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門川市長記者会見(2012年2月13日)

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2013年2月22日

 今回の選挙結果は,多くの市民の皆さんから1期4年間の市政運営の実績を評価いただき,さらに,私が市民の皆さんにお約束したマニフェストに掲げる121の施策に対する期待の表れと実感いたしております。厳しい社会経済状況,また財政も厳しい下でありますが,4年間かけて,またスピード感を持ってしっかりと実行していく。責任の重さを改めて実感いたしております。
 そうしたことを踏まえまして,選挙戦に入る直前まで予算編成作業を進めてまいりました。選挙が終わりまして直ちに,私自身が陣頭指揮し,ほぼまとまりましたので,その概要と,私が特に重点を置いた点につきまして,お話させていただきます。

平成24年度当初予算案の概要

(予算規模)

 まず,予算規模についてでございますが,全会計の総額は1兆7,131億円で,前年度と比較して,957億円,5.9%の増,一般会計の総額は7,381億円で,84億円,1.1%の減であります。
 一般会計では,国による子どものための手当の制度変更に伴う減のほか,南区の凌風小中学校の校舎の建設,あるいは,栗尾バイパスの事業進ちょくに伴う減などにより,前年度を若干下回る規模となりました。

(予算編成に当たっての基本姿勢)

 次に,予算編成に当たっての基本姿勢であります。来年度予算については,現下の厳しい社会経済情勢と東日本大震災を踏まえ,市民のいのちと暮らしを徹底的に守り抜くため,「京都経済の再生,雇用の創出」,「安心安全」を最重点といたしました。
 また,京都市の強みを生かした成長戦略であります「はばたけ未来へ! 京プラン(京都市基本計画)」に掲げた未来へのシナリオを着実に実現する予算といたしました。政策の推進と財政構造の改革を一体として進める点に留意いたしました。
 さらに,未来の京都づくりを見据えまして,私が市民の皆さんにお約束しましたマニフェストにつきまして,来年度予算にできる限り反映する。そして,切れ目なく施策を推進するために,通年予算として編成いたしました。

(予算案の特徴)

 こうした基本姿勢の下で編成した予算案の特徴を3点申し上げます。
 大きな1点目は,重点政策への予算措置であります。6点ございます。一つは,先ほど申し上げましたが,「力強い京都経済の再生と雇用の創出」。二つは「福祉,医療,教育の充実」。三つは「環境,文化芸術など京都ならではの地域の魅力向上」,世界文化首都を目指す取組を力強く推進してまいります。四つ目は「「歩くまち・京都」の推進と未来の京都への先行投資」。五つ目は「区役所改革」。六つ目は「防災対策の推進」。この6点を重点政策に位置付けるとともに,とりわけ,喫緊の課題であります,「経済,雇用」,2点目の「福祉,医療,教育」,6点目の「防災対策」の3点に力点を注ぎました。
 大きな2点目は,「はばたけ未来へ! 京プラン(京都市基本計画)」の実施計画の初年度としての力強いスタートを切る予算としたことであります。昨年,市民の皆様にお示ししました「実施計画骨子」に掲げましたリーディング事業43事業のうち,90%に当たる38事業について予算措置をいたしました。
 3点目は,財政構造の抜本改革を力強く推進する予算といたしました。後ほど詳細を説明申し上げますが,実質市債残高を大幅に削減し,将来世代に過度の負担を残さない財政運営を堅持いたしました。

(主な施策・事業)

 それでは,主な施策,事業について,6点の重点政策の中から,いくつかを御説明します。

(重点1 中小企業支援)

 1つ目の重点は,「力強い京都経済の再生と雇用の創出」であります。
 一層厳しさを増す中小企業や地場産業をしっかりと支援し,「知恵産業」の創造など,京都の強みを最大限に生かした成長戦略を推進し,京都府,経済界,労働界,大学などオール京都の体制で,京都経済の力強い再生と市民生活を支える雇用の創出を図ってまいります。
 一つは,中小企業支援施策として,京都市の中小企業支援センターの相談窓口業務を京都商工会議所の「中小企業経営相談センター」に融合し,体制を強化,10名の支援員を新規配置することにより,地域に根ざした経営相談から金融支援,創業支援まで多様な機能を持ったワンストップの経営支援体制を確立してまいります。

(重点1 新産業の創出)

 また,「知恵産業創造支援制度」を新たに創設し,知恵産業創出の担い手であります市内の中小企業者の事業活動に対する支援を行い,「知恵産業のまち・京都」の実現に向けた環境整備の構築を図るとともに,高い経済波及効果が見込まれるマンガやアニメなどのコンテンツ産業の振興に取り組んでまいります。

