「観光特急バス」の運行による効果の検証
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2025年1月17日
京都市交通局では、市民生活と観光の調和に向けた市バスの混雑対策を重要課題の一つに掲げており、その一環として、令和6年6月実施の市バス新ダイヤにおいて、改正された国の制度を全国で初めて活用し、京都駅と東山エリアの観光スポットを結ぶ「観光特急バス」の運行を新たに開始しました。
この「観光特急バス」の運行による効果について、利用状況やお客様アンケートなどでデータを収集し、検証を行いましたので、その概要をお知らせします。
1 調査の概要
(1)旅客数
「観光特急バス」及びこれと並行する区間を運行する系統(206号系統、5号系統等。以下「並行する系統」という。)の旅客数を計測しました。
(2)運行時分
「観光特急バス」及びこれと並行する系統が、各停留所に到着するまでに要した運行時分を確認しました。
なお、運行時分は、京都駅から観光地(清水寺・平安神宮・銀閣寺等)に向けての「ゆき」の場面と、観光地から京都駅に向けての「かえり」の場面とに分けて、確認しました。
(3)「観光特急バス」の利用状況の詳細
「観光特急バス」の旅客流動調査を実施し、お客様の乗車・降車停留所や運賃のお支払い手段などを確認しました。
(4)京都駅前D2のりばのバス待ち時間
「観光特急バス」と並行する206号系統が停車し、生活利用と観光利用が重なる京都駅前D2のりばで、バス待ち列の最後尾のお客様がバスに乗車するまでの時間とお客様が持つ大型手荷物の数を確認しました。(午前中で10分おきに確認)
(5)観光地~京都駅前間の停留所でのバスの待ち人数
京都駅方面へお帰りのお客様がバスにご乗車いただけない状況があることから、「観光特急バス」と並行する系統が停車する、観光地から京都駅前方面に向かう方向の途中停留所(清水道・東山七条)において、バスの出発後、どの程度のお客様がお待ちになっているのかを確認しました。
(6)お客様の満足度
WEBアンケートにより、「観光特急バス」及び並行する系統の待ち時間や車内の混雑度、「観光特急バス」の評価などをお客様からうかがいました。
※ 調査結果については、【報道発表資料】「観光特急バス」の運行による効果の検証をご参照ください。
2 結果の概要
(1)500円の運賃設定
利用者全体の約50%がICカードでの乗車であり、現金での利用を合わせると全体の3分の2を占めています。また、居住地とのクロス集計においても、市内、市外、国外を問わずICカードでの利用が高い割合を占めており、運賃500円の設定は利用者に受け入れられているものと推察されます。
(2)運行時分
平均すると、EX100号系統は、「ゆき」では5~12分の遅れが生じ、「かえり」は概ねダイヤどおりに運行していますが、「ゆき」での遅れにより、時刻表からは遅れた状態で運行しています。EX101号系統は、「ゆき」も「かえり」も概ねダイヤどおりに運行しています。
また、並行する系統と比べて、EX100号系統が2~12分、EX101号系統が3~7分の速達性が認められます。
(3)更なる周知による利用促進
利用状況を見ると、京都駅前から観光地に向かう「ゆき」が70%以上、反対に観光地から京都駅前に向かう「かえり」が4分の1程度にとどまっていることから、「かえり」の場面での利用拡大を図る必要があります。
また、EX100号系統とEX101号系統を比較すると、運行時間帯や運行区間が異なることもあって、1便当たりの旅客数に差が見られることから、全体として利用の底上げを図る工夫が必要です。
更に「地下鉄・バス1日券」の販売強化や、京都を訪れる旅行者への旅マエや旅ナカでの一層のPRを通じ、利用拡大につなげていくことも重要です。
(4)お客様のご利用状況と混雑緩和への寄与
「観光特急バス」は、運行開始当初は2,200人程度/日でしたが、ピークの11月には3,000人/日に迫るご利用があり、最も多い日では4,000人/日近くのお客様にご乗車いただくなど、利用状況は堅調に推移しています。「観光特急バス」の運行によって、並行する系統の混雑緩和に寄与しているものと推測できます。
3 今後の取組
効果検証結果を踏まえ、「観光特急バス」について、よりその効果を高めるため、以下の取組を進めることとします。
(1)ダイヤ上の運行時分を見直す。
(2)混雑緩和に一定の効果が見られたことから、平日や他の路線での運行も検討したいが、
現在、「市バス運転士不足 非常事態宣言」を発出せざるを得ないほど深刻な担い手不足にあることから、
当面は、現在の運行を維持できるよう努める。
(3)限られた輸送力の効果的な配分の観点から、EX100号、EX101号系統の運行パターンの見直しを検討する。
(4)更なる利用促進に向けて、「観光特急バス」の周知、「地下鉄・バス1日券」の販売強化に努める。
報道発表資料
発表日
令和7年1月17日(金曜日)
担当課
交通局(自動車部運輸課 電話:863-5132 )
報道発表資料
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お問い合わせ先
京都市 交通局自動車部運輸課
電話:(運輸担当)075-863-5123、(路線計画担当)075-863-5132、(事業担当)075-863-5135
ファックス:075-863-5128