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文化人からの京都市公営交通100周年記念メッセージ 第4弾 中川典子様(銘木師)

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2012年10月24日

文化人からの京都市公営交通100周年記念メッセージ 第4弾 中川典子様(銘木師)

駅まで送ってもらった市電の思い出







私の市電の思い出は小学校に入った時のことですね。当時はまだ小さかったので市電の駅までよく祖父に送ってもらいました。祖父はその時間には会社に行かなければならないのですが,孫が心配だったんでしょうね。私が,黄色いランリュックを背負って市電に乗るのがかわいいと言って,写真を撮ってくれたこともありました。祖父が忙しい時は,父が送ってくれました。

バスから賀茂街道の風景美




 市電が廃止されてからは移動の手段は市バスになりました。学校へは205番か1番が便利で,友達と一緒にワイワイとしゃべりながら通いました。でも,今日はちょっと「私だけのバス乗り」という気分の時には,一人で37番に乗りました。賀茂街道を走ると,桜並木に比叡山が見えたり,夕方には暮れゆく鴨川に鳥が飛んでいたりして本当にいい気分でした。バスから見る四季折々の景色はいいですね。時々,「こんな店があったんだ」とか,新たな発見もありますし,スローペースで見られるのがいいです。今の時代は誰もが時間に追われてあくせくしているように思いますが,気分転換は心の平安のためにも大切です。皆さんも仕事帰りにバスに乗って,いつもと違った景色を楽しんでみてはいかがですか。

新しい駅の誕生は周辺住民にとっては喜びでもある


 
 
 地下鉄と言えば東西線の西大路駅ができた時に,母と一緒にわざわざ地下鉄に乗って見に行った思い出があります。二条駅が終点ではなくなるというのは少し寂しかったのですが,それでも新しい駅ができるというのは周りの住民にとっては刺激であり,喜びでもあります。東西線には雨が降った時によく乗りますが,数ある駅の中で京都市役所前駅のカロリー表示は私にはツボでした。今でも京都市役所前駅に行くと○○カロリーと意識をしながら,しんどくても階段を利用しています。

公共交通を使って,自分の足で京都の魅力に触れてほしい


 


 昔,坂本龍馬は高瀬舟を使って酢屋のある木屋町三条界隈に入って来ました。今も,色々なところからたくさんの方が市バス・地下鉄を使って街の中に行き交い,一日乗車券を使って京都観光を楽しんでおられます。公共交通の「人を運ぶ」という仕事の重要性は昔も今も変わりませんね。私は,今,先祖代々の木に関わるコーディネート、銘木師の仕事や趣味の和菓子の会の主宰をしています。京都にはたくさんの京町家や和菓子屋のたたずまいがあります。ぜひ,それぞれのお店の本店に行って木造の良さを感じてほしいと思います。お菓子もおいしいですし,どの建物も京都ならではの木の文化が感じられる素晴らしいしつらえです。バスでゆっくり行くのもいいし,地下鉄でさっと行くのもいいですし,自分の足で訪ねて,その魅力に触れてほしいですね。

中川典子様(銘木師)プロフィール


 
酢屋,株式会社千本銘木商会常務取締役。
銘木師,IWA 木材アドバイザー
茶道美術出版社勤務後,岐阜,奈良県吉野での銘木修行を経て,
現在,創業290年,屋号「酢屋」,株式会社千本銘木商会常務取締役。
全国銘木青年連合会会員,京都市木材青年会OB。
NPO法人京町家 風の会理事。
DO YOU KYOTO?ネットワーク呼びかけ人
京都・和菓子の会主宰。



※千本銘木商会の屋号である「酢屋」は幕末,坂本龍馬ら海援隊隊士をかくまった京都の材木商としても知られています。創業300年近く,「酢屋」は「千本銘木商会」として,建築物の化粧材から木工芸、家具や京の職人道具まで,杢目(もくめ)にこだわった適材を求め、木の見立て屋(コーディネート)として、木の文化を育んでいます。

お問い合わせ先

交通局 企画総務部 営業推進課
電話: 075-863-5066