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第2回京都市マンション管理フォーラム摘録

ページ番号3275

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2010年4月23日

京都の施策

 

 

 

日時:平成14年2月9日(土)午後1時30分~4時
会場:京都私学会館 205号会議室

サブテーマに関する意見交換: 
・開発分譲会社との協定の継承について
・マンション住民と地域住民との接点について

 

 

自己紹介

 

●(司会)今回新たに出席されたメンバーの方5名にメインテーマ「地域の町づくりと管理組合の連携」に関わってそれぞれの自己紹介をお願いしたい。

 

●(マンション管理関連団体)自治会は,古くから体制がとれていて,仕組みが整っているので,地域のことに関してどんどん活動できる状況にあるが,管理組合というのは,入居してはじめて見ず知らずの人たちとこれからこの建物をどうしていこうかということを考えなければならない。建物は何とか自分たちの管理組合で運営できるようになったとして,次に町全体の管理をどうやっていくかというとき,地域の居住者組織の一員として,何らかの集まりをもってかかわっていかなければならないと思う。また管理組合さんの方もそういうことを求めていると思う。

 

●(市民)ロワイヤル四条油小路マンションの協定締結時に太子山町の副町内会長をしていた。次の年に町会長をやらせていただいた。太子山町は祇園祭りを抱えているということで,町会長というのは実は大変な仕事。特に7月の頃になると,大変な状況が続いていた。それを何とかみんなで身を分かち合いながらやっていこうということで,新しいマンションに入ってこられた方にも協力を願って17年間現在までやってきた。

 

●(弁護士)このフォーラムの企画を担当しているNPO法人マンションセンター京都の理事長をしている。私は弁護士をしており,マンションの管理組合のお世話を多くしているが,一方ではマンションンの建設時におけるディベロッパーと近隣住民との間のトラブルについて相談をうけることもたくさんある。私個人の中でも,このふたつの調整をどうするかということはずっと悩みの種である。

 

●(学識経験者)今回の「地域の町づくりにおける自治会と管理組合の連携」という主題を聞いて,これは大変いい企画だと思った。以前からマンションの管理についてはいろんな議論をする機会があったが,いつも気になるのは内向きの議論しかされないということ。マンション管理の問題というのは,まちづくりの議論としてやらなければいけないということが私自身の持論でもあった。京都市の住宅マスタープランでの議論でそういう話があっても着地しない。それどころか今はどちらかというとマンションの建設に関するトラブルの方が激しくて,こういうまちづくりと管理組合の関係という議論をやっている余地がないという感じである。この様なフォ―ラムをきっかけに少しでも具体的なアクションにすることができれば非常にすばらしいのではないかと期待している。

 

●(京都市)私が担当者として,この企画をするにあたったきっかけのひとつが,マンションに住んでおられる方が,管理組合のお金から町内会費がまとめて出ているのはおかしいのではないかという質問があったことである。この点は,私自身の個人的経験でも疑問に思っていることである。また,多くのマンションは,特にできたばかりのマンションは,管理組合の活動がまったくなかったり,あっても形骸化していたり,いろいろな問題がある。そういう活動が活発でないマンションの方に実はこの場に来てほしかったが参加がない。これは非常に残念でこのあたりも課題と思う。

 

 

前回議論の整理

 

●(司会)前回の議論を簡単にまとめておきたい。
 1番目には,マンションの居住者ともともと地域に住んでおられる方との交わり,接点について問題になった。接点のひとつはマンションが建つ際の協定書,ルールづくりの中で接点がある。もうひとつは建築後の地域の交流,たとえば祇園祭り,地蔵盆が接点になっている。逆に格致学区の中にあっても,山鉾町でない町内ではなかなか接点が見つけにくく,マンションとの付き合いの難しさがある。
 2番目に建設時の問題。建設までのいきさつについていろんな地域との問題があって,マンションに入ってくる住民の方が建設までのいきさつを知っておくべきなのか,あるいは知らせないほうがいいのではないかということでその点では意見が分かれた。
 3番目にマンションの中に管理組合という組織があって,従来の地域の町内会あるいは自治連合会とはかなり異質な組織であるということ。一番大きな違いは,マンションの管理組合は自分たちでお金を出し合って自分たちの住まいの維持管理をしていることで,ある面でいうと財産管理を自分たちのお金をだしあってやっているので真剣みがあるという指摘があった。もう一方マンション建つことで若い人が住むようになってきているが,若い人が住むのは町に魅力があるというのが大きな理由ではないか,そういう意味からいうと京都の都心部に若い人が住むようになってくるというのは非常に好ましいことではないかということ。いままで新住民・旧住民という形でおおきな溝があったが,それを若い人と一緒にまちづくりをやっていくという好循環にもっていけないかという指摘があった。  