(重点1 雇用対策)

 雇用対策といたしましては,依然として厳しい雇用情勢を踏まえまして,国の交付金を活用した緊急雇用創出事業について,総額17億64百万円,61事業を計上し,約930人の雇用を新たに創出します。

(重点2 子育て支援)

 2点目の重点の「市民生活の安心安全を支える福祉,医療,教育などの充実」に向けた取組であります。
 まず,子育て支援でありますが,保育所待機児童解消については,引き続き増加が見込まれる保育需要に対応するため,8箇所の保育所の新設や分園の設置等を行い,新たに135名の定員枠を確保するとともに,昼間里親の新規開設を行います。
 また,多様化する保育ニーズに対応するため,延長保育,一時保育,病児保育事業の実施箇所を拡大いたします。保育サービスの一層の充実に向けて15億8千万円を計上いたしました。
 放課後の子どもたちの居場所の充実に向けまして,130館目となる一元化児童館,伏見板橋児童館を整備いたします。また,放課後ほっと広場を新たに2箇所で実施いたします。
 これらの取組に加えまして,府市協調により実施しております「子ども医療費支給制度」について,現在,就学前までとしている通院に係る助成対象を,小学校卒業まで拡充し,子育て環境の一層の充実を図ってまいります。

(重点2 高齢者福祉)

 次に,高齢者福祉施策として,新たに策定します「第5期長寿すこやかプラン」に基づき,高齢者の方々が住み慣れた地域でいきいきと暮していただけるよう,市内9箇所で特別養護老人ホームなどの新たな介護基盤整備に11億18百万円を計上いたしました。また,「京都市版地域包括ケアシステム」の構築に向けて,その中核機関として地域に根ざして活躍いただいています「地域包括支援センター」の人員体制を充実・強化させるために,市内全61箇所のセンターで専門職員を各1名増員します。

(重点3 環境)

 3点目の重点,「環境にやさしい循環型社会,暮らしに息づく文化芸術など,京都ならではの地域の魅力の向上」についてでございます。
 環境の取組といたしましては,再生可能エネルギーの普及拡大に向けまして,太陽光発電システムの設置助成件数を拡大するとともに,新たに太陽光発電システムと接続する蓄電池並びに太陽熱利用システムの設置に対して,独自の補助制度を創設いたします。また,太陽光発電システムの共同での設置を可能にする「市民協働発電制度」を創設いたします。さらに,複数の住戸間でエネルギーの最適利用を実現するための実証実験に新たに取り組んでまいります。

(重点3 文化)

 また,本年11月に,ユネスコ主催の世界遺産条約採択40周年記念最終会合が京都市内で開催されることになりました。この会合が日本で行われるということが決まって以来,誘致活動にあらゆる努力をしてきましたけれども,ありがたい限りであります。京都府,商工会議所等と連携して,「古都京都の文化財」をはじめとする歴史資産の魅力発信や京都文化の紹介,歓迎レセプション等を実施します。この機会をしっかりと生かして,京都の文化を世界に発信してまいりたい。また,京都市民の皆さんに再認識いただき,それを生かす,そんな取組を進めてまいりたいと思っています。

(重点3 観光)

 次に,観光であります。京都の魅力を生かした観光や産業の振興のため,国際会議や企業ミーティングなどの誘致を図るMICE戦略の実行部隊である京都コンベンションビューローの体制を強化いたします。専門的人材2名を新たに配置します。そして,民間活力を生かし,外出先でもインターネットが一定時間まで無料で使える無線LANスポットを市内の幅広い公的施設等に整備する「京都どこでもインターネット」事業を新たに実施します。

(重点4 歩くまち)

 4つ目の重点は,「都市の活力を高める「歩くまち・京都」の推進と都市基盤の整備など未来の京都への先行投資」であります。
 「歩くまち・京都」の取組といたしましては,四条通の歩道拡幅と公共交通優先化に向けて詳細設計に入ります。また,路上での荷捌き車両の削減を図るため,共同集配や路外荷捌き場の設置に向けた実証実験も行います。
 また,都心の細街路において安全でゆとりのある歩行空間を確保するために,「歩いて楽しいまちなかゾーン(仮称)」を設定し,自動車の速度抑制と歩行者の安全性の向上に取り組んでまいります。
 さらに,京都駅南口駅前広場の整備に向けまして,詳細設計を実施するとともに,整備後の駅前広場の適正利用に向けたエリアマネジメント組織の構築を図ってまいります。

(重点4 都市基盤)

