スマートフォン表示用の情報をスキップ

京都市右京区

言語選択を表示する

検索を表示する

スマートフォン表示用の情報をスキップ

現在位置:

次期京都市右京区基本計画の策定に向けた区民意見募集(パブリックコメント)冊子(音声読上げ版)

ページ番号281581

2021年3月9日

次期京都市右京区基本計画の策定に向けた区民意見募集(パブリックコメント)冊子(音声読上げ版)

 右京区役所では,令和3年度から5年間を計画期間とする「次期京都市右京区基本計画」(以下,「基本計画」という。)の策定に向けて,右京かがやきミライ会議をはじめ,多くの区民参加のもと,検討を進めています。

 この度,右京区で暮らす一人ひとりが幸せな未来を思い描き,行動するためのプロセスや考え方を示した基本計画案がまとまったことから,広く区民の皆様のアイディアや御意見を募集(パブリックコメント)しますので,お知らせします。

募集期間

令和3年3月15日(月曜日)~4月30日(金曜日) (必着)

提出方法

1 郵送または持参
  〒616-8511 京都市右京区太秦下刑部町12 右京区役所地域力推進室企画担当

2 FAX 
  075-872-5048

3 電子メール
  [email protected]

4 御意見入力フォーム
  →こちらから

※ 郵送または持参,FAXでの御提出に当たっては,意見提出用紙を御活用ください。
※ お電話での受付は行っておりませんので,御了承ください。

本冊子の読み方(構成)

次期計画案は,大きく3つのパートで構成しています。

第1部 「わたしたち」が実現したい未来のための「右京区基本計画」
 右京区役所から,次期計画案に込められた想いをお伝えするパート。
 ▶ これから右京区が目指したい将来ビジョン
 ▶ 何のための,どんな計画か

第2部 「わたしたち」が描く未来と実現のためのアクション
 区民の皆さん一人ひとりが,実現したい未来やアクションを見つけていくに当たって役に立つプロセスや考え方をまとめ,皆さんに『手引き』のように使ってもらうことを想定したパート。
 ▶ まちを知る
 ▶ まちやくらしの未来を描く
 ▶ アクションを起こす

第3部 「わたし」と「わたしたち」をつなぎ・支える,右京区役所や市役所のアクション
 右京区の将来ビジョンの実現に向けて,区役所等が果たす役割,そして,区民一人ひとりの行動や活動を支える制度・仕組みについてまとめたパート。
 ▶ 区役所等の役割
 ▶ 区役所等が運営する制度,仕組み

第1部 「わたしたち」が実現したい未来のための「右京区基本計画」

-右京区が目指す将来ビジョンー

右京区の基本計画は,右京区のまちづくりの進展と密接に関わっています。

第1期 右京らいむらいと計画21(2001~2010年)
 都市としての基盤整備がまだ過渡期の時代でした。そんな中,地下鉄東西線の延伸に伴う太秦天神川周辺の拠点整備が基本計画にも位置付けられ,実現につながりました。

第2期 右京かがやきプラン(2011~2020年度)
 多様なまちづくりの担い手による自主的な活動が広がってきた時代でした。そんな中,多様な主体が連携・協力するための仕組みの構築などが基本計画にも位置付けられ,それが実行されることで,まちづくり活動の担い手がさらに広がりました。

 こうして,時代の流れに応じて,区民のくらしにとって必要な施策を位置付け,その実現を目指す羅針盤となったのが,基本計画です。では,これから5年後の右京区は,どんな未来を描けばいいでしょうか。その実現のためには何が必要でしょうか。

第3期 (次期)右京区基本計画(2021~2025年)
 どんな時代になっても,わたしたちがくらしの中で直面する課題が無くなることはありません。 多様な生き方・くらし方ができるようになる一方で,今まで一部の人たちにとっての問題としてあまり知られていなかったことが浮き彫りになったり,地域社会内での人間関係の薄れや自治活動の担い手確保が困難になるなど,新しい課題が出てきました。
 また,人口減少の本格化や地球温暖化の加速,新型コロナウイルス感染症の拡大といった,社会全体で乗り越えなければならない難しい問題にも直面する一方で,その課題解決の担い手として先頭に立つはずの京都市は,深刻な財政難の状況にあります。
 「これは市民がやること」「行政が考えるべきこと」,そういった考え方の先にある未来はもう見えません。「自分には何ができるのか」一人ひとりが,自分自身のくらしやまちの未来のことを,本当に,真剣に考えなければいけない時がやってきているのだと思います。
 だからこそ,これからの右京区にとって重要なのは,一人でも多くの人がこうした課題に「自分ごと」として関わること,解決のために協力し合うことだと考えました。そして,次期計画案では,次のような右京区の将来ビジョンをイメージしました。