 

 

意見交換

 

●(司会)本日は接点のひとつである協定書の問題を議論したいと思う。
 協定書は,マンションと地域の人たちがコミュニケーションを合意のうえでつくっていくルールであるわけだが,一つの問題点は実際に住まわれる住民がルールづくりに参加できていないということ。格致学区内でマンションが建つ時に協定書がつくられており,資料の中に,工事ならびに管理協定書の事例ということで紹介をしている。まず,これの作成にあたられた喜吉荒神町の方から経緯について報告をお願したい。

 

●(市民)喜吉荒神町の世帯数は32世帯ほど。そのうち会社が6世帯ほど,実質26世帯ぐらい。私が平成12年度の町会長に選出され,その年の一年の期間中に2つのマンションが建設される話がもちあがった。一つは賃貸で7階建て16世帯。もう一つは分譲11階建て60世帯。合計76世帯がいっぺんに増えた。いままで32世帯だったものが100世帯くらいの世帯数になった。
 さて建設の話がでてから3月の末日に第1回の説明があった。その時は事業主ならびに設計者,建設業者の方が来て説明があったが,1度の説明ではなにもわからない。とにかく聞いたことに対して,その場で返事はもらえなかった。町内の者ははじめてマンションができるので何をやっていいか分からない。そこで11名を私が独断で選び,マンション対策委員会を作った。
 マンション対策委員会が主になって,交渉に入った。最初にもって来たのは,工事協定書だけで,管理協定書はなかった。管理協定書も結ぼうということで,私がよその町内の見本などをお借りして原案をつくった。それを町内に回覧し,いくつか案を追加して,それを建築会社に渡した。
 大きな問題としてあったのは,マンションの入居者の方を町内に入れるかどうかという問題。これは町内で全員集まり会議を開いた。最終的にはマンション住民の方は町内として全員入っていただく,そして町内の行事はマンションの方と一緒にやっていこうじゃないかということになった。
 町内では地蔵盆や運動会,各種連合会の行事など従来の行事がいろいろとある。そういったものはだいたいこれまでは町費とは別に寄付でまかなってきた。もしマンションができたら住民の方に寄付を集めなければならないが,おそらく難しいのではないかということで,それならば町費をいただいてその町費で行事を運営していこうじゃないかいうことになった。
 マンションを販売する管理会社と相談して,町内の住民に入り町会費を払う確約をする文面を書いて,入居される方に渡していただけないかという話をした。管理会社さんの方は,それだけの権限がないので確約という文面ではなく,申し伝えるという文面だったら書くということだったので,それでもよいということで,管理協定書に入れてもらった。
 その後,町内への入会については,現町内会長が両方のマンションに行き,町内の規約などを説明にまわったところ,入居者の代表の方にご理解を示していただいた。

 

●(司会)喜吉荒神町の管理協定は,太子山町とロワイヤルの建設を担当した長谷川工務店とで結ばれた協定書をベースにつくられている。ロワイヤルの協定書が85年の5月ということで,今から17年ほど経っているが,太子山の方から協定書の背景の説明をお願いしたい。

 

