スマートフォン表示用の情報をスキップ

市長記者会見(2001年10月31日)

ページ番号13420

2013年6月7日

平成13年10月31日 桝本市長定例記者会見資料

はじめに

 

 本日は,皆さんにお知らせしたいことが2つございます。
 1点目は,平成14年度予算編成に向けて,本市財政の「非常事態宣言」と,それに対処するための緊急対策の基本方針につきまして,2点目は,阪急京都線の桂~東向日駅間における新駅設置に伴う,駅前広場の整備及び踏切拡幅についてでございます。

 

1  本市財政の「非常事態宣言」と緊急対策の基本方針について

 

 本市財政の「非常事態宣言」と緊急対策の基本方針についてでございます。平成14年度の収支見通しにおきましては,昨今の世界経済の同時減速による景気低迷などにより,市税収入は本年度予算に比べて約93億円もの大幅な減収が見込まれるなど,現時点で580億円という巨額の財源不足を見込まざるを得ない状況になっております。
 このため,平成14年度予算の編成に当たりましては,昨年度に続いて厳しいマイナスシーリングを実施するなど,最大限の経費削減に取り組んでまいりますが,それでもなお300億円にも及ぶ財源不足が解消できない見込みであり,極めて深刻な事態にあります。
 更に,米国における同時多発テロの景気への影響や,国の地方交付税の見直しなど,本市の財政見通しは非常に厳しい状況にあり,このまま何ら対策を講じなければ,京都市は,近い将来,財政再建団体に転落しかねず,まさに,財政の「非常事態」というべき局面に至っております。
 平成14年度予算は,これから予算査定の段階に入っていくわけですが,この非常事態を乗り切るため,予算編成に当たり,新たに緊急の対策を講じることとし,本日,臨時の局・区長会を開催して,お手元にお配りしている副市長通知により,その基本的な方針を周知徹底したところでございます。
 それでは,緊急対策の基本方針につきまして,ご説明申し上げます。

 1点目は,「人件費の削減」でございます。まず,市役所自らが身を削って努力することが第一であると考え,勧奨退職による定数削減,給与カット等の措置により,人件費の削減を図ってまいります。なお,本年3月から来年3月までの緊急措置として,私をはじめとする特別職と局長級職員につきましては,本給,ボーナスまで踏み込んだ給与カットを行っているところでありますが,この措置につきましても,延長することとします。

 2点目は,「公営企業への任意の繰出金の休止」でございます。一般会計から公営企業への 任意の補助につきまして,原則として休止いたします。

 3点目は,「各種イベントの見直し」でございます。本市が主催し,又は補助している様々なイベントにつきまして,休廃止を検討し,継続実施する場合にあっても,原則として開催回数を半減するか,経費を半減したいと考えております。

 4点目は,「新規の施設建設の一時凍結」でございます。新たに着手を予定している施設建設につきまして,原則として,実施を見合わせたいと考えております。
 このほか,計画的に拡充してきた事業や新規の調査事業などについても,一時的に凍結することも検討してまいります。
 今後,予算編成と並行して,この基本方針に基づく緊急対策の具体的な内容を固めていくことといたしております。
 なお,この緊急対策につきましては,当面,平成15年度までの最低2ヶ年間の措置として実施したいと考えております。これは,国において,今後2~3年間を日本経済の集中調整期間と想定されており,世界的な景気後退の中で,当面の経済情勢は,今後,更に後退局面を迎えることも考えられますので,少なくとも15年度において,市税収入の大幅な回復を期待することができないとの判断によるものでございます。
 また,この緊急対策と並行して,市政改革大綱に基づく行財政の構造的な改革につきましても,引き続き強力に推進してまいります。
 以上が緊急対策の基本方針でございます。非常に厳しい内容の対策であると考えておりますが,現在の非常事態と言うべき状況の下で,対策を先送りすれば,将来に過大な負担を強いることになりかねません。
 私は,このような局面にあるからこそ,中・長期的な視野に立って,市民の皆様のご期待に応えていくことが求められていると考えており,今は,歯をくいしばって我慢し,市民の皆様の生活を守り,将来の京都のために真に必要な事業を,一層の「選択と集中」の下に進めていかなければならない時期だと考えております。
 147万人京都市民の皆様の期待と信頼に応え,安らぎと華やぎに満ちた京都を築いていくため,私が先頭に立ち,市役所の総力を挙げて,何としてもこの難局を乗り切ってまいる決意でございます。