右京区の将来ビジョン
 右京区でくらす一人ひとりが,「わたし」と「わたしたち」の幸せな未来を思い描き,その実現のために行動している。
 そうした先に,右京区では,誰もが,人と人とのつながりを持ちながら,自分らしく,心豊かにくらすことができている。
 そんな右京区では,くらす人たちがこんな考え方や姿勢になっている
 「多様性」を力に変えていく
 一人ひとりが自分以外のことに関心を持ち,多様な個性や価値感の違いを互いに尊重しながら,その多様性をエネルギーに変えていく。
 「くらしにくさ」を伸びしろにする
 くらしの中の「不満」や「不便さ」を残しながらも,それを楽しみながら,みんなで解決していく。
 「お互いさま」で支え合っていく
 人と人とがゆるやかにつながって,ほどよく甘えたりお節介し合いながら,日々の困りごとを解決していく。
 「やってみよう」を応援する,チャレンジする
 一人ひとりの「やってみたい」や「地域・社会のためにやってみよう」という行動を,互いに支え合いながら積極的にチャレンジしていく。

将来ビジョンの先にあるレジリエント・シティ/SDGs
 あらゆる危機に対して,しなやかに力強く乗り越え,将来にわたって持続可能な魅力あふれるまちのことを指す「レジリエント・シティ」。「誰一人取り残さない」を合言葉に,持続可能な社会の実現を国際社会全体で目指す17のゴール(目標)である「SDGs」。これらは,京都市でもあらゆる施策に取り入れていこうとしている,社会共通の大きな目標ですが,その達成には,一人ひとりが自分にできることに取り組んだり,共創することが必要です。
 例えば,地球温暖化の問題。京都市では2050年ごろまでに二酸化炭素排出量「正味ゼロ」を目標に掲げており,これは一人ひとりの小さな努力の積み重ねがあってこそ実現できるものです。
 課題や目標が大きければ大きいほど,自分からは遠いはなしのように考えがちですが,一人ひとりが「わたし」の目線で,「自分のやっていることは何にどうつながっているんだろう」「自分にできることは何だろう」と考え,行動する。その小さなアクションが集まれば,世の中を動かしていく大きな力になります。右京区の将来ビジョンが実現したその先には,こうした社会共通の大きな目標の達成にもつながっていきます。

-「わたし」が,まちやくらしのことを考え行動するための基本計画-
 次期計画案で描く右京区の将来ビジョンは,「みんな」ではなく「わたし」が主語です。やるべきことは計画の中ではなく,皆さん一人ひとりの中にあります。どれだけ多くの人が,「わたし」を主語に意識や行動を変えていくことができたかで,5年後の右京区の未来が変わってきます。
 次期計画案は,右京区でくらす一人ひとりが幸せな未来を思い描き,行動するに当たっての『ガイド役』を担い,また,一人ひとりが考え,話し合い,行動していくことでどんどんアップデート(更新)されていく,「生きている計画」となるようまとめました。

基本計画の役割(策定目的)
・ 「わたし」と「わたしたち」の幸せな未来を思い描くための,新たな気付きを得るもの。
・ 何か行動しようと思ったときの羅針盤となるもの。

基本計画の特徴
 読み手一人ひとりにとって「わたし」が主語になるように。
 行政も含めた右京区に関わるすべての皆さんそれぞれにとっての未来を実現するための計画として,読み手一人ひとりが主語になるよう工夫しました。
 読み手自ら考え,行動するためのスタートラインとなり,未来の実現に向けた道筋を考えるヒントに。
  この計画は「完成図」ではありません。皆さん一人ひとりにとってのスタートライン(出発点)や,未来の実現に向けた行動の仕方をイメージし,考えるヒントになるよう,とりまとめました。

行政計画の中での位置づけは?

 右京区基本計画は,京都市基本計画と相互補完の関係にあります。
 京都市基本計画では,全市的に取り組むべき課題や,その解決のために取り組む政策・施策が位置付けられていますが,それらを推進する土台となるのは,「地域の力」です。
 右京区基本計画では,区民一人ひとりが自分とまちとの関わりを意識し,自分にできることを考え,行動する「地域の力」を高める役割を担っています。