●(市民)84年にマンション建設の問題が起った。格致小学校前であり,子供たちが通っていたので,こんなところに工事があって事故がおこったら大変だということで,マンション建設には反対していこうかという方向で動きだした。
 こちら側の要望事項に対して納得いく回答がない限り協定書は結べないということで30回以上やりとりした。当初,高さ制限いっぱいの11階建てを造るということで,これを6階建てにした設計図も書いてもらった。その結果,細長く高くなると陰がはやく移動するというメリットがあり,6階建てにすれば圧迫感がでてくる。しかも11階建てならば,前が駐車場とか空間になっていたが,その分なくなってしまってぐっと道路にでてくる。交流の場としても活用できる空間は大事だということになり,11階で了解することになった。今は,ロワイヤルの空間を利用して交流の夕べを開いたり,格致の区民運動会の後で駐車場にござをひいて参加者や家族の方とご苦労さん会をやっている。
 この協定書のはじめの部分は工事が始まってからのいろいろな迷惑の事である。後半のNO18から町費の問題などを文章化した。「マンション購入者全員が太子山町内会に入会する旨を明記する」「町内会費はマンションの管理組合が一括して納入するものとする」。これは現在も続いていて,あと二つのマンションができたが同じ内容で協定書を結んでいる。ロワイヤルの場合は53世帯が一括して納入してもらっている。町内に入っておられなくても管理組合からは一件分というかたちで町費はいただいているというかたちになっている。
 もうひとつ太子山保存会に関する規定も「マンション販売に際して太子山町の先住者との和解を大切にし伝統的行事への参加の必要性も十分説明して販売することとする。また管理規約にその旨の文書を記載することとする」。つまり買ってもらう時に説明する協定を結んでいる。
 21項目の②のところでは,「町内会および保存会に入会するものとする」ということと,町内会費および保存会費等の負担があって,管理組合が管理費等ともに集金してまとめて同町内会及び同保存会に納入するものというかたちになっている。
 実はこれにプラスして負担をかけている問題がある。前掛けとか山そのものの装飾の新調に関して相当金額がかさむ。太子山町も3年前に前掛けを新調したが,およそ14年くらい積み立てをしてきた。1世帯につき毎月千円。太子山町に住む限りは,他の町内には必要のない負担をかけているという実体がある。
 旧町内でもその当時40世帯ほどあったが,現在,旧住民の方はもう21世帯くらい。旧の方の息子さんが別居するという問題がある。何十年前だったら親の姿を見ながら自分も世帯主になったら祭りを維持していかなければならないなということだった。古い人だけで祇園祭りしろといってもできなくなってくることもあって,新しく入ってきた方も一緒になって祭りを維持発展させていきたいという思いも持っていた。
 そういう中で最初の年に地蔵盆と重ねて交流の夕べをもった。昼間は町内の子供達とマンションに来られた方の子供達と一緒に地蔵盆をやり,夕方から晩にかけてロワイヤルの前の空間を利用して飲んだり食べたりという催しをして交流をはかった。そこから後祇園祭りの準備や片付けにたくさんの人が協力していただくことがスムーズになった。もうひとつは区民運動会の後のご苦労さん会。そういうものを通して町内行事を大事にしながら新旧あわせてひとつの町内というかたちで取組みをすすめてこられた。

 

●(司会)協定書の中にある「伝統ある太子山町の先住者との和を大切にし,伝統的行事の参加の必要性も十分説明して販売する」文章は,喜吉荒神町の方でも同じような文章があるが,マンションの入居者から見るとおしつけられていると感じられるところもあるのではないかと思われるが

 

●(マンション居住者)私が契約した時にはこの協定書については一切説明なかった。販売する側にしてみれば表に出したくなかったのではないかなと思う。18番をはじめてみた時は大変な知恵者がいるなと思った。しかしそれを知ってたら買わなかったかといえば別問題である。私がかなりの知恵者がいるなと思ったというのは,町内会費というのは,個々に納めるというのが原則である。ところが,管理組合を通して一括徴収ならば,絶対とりはぐれはない。

 

●(市民)ロワイヤルは4月から入居が始まったので,4月の終わりくらいに町民集会を開き,その時に太子山町の案内のパンフレットを配った。このパンフレットに協定書やお祭りの行事や町内の歳時記などを刷り込んで,マンションの入居者に知らせていきたいと思った。協定書の説明はしてないという話しがあったが,長谷工さんの方は祇園祭の鉾町をセールスポイントに使っているのは事実。

 

