが宿泊施設はできないエリアにおいて,市民が残したい庭園にも選ばれた室町の呉服商の庭園を活かす形で,コテージ風の20室程度のホテルを作るということで特例許可された事例です。

 したがって,フォーシーズンズで180室,(仮称)紙屋川庭園ホテルでも20室程度で,さらに様々な条件を設定しますので,この制度で部屋数が劇的に増えるわけではありません。部屋数を増やすことよりも,地域や伝統産業,農林業を活性化し,貴重な文化的資源を継承することを大事な要素にしています。

 

記者 

 部屋数は急激に増えないということですが,6,000室の不足がある中で,細かなものを出来るだけ多く作っていって10,000室まで持っていこうという長期的な見通しを持たれているのか。それ以外の別の対策を考えているのかお教えください。

市長

 2020年までに6,000室を確保しなければ国内観光客が減っていくという心配があります。一昨年316万人の外国人観光客が宿泊しましたが,本当はそれに加え,違法な民泊で100万人以上がいると推定されます。外国人観光客は半年,1年前に予約されますが,国内観光客は「桜が咲いたから宿泊しようか」というペースでいるので,どうしても泊まれなくなる問題が生じています。しっかりと制度を運用していく中で,部屋数だけでなく,地域の景観や地域との調和を大事にし,学校の跡地や使われていない空き家等も活用しながら取り組んでいきたいと考えています。

 

(民泊対策について)

記者

 違法民泊の対策について,指導,条例制定などの目途は立っているのか。 

市長

 現在,国からの情報収集をしています。監視体制等,早期にやっていかなければならない問題ですが,全国的な課題ということもあり施行例が少なく,不明な点も多々ありますので,法案がしっかりと確立するまで国会の審議を見極めながら,京都市としてどういう条例を作るか,条例でどこまで規制できるのかについて検討をしていきます。また,これからの国会審議を含めて,我々は踏み込んだ議論を要望していきたいと思います。

記者

 違法民泊が広がっている状況を見ると,早期に対策が必要と思われる。年度内に具体的な対策をするつもりはあるのか。

市長

 法律の施行がいつになるか分からないため,明言はできません。今は,新たな体制作りやその強化と,違法な民泊の実態把握,警察への告発に全力をあげています。また,現行法では,旅館業の許可なしに宿泊施設の営業は出来ませんので,簡易宿泊所の営業許可を取得するように指導していきます。

報告案件以外に関する質疑

(終活リーフレットについて)

記者

 終活に係る事前指示書について,弁護士や医師からは問題があるということで撤回を求める声もあがっているが,事前指示書の撤回等のお考えはありますか?

市長

 全くありません。終活の問題については,市民の皆様の関心が高まっております。現在,市民や民間の協力のもと空き家対策に取り組んでいます。しかし,亡くなった時の意思表示が明確でない,あるいは意思表示が出来ないことにより,空き家が放置され,空き家対策は大変困難になっております。

 数年前にはほとんど知られていなかった終活という言葉が,今,多くの国民の方が関心を持たれている。例えば,街の本屋ではエンディングノートが売られています。

 市民が意思表示を明確にしておくことが,豊かな人生,自分の意思に基づく人生のためにも,さらに愛する家族やお世話になった人のためにも大事であると思っております。終活リーフレットでは,それらのことについて丁寧な文章で説明してあります。今のところ,市民の皆様からは読んでよく分かるという肯定的な意見を多数いただいておりますし,これが延命治療を否定するものであるという意見はあまりいただいておりません。京都市は終活について,しっかりと取り組んでいこうと思います。

記者

 厚労省の先生からも問題視する声がありますし,患者に指示されることに抵抗を示す医師もいます。患者と医師が常にやり取りをするという方法ではなく,なぜ事前指示書が必要であるのか?

