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第1回京都市マンション管理フォーラム摘録

ページ番号3259

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2010年4月23日

京都市の施策

 

 

 

日時:平成14年1月26日(土)午後1時30分~4時
会場:京都私学会館 205号会議室

主題:地域のまちづくりにおける管理組合と自治会の連携

 

 

1,京都市住宅企画課長 あいさつ

 

フォーラムの趣旨説明

 

<地域と共存できるマンション>

 京都市におけるマンションの数は,すでに7万400戸を超え,京都市都心部では住宅総数の15%を超えている。まちづくりを考える上で,もはやマンションという存在を抜きにしては考えることができない。またマンションの住民についても,地域について,共に考えられる良き隣人,良きパートナーとしての役割が求められている。しかし,住民間の交流については,非常に稀薄な状態になっていると思われ,地域住民とマンション住民との調和,交流,地域コミュニティの育成に向けた新たな仕組みづくりが求められている。
 昨年末に策定した「京都市住宅マスタープラン」において緊急かつ重点的に取り組む課題として,マンションの問題を位置付けている。分譲マンションの管理支援策と合わせて,地域と共存できるマンションの誘導策の検討,共存のルール作りを重点施策とし,これを市民,事業者,NPO,そして行政といった多様な主体の役割発揮と連携の中でその実現に向けて,精力的に取り組んでいこうということを掲げている。また分譲マンションの管理については,管理組合が,いかに自治能力を高め,主体的に活動できるかに,主眼をおいた支援策を考えている。

 

<「マンション管理」を切り口に持続的なまちづくりを探る>

 このマンションフォーラムは「マンション管理」という切り口から,都心の鉾町,職住共存地区において長年自発的なまちづくり活動に取り組んでいる「格致学区」を舞台に,管理組合や自治町内会,事業者や学識専門家など関係者が一同に会してそれぞれが,マンション管理における主体として,また主役となって,語り合い,情報を発信して,相互の理解を深めてもらうことを目的に開催した。
 今年度においては特にマンションと地域との交流,地域のまちづくりにおける管理組合と自治会との連携を主たるテーマとして,自分たちの持っている目標,思い,それぞれの立場,具体的な役割発揮,或いはその限界,等について話し合い,確認する中で,管理組合の主体的で,活発な運営と,地域コミュニティーの育成,そして関係者の主体的な参画による,地域における持続的なまちづくりの可能性といったものについて論議を深めていきたい。
 この場が単なる4回の会合というものに止まらず,マンション管理に係わる関係者の連帯,ネットワークへと繋がり,そしてここでの議論が地域共存に向けた緩やかなルール,このようなものに繋げていけばと期待している。このような趣旨を理解いただいた上で,積極的な参加と活発な意見交換の議論をお願いしたい。

 

 

 

2,意見交換

 

地域とマンション

 

<格致の住民としての誇りを>
●(市民)今,格致学区では,19のマンションが建っている。今年の3月にも竣工するマンションがあり,マンションの建設が非常に激しく行われている。またそれぞれの地域住民とマンションとの触れ合いが難しいという状況にもある。
 格致学区ではふれあいを中心としたいろんな行事をやっている。
 入ってこられたマンションの方々にも,格致の住民であるという誇りをもって参加していただき,そしてその住民との交流を親しくしていただくのが一番の大切なことだと思う。

 

<入居者の大半が祇園祭に参加>
●(管理組合役員)ロワイヤル四条油小路は1986年に建築された。この地域では比較的早くできた高層マンションで,また太子山町という祇園祭りの鉾町にある。入居者は,積極的に祇園祭りなどの行事に参加してもらいたいということが大きな問題であった。いまでは入居者の大半が,祇園祭りなどの行事に参加をしている。新旧住民が協力してチマキ作り,鉾の飾りつけなどを行っている姿がテレビで広く紹介された。

 

<コミュニティづくりが大事>
●(事業者)マンションの管理組合に関して,コミュニティがあるマンションとないマンションがある。管理業界としては,マンションのコミュニティづくりが大事だと考えており,力を入れている。これは,管理組合が立ち上がる最初が大事である。そういった意味でいえば,販売段階で条件がつくのは問題があるが,地域との協定は悪くない。

 