●(事業者)近隣協定等で明快に重要事項の中で説明するということが書いてあれば,きちんと説明しているはず。
 設計者はその地域にいかにうまく溶け込むようなデザインのものを設計するかということに一生懸命心血を注いでいる。その中で,ディベロッパーそのものは営利事業としてある程度の収益をあげていきながらすすめている。そしてなおかつ建物を建てて社会貢献をしていく,社会資本の蓄積という観点でやっている。基本的に法的にクリアされているということが大事で,そして法的にクリアされたものをいかに早く環境整備をかけながら建物を建てていくかということに最善のポイントをおいている。
 その中で指導していくのが行政の役目でもあると思う。近隣の折衝については,難題をふっかけて条件を有利にすすめていこうということからスタートしますとうまくいかないと思っている。今日,配らせてもらった念書は,最初の段階で,各近隣住民さんにだしているもの。工事中はご迷惑をかけることが多いので,先に念書で意見させていただいて,そうすることで近隣の住民さんが前向きにとりくんでくださり,そのかわり我々も受け入れられるところは受け入れながらすすめさせていただいているというのが実情。
 今回の資料はあくまでも工事ということに関する協定書で,管理については最近日本でもよくいわれるようになってきたパブリックリポートという話しも一部でており,今後管理協定というものも入ってくるのはないかと思う。そのことによって逆にトラブルを起こすのではなく,短時間に合法的な建物を建てていくという方向にすすんでいけば,我々事業者側としても大変ありがたいこと。

 

●(市民)ロワイヤル建設時は,住民として,賛成しないと仕方がないということで賛成したのではなかった。法律事務所に相談にいき,全国の建築申請がどのケースで却下されているか調べてもらったが,その当時2件しかなかった。建築基準法に違反しない限りは行政は皆パスしていく。最小限迷惑をかけないように協定書を結んで話し合っていく,仕方なく受け入れていくという方向に変わった。
 しかし,いいこともある。管理員さんが丁寧に入居者の方の世話活動や清掃活動をされて,非常に親切な管理員で信頼も厚かった。町内でいろんなことをお願いする時の窓口も管理員さんがずっとやってくれた。管理員の善し悪しということが町内にとっても入居者にとっても重要だなと感じた。管理員には管理組合の実質的な機能をしっかりもたせてもらうようにサポートしてほしい,ディベロッパーもそこまで面倒みてほしい。

 

●(事業者)私はグランドムール四条烏丸西のマンションとグランドムール西洞院のマンションの管理人をしております。
 グランドムール西洞院の方の町内会費のことについて,管理規約集には「区分所有者が近隣住民との融和をはかるため町内会に入会し,町内費を毎月負担するものとする。なお町内会への納入についてはマンション管理者が一括して徴収し,町内会へ納入するものとする」となっている。ところがグランドムール西洞院の議事録をみると「町内会への加入不可にともなう管理規約の改定の件」ということで,この規約によると町内会に入ることになってるのですが,入れなくなったということ。グランドムール西洞院は松原商店街の天神前町にある。町内は,ほとんど全部が商店街の方。商店街の方の話しによると別の方がいいという声をいくつか聞きいた。一方でマンションの住民の方はあまり関心がないという感じ。

 

●(司会)地域マンションという新しい居住形態をもった住宅が,従来の自治会とは別にマンションの中には管理組合というものが法律に基づいてつくられる。今お話しいただいた格致学区の中でのマンションへの関わりというのは,基本的には町内会がマンションに対して町内に同質化を求めてるのではないかと思います。先ほどの喜吉荒神町もそういう方向でマンションとの関わりを追求しておられますが,西野さんに紹介していただいた事例は異質でいいと突き放している地域もあるということです。結局どういう関わりをしていくのがベターなのか,それは地域で何をしていくのかという目的とつながってくると思いますが,同質化を求めてもみんながそれを理解してやっていきましょうというふうにはなかなかなりにくいものではないかなと思います。
太子山町では山があって毎月1,000円出して太子山保存会に入ることになっていますが,お金を負担するということがプラスになっていたのではないかなと思います。ところが喜吉荒神町には山も何もないということで,町内会に入ることをマンションの代表の方が受け入れてくれたということですが,町内会へ入って町内と一緒にやる共同事業がないという問題があります。そういうところで同質化をしていくのはなかなか難しいのではないかなと思っていまして,格致学区の他の町内ではどうなっているのか