市長

 終活リーフレットを読めば,そのような疑問は出てこないと思います。終活リーフレットには,事前指示書を強制するものではなく,本人の意思に基づくものであると明記しております。また,いつでも撤回することができるものであり,家族や医師,弁護士と十分に相談してくださいとも説明書きしております。

 個人の資産や受けたい医療,あるいは連絡してほしい相手,そういうことを元気なうちにまとめておきたいというのが今の世の中の一つの流れではないでしょうか。様々な場面において,終活について議論していただけたらと思います。

記者

 事前指示書を受けとった医師によっては,判断に困ることもあると思います。医師会や医療機関との連携について,具体的にどこまで連携が取れているのか。

市長

 医療機関や弁護士,家族の方と十分に相談してくださいということを明記しています。今回の終活リーフレットは,あくまでも本人の意思で事前指示書を書こうとされるか,作ろうとされるかどうかを一度考えてみてくださいという主旨でありますので,しっかり取り組んでいきたいと思っております。

 なお,医師会,弁護士会を含めたシンポジウムの開催を計画していますので,市民の皆様に対する啓発と併せて取り組んできたいと思います。

記者

 事前指示書をこれから市民に広めていくなかで,相談できる体制作りについて,現時点でどのようにお考えでしょうか。

市長

 去年,健康長寿のまちを作ろうということで,90の団体に取り組んでいただいた。その中で議論して取り組んでいきます。また,医療機関の相談体制も含めて,今回シンポジウムを開催しようと思います。

記者

 シンポジウム以外に,なにか受け皿を作ることはないのか。

市長

 それはこれから議論し取り組んでいきますが,現に,今でも相談に乗っている医療機関もあります。終活については,京都市が突然取り組み始めたものではなく,終活リーフレットにも,国立長寿医療健康センターを参考にしていることを明記しております。

記者

 センターでは,ソーシャルワーカーが相談に乗り,事前指示書を書いた後の再調査も徹底してやっているが,それを行政がするのは難しいのではないか。その体制がなければ受け取った医師も,対応に困るのではないか。

市長

 こういうことも含めて議論していただき,できることからやっていきたいと考えています。終活リーフレットには,決して事前指示書を強制するようなことは一言も書いていませんので,そこまで心配なさる必要はないと思います。それより,終活について考えていくことが大事であると思います。

 

(ふるさと納税の寄付について)

記者

 先日,総務省から,ふるさと納税の返礼品を寄付額の3割までとする通知が出されたが,京都市長はそれについてどうお考えか。

市長

 国に対して,ふるさと納税の創設の基本にかえってほしいと要望したい。本来はふるさとに対して,自分が何かしらの負担も伴って寄付するものであると思います。

 寄付をしても,自分の負担は2,000円であり,さらに返礼品を貰うことが出来る。これは日本の寄付文化を曲げるものだと思っています。

 したがって返礼品競争にならないようにするには,3割でもまだ多いと思います。返礼品を一切なしにするとまでは言いませんが,その地域のために自分が奉仕をするという本来の姿,ふるさと納税の基本に立ち返るべきだと思います。お金持ちの人が返礼品の多寡によって寄付先を選定し,2,000円の負担で返礼品を貰い,より豊かになるという制度はおかしいと思います。

 京都市もふるさと納税で二条城での一日城主体験等に取り組んでおります。このようなお金に換えられないものや,全国各地でやっておられるふるさとの町おこしに繋がるものを否定するつもりはありません。

 

(二条城について)

記者

 二条城について,山本地方創生担当大臣が英語の案内標記はなかったという発言については撤回されたが,海外の人が分かるような標記,説明がなく不十分だという発言は撤回されませんでした。二条城を管理する京都市としてどうお考えか?

市長

 私は山本大臣が二条城を非常に大切にされていると思います。昨年開催したスポーツワールド文化フォーラムの時や,京都市に文化庁移転先行組織が設置された時もわざわざお越しいただいております。二条城が大好きだということも,かつて仰っていました。山本大臣が仰ろうとしていることは,文化財の保存と活用の調和が大事ということだと思います。

 二条城に外国の方が来られた時に,こういう説明をしました。将軍家康がこの二条城を作り,征夷大将軍に任命された。それから265年間,国内では戦争のない時代が続いた。近代国家に移行する時にも,争いがなしに,二条城で大政奉還がなされた。二条城は平和の象徴であります。このような説明を,外国語も含めて案内していくことが大事であり,より進化した説明をしていきたいと思っております。

 実はSTSフォーラムの時に,この説明をしたら,外国の方に感動していただきました。日本は戦争が好きな国だと思っていたと聞きました。

 二条城は日本の歴史,文化をしっかりと発信できると思いますし,そういう意味ではまだまだ学術的な説明になっているので,歴史を語るような物語的な説明にしていきたいと思います。また,日本の文化,歴史を伝えていくことを,多言語でやっていくという前向きな姿勢で受け止めていきたいと思っています。

記者会見資料

「京都市動物園生き物・学び・研究センターの研究体制の充実」について

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