都市理念(都市の理想像),
世界文化自由都市宣言,
1978年10月宣言。

21世紀の京都のまちづくりの方針を理念的に示す長期構想,
京都市基本構想,
2001年~2025年。

全市的観点から取り組む主要な政策を示す計画,
京都市基本計画(第3期),
2021~2025年。

右京区の個性を活かした魅力ある地域づくりの指針となる計画,
右京区基本計画(第3期),
2021~2025年。

第2部 「わたしたち」が描く未来と実現のためのアクション

 将来どんなくらしをしていたいか,そのために右京区はどんなまちになっていてほしいか,一度立ち止まって,「わたし」の視点で未来を思い描いてみる。まず,このアクションに取り組んでみませんか。
 そして,その未来の実現のために,ほんの一歩でも,半歩でも,今の「わたし」でも出来そうなことをやってみる。これだけでも,未来は確実に引き寄せることができます。
 また,他の人に「わたし」が実現したい未来を語ってみる。他の人の意見や,他の人が思い描く未来を聞いてみる。今,そしてこれから「わたし」が何をしたらいいかなかなか見つからない時は,これがとても効果的です。他の人が描く未来の姿との共通点が見つかると,きっと嬉しくなると思います。
 たくさんの人の想いがつながれば,「わたし」の実現したい未来は「わたしたち」の実現したい未来となり,たくさんの人が行動することで,より一層,その実現に近づくことになります。

第1章 まちを「知る」ことからはじめる

まちを「知る」方法
 未来のまちについて考える前に,まずは,まちの今とこれまでを「知る」ことからはじめていきましょう。
 大切にしたいのは,「わたし」の目線。「わたし」にとって,このまちは住みよいのかどうなのか。生活実感から振り返ってみましょう。
 そしてもう一つ,出来ればやってみたいのが,京都市などが公表している客観的なデータを見ることです。主観と客観の両方を重ね合わせていくことで,リアルで,かつ裏付けのある,まちやくらしの現状を知ることができます。
 もちろん,未来に影響を及ぼしそうなこと,例えば,人口減少の本格化や地球温暖化の加速,新型コロナウイルス感染症の拡大といった,社会の大きな潮流の変化に目を向けていくことも大切です。
 まちの今とこれまでを生活・くらし目線でまとめてみると,自分自身がどんなことに興味・関心や問題意識を持っているのかも分かり,頭の中の整理がつき,実現したい未来のイメージを思い描く足がかりになります。

(1)身近なくらしを振り返る
 主観的なもの
 生活の実感の変化や気になった出来事などを振り返る
(2)くらしの変化をデータで見る
 客観的なもの
  「わたし」の生活実感は「まち」で見ればどのように表れてくるのかを確かめる
(3)今起こっている大きな潮流の変化に目を向ける
(4)生活・くらし目線で整理する

(1)身近なくらしを振り返る
 かんがえるときのポイント
 こういう時,こんなことが嬉しかった,楽しかった,つらかった,頑張ったなど,具体的な経験・エピソードを思い返してみましょう。以外とその時の「まち」の様子との関わりが見えてくるかもしれません。
 また,自分の経験だけでなく,他の人たちの経験について聞いてみることで,改めて気付くこと,新たに知ることもあると思います。自分で振り返ってみたら,次はいろんな人たちと語り合ってみましょう。

(2)くらしの変化をデータで見る
 かんがえるときのポイント
 統計データは,過去・現在・(ものによっては未来)を比較できるツールです。まちの様子や人々の意識の「変化」を客観的に見ることができます。ぜひ,皆さん自身が気になるテーマについて関連する統計データを探してみましょう。そして,大事なことは「なぜそうなったのか」。変化の背景にあるものを推理・想像してみましょう。

(3)今起こっている大きな潮流の変化に目を向ける
 かんがえるときのポイント
 新型コロナウイルスの感染拡大にともなう様々な制限・自粛。この突然で急激な変化は,わたしたちのくらしや地域活動に様々な影響をもたらしました。
 このほか,人口減少や地球温暖化といった社会課題も,わたしたちの未来に大きな影響を及ぼす可能性があります。これらの大きな潮流の中にいる「わたし」の目線で,くらしや気持ちの変化を考えてみましょう。

(4)生活・くらし目線で整理する
 かんがえるときのポイント 
 わたしの右京区でのくらしは,この10年でどのように変化してきたのか。そして今,どんなことに魅力や課題を感じているのか。まちに対する印象,興味・関心や問題意識も,多くの方が集まり,寄せ合えば,実に広い範囲にわたることが分かります。
 「わたしたち」の未来を描くためには,「わたし」にとっての右京区について語り合う「対話の場」というものが不可欠です。

ミライ会議を開催してきました!
 右京区役所では,令和元年12月から,「右京かがやきミライ会議」(以下「ミライ会議」)などを開催し,右京区でくらし,働くたくさんの人が「対話」を重ねながら,実現したい未来を思い描き,そのためのアクションについて考えてきました。
 第2部では,ミライ会議で参加者の皆さんが語り合ってきた意見等の一部も紹介しています。これらも参考に,「わたし」は何をどうすればいいのか,具体的なイメージを持っていただきながら,読み進めていただければと思います。