 次に,都市基盤の整備であります。都市基盤の整備については,様々な事業が着実に進行しているところでありますが,将来に向けて非常に重要なリニア中央新幹線の京都への誘致活動を推進するため,府市,経済界をはじめ,幅広い団体からなる,京都府中央リニアエクスプレス推進協議会を通じて,取組を更に強化してまいります。

(重点5 区役所改革)

 5つ目の重点は,「参加と協働による区のまちづくり」に関する取組であります。
 市民参加を一層徹底し,共汗・協働でまちづくりを進めていくために,また,京都から地域主権時代のモデルを作っていくために,市民と行政の最も身近な接点であります区役所の大改革を推進いたします。
 区役所が区民によるまちづくりを支えていく協働の仕組みをしっかりと進めていくために,新たに「区民提案・共汗型まちづくり支援事業予算」を創設し,予算の大幅な拡充を行い,各区役所・支所の主体性の下に,2億1千万円の予算を計上し,区民の皆さんと一緒に執行してまいります。
 また,「区民まちづくり会議」を設置し,自治会組織,学識経験者,NPO,学生さんなど幅広い区民参加の下,各行政区で策定した基本計画の実現や地域の課題の解決,より住みよいまちづくり,また,全国,世界への魅力の発信などに取り組んでまいります。
 さらに,転入手続等の際に来庁者の負担軽減等を図るために,窓口案内システムの開発によりまして,市民サービスの向上など,区役所機能の強化を図ってまいります。また,直接予算とは別ですけれども,区役所機能の強化によって,地域防災機能の強化を図ってまいります。

(重点6 防災対策)

 6つ目の重点は,「東日本大震災を踏まえた,スピード感を持って推進する防災対策」でございます。
 東日本大震災を教訓にしまして,昨年12月にまとめた防災対策総点検の結果の具体化を直ちに図ってまいります。「想定外」という言葉は許されません。
 具体的には,本市の防災対策の根幹である地域防災計画を根底から点検し改定を行うとともに,新たに原子力災害対策編の策定を行います。
 また,災害発生時の速やかな避難所の開設,適切な運営を可能にするマニュアルの作成を行うほか,災害時要援護者支援の具体的な推進のための取組を地域に根ざして進めてまいります。
 さらに,橋りょう,市営住宅などの公共施設の耐震化を促進するとともに,小中学校体育館の防災機能の強化に着手いたします。また,新たに,「まちの匠の知恵を活かした京都型耐震リフォーム支援事業」を創設し,思い切った予算を確保いたしました。これまでにない大胆な予算措置を行い,市民の皆さんの暮らしと安心安全の確保,仕事おこしによる京都の地域経済の活性化への寄与,それらを両立させる取組を加速させてまいります。

(巨額の財源不足の中での予算編成と財源確保対策)

 さて最後に,こうした取組を推進するための財源確保対策でございます。
 市税収入は2,388億円と前年度から33億円の減少を見込んでおります。特に固定資産税が評価替えに伴い44億円減ります。一般財源収入合計は52億円減の3,721億円となり,福祉関係経費の自然増等を織り込んだ歳出の所要一般財源を比較すると,227億円もの大きな財源不足が見込まれる,厳しい予算編成となりました。
 こうした状況の中,行財政改革の更なる徹底を目指して,特に人員削減などによる総人件費の削減,また,市債残高縮減のための公共投資の規模の抑制など歳入歳出の主要な4分野ごとに実施計画骨子で定めました財政運営の目標を遵守し,局横断的な予算であります政策的新規・充実事業の予算枠,給与費枠,投資枠,消費等枠いずれにおいても,予算編成通知で定めました予算配分の目安額の範囲内で予算を編成することにより,目標を7億円上回る98億円の財源を捻出いたしました。
 こうした取組によりまして,24年度の特別の財源対策を96億円に圧縮し,行政改革推進債,公債償還基金の活用によりまして,財源不足の解消を図ったところであります。

(市債発行額)

 さらに,市債発行額でありますが,一般会計における市債発行額を442億円とし,実質市債残高は9,558億円,前年度比149億円の減,22年度末からは259億円の減とし,これまでにない規模で削減いたしました。
 また,全会計合計の実質市債残高は1兆8,961億円,前年度から223億円の減であり,ピーク時の平成14年度からは,約2,000億円,約1割の減といたしました。