 

●(市民)私の住んでいる芦刈山は賃貸と分譲とが並んで建った。分譲の方はあまりにも高額なために高額所得者といわれる方が入ってこられて,安定はしておりますが人が変わる。また空き部屋には新しい人が入ってこないという状況。
 一方で賃貸の方は学卒とともに去っては新しい人が来て,町内の方はかまわないでほしいという両極端という形。
  祇園祭も山崎・長岡天神あたりのボランティアの方のも来てもらっている。昔は町内の若者が15人でボランティアが5人だったが,今ではそれが逆転している。芦刈山保存会の財団発起人の生き残りが私ひとりとなり,それで私がいろいろと若い人の相談にのっているが,若い人といっても60才以上ばかりで,その次がいない。
 格致学区はもともと職人の町だったが,呉服屋さんがなくなってマンションが建っている。職方が衰微するということで製織も大きな曲がり門に入ってきている。将来祇園祭りも10年,20年後には大きな意識改革をしなければ存続は難しくなると思う。染屋さんのように昼間に仕事をほったらかしてかかれる人はサラリーマンにはいない。昔は親がやっているから息子もやるというように,また一件の家の子供がたくさんいたのでそういう祭りができていたが,今は息子が手伝っていない。今は他人にお願いしないといけない時代が来かけていると思う。
 あと分譲のマンションのオーナーの姿勢が大事。やはり町内に協力しないといけないということで,自分が町内の一員であるという自覚がないことにはいけない。管理会社・オーナーは神戸・大阪なので,回覧版もまわってはいない。非常に苦慮している。

 


●(学識経験者)そこに住んですぐ祇園祭りに参加できるというのはものすごいこと。私も京都に生まれて育だったが,地蔵盆ひとつにしても,ちょっと引っ越しをすると入れない。それが今までの京都の一般的な町の様子で,地域の方から参加して欲しいというのはものすごいこと。
 この町に住んだらどんないいことがあるか,町の情報を入居者にどれだけ伝えるかということが大事。それが今の住宅の市場の中ではほとんど伝わっていないということが問題。京都の場合は伝える情報が多くあり,人によってはめんどくさいということになるかもしれないが,人によってはいくらお金を出しても欲しいという資源がたくさんある。家に住むのではなくて,町に住むということに対してどれだけ情報を発信してその町に人を集めるかというサイクルができないとなかなかいい方向にまわっていかない。
 マンションにもいろんな見識,能力,職種の方がいて,マンションでいろいろなことが出来る。独自の活動が行われる。その活動が今まであった旧町内の持っている文化を発展的に持っていくようになるようなところもある。そうなる仕組みづくりが,協定書だけでは無理だと思うが,協定書にそういう精神が入っているべきではないかと思う。
 マンションと旧町内との交流は,必ずしも圧倒的に蓄積のある旧町内の方に同化するということではなく,より相互性の中で現代的に将来に向かって発展させるような交流活動を是非やって欲しい。

 

●(事業者)マンションの居住者は後で入ってきた者。町内の方は,京都の場合,二代や三代どころかもっと古くから先祖代々住んでいる。歴史的には排他的な土地柄。だからマンションの居住者が町内の方に歓迎されてるというものが欲しい。仮に歓迎されていたとしてもそれが形になってあらわれていない。太子山町は,目に見える歓迎行事で成功していると思う。見える形で歓迎するべきではないかとマンションの管理人として思う。

 

●(事業者)購入者は地域が好きだから購入しているので,その町内会に入るのは当然だと思う。町内会や自治会に入らないという方は一部いるが,それは一般的な話しとして論ずるに値しないと思う。
 管理組合の理事会と自治会とは性格が違うことを理解して欲しい。私がマンション管理のフロントの仕事をしている時に,よく管理組合の費用を簡単に子供会に寄付するケースなどがあったが,管理組合というのは区分所有者の所有する財産の保全を目的にしており,管理規約にもとづいて管理費と修繕積立金をもっている。子供会については別に集めてやっていかないと問題が生じる。
 一番最初につくる管理規約の中に管理費の中には町内会費も含まれているということを明快に謳っていく必要があるのではないか。途中で自治会費を一括して払って欲しいという議論は,管理規約を改正しない限り理事会や理事長の権限でやれるべきことではない。町内会の皆さんの方もそういうものだということを理解して欲しい。