 

2  阪急京都線桂・東向日駅間の新駅,駅前広場の整備及び踏切拡幅について

 

 次に,阪急京都線の桂~東向日駅間における新駅の設置と,それに伴う駅前広場の整備及び踏切拡幅についてでございます。
 阪急京都線は,昭和3年の開通以来,本市と大阪都市圏を結ぶ都市間鉄道として,また,通勤・通学をはじめとする「市民の足」として,大きな役割を担っております。
 しかしながら,桂駅と東向日駅間につきましては,駅間距離が3㎞と長いため,洛西地域からの交通アクセスが桂駅に集中するなど,その改善策が課題となっておりました。
 そこで,京都市では,本年1月に策定いたしました京都市基本計画におきましても,桂~東向日駅間における新駅の検討を掲げ,これまで阪急電鉄に対し,働きかけを行ってきたところでございます。
 また,阪急京都線と交差する都市計画道路 久世北茶屋線は,洛西方面から,向日市域を経て国道171号線に至る,重要な東西幹線道路であり,向日市域での拡幅整備が,今年度中の完成に向けて進む中,ボトルネックとなっている物集女踏切の拡幅を含む,京都市域での整備が緊急の課題となっておりました。
 こうした課題を解決するため,このたび,阪急電鉄が新駅を設置し,京都市は,駅前広場の整備と,物集女踏切の拡幅に取り組むことで合意に達しました。
 具体的な事業計画の概要でございます。
 新駅の場所は,お手元の資料にお示ししておりますとおり,桂駅と東向日駅のほぼ中間にあたる,久世北茶屋線の南側でございます。駅は,線路を挟んで両側にホームがある相対式で,8両編成対応でございます。また,駅の西側に隣接して自転車置き場を設置し,阪急電鉄が運営されることとなっております。
 新駅の乗降客は1日約16,000人と推定しており,駅利用者の方々の利便性を高めるため,駅前広場の整備を計画しております。場所は,新駅の西側約3,000㎡で,鉄道との乗り継ぎをスムーズにするため,バスやタクシーの乗降スペースを設けるとともに,駅利用者送迎のための短時間の停車,いわゆるキッスアンドライドに対応した自家用車の乗入れも想定しております。
 次に,阪急京都線と久世北茶屋線が交差する物集女踏切の拡幅を含む道路整備についてでございます。現在,踏切を含めた約70mの区間におきまして,前後の道路区間に比べて幅員が狭い,いわゆる「ボトルネック」となっております。こうした状況を解消し,渋滞緩和と歩行者の安全確保を図るため,幅員7メートルで2車線の道路を4車線化するとともに,新たに両側に歩道を整備し,幅員を25mに拡幅いたします。
 以上,京都市が施行いたします駅前広場及び踏切拡幅に要する事業費は,約14億円を見込んでおります。
 今後,駅前広場についての都市計画決定の手続を進め,関係者のご協力を得ながら,新駅,踏切拡幅と合わせ,平成15年3月の供用開始を目指して進めてまいります。
 また,新駅は洛西ニュータウンからの最短距離となるため,新駅設置を契機に,洛西地区をはじめ京都市南西部地域における総合的な交通体系づくりに向け,バス路線網の見直しについても検討を行い,新たな公共交通ネットワークの形成を進めることとしており,今後,関係者との協議を進めてまいりたいと考えております。
 なお,桂駅以南につきましては,都市交通網の充実を図るため,鉄道の高架化についての事業調査を実施しているところであり,引き続き事業化に向けて取り組んでまいります。
 私は,新駅や駅前広場の開業が,駅を中心とした周辺地域の活性化を促進し,京都市南西部地域の新たなまちづくりに向けての大きなステップとなるものと期待しているところでございます。