ミライ会議でやってきたこと
(1)身近なくらしを振り返る
 この10年を振り返って,身近なところでどんな出来事があったのか,今のくらしにどんな実感をいだいているのか,お互いに語り合い,共有しました。今のくらしの良いところ,不満なところを出し合いました。この10年間での印象的な出来事を年表に貼りました。

(2)くらしの変化をデータで見る
 語り合ってきた生活実感に基づく身近なくらしの変化について,関連しそうなデータを区役所職員が集めてきてお示ししました。大きな店舗は残り,小さなお店が減っていることが分かりました。生活実感のとおり,比較的小さな,昔からある地元のお店が減っているのかもしれません。

(3)今起こっている大きな潮流の変化に目を向ける
 コロナ禍で起きているくらしや気持ちの変化について話し合いました。また,右京区役所ホームページ上のアンケートでも,区民の皆さんから,くらしや気持ちの変化を投稿してもらいました。
 くらしの中の様々な場面で変化が。
 自宅で過ごす時間の増加で,一緒に住む家族との絆が深まった。離れて住む家族と過ごす時間が少なくなった。
 オンライン授業で,その場にいないといけない時間が減って,授業を受けるのが楽になった。学びの機会というより課題の作業    化に。
 テレワークで,時間の有効活用ができるようになった。家庭と仕事との棲み分けが難しい。
 仕事で,人との接触が不可欠な仕事も(物流,ソーシャルワーカーなど)。
 価値感や心境にも変化が。
 人と対面で会うこと,話すこと,つながることってやっぱり大事なんだなと思った。人との価値観の違いが見え,同じ価値観を求めがちな自分に気付いた。人への思いやりが大事。自分が大切にしたいことを考え,くらしの中で自分なりの正解を見つけ,選択していきたい。今まで当たり前だったものを考えるきっかけになった。

(4)生活・くらし目線で整理する
 みんなで語り合ってきた,まちの現状の実感をまとめてみると,9つの分野に整理できました。これがミライ会議で「わたし」と「わたしたち」の未来を描いていく下地となりました。
1 移動する(観光)。
2 食べる・買う。
3 稼ぐ・商う。
4 はたらく。
5 育つ・育てる。
6 学ぶ・遊ぶ・楽しむ。
7 健康にくらす。
8 身を守る・支え合う。
9 つながる・交わる・集う。

第2章 わたしたちのまちやくらしの未来を描く

わたしが実現したい未来の描き方
 未来の描き方には「今を起点」にしたかんがえ方もありますが,わたしたちがこの計画で描く方法は「未来を起点」にしたかんがえ方です。つまり,今あるものや無いものにとらわれず,「こうありたい!」という理想の未来を思い描き,その未来を引き寄せるために今必要なアクションをかんがえる「未来からの逆算」です。(バックキャスティングといいます)。
 未来のことは誰にも分かりません。そして,それを描くのは「わたし」です。
 そうであれば,現実的な課題はいったん横に置いて,自分が本当に「こうありたい!」と想い願うものをイメージしたほうが,明るく楽しい未来が描けます。「無いならつくればいい」「とりあえずやってみよう」という前向きなアクションが生まれてくるかもしれません。第2章から第3章では,ミライ会議のプロセスとも重ね合わせながら,この「未来からの逆算」のかんがえ方を紹介しています。

 未来からの逆算のイメージ。
 ステップ1 実現したい未来を思い描こう。
 ステップ2 今のくらしと理想とのギャップを考えよう。
 ステップ3 未来を引き寄せるためのアクションを考えよう。
 ステップ4 はじめの一歩を踏み出してみよう。

 かんがえるときのポイント
 「誰もが安心していきいきとくらせるまち」。誰もが「そうだよね」と思える「理想のまちの姿」です。では,果たして,そのまちにはどんな人がいて,くらす人たちがどんな意識や行動をしていて,どんなくらしをしているでしょうか?実はこのスマートな言葉からはそういう具体的なイメージがあまり伝わってきません。まずは,未来の様子の具体的イメージから思い描くことが大切です。「まち」はあくまで「くらしの器」ですから,そこでこんなくらしがしたいという「理想のくらし」のイメージからかんがえることがポイントです。

ミライ会議でやってきたこと
 ミライ会議でも,整理してみた9つの分野に沿って,「理想のくらしの姿」「理想のまちの姿」「くらす人たちの意識・行動」について,一人ひとりが「わたし」目線でかんがえながら,「わたしたち」が目指したい未来について,多くの人たちと語り合いました。 このうち,一例として,1 移動する(観光)の未来イメージをご紹介します。