まとめ

 以上が来年度予算の概要であります。京都の持つ「地域力」,「文化力」,そしてそれらを支える「人間力」,これをしっかりと引き出し,そして市民の皆さんと共に汗する「共汗」,行政の縦割りを排した政策・施策の徹底した「融合」をキーワードに,特に,府市協調,さらに経済界,労働界,大学,あらゆる京都の強みをしっかりと生かし,オール京都で,京都の未来を展望していく。そんな予算編成といたしました。徹底して市民目線に立った経営感覚,コスト意識を持って,予算案に盛り込んだ取組を着実に実践していきたいと思っています。
 今,極めて厳しい経済状況が日本を覆い,また,東日本大震災を経てあらゆる制度の見直しが迫られている。そうした中,1200年を超えて都市の機能を維持・発展させてきた,この京都のあらゆる強み,とりわけ,人間力を生かして,京都から関西を,日本を元気にしていく,そんな意気込みを持って予算編成をいたしました。市議会等でしっかりと議論していただき,そして,私の2期目の市政を力強く前進させ,さらに「はばたけ未来へ!京プラン」を力強く牽引していく。そうした取組に全身全霊を捧げて実行していきたい。新たに決意いたしております。
 私からは,以上でございます。

質疑応答(要旨)

(マニフェストの予算案への反映について)

記者

 121項目のマニフェストのうち,どの程度予算案に盛り込んでいるのか。

市長

 121項目のうち,例えば府市協調を進めるなど予算編成にあまり関係がないものを除き,予算措置しなければならないものが,当面117項目あります。そのうち,103項目を初年度に着手します。できるだけスピード感を持って,121のマニフェストを実行していきたいと思っています。防災機能の向上のための区役所の体制強化などは,人件費に入ってくるわけですが,具体的な予算の項目に入ってきません。

記者

 2期目の市政運営に向けて,今回の予算をどのように評価するか。

市長

 極めて厳しい社会経済状況であります。市民の皆さんの本当に大きな,大きな期待がかかっていると改めて実感しています。特に,今回の選挙戦を通じて,可能な限り,駅前やスーパーの前など,あらゆるところで立ち止まってこのマニフェストを訴えました。大変な反応でありました。そうしたことを踏まえまして,お約束したことについては,スピード感を持って実行していきたいと思います。
 とりわけ,経済の再生と生活を支える,雇用の創出,これが大事であります。同時に,子育て環境を日本一にしていこう,あるいは高齢者にとっていつまでも住み続けたい京都を作っていこう,さらには,未来を展望して世界文化首都京都を目指す,こうした取組についてしっかりと予算に組み込んで,力強く皆さんと一緒に取り組んでいきます。さらに,商工会議所をはじめとした経済界,京都府,大学,京都の地域力,これらの力を融合することなどに意を用いました。

(原子力防災について)

記者

 原子力防災について,今回の予算の中でどう措置したのか。

市長

 本市独自に移動式のモニタリング体制を強化するための予算を措置しております。同時に,とりわけ30km圏内に,人は住んでおられませんが,2,3㎞離れた所に高齢者が住んでおられます。あるいは林業従事者,ハイカー等の対策もとらなければなりません。国の対策を待つことなく,京都市独自に,緊急対策としてやっていきます。

(細街路の防災性向上に向けた助成制度の創設等について)

記者

 細街路の防災性向上について,細街路は,京都の町並みの特徴だと思うが,それと防災をどのように両立していくのか。

市長

 細街路では,中心線から2m下げなければ家が建てられない,そうすると実質的に家が建てられないという問題があります。(建築基準法の)3項道路指定という制度を活用するために,地域のコンセンサス作りが必要ですが,そこで安心・安全なまちづくりと京都ならではの細街路を維持し,両立した取組を進めていく。
 同時に,袋路の入り口の建物が倒れたりした場合に袋路全体の避難ができなくなってしまいます。そこで新たな補助制度でもって,入り口のところの耐震補強に助成を行って,倒れないようにすることにより,安心・安全を確保していきます。京都のまちの実態に応じたあらゆる政策を推進していく,その第一歩の予算を組んでおります。

(予算案の評価について)

記者

 今回の予算は市長から見て何点か。

市長

 市民の方々が点けていただく,あるいは議会の方々が点けていただく採点だと思いますが,厳しい財政状況のもと,かつ2期目スタートの予算としては,85点から90点だと思っています。税収減と福祉予算の自然増,その中で非常に苦慮しましたが,しっかりと予算を組めたと思っています。

(リニア中央新幹線の誘致について)