 

●(事業者)私個人が業務の中で,他の自治区を見た場合,マンションを拒否している町内会も非常に多い。
大きく分けると,一つめはどうにか町内会に加入できる,二つめは町内会には加入はできないけれども町費は払えといわれる,三つめは絶対にマンションを否定し町内会にも入っていただかなくても結構ですし町費も入りませんというところがある。
 これは現実に私としても直面しているのも数件ある。私どもは町内会に加入させてくださいというお願いを前段ではしているが,町内会の加入ができても制約事項が多い。
 例えば50世帯あるマンションの中の管理組合から一名だけ参加してくれというもの。なぜですかというと,今30世帯しかない町内に50世帯が参加したら議決権はどうなるのかと。なるほどそういう問題もあるのかなと思う。加入をさせていただかないよりもさせていただく方がいいということで,我々もあまり議論をせずに波風を立てずに町内の要望に応じて協定を結ぶとことが多い。
 マンション側も地域とコミュニケーションをもっていくうえでどうしていくかということの課題もあるが,自治連合会の中でも見解の一致が必要ではないかと思う。ただ町内に参加してほしくないという場合の中にも,ご商売だとか大きなホテルが建っているとかで町内会の一般の世帯の数が少ないという場合もある。町をある程度統合するなり,行政手続きの問題はあるにしても住居表示だけでもそういう複合体でひとつのものに集約してそこで地域に後継さんができるような仕組みをつくっていただければいいかなと思う。
 連合会長もいらっしゃいますので,是非ともそういうご提案,ご提言もしていただければ,我々としても個々の事案ごとで物事をこなしていくよりは,そういう大きな包括的内容をとりまとめをしていく方がよりスムーズにいくと思う。それとマンションの入居者の中には,町内会に参加をしたいという方もけっこういる。町内会に加入できないという場合,なぜ加入できないのかという問い合わせもたくさんある。そういう場合返答が難く,町内とマンションの建設について紛糾しまして結果としてこうなりましたという事実を述べるしか方法がない。積極的参加を希望する方も非常に多いということを皆さんにも理解をいただきたいと思う。
 その場合の参加の仕方としてひとつ思うのが,マンションに内部の共用スペースを最低限中高層の条例の15戸という部分まで集会所なり多目的ホール的なものをどんどんとり入れていくような行政指導的なことが必要ではないかと思う。それがないとエントランスで集会を開いたり,ホテルを借りて召集をかけるということで,参加しにくいという状況もあると思う。

 

●(市民)総会をやって,旧町内が30所帯しかないのにマンションの所帯が全員参加したら町内の規約をひっくり返すことも可能。それは困ったもので,そんなことは考えたこともなかったが,あり得る事だと思う。
 連合会の方針としては,あくまでも新旧一体となって,連合会組織を運営していきたいということ。建築業者と町内会のトラブルの責任はマンションの居住者にはないのだから。新旧の和というものがどうしてできあがるのかというと,我々住んでる人間が大きな気持ちで受け入れなければどうしようもないことであり,入ってくる人もできるだけ理解をもって参加してほしい。両方の和をみつけることが一番難しいこと。

 

●(管理組合団体)子どもたちは遠くへ行ってしまい2世代,3世代が住めない状況になり,地縁や血縁といった濃い付き合いがなくなり,ものが豊富になり選択枝も増えてきた中で,現在はマンション新住民を含めて全体でやるといのは難しいと思う。選択枝をどうつくっていくのかが頭を悩ましているところ。
 例えば今日いただいた地図を見てみると,ガレージがいっぱいある。このようにとびとびにガレージがあるのであればこういうものを共有できないのかなあと思う。これだけの車社会なので,環境問題などこれから先のことを考えると車をこのまま増やしていっていいのかという時代に,マンションも含めた地域での車庫の問題をどう解決するのか。レンタカーを導入するとか,「みんなの車を私が使う」という発想のカーシェアリングが最近新たな取組として行われている。マンションの集会室を共有財産として使うとか,ガレージに共有施設を作って使うとか,みんなが大切にしてきたものがみんなが参加して守り育てていくという発想に立つならば共有財産をもつことも必要だろうと思う。
 もう一つは今,北区で地域通貨をやっておられると思うが,前回からのふれあいの接点の話し含めてさせていただいた時に,ニーズの多様化も含めて考えたら,何か自分で役に立つことがそういう媒体を使ってふれあいの機会になるのではないか。マンションの中でも,福祉の問題や介護の問題も含めて考えた時に,そういった媒体を使ってお互いに助け合うというのが一つの選択としてあるのではないか。