 理想のくらしの姿

 地域の人たちが車よりも公共交通機関を積極的に使うようになっている。駅や道路のバリアフリー化が進むとともに,利用する人たちの心のバリアフリー化も進んでいる。

 くらす人たちの意識・行動
 自分も地域の足を支える一員として公共交通機関を積極的に使うようになっている。障害のある方やベビーカーを押す人などのことに気を配れるようになっている。

 理想のまちの姿
 地域の足をみんなで支えることによって,公共交通機関が維持・充実されるという良い循環が生まれるまちになっている。地域住民,通勤・通学者,観光客,障害のある方など,それぞれにとっての利便が感じられるまちになっている。

 まちにくらす多様な人たち(登場人物)
 区内の市街地や山間地域でくらす人,区外からの通勤・通学者,観光客,移動に不自由のある人(身体に障害のある人,不自由がある高齢者など)

第3章 ミライの実現に向けたアクションを起こす

 アクションをかんがえる方法
 目指したい未来が描けたら,次は,どのようなアクションを起こしていくかをかんがえていきます。やりたいことやできることからかんがえるより,次のStepを踏むと,効果的なアクションが見つかると思います。

 ステップ1 実現したい未来を思い描こう
 わたしは10年後,どんなくらしをしたいだろう?「なぜそう思うのか」個人の経験などをもとに関心事を掘り下げよう

 ステップ2 今のくらしと理想とのギャップをかんがえよう
 「ありたい姿」はなぜ今できていないのかな?何があれば理想に近づけるかな?自分の周りの人や未来の実現に関係ありそうな人たちの話も聞いてみよう!

 かんがえるときのポイント
 1人でかんがえるだけでなく,人と話し合って,手順を進んだり戻ったりしながらやってみるのもいいと思います。すると,未来のイメージがもっと膨らんだり,一緒に取り組む仲間が見つかるかもしれません。

 ステップ3 未来を引き寄せるためのアクションをかんがえよう
 わたしならどんなアクションをしたいできるかな?個人でできること,誰かと一緒にやること,日々のくらしの中でできること,ちょっと背伸びしてやってみたいこと,いろんな形があるよね。一つに絞らなくてもいいよ。

 ステップ4 はじめの一歩を踏み出してみよう
 わたしのアクションにつなげるために関心ある活動に参加してみる,仲間を探してみる,自分で小さくはじめてみる,まず誰かに話してみる

 かんがえるときのポイント
 「アクション」には,日々のくらし方やちょっとした行動を変えてみることから,活動グループをつくって事業を行うことまで,幅広い形があります。そのどれにも,未来の実現に向けて大きな価値があります。

ミライ会議でやってきたこと
 ミライ会議でも実際にこのステップで話し合い,アクションをかんがえてみました。その一例を紹介します。

 分野9 つながる・交わる・集う 個人でのアクション
 実現したい未来 様々な世代がふれあい,助けたり助けられたりできる世の中にしたい。
 今のくらしと理想とのギャップ 世代間で交流できる機会が少ない。
 未来を引き寄せるためのアクション 子育ての文化(子どもの絵本や歌や遊び)を後世に伝えていく。
 はじめの一歩 SNSなどの新しいツールを使い,世代間をつなぐ。

 分野5 育つ・育てる 仲間・グループでのアクション
 実現したい未来 誰もが「やってみたい!」と思うことを話すことができて,応援し合えるまちにしたい。
 今のくらしと理想とのギャップ 今までの常識にとらわれて,新しいことを始めにくい環境にある。
 未来を引き寄せるためのアクション 学区にひとつ,住民がやってみたいことをできる居場所をつくる。
 はじめの一歩 自分の学区で住民が語り合える場をつくり,定期的に開催する。

第3部 「わたし」と「わたしたち」をつなぎ,支える,右京区役所や市役所のアクション

 右京区が目指す将来ビジョンの実現のためには,まず一人でも多くの人が意識や行動を少しずつ変えることがスタートとなります。ここまで,その理想的なプロセスを紹介してきました。
 そして,「わたし」の想いや願い,そこから生まれる行動や活動がつながって,「わたし」が「わたしたち」になっていくことで,右京区というまちを良くすることにつながっていくのだと思います。
 この『ガイド役』である基本計画を活用し,区民の皆さん一人ひとりの頭の中でモヤモヤしている未来のまちとくらしの姿や,そこに辿り着くための道筋などのイメージを整理するお手伝いをしながら,そこから生まれる行動や活動を後押しし,つないでいくことが,右京区役所や市役所の役割だと考えています。
 これらの役割は,職員が日頃の業務で区民の皆さんと接する中で,相談をお聞きすることはもちろんですが,より幅広く使ってもらえるための「制度,仕組み」としても整えていきます。
 これらの仕組みを動かし,必要に応じて形を変えたりしながら,また,区民の皆さんの中から,一人ひとりの行動や活動を「支える側の担い手」を見つけていくことも意識しつつ,まちについて考える,まちに関わる人の裾野を広げていきます。

