伏見区あれこれ : ふしみ昔紀行(平成21年3月)
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2009年5月27日
ふしみ昔紀行(65)
一言寺(醍醐一言寺裏町)
一言寺は、正式には醍醐山金剛王院(こんごうおういん)といい、醍醐寺の塔頭(たっちゅう)の一つで、元は醍醐山内にありました。
開基の阿波内侍(あわのないじ)は、平家物語にも登場する建礼門院徳子(けんれいもんいんとくこ)の侍女でした。本尊の千手観音は内侍の念持仏で、ある夜、清水寺の千手観音が枕元に立たれたことから、この地に小堂を建て祀(まつ)ったと伝えられます。
「ただ頼め仏に嘘はなきもぞ二言(ふたこと)言わぬ一言寺かな」とご詠歌のとおり、二願以上の願いごとなら成就せず、一言一念に願えば、必ず成就すると言われ、霊験あらたかなことから、「いちごんじ」「一言(ひとこと)観音」と呼ばれるようになり、特に大坂商人の信仰を集めました。
浄土思想の発祥地のひとつといわれるこの地で見る夕日は、念仏道場が甍(いらか)を並べた時代を彷彿(ほうふつ)とさせる美しさです。
(伏見区老人クラブ連合会)
平成21年3月15日号掲載
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