記者

 市長がマニフェストに掲げたリニアについての予算が入っているが,どういう思いで入れたのか。

市長

 今,世界で日本が,日本の文化が注目されています。また,外交においてもいわゆる「ハードパワー」から「ソフトパワー」,「経済力,軍事力」から「文化力」というようなことが言われております。世界で国際化がどんどん進む中で,京都が果たす役割が極めて大事だと思っています。同時に,1200年を超えて,この平安京,京都のまちは国土軸にしっかりと位置づけられてきました。世界の方々が京都に来られる,そして国賓も京都に来られて,東京だけでは日本を誤解するところであったとおっしゃいます。京都に来なければ,日本の歴史,日本の文化,日本の平和的な考え方,そうしたことが理解できないと思います。
 そうしたときにこれから100年後,200年後,いや1000年後と言ってもいいかもしれませんが,日本の国土軸に京都がしっかりと位置づけられていることが,これから世界に打って出て行くときに,日本社会にとって,日本の未来にとって,いかに大事か私は改めて実感しています。これは一つの企業の経営の問題ということも言えるかもしれませんが,日本の未来に向かった国家観の問題でもあるかと思います。
 そういう意味で,京都だけではなく,日本の未来を考えられる,日本の歴史,精神性,そうしたことをしっかりと考えておられる日本中の方々に賛同を得て,より大きな取組として進めていきたいと思っております。

記者

 具体的にはどういったことに使うのか。

市長

 有識者の賛同を得て,よりアピール力のある,説得力のある取組を進めていきます。同時に,京都の市民,府民の方々に,経済界や大学も含めて,関心を持っていただくことも必要であります。そうしたことを総合的に推進していきたいと思っていますので,皆さん方におかれましても御理解・御協力を宜しくお願い致します。
 東京一極集中を打破していく,また日本の未来のために京都が果たすべき役割,これは極めて大事なことだと思っています。

記者

 このタイミングで予算化した理由は。

市長

 府市,経済界,学識者等で議論を重ねてきました。学研都市に通すなどの話もありましたが,今の京都駅にリニアを引くことのコンセンサスを得ることができました。この機会にしっかりと取り組んでいきます。

記者

 逆にこれまであまり主張してこなかった理由は。

市長

 2年前から主張しています。私共は京都駅以外にありえないということを申し上げており,そのコンセンサス作りに時間がかかりましたが,しっかりとオール京都でやっていこうというコンセンサスができました。この機会に全力投球していきたいと思っています。

(区民提案・共汗型まちづくり支援事業予算について)

記者

 区民提案型支援事業と共汗型事業はどう違うのか。

市長

 区民まちづくり会議において区民の皆さんから新たに提案を受け,それに予算措置をしていくものと,これまでから区民の皆さんと議論を重ね,各区の基本計画等で決まっている事業をより強力に進めていくものの二つがあり,その分け方も区ごとに異なります。区長及び区役所の政策実現能力を高め,区民の皆さんの御意見を反映していきます。本庁で形を作るのではなく,可能な限り区に任せていきたいと思っています。

記者

 区に予算を配分する際の基準は。

市長

 概ね半分を各区均等に割り振り,残り半分を人口に応じた配分としました。
 「区でこういうことをしたい」,「局の予算ではなかなか進まないので区民提案予算でなんとかやりたい」等,予算編成作業の中で様々な議論を重ねました。この議論を通じて,区の政策実現能力が高まったと実感しています。これは2億1,000万円の予算の中身とは別の効果として非常に大きいと感じています。

(府市協調,経済界,労働界との連携に係る予算について)

記者

 府市協調や経済界,労働界との連携が現れている部分はどこか。

市長

 一つは,小学校卒業までの通院に係る医療費助成の拡充です。これは,府市協調の仕事であります。もう一つは,中小企業支援の取組です。これは,京都市と商工会議所の仕事ですが,ASTEMや京都府の京都産業21等も含め,オール京都が一丸となって進めていきます。中小企業の経営相談,金融支援,創業支援等を商工会議所の中小企業経営相談センターを拠点にしながら,京都市も人材を送り込んで,さらには,京都府の機能も大学の機能も強化していくという全国に例のない取組です。

記者

 主にその二つでよいか。

市長

 勿論ほかにも沢山あります。原発事故・放射能対策についても,京都府が京都市内にモニタリングポストを設置することに加えて,京都市が移動式のモニタリング機器を整備します。京都府の政策と京都市の政策をきちっと融合させ,見事に調和のとれた取組が進もうとしています。実務者間で話し合いをしながら,「京都府としてここまでやる」,「それでは,京都市はこの部分をやりましょう」という風に府市が一体となって安心安全のまちづくりに取り組んでいます。他にも,世界遺産条約採択40周年の取組や歩くまち・公共交通優先のまち。歩くまちは,京都府警の全面的な御理解のもとに取組が進んでいます。また,日本で2番目に古い警察署である南署の移転には,十条通に面した京都市の土地を提供します。安心安全のまちづくりと十条通の活性化に繋げるための,府市が一体となった取組です。