  頭の中でまだモヤモヤした状態のわたしが
 新たな気付きをえながら,イメージを整理する。
 行動や活動を起こす。
 行動や活動がつながって,わたしたちになっていく。

 誰もが気軽に立ち寄れる場
 誰かに聞いてみたいテーマを持ち込んだり,区役所職員に相談したり,一人ひとりが自由な時間を過ごす場を定期的に開催。
 ・ 現在の社会課題についての情報提供。
 ・ いろんな人の関心事について話し合う場をつくる。
 ・ 関心事に関わる人をつなぐ。

 未来を語り合う対話の場
 実現したい未来を語り合い,そのための行動・活動を生むプロセスを通じて,気付きを得たりつながりをつくる場として開催。
 また,身近な地域での対話の場をサポート。
 ・ 行動や活動を考えるお手伝いをする。
 ・ 学びの機会の情報を提供する。
 ・ 関心事を深めるお手伝いをする。

 想いをつなげる場
 多様な人たちが集い,対話する中で,協力や協働の関係性が生まれるような,出会いやつながりづくりの場を開催。
 ・ 行動や活動に関わる人をつなぐ。
 ・ 行動や活動している人たちが語り合う・出会う場をつくる。
 ・ 行動や活動の事例を紹介する。

 情報の発信・蓄積・共有
 ポータルサイト等により,皆さんの実現したい未来やそのための行動・活動を「見える化」。
 ・ 活動を広く知ってもらうためのお手伝いをする。
 ・ 一人ひとりの行動や活動の情報を「見える化」する。

 自主的な活動の支援
 プロジェクトづくりの相談,学びの機会の提供,スタートアップ資金の支援など。
 ・ 関連の統計データを探すお手伝いをする。
 ・ 活動を資金面で支援する。

 誰かの実現したい未来を応援する人たち
 いろんな人の相談にのったり,人をつないだり,応援・協力したりできる人や組織,そのネットワークができるのが理想。

 基本計画をアップデート
 
個人や団体の想いや願い,行動や活動をつなぎ,右京区のビジョンとしてまとめ,各年度の区役所の運営方針や次の基本計画づくりに活かす。右京区役所や市役所が,区民の皆さんの想いの高まりや,行動や活動の広がりを受け止めて,未来の実現に向けての政策・施策を立案・実施する。

区民の皆さんのニーズに合わせて新たな制度や仕組みとしてフィードバック。

右京区基本計画と京都市基本計画は,「互いに補完し合う」関係にあります。

 市民一人ひとりが自分とまちとの関わりを意識し,自分にできることを考え,行動する。そうした小さなアクションの積み重ねが,世の中を動かしていく大きな力になります。この「地域の力」を高めていくための道筋を示すのが,「右京区基本計画」です。
 相互補完の関係にある「京都市基本計画」は,さまざまな主体と行政が協働し,市民の視点から目指すべき「京都の未来像」の実現等に加え,行政改革などの視点も盛り込み,全市的観点から取り組む主要な政策を示すものです。

まちの未来のために,誰が誰と,どう進めていく?
 京都市では,京都のグランドビジョンを描いた「京都市基本構想」において,「信頼」を基礎に社会の再構築をめざすというまちづくりの方針を理念的に示し,その中で,市民参加によるまちづくりの推進等を掲げています。

右京区基本計画と京都市基本計画との関係は?
 京都市では,「京都市基本構想」を具体化するため,一人ひとりが実現したい未来を思い描き,その実現に向けて行動するための道筋を示す「右京区基本計画」と,全市的観点から取り組む主要な政策を示す「京都市基本計画」をそれぞれ策定し,2つの計画を相互に補完し合う関係として位置付けています。

右京区基本計画
 一人ひとりが実現したい未来を思い描き,その実現に向けて行動するための道筋を示すの計画
 ・ 右京区の将来ビジョン
  くらす人たちの理想の姿
 ・ 一人ひとりの行動の手引き
  一人ひとりが実現したい未来やアクションを見つけるに当たって役に立つプロセスや考え方
 ・ 右京区役所などのアクション
  区民一人ひとりのアクションを支える制度や仕組み