<マンションとの取り決めは後でもよい>
●(市民)芦刈山という山鉾町に住んでいる。賃貸と分譲が並んで建った。細かい取り決めは後でもいいんじゃないかと思う。細かい取り決めを先に出して嫌な思いをされるよりも,入居者も地域のことをある程度理解して入ってくるので,うまいこと折り合いをつけていけばいいのではないか。またもう一つ真ん中に新しいのが建つという話があるが,けっこうなことだと思う。格致がますます盛んになるのではないかと思う。

 

<マンション入居者との親睦交流委員会を計画>
●(市民)一昨年町内に2つのマンション建設の話がもちあがった。一つは分譲,もう一つは賃貸。町内で急遽,マンション対策委員会をもうけ,交渉を行った。町内の臨時総会や業者,京都市との会合を行ってきた。現在,入居が済んだ状態。町内の予算を組みまして,マンションの入居者の方との歓迎会を企画している。マンション対策委員会も解散し,マンション入居者との親睦交流委員会を立ち上げる予定。 

 

<ふれあいには接点が必要>
●(事業者)マンションに住んでいる人と,町内の人とでは接点の問題がある。祇園祭りで,山とか鉾とかがあるところはうまく接点がある。何かがないとふれあいが生まれない。だから格致小学校の跡地に聖徳太子の像でも建てて緑地公園にして催しをやるのはどうか。

●(市民)今,格致の跡地問題についてご意見をいただいた。しかし今格致学区では,おっしゃるように人が集まらないということはいっさいない。格致というのは,他学区から非常に羨ましいがられてるような事業を多彩にやっている。

 

<高齢者と子供のふれあいの場合>
●(事業者)マンションの高齢者の方の声ですが,高齢者が気楽にいけるところで,子供とふれあうような機会がほしいということを聞いた。人が集まることはもちろんいいことだが,車椅子の人でも行ける,小学校に行ってないもっと小さな子供もいるという,老人と子どものふれあいの場が,高齢者を元気にさせることにもつながるのではないか。

 

<ボタンのかけ違いは修復困難>
●(管理組合団体)マンション住民として,自立を目指してきた。自分たちで買ったマンションがどういう建物で,どういう風に管理していくのか勉強し,自分たちでやれることは自分たちでやろうとしてきた。京滋管対協はそれをサポートするというスタンスで今日までやってきた。自分たちのマンションはなんとか自分たちでできるようになれば,違いは違いとして認めたうえで,地域と共通のポイントで共生・協調・協業できないのかということを模索している。
 マンションの入居者が開発の経緯を知らされないで入っている。分譲時に説明がなされ,入る側もそれを理解したうえで入ることが大事である。そういった中で,近隣の方々とのいろんな行事に参加するということになっていくのではないかと思う。最初からボタンをかけ違えてしまった後では修復は難しい。

 

<マンションを地域の社会資源に>
●(建築士)マンションの維持・管理を通じて,できあがったマンションをどのように地域の方々が安心して安全に長く使っていただけるのかを考えている。そのために建物の構造的な面だけでなくて,マンションと地域との連携を模索していけるような仕掛けを大規模改修時に提案させてもらっている。
 一般に新規に建ったマンションは地域との交流がないのがほとんどであり,地域との交流だけじゃなくてマンション内の交流すらない。その時ひとつの大きなポイントになるのが,10数年ごとに来る建物の大規模改修時だと思っている。共同してものを維持・管理していかないとならない状況が出てくる。
 高齢者の方々が安心できるバリアフリーの改修工事だけではなくて,空き室を買って今の小さい集会室をもっと大きくして,みんなで活用できるようにする。そうすることで,マンションを地域の社会資源として活用できる方法はないのかと考えている。

 

 

マンション建設をとりまく問題

 

●(市民)マンション開発業者があらゆる知恵をしぼって,法律が許す限り,最大面積を確保し,最大利益を追求するのは企業とすればあたり前である。一方,住民側はおおかたは全面否定してかかる。理由として景観問題とか,利益関係,日照権の問題,京都独特の「よそ者は入れない」という住民感情,防犯等から。一方,行政の方は,マンション建設の申請を受けつけたら,建築基準法ならびに関連法規に違反がなければ確認を下ろさないといけない。
 このような三つどもえで動きだす。このような背景の中で妥協点を見つけて,それなりに問題点を解決してマンションという器ができ,そこへ住民が住む。マンションの居住者は建設までのいきさつは知らされていない。そこで町内住民との感情のズレが発生することが多い。なおかつマンションの居住者は,建設までのいきさつに関係なく購入したものは自分のものとの思いこみがある。
 マンション居住者は比較的サラリーマンが多い。地域の街作りを考える時間的な余裕がないのではないか。