 

 私からは以上でございます。

 

各局長,区長及び公営企業管理者様

 

平成13年10月31日
副    市   長
(担当 理財局財務部主計課)

 

本市財政の非常事態に対する緊急対策の基本方針(通知)

 

 本市の財政は,もともと脆弱な財政基盤に加えて,いわゆるバブル経済の崩壊以後,長期にわたる景気低迷の影響を大きく受け,歳入の根幹を成す市税収入が伸びないうえ,少子・長寿社会への対応をはじめとした福祉施策や環境対策などの行政需要が年々増大しており,恒常的な財源不足の状況にある。このため,平成7年度以降間断なく市政改革の取組を推進する一方で,基金の取崩しによって財源不足に対応してきたところである。
 しかしながら,平成13年度予算の編成時点においては,財源不足対策として取崩し可能な基金ももはや底をつき,このため,大幅なマイナスシーリングによる経費削減等に取り組み,かつてない厳しい対策を講じたものの,財源不足を解消することができず,市庁舎整備基金からの借入れという緊急避難的な措置を講じざるを得なかったところである。
 このような状況に加えて,平成14年度は,世界経済の同時減速により景気悪化の様相が強まる中,低迷している市税収入が,本年度予算に比べ更に約93億円もの減収となり,平成2年度の水準にまで低下する見込みである。また,国の構造改革の取組の一環として,地方財政計画の歳出の徹底した見直しによる地方交付税総額の圧縮が課題となっており,本市においても,大幅な減収が避けられない見通しである。
 こうしたことから,平成14年度の収支見通しにおいては,現時点で580億円もの巨額の財源不足を見込まざるを得ず,昨年度に続いて厳しいマイナスシーリングを設定するなど最大限の努力を行うこととしているが,このような従来型の取組だけでは,その効果には限界があり,なお300億円にも及ぶ財源不足が残るという極めて深刻な事態にある。
加えて,米国における同時多発テロの影響も加わり,経済見通しが大幅な下方修正を余儀なくされるなど,その先行きは,想定している以上に厳しい事態に陥ることも危惧される。
 このような状況に対して,仮に何ら対策を講じることなくこれを放置すれば,近い将来財政再建団体に転落することは確実であり,本市財政は,今,まさに「非常事態」と言うべき局面を迎えている。
 このような局面において,適正な行政サービスの水準の維持に努めるとともに,中・長期的な視野に立って市民の期待にこたえ,将来の京都のために真に必要な事業を着実に推進していくため,市民の理解の下,市役所の総力を挙げて,現下の非常事態を乗り切っていかなければならない。
 平成14年度予算は,各局からの予算要求を受け,査定の段階に入ったところであるが,巨額の財源不足の解消を図るため,予算編成に当たっては,下記の基本方針により緊急対策を講じることとしたので通知する。

 

 

(1) 人件費の削減
勧奨退職,給与カットを含む措置等により,人件費の削減を図る。
(2) 公営企業への任意の繰出金の休止等
一般会計から公営企業会計への繰出金のうち,国の繰出基準に基づかない任意の繰出金(補助)について,原則として休止する。
(3) 各種イベントの見直し
本市が実施し,又は補助している各種のイベントについて,休廃止を検討する。継続実施する場合にあっても,原則として開催回数を半減(隔年化等)し,又は経費を半減する。
(4) 新規の施設建設の一時凍結等
新たに建設や用地取得等に着手することを予定している施設建設について,原則として,一定期間実施を見合わせる。
(5) その他
予算査定を通じて,目標年度を定める等により計画的に拡充,実施している施策・事業の現状凍結や新規の調査事業の凍結を検討する。

 