京都市基本計画
 京都の未来像 めざすべき京都の姿
 ・ 地球環境にくらしが豊かに調和する「環境共生と脱炭素のまち・京都」
 ・ 歴史・文化を創造的に活用し,継承する「日本の心が感じられる国際都市・京都」
 ・ いのちとくらしを守り,安心・安全で幸福を実感できる「支え合い自治が息づくまち・京都」
 ・ 人間らしくいきいきと働き,家庭・地域で心豊かに生活できる「真のワーク・ライフ・バランスを実現するまち・京都」
 ・ 誰もがともに学び成長し,未来を担う若者が育つ「学びのまち・京都」
 ・ 伝統と知恵を生かし,豊かなくらしと都市の活力を支える「環境と社会に貢献する産業を育てるまち・京都」

 重点戦略 未来像相互の関連性に着目しながら,複数の行政分野を融合し,とくに優先的に取り組むべき事項
 ・ 多様な文化を創造・発進する「世界の文化首都・京都戦略」
 ・ 都市環境と価値観の転換を図る「脱炭素・自然共生・循環型まちづくり戦略」
 ・ 京都ならではのはぐくみ文化が広がる「担い手成長支援戦略」
 ・ 人生100年時代に対応する「地域力・福祉力を高めて支え合うまちづくり戦略」
 ・ いのちとくらしを守り,都市の活力を支える「強靭なインフラ整備戦略」
 ・ 歩いて楽しい持続可能な都市を構築する「土地・空間利用と都市機能配置戦略」
 ・ 京都の文化,知恵を活かした「社会・経済価値創造戦略」
 ・ 市民生活の豊かさと文化の継承・創造につなげる「観光の京都モデル構築・発信戦略」

 政策の体系 総合的な政策体系を簡潔に示すとともに,分野別計画の基本となるもの
 〈うるおい〉
 1 環境 2 人権・男女共同参画 3 市民生活とコミュニティ 4 市民生活の安全 5 文化 6 スポーツ
 〈活性化〉
 7 産業・商業 8 観光 9 農林業 10 大学 11 国際
 〈すこやか〉
 12 こども・若者支援 13 障害者福祉 14 地域福祉 15 健康長寿 16 保健衛生・医療 17 学校教育 18 生涯学習
 〈まちづくり〉
 19 危機管理・防災・減災 20 あるくまち 21 土地・空間利用と都市機能配置 22 景観 23 建築物 24 住宅 25 みちと公園・緑 26 消防・救急 27 くらしの水
 各政策は相互に密接に関連するもので,政策番号は分野間の優先順位を示すものではない。

 行政経営の大綱 基本計画を進めていくための基盤となる行政経営の方針
 1 参加と協働による持続可能なまちづくりの推進
 2 市民の豊かさを実現するための挑戦と改革の行財政運営
 3 一層信頼される市役所づくりに向けた組織の改革と職員の育成

 計画の推進
 1 計画に掲げた政策の推進
 2 計画に掲げた政策の進ちょく管理
 3 計画に掲げた政策の点検・今後の総合計画のあり方の検討
 4 国,府,関係自治体との連携

背景となる社会経済情勢の変化 
 
わたしたちのくらしは,さまざまな社会的課題に直面しています。もうすでに顕在化しているもの,将来予測として長期的に見込まれるものなど多岐にわたりますが,いずれも市民と行政が力を合わせて乗り越えていかなければならない難しい問題ばかりです。
 以下の4つは,特に注目すべき社会経済情勢の変化の一部をまとめたものですので,ぜひ,自分とまちとの関わりについて考えるきっかけにしていただきたいと考えています。

人口減少の本格化
 国の長期推計では,京都市の令和27年人口は約130万人になると推計されており,少子化傾向の継続や高齢者の増加と単身化が進むと見込まれています。
 また,人口構造の変化や地域社会における関係の希薄化等により,さまざまな分野における担い手不足やまちの活力低下,社会的孤立の増加が懸念されています。
 このため,子育て世代の定住促進や働く場の確保等により,魅力や活力ある持続可能な都市を構築する等を通じて,都市のレジリエンス高めていく必要があります※ 様々な危機からの回復力,復元力,強靭性(しなやかな強さ)

地球温暖化の加速
 
地球温暖化が一因とされている海水面の上昇や台風等の異常気象が世界各地で増加し,災害による人命を脅かす危機や,熱中症や感染症などの健康被害,水や食料の不足などの深刻な影響が現れています。
 先駆的に地球温暖化対策に取り組んできた京都市では,2050年ごろまでに二酸化炭素排出量の「正味ゼロ」に向けて,市民,事業者,行政が一丸となって,温室効果ガス削減を進める緩和策と激甚化する災害等による被害の軽減・防止を図る適応策を進めていく必要があります。