 

●(弁護士)管理組合が町内会費を集めるとか,管理規約の中に町内会の加入義務を定めるというのは,実は区分所有法からいいますとまったく効力がない。というか関係のない話し。管理組合というのはあくまでも建物の維持管理の区分所有者の間の権利調整を目的にしたもので,町内会や自治会とは関係ない。
 筋を通したら自治会というものをちゃんとつくって別にやりなさいというところもある。実際にそれをやっているところもあるが,大きいところはともかく小さいところで二つの組織をつくってやっていくのは実際大変な話し。
法律と違うところは飲み込んで,現実にやってるわけですだからそれを進めていったらいいと思うが,クレイムをつけてくる人が出てくる可能性があります。そうなると区分所有法はこうなってるけど京都は違うんだというものを作ってしまう必要があると思う。
 例えば行政がバックアップしていくとか,京都に入ったらディベロッパーや管理会社はちょっと違う扱いをするという既成事実としてこれを進展させる。今隠れている部分を表に出す必要があると思う。通常,工事協定は結ばれるが,ゴミの問題などの管理協定はディベロッパー側はいやがる。しかし,京都では管理協定についてもはじめから考えてマンションをつくらなければいけないとしてしまう。ディベロッパーに頭に入れてもらうということを含めて,町内会近隣の調整というものを含めた管理協定というものを締結する。モデル協定みたいなもの。これは行政の方でもいいし,場合によっては自治連合会の方でもつくって公にしておくことが必要ではないか。
 また,集会所がきちっと整備されたら,集会場はマンションだけのものじゃなくて,近隣ですべて使えるというオープンな集会場として位置つける。もう1つはお地蔵さんの問題。これも区分所有法との関係で問題になるかもしれないが,お地蔵さんのコーナーをマンションの敷地につくるというくらいのことはしていいのではないか。
 マンションの管理組合さんたちが町内会にどんどん入っていったとすると一つ大きな変化があらわれると思うのは,現在の町内会の運営のやり方と管理組合とはかなり格差がある。管理組合はちゃんとしているところは,語弊はあるが民主的な運営をしている。お金の流れも非常にはっきりしている。京都はわりあい町内会はちゃんとやってる方だと思うが,今別の県を調べているが,そこはひどい。お金の使い道もひどいし,選挙も総会もない。これがもし管理組合の人たちが町内会に入ってきたらそういう運営は絶対に許されない。それはある意味でいい影響だと思う。

 

 

まとめ

 

●(司会)改めてマンションとは何かということをつきつけられていると感じた。最後に問題提起というかたちで出されたと思うが,マンションとは何かという一つの答え,それが地域で共有財産をもったらどうかこれはマンションの発想だと思うのですが,それを地域でもやってみたらどうかという方向へ提起されたと思う。
 また,区分所有法にはじまってマンションを理解するためにはいろいろ法律もきちんと分かっていないといけない,そういう意味でいうと仕組みがきっちり作られているという特徴がマンションにはある。
 次につなげる点として,地域で共用スペース,共有財産というのを展望できるのかどうか,その場合にマンションというものは一体なんなのかということをもう1度きちんと整理をしていきたい。きちんとした制度や法律によって用意されていて,その中で人々がマンションライフをおくっている実態がある,そのことを地域の人たちがどのように認識をしていくか,そのうえで地域の人たちとマンションの人たちでどういうつながりがつくっていけるのかということを次回に議論をしていきたい。

 

 

 

 

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