 なお,国において,今後2~3年間を日本経済の集中調整期間と想定しており,世界的な景気後退の中で,当面の経済情勢は,今後,更に後退局面を迎える事態も考えられることから,平成15年度に市税収入の大幅な回復を期待することが困難であるため,この緊急対策は,当面,平成15年度までの最低2ヶ年間の措置として行う。
 また,本市は,行財政の構造的改革を進めることにより,21世紀にふさわしい市政運営への転換を目指すため,「京都新世紀市政改革大綱」を策定し,取組を進めている。このたびの緊急対策のみで構造的な財源不足が解消されるわけではなく,今後の経済情勢を考えると,財政状況が一層厳しくなる事態も想定されるため,市政改革の取組を今まで以上に強力に推進する。

 

(市長記者会見資料)

 

平成13年10月31日
京都市
建設局街路部立体交差課
222-3853

 

阪急電鉄京都線桂・東向日駅間の新駅設置に伴う駅前広場の整備及び踏切拡幅について

 

 京都市では,阪急電鉄が阪急京都線桂~東向日駅間において新駅を設置されることに合わせて,駅前広場整備と踏切拡幅を行うことといたしました。
 京都市においては,本市南西部地域の新たなまちづくりを推進するため,新駅設置の検討を京都市基本計画(平成13年1月策定)に掲げ,これまで阪急電鉄に対し,働きかけを行ってまいりました。
 この整備により,駅利用者の利便性の向上を図るとともに,洛西地域において,桂駅に集中している路線バスをはじめとした交通アクセスの改善や,ボトルネック踏切の解消による渋滞の緩和など都市交通の円滑化を図ります。
 今後は,平成15年3月の供用開始に向けて整備を行ってまいります。

 

1 整備目的
(1)阪急京都線の桂駅と東向日駅間は駅間距離が3㎞と長く,洛西地域から桂駅へ路線バスをはじめとする交通アクセスが集中しており,新駅及び駅前広場の整備により,交通アクセスの大幅な改善を図る。
(2)駅前広場整備と併せて,都市計画道路久世北茶屋線と阪急京都線とが交差する物集女踏切について,車道の4車線への拡幅や歩道の整備を行うことにより,ボトルネック(前後の道路区間に比べて幅員が狭い)踏切の解消による渋滞緩和や歩行者の安全確保など都市交通の円滑化を図る。

 

2 整備概要
(1)阪急新駅駅前広場整備
位  置 新駅の西側(久世北茶屋線の物集女踏切南西側)
西京区川島六ノ坪町
面  積 約3,000㎡
施  設 バス乗降バース,タクシー乗降バース,タクシー待機スペース
*キッスアンドライド(自家用車による駅利用者送迎のための短時間の停車)に対応
(2)物集女踏切拡幅
内  容  車道の4車線化,両側歩道整備
幅員25m(車道14m,歩道5m,分離帯6m)
(現状…幅員7m,2車線,歩道なし)
*なお,車道の4車線化は,現在進めている久世北茶屋線の道路整備と合わせて行います。(延長71m(踏切含む)
(参考)阪急新駅設置(阪急電鉄が施行)
位  置 桂・東向日駅間 桂駅から1.6km地点
(久世北茶屋線の物集女踏切南側)
施  設 地平駅舎,相対式ホーム2面,8両編成対応
需要予測 乗降客 約16,000人/日
その他 自転車等駐車場を設置
総工費 約12億円

 

3 整備事業費
約14億円
(内訳)駅前広場整備 約9億円
踏切拡幅   約5億円

 

4 今後の予定
平成13年度  基本計画
平成14年度  都市計画決定,用地取得,整備工事
平成15年3月 供用開始
* なお,新駅は洛西ニュータウンからの最短距離となるため,今回の新駅設置に当たり,現在,桂駅に集中しているバス路線網の見直しについても検討を行い,新たな公共交通ネットワークの形成を進めていきます。
* また,阪急京都線(桂駅以南)の高架化について,事業調査を実施しているところであり,引き続き事業化に向けて取り組みます。

 

お問い合わせ先

京都市 総合企画局市長公室広報担当

電話:075-222-3094

ファックス:075-213-0286

フッターナビゲーション