グローバル化の進展
 
人・もの・資金・情報の流れが地球的規模で拡大し続け,世界各地間の相互依存が深まっています。あらゆる面でグローバル化が進んでいたなか,新型コロナウイルス感染症が瞬く間に世界各地に広がり,医療・健康面のみならず,世界経済へも甚大な影響を及ぼしています。誰一人取り残さないという理念のもと,社会・経済・環境の3側面について,すべての国が取り組むべき目標を示したSDGsの達成に向けた取組が進められています。※ 平成27(2015)年の国連サミットで採択された,令和12(2030)年までを期間とする国際目標。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットを定めたもの

産業構造の転換と厳しい京都市財政
 
新型コロナウイルスの流行は,多分野の産業に大きな打撃を与えました。新しい生活スタイルへの対応,ポストコロナ社会を見据え,AI等のデジタル技術を取り入れ,Society5.0の実現や働き方改革などを推進し,持続可能な経済を確立することが求められています。
 また,京都市財政は危機的な状況にあり,歳入歳出両面からの改革に加え,機動的で効率的な行政組織の構築などを一層強力に進めていくことにより,持続可能な行財政の確立をめざす必要があります。※ 先端技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れ,経済発展と社会的課題の解決を両立していく新たな社会

わたしたちの「まち」と「くらし」との関わり

「まちを変える」ってどういうこと?
 わたしたちが生まれ育ち,くらす「まち」。
 昔と今では,その様子はずいぶん変わってきたのではないでしょうか。
 なぜ,変わってきたのでしょうか?
 それは,わたしたちの「くらし」が変わったから。さらにそれは,「幸せなくらしをしたい」という,一人ひとりの想いや願いがあったから。つまり,「まち」は勝手に変わったのではなく,わたしたちが変えてきたのです。
 「まちを変える」だなんて,何だか遠いはなしのよう…って思うかもしれません。しかし,「まち」が将来にわたって,幸せにくらせる「まち」であるためには,一人ひとりが「こうありたい」と想い願い続けることが,大切な第一歩ではないでしょうか。

まちを良くする行動・活動と「お互いさま」
 例えば,身近な「ごみ」の問題。
 ごみを減らすために,行政では,ごみ袋有料化や分別義務化の条例をつくったり,市民や事業者にごみ減量を訴えたりしています。その訴えに応じて,お店では,マイバッグやマイボトル持参をお客さんに呼びかけたりしています。わたしたち一人ひとりは,お気に入りのマイバッグやマイボトルを持って,お買い物を楽しんでいます。
 呼びかける人たちがいて,応じる人たちがいる。この両方があってごみを減らすことにつながっています。
 また,ある場面では呼びかけ役を担っている人でも,別のときには助けてもらう立場になることもありますね。
 例えば,「みんなでごみを減らそう!」と呼びかける活動をされている人も,子育てで誰かに助けてもらったり,ケガや病気で誰かに頼る場面があるかもしれません。
 まちを良くすること。ともすれば,何かを呼びかけたり率先して実行している人たちだけがやっている,やってくれていると考えがちですが,実はわたしたち一人ひとりの行動がすべてつながっています。そして,人の行動はどこかでつながっていて,巡り巡って,その先にある一人ひとりの幸せなくらしの実現につながっています。まちは「お互いさま」で満ちています。

幸せなくらしを思い描くこと,行動すること
 
大切なのは,わたしにとっての幸せなくらしを思い描くこと。
 そして,わたしの周りの人や,その周りの人,そのまた周りの人の幸せなくらしを想い願うこと。わたしたちは一人でくらしているわけじゃないので,これも大切なんじゃないかと思います。
 わたしの幸せのために,わたしの行動をちょっと変えてみよう。
 そうすればほかの人たちの幸せにもつながるかも。
 ほかの人たちの幸せを願い,わたしの行動をちょっと変えてみよう。
 そうすればわたしの幸せにもつながるかも。
 わたしたち一人ひとりが想い,願い,そして行動することで,くらしは変わる。まちは変わる。
 さあ,一歩を踏み出しましょう!

 計画案(概要版)の内容はここで終わりです。最後まで読んでみて,どんな感想を持たれたでしょうか?自ら描く未来として,どんなイメージが浮かんできましたか?次は,それらを,意見募集用紙に書き込んでみてください。あなたの想いやアイディアが右京区の未来を変えます!

 

このページに対してご意見をお聞かせください

このページは役に立ちましたか?
このページは見つけやすかったですか?

お寄せいただいたご意見は、今後のホームページ運営の参考とします。

お問い合わせ先

京都市 右京区役所地域力推進室総務・防災担当

電話:庶務担当:075-861-1772、地域防災担当・調査担当:075-861-1784

ファックス:075-872-5048