 

<地域にとけこめるマンションづくり>
●(事業者)企業というのはできるだけ最大利益を追求をしていくというのは当然だという話があったが,ディべロッパ-として当然収益をあげていかないといけないが,それと同時にやはり地域を開発していく,どのようにして地域にうまく溶け込んだものをつくっていけるかということが大事だと思う。
 地域の高齢化という中から見ると,あくまでもファミリーマンションが建つことによって人口が増え,若い方も入ってきて,格致学区さんのように,老若男女が地域の中にとけこんで,10年,20年先には地域の発展に寄与できるのではないか。そういう観点で開発させていただいているということを理解していただければと思う。

●(事業者)マンションが建つ時の経緯ということが入居者側に伝わってこないという問題について,逆に建つ時の経緯は伏せた方がいいのではないかと思われるところもある。

 

<分譲時の説明がない>
●(マンション管理関連団体)全国的にも管理組合と地域は,どこもすっきりいっていない。京都はうまくいっているところが多い。それは,管理組合と自治会との区別で,シビアな線引きをしていないからではないか。例えば管理組合が餅つき大会と関係があるのかという話が他の地域では出てくる。
 問題は,今の売り方にある。マンションを売る時に,自治会活動がどういうものであるか,また町内会とのつながりがどういうものであるか全然説明をしてくれていない。原始規約の説明もしない。マンション購入者に紙だけ渡してハンコおしてくださいと言うだけで売ってしまっている。情報開示をして,すべてわかった上で買うようにするべきである。これは,売る側の問題である。開発業者が近隣協定を結んでも,あとで管理組合にしわ寄せがくるケースもある。

 

<マンション管理組合から学ぶまちづくり>
●(学識経験者)格致学区にとって,マンションが増えて得たものは何か,活力。若い人が増え,人口が増えた。失ったものは何か,よく分からないということにならないか。おそらく地元の方々も対策委員会をつくったりして大変ではある。また街並みが乱れる。しかし今,仮にすべてのマンションをなくしてしまった京都の街並みを想像してみても決して美しいわけでもない。マンションが大量に建ってくると,規模が大きくなるとインパクトがすごいので,地元としても不安になる。
 まず,マンションを買って入居する人には何の責任もない。日本国憲法で居住地選択の自由というものが保障されている。地元の自治会に責任があるかというと,むしろ迷惑を蒙っていることがいっぱいある。業者さんが問題なのかというと,私はかなり問題があると思うが,法律の中で合法的にやるものに関してとやかくいわれる筋合いはないことだとも言える。指導しない京都市が一番悪いということによくなるのが,ダウンゾーニングで容積率を引き下げるということをすると,地元の住民が資産価値が下がるからダウンゾーニングはやめてくれと言ってくる。結局ぐるぐるまわる。
 そこで「まちなみ税」を提案したい。開発に税をかけ,その収入を町内会にまわすという仕組みである。マンション管理組合に学ぶべきところが多い。マンション管理組合は真剣である。それは,自分の財産の管理だからだ。その原理をふつうのまちづくりにも活かすことがこの税の目的である。京都のまちは昔共有財産をもっていた。格致学区株式会社というのをつくって,「まちなみ税」を原資に町家の保存に活かすような仕組みができないか。
 マンションに若い人がくるのは,まちに魅力があるからであり,その魅力を維持するためにも,マンションに若い人がくるという力を利用する。マンション居住者にとっても「まちなみ税」を出すことで,まちづくりに貢献していると堂々と地域に入っていけるし,まちづくりを地元の人と一緒に考えるきっかけになる。それがマンションの資産価値の保全にもつながっていくことでもある。堂々巡りの悪循環を好循環にどうもっていくかという問題の解決として提案する。

 

 

まとめ

 

●(司会)これまでの議論をふまえると,問題は2つに分けられる。一つ目がマンション建設前の段階での問題。開発業者と地域との問題。2つ目が,入居後の問題。マンション居住者と地域との問題である。それぞれの関係者