第33回右京区民美術展及び右京区内高等学校絵画展における奨励賞受賞作品について
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2020年5月12日
第33回右京区民美術展奨励賞受賞作品
日本画
作品名:秋の厨 作者:恒田克子様
(右京区民文化普及会委員 講評)
墨の特性をいかした作品で技術的に優れている。多くのモティーフを扱いながらうまくまとめている。もう少し,大きな作品に挑戦してください。
作品名:風景 作者:福谷紀吉美様
(右京区民文化普及会委員 講評)
構図的に面白いとらえ方をしている。色調も整っていて心地良い。水の流にもう少し工夫がほしい。
洋画
作品名:創 作者:井口正之眞様

(作者コメント)
私の求めるものは,宇宙(命)を現す事(感覚の)追究です。無からの始まり…天地創造(モーゼとアダム),無限(∞),宇宙空間,テーマを決める。を感覚的に表現した作品です。見る人が自由に感じてもらうため「創」としました。
(右京区民文化普及会委員 講評)
構成も良く,色も良い。具象では無い作品に取り組まれて成功していると思います。唯,額の工夫が必要です。
作品名:追憶 作者:加藤照子様
※作品写真掲載希望なし
(作者コメント)
5月の京都府北部伊根町の舟屋を,海側からではなく,内側(道路側)から
描いた作品です。洗濯物を干す割烹着姿の女性に,亡き母の面影が重なりました。
(右京区民文化普及会委員 講評)
作品としては華やかでも無く,テクニックが特に優れているわけでもありません。
正面に立った時,言葉にはならない何かが伝わってきました。何とか言葉にするなら,
素直でした。暖かでした。
書
作品名:曲盡酒亦傾 作者:荒木湖舟様
(右京区民文化普及会委員 講評)
全体のバランスも良く,上品に仕上がりました。線質も練れており,今までに随分と書き込んでこられたところが作品からうかがえます。今後ますますの精進を期待します。
作品名:流され侍りける時、家の梅の花を見侍りて 作者:森川未津代様

(作者コメント)
学生時代,仲の良い友達と散策した天満宮の梅の花…又,道真公が遠くの地に任命された時のお心に,思いを馳せながらこの書を書きました。
(右京区民文化普及会委員 講評)
墨の濃淡がよく効いております。字形を少し考えた方がよいところもありましたが,全体的には空間の処理もよく,うまく作品を仕上げております。古典の字形を参考にされると,もっと良くなると思います。
写真
作品名:出発 作者:安田敏比古様
(作者コメント)
海を渡る蝶「アサギマダラ」を,水尾へ撮りに行きました。その帰り道JRの保津峡駅へ向かって歩いている時に偶然「オニタビラコ」の種子が風に舞っている所に出合いました。太陽に反射して青空に美しく輝いておりました。
(右京区民文化普及会委員 講評)
太陽に照らされ,光りながら風に乗って大空へ出発(たびだ)っています。どこまで飛んでいくのだろう…と見守っていきたい気持ちに。ただ画面いっぱいに作画されていますが,右側に余白を入れるともっと深みのある作品になりました。
工芸
作品名:逆髪 作者:芦田妙子様
(作者コメント)
60歳を前に能面に出会いました。能面教室に10年余り通っていました。能の舞台で使えるものをと師匠からは厳しくも丁寧な指導を受けました。「小面」にはじまり「翁」,「増女」等々10面打ち(彫ること)ました。この「逆髪」は最後に打った作品です。女面の中で一番打ちたかった面ですが,幸いにもいい感じに仕上がりました。技術的にはまだまだ充分とは言えませんが,気には入っています。今回,初めての奨励賞を頂き大変喜んでおります。
(右京区民文化普及会委員 講評)
造型的にも優れていると思いました。包み込むような優しさを感じます。実際に灯が入ると,一層柔らかい曲線とこもれ陽のような光線が大変魅力的です。
陶芸
作品名:あかり 作者:伊山末子様
※作品写真掲載希望なし
(右京区民文化普及会委員講評)
引き込まれるような魅力と,力強さも感じました。長い時間をかけて制作に
打ち込まれた事と思います。素晴しい作品だと思います。
右京区内高等学校絵画展
京都外大西高等学校 1年
作品名:木版画

(右京区民文化普及会委員 講評)
厳しい日差しの中,高原を走る駅伝競走の2人のランナーの「抜きつ抜かれつ」の姿をドラマティックに描いている。ランナーの身体の動きや表情,そして印象的な影の表現などが素晴らしい。木版画は,ついつい彫り過ぎて画面全体が明るくなりがちだが,明暗のバランスがよく,彫刻刀の彫る角度も工夫されていて作者の作品に込められた気持ちが伝わってくる。
京都光華高等学校 2年
作品名:いくじなし
(右京区民文化普及会委員 講評)
不思議な絵である。そして心に細く残る絵である。画面からはみ出すように大きく描かれた顔,つややかね髪の毛,じっとこちらを見つめる眼,軽く空けられた口,どれをとっても写実的にしかも克明に描かれている。しかし,それだけではない。際立つものはなんと言っても印相を結ばれたような手の表現である。さらに瞳に映り込んだ口。作者自身の様々なおもいや経験をもとに「いくじなし」を比喩や象徴で表現しようとしているかのようである。
京都府立北桑田高等学校 3年
作品名:日常 作者:磯部汐里様
(右京区民文化普及会委員 講評)
スパッタリング技法を使った作品である。形の変化,画面構成,グラデーションある色彩の変化と調和,リズミカルな動きなど,どれをとってもこの色面構成作品の完成度は極めて高い。これほど精緻なものを描ききるためには,相当な準備と計画性が求められる。小品ながら大変魅力的な作品である。
京都府立北嵯峨高等学校 3年
作品名:秋へむかう 作者:渡邊美里様

(右京区民文化普及会委員 講評)
この風景の中に入り込み,奥へ奥へと歩んでゆきたい。この作品を見ているとそのような気持ちにさせられる。写実性と色彩の乱舞が共存するような表現は絶妙である。細い筆と太めの筆の使い分けも巧みである。緑色から黄色へ,黄色から橙色へ,橙色から赤色へとしだいに変わる木の葉の色。まさに題名どおり「秋へむかう」である。
花園高等学校 3年
作品名:ピザ 作者:安田小富美様
※作品写真掲載希望なし
(右京区民文化普及会委員 講評)
テーブルに座り,これから食事をしようとする日常生活の一コマをさりげなく描いている。
テーブルに置かれたものの配置や構図がよく考えられている。緻密に描かれているが細部に
拘泥することなく筆遣いは伸びやかである。さらに色彩の変化や統一感もある。木製のテーブル,
グラス,皿,玉子などの質感描写や重量感も的確に描かれていて大変見応えのある作品である。
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