(リニア中央新幹線の誘致について)

記者

 山田知事が関西広域連合で議論していこうとしているが,それについてどう考えているか。

市長

 いいことだと思います。東京一極集中を打破していくには,関西が存在感を発揮しなければなりません。京阪神を中心としたイノベーションの特区ができ,京都市・京都府で観光を中心とした構造改革特区も認められました。京都,関西のものづくりや大学,観光,様々な強みをしっかりと活かして取り組んでいくことが重要です。
 私は,関西と関東の大きな違いは,京都があることだと思います。関西には,千年の都・世界の京都があります。都市の規模としては決して大きくありませんが,千二百年を超えてしっかりと繁栄してきた京都がその役割を果たしていくことこそ,東京一極集中の打破に繋がると思います。

記者

 広域連合に加盟していないが,奈良はその点を理解すると思うか。

市長

 奈良と京都は,市営地下鉄と近鉄を利用すれば1時間もかかりません。そういう所であり,私は一体だと思っています。奈良の魅力も京都の魅力もしっかりと発信できると思っています。

記者

 それでは当初計画の奈良でも良いのでは。

市長

 全く違うと思います。京都は,伝統産業から先端産業が生まれた素晴らしいものづくりのまちであり,あらゆる宗教の拠点都市,お茶,お花,香道をはじめとした様々な文化の中心です。世界の人々を魅了し続けています。奈良と競い合うつもりはいささかもありませんが,この京都の魅力というのは,全国,世界の方が感じておられます。千二百年間続いて,百万都市で,一度も文化が途絶えていない世界で唯一のまちなのです。この間から,滋賀県知事も大津市長も,そして奈良県知事もしっかりと京都と連携していこうということをおっしゃっていただいています。理解は得られると思います。

(リニア中央新幹線の誘致について)

記者

 山田京都府知事は,建設費を負担してもリニアを京都に誘致したいとおっしゃっているが,市長も同じお考えか。

市長

 このあたりについては,あらゆる前提をつけずに議論することが必要だと思います。ただ,国の政策であり,JR東海が地域への負担を避けるという判断もされているわけですから,あまり早期にいくら負担しますという議論を進めていくべきではない。日本の未来がかかっていると思いますので。

(地下鉄の経営健全化について)

記者

 地下鉄経営健全化について,新たな取組はあるのか。

市長

 お蔭様でありがたいことに,厳しい経済状況の下,鉄道運営というのは全国でも厳しい状況にありますが,地下鉄は増客が順調に進んでおり,議会で議決いただいた予定を上回る経営健全化が進んでおります。
 したがいまして,前の計画で平成22年度に5パーセント値上げすることを予定されていたのを見送り,新たな計画でも平成25年度までに予定されていた値上げを見送ることができました。さらに,経営改善のスピードアップを図っていく。何よりも増客の取組を進めていきたいと思っています。
 なお,予算では,市バスへの補助を9億円削減し,地下鉄への補助を9億円増やすことによって,25年度までの値上げを見送るということであります。

(リニア中央新幹線の誘致について)

記者

 関西広域連合の議題に挙げる以外に,京都にとって秘策などお考えか。

市長

 先ほどから繰り返し申し上げておりますけれども,日本の未来,日本の国家観に基づく主張を,有識者の理解を得ながらオール日本で進めていきたいと思っております。「日本に京都があってよかった」という言葉が堂々と通用する,共感いただける都市は,そう世界にもない。僅かなコスト計算だけで,百年,千年の計がかかっているのに,京都をコースから外すべきではない。有識者の方々にしっかりと訴えていく。同時に,京都の府民,市民の世論を盛り上げていく。そうしたことが大事だと思っています。

(原発対策について)

記者

 大飯原発の再稼動が注目されているが,市長はどのようにお考えか。また,京都市として何か対応を予定しているか。

市長

 東日本大震災を経て,出来るだけ早く,原発依存の日本のエネルギー政策からの大転換が必要であります。京都市として,そのためにまず出来るあらゆる「省エネ・創エネ」の取組を進めていきます。同時に,万が一の事故に備えた取組を,京都市としても独自に,また京都府とも連携しながら,国とも協調しながらやっていきます。
 原発の再稼動については,以前から繰り返し申しておりますけれども,国においてしっかりとした基準をつくり,そして徹底した安全が確保されることが何より大前提であります。また,立地の自治体の同意が得られることが大事であります。そうしたことで国民が安心するということを最優先にやっていただきたいと思っています。
 なお,現在,京阪神が連携して,原発依存を早期に脱していくための株主提案等について,実務的に協議しております。

