第35回右京区民美術展・右京区内高等学校絵画展 奨励賞受賞作品をご覧ください
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2022年4月7日
出展作品数85点(美術展 61点,高等学校絵画展 24点)から,12点の奨励賞が選ばれました。文化普及会委員に選考していただきました。
第35回右京区民美術展奨励賞受賞作品
日本画
作品名:秋日和 作者:石野 陽子 様
(作者コメント)
北嵯峨高校のグラウンド裏のはぎを数年前に描きました。いつもひっそり美しく咲くのが優しい。
(右京区民文化普及会委員 講評)
画面の色調(トーン)が一定で,安心して鑑賞できる。日本画独特の画材もうまく扱え,構図も安定している。落款は葉にかかっても良いので,右下に押した方がいいかもしれない。
日本画
作品名:月光の嵐山 作者:堀 浩 様
(作者コメント)
この作品は,月光の光を活かすために苦労しました。
(右京区民文化普及会委員 講評)
水墨としてはコントラスト(月と風景)が強く新しい発想があり,面白いと思います。ただし,技術上まだまだ勉強をされる余地があると思います。頑張ってください。
洋画
作品名:凜 作者:三木 昭作 様
(作者コメント)
雪の禅寺での僧侶の,凛とした姿に感動。
(右京区民文化普及会委員 講評)
冬の寒い朝,足元が凍てつくなか,僧侶が凛と歩く後ろ姿がとっても伝わってきます。隅々まで心のこもった感じがします。
書
作品名:仮名(重之集より14首) 作者:森川 未津代 様
(右京区民文化普及会委員 講評)
線筆も細く,技術がしっかりしていて素晴らしいです。
写真
作品名:空也滝 作者:小泉 順邦 様
(作者コメント)
行者様,ご協力ありがとうございました。
(右京区民文化普及会委員 講評)
滝に打たれている表情が,悟りを開いたのであろうか。苦しみを感じられず穏やかである。滝の流れのシャッタースピードも流れすぎず,止まりすぎず上手く表現できている。背景をもう少し暗くすると,水の白が際立ち迫力が出ると思います。
工芸・陶芸・その他
作品名:弱法師 作者:芦田 妙子 様
(作者コメント)
能面を打ちに通って10年余りになります。木曽桧の角材を使います。型紙をあてて,色々な彫刻刀を用いて形を作ります。除中顔の形になり目や口や鼻の穴をあけると思わず「フー!」と息をついている自分がいます。面と一体化しています。彩色をして古色に仕上げます。一年程かかっています。
(右京区民文化普及会委員 講評)
面の美しさが際立っており,作品の前に立つと静かな世界観が広がる感じがします。大変丁寧なつくりで素晴らしいと思いました。
陶芸・工芸・その他
作品名:悠久の譜 作者:増田 淳三 様
右京区内高等学校絵画展
学校名,作品名,作者名については,公表について了承いただいた方のみ,記載しております。
学校:京都光華高等学校 学年:2年
作品名:あふれる 作者:宮本 真洸 様
(右京区民文化普及会委員 講評)
柔らかいトーンで丁寧に描かれた若い女性の人体像。彼女の感性を象徴するかのように,軽やかで緻密に描かれた青い髪の上には「かわいい」モノたちがいっぱい。その中の紫色のぬいぐるみは,金色に輝く三日月のようなリングを彼女の頭にはめようとしています。彼女の目を閉じた様子から,静かな時間の中でまさに溢れんばかりの温かい想いをしっかり抱く内面性を若い感性で印象的に表現しています。
学校:京都府立北桑田高等学校 学年:3年
作品名:構成成分 作者:外田 悠生 様
(作者コメント)
自分の内側には何が要素としてあるのだろうか,と考えながら制作していたら,その要素同士のつながりや自分の行動へのつながり,関係などが見えてきたりして面白かった。
(右京区民文化普及会委員 講評)
一点透視の画面の先を見つめる後姿の人物は作者なのでしょうか。左右の壁のような空間にはこれまでの生活経験の中の様々な記憶がペンを用いた絵や文章の詳細な表現で記録されているようです。これらはまさしく後姿の人物自身を表す構成成分だと言えます。今は人物の背中に月の影のような黒い孔がぽっかりと開いていますが,いずれこの孔も満月のような明かりで満たされていくことでしょう。
学校:京都府立嵯峨野高等学校 学年:1年
作品名:12:00PM 作者:森岡 由妃 様
(右京区民文化普及会委員 講評)
勉強,部活動,友達の交流,本当に忙しい毎日の中で「ぼーっとしている」自分に,気づけば午後12時だったのでしょうか。そんなふとした時間の空白,移ろいゆく時の流れに身を委ねている自分自身を,宙を見つめる表情や白線で区切られたそれぞれの画面をつくる色彩やマチエールの変化で表し,「時間」という主題を自己の内面を描く自画像の表現にうまく取り入れています。
学校:花園高等学校 学年:1年
作品名:冷蔵庫 作者:佐野 絢音 様
(作者コメント)
日常で使う家電製品を使いたくて,冷蔵庫をテーマにしました。
(右京区民文化普及会委員 講評)
小腹がすいた時,何かないかと冷蔵庫を開けてみる,そんな生活の中のひとコマを,口にスプーンをくわえ,キッチンで目玉焼きを作るクールなキャラクターで印象的に描いています。タイトルでもある冷蔵庫を直接描かず,斜め上から人物に迫る視点は,まるでこの絵の鑑賞者自身が冷蔵庫の中から覗いているような感覚にもなり,無重力的な宇宙を感じさせる青を基調とした色彩とあわせて面白い表現となっています。
学校:京都府立聾学校 学年:3年
作品名:私の目に映るもの 作者:田中 純香 様
(作者コメント)
この油絵は,自分の目に映っている世界の様子である。それを伝えるため,色や形状や雰囲気は,自分の目に映っている様子をありのままに描きました。
(文化普及会委員 講評)
技術室の一角でしょうか。赤い送りハンドルが付いた年季の入ったボール盤と,その向こうにはベルトサンダーのような電動工具も見えます。おそらく作者はこのボール盤を使ったことがあるのでしょう。ドリルで孔を開ける時の手に伝わる振動や孔が抜けた時の気持ちよさなど,作者は身体全体で感じ取った経験の記憶をもとに,誠実な観察眼で目の前にある対象に思いを込めて丁寧に描き切っています。
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