(予算案の評価について)

記者

 (85から90点という)予算編成の評価点の残りの部分は,どこに課題があったのか。

市長

 去年も一昨年も公債償還基金を取り崩すことを,予算計上において申し上げました。十分な公債償還基金を積み上げていますので,取り崩すことに問題はないわけですけれども,固定資産税の大幅な減等で,それに手をつけざるを得ませんでした。これは,税収が伸びていく,あるいは行財政改革が更に進んでいく,過渡的な状況において,やむを得ないことですけれども,その部分が一番残念であります。
 ただ,一昨年の41億円の償還基金の取り崩しも,年度内の努力等で回避できました。また今年度も回避できるということで,引続きあらゆる行財政改革,より効率的な仕事をすることで,努力していきたいと思っております。
 なお,公債償還基金の残高ですけれども,20年度末で517億円だったのが,来年度末は884億円であり,取り崩しても十分確保できております。出来ればそれを取り崩すことなく,予算を編成したいわけですが,福祉予算の増大と税収減という状況では,やむを得ない措置であります。

記者会見資料(平成24年2月13日)

平成24年度当初予算(案)について

行財政局財政部財政課 電話222-3291

1 予算の規模

 全会計の当初予算案の総額は,5.9%増の1兆7,131億円,一般会計の予算総額は,1.1%減の7,381億円であります。平成23年度予算と比べまして,全会計で957億円の増,一般会計で84億円の減であり,一般会計は,前年度を若干下回る規模となります。

予算規模の状況(単位:億円,%)
 平成24年度(案)平成23年度対前年度増△減額対前年度増△減率
全会計17,13116,1749575.9
うち,一般会計7,3817,465△84△1.1
うち,特別会計6,9836,23474912
うち,公営企業会計2,7672,47529211.8

<一般会計予算額の主な増減要素>(単位:億円)

  • 子どものための手当 △70(23年度 303 → 24年度 233)
  • 社会福祉関係経費(子どものための手当除く) 63(23年度 2,189→ 24年度 2,252)※一般財源の増30
  • 南区凌風小中学校整備 △26(23年度 36 → 24年度 10)
  • 栗尾バイパス整備 △ 23(23年度 29 → 24年度 6)
  • 地下鉄経営健全化出資 △8(23年度 97 → 24年度 89)
  •  国民文化祭 △4(23年度 4→ 24年度 ‐)

2 予算案の特徴

⑴6つの重点政策

  1. 力強い京都経済の再生と雇用の創出
  2. 市民生活の安心安全を支える福祉,医療,教育などの充実
  3. 環境にやさしい循環型社会,暮らしに息づく文化芸術など,京都ならではの地域の魅力の向上
  4. 都市の活力を高める「歩くまち・京都」の推進と都市基盤の整備など未来の京都への先行投資
  5. 参加と協働による区のまちづくり
  6. 東日本大震災を踏まえた,スピード感を持って推進する防災対策

の6点を重点政策に位置付け,とりわけ,1,2,6の3点に力点を置いた。

⑵「はばたけ未来へ! 京プラン実施計画」初年度として力強いスタート

 計画骨子のリーディング事業43事業中90%に当たる38事業を予算計上

⑶財政構造改革の強力な推進

 実施計画骨子で定めた財政運営の目標及び予算編成通知で定めた3つの予算枠ごとの配分目安額をすべて達成したうえで,一般会計の実質市債残高をこれまでにない規模で削減(対22年度末259億円の減)し,全会計の市債残高をピーク時から約2,000億円の減とするなど,財政構造の抜本改革を強力に推進

【主な施策・事業】

「力強い京都経済の再生と雇用の創出」

  1. 中小企業経営支援体制の強化 63,000千円
  2. 知恵産業創造支援制度の創設 30,000千円
  3. 技術の橋渡し拠点の整備     380,000千円
  4. マンガクラスター形成事業     23,000千円
  5. 京もの海外市場開拓事業     10,000千円
  6. 京もの国内市場開拓事業       10,000千円
  7. 緊急雇用創出事業                 1,764,000千円

「市民生活の安心安全を支える福祉,医療,教育などの充実」

<福祉・子育て支援>

  1. 保育所待機児童ゼロの実現と多様な保育サービスの充実        1,580,375千円
  2. 放課後の子どもたちの居場所づくり                                 87,410千円
  3. 介護基盤整備助成                                             1,118,400千円
  4. 地域包括支援センター運営事業の充実                            1,484,585千円
  5. 成年後見支援センター(仮称)の設置及び法人後見に対する支援 18,800千円

<医療・保健>

 6. 子ども医療費支給事業の助成対象の拡充                      1,635,598千円
 7. がん対策の充実                                                   703,078千円

<教育>

 8. スクールカウンセラーの全小学校・総合支援学校への配置拡充     17,400千円

<安心・安全>

 9. 街頭防犯カメラ設置促進補助制度の創設                            12,000千円
10.  動物愛護センター(仮称)整備事業                                        37,600千円

「環境にやさしい循環型社会,暮らしに息づく文化芸術など,京都ならではの地域の魅力の向上」

<環境>

  1. 太陽エネルギー利用促進事業                      195,900千円
  2. 市民協働発電制度の創設                            5,800千円
  3. 次世代環境配慮型住宅エネルギーネットワーク実証事業       5,000千円

<文化芸術>

 4. 世界遺産条約採択40周年記念事業                   20,000千円

<観光>

 5. 京都市MICE戦略推進のための
   公益財団法人京都文化交流コンベンションビューローの体制強化 17,000千円
 6. 京都どこでもインターネット                                     2,380千円

「都市の活力を高める「歩くまち・京都」の推進と都市基盤の整備など未来の京都への先行投資」

<歩くまち>

  1. 「歩いて楽しいまちなか戦略」の推進         26,000千円
  2. 「歩いて楽しいまちなかゾーン(仮称)」の推進   10,000千円
  3. 京都駅南口駅前広場の整備             103,000千円
  4. 駅等のバリアフリー化の推進              17,800千円
  5. 「歩くまち・京都」公共交通センター(仮称)の設置 2,000千円

<都市基盤>

 6. リニア中央新幹線の誘致促進               1,000千円

「参加と協働による区のまちづくり」

  1. 京都ならではの地域力を活かした協働型まちづくり
     「区民提案・共汗型まちづくり支援事業予算」の創設  210,100千円
  2. 市民サービス向上をはじめとする区役所機能の強化  520,592千円

「東日本大震災を踏まえた,スピード感を持って推進する防災対策」

  1. いのちを守る都市基盤防災・減災対策プロジェクト                      1,565,740千円
  2. 公共施設の耐震改修等                                           3,199,560千円
  3. 小・中学校体育館の防災機能強化等に向けたリニューアル                5,000千円
  4. 細街路の防災性向上に向けた助成制度の創設等                       10,000千円
  5. 民間建築物の耐震化促進
    ~まちの匠の知恵を活かした京都型耐震リフォーム支援事業等~  306,700千円
  6. 京都市地域防災計画の改定                                      35,000千円
  7. 避難所運営に必要な大規模災害用備蓄物資等の充実                69,000千円
  8. 災害時要援護者への支援                                          28,400千円

主な施策・事業の詳細

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3 財源不足の解消状況と市債の発行状況

 市税収入は2,388億円と前年度から33億円の減少の見込みです。一般財源収入合計は52億円減の3,721億円となり,227億円もの大きな財源不足が見込まれる,厳しい編成作業となりました。このため,政策の推進と財政構造の抜本的な改革を両立させることを目指し,

  1. 総人件費の削減,公共投資の規模の抑制など歳入歳出の主要な4分野ごとに定めた財政運営の目標を遵守し
  2. 政策的新規・充実事業予算枠,給与費枠,投資枠,消費等枠のいずれにおいても,予算配分の目安額の範囲内で予算を編成することにより,98億円に上る財源を捻出しました。

 加えて,23年度における黒字見込み61億円を活用し,23年度の公債償還基金の取崩(28億円)を全額回避したうえで,残る33億円を24年度予算の財源として活用しました。こうした年度間を通じた財源の確保により,特別の財源対策の活用額は96億円となり,昨年10月の中期財政収支見通しの想定(概ね100億円程度)内に留めることができました。
 また,市債については,一般会計の実質市債残高を前年度比149億円の減,22年度末からは259億円の減とし,これまでにない規模の削減を行いました。また,全会計合計の市債残高について一層の削減を図り,前年度から223億円の減,ピーク時から約2,000億円の減(約1割の減)とし,将来世代の負担軽減に努めました。

一般財源等収入の状況(単位:億円,%)
区分24年度予算案23年度当初対前年度増△減額対前年度増△減率
市税2,3882,421△33△1.4
地方譲与税・府税交付金267270△3△1.1
地方交付税・臨時財政対策債1,0441,044±0±0
地方特例交付金その他2238△16△42.1
一般財源収入総額3,7213,773△52△1.4

平成24年度当初予算における財源不足の解消状況

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お問い合わせ先

京都市 総合企画局市長公室広報担当

電話:075-222-3094

ファックス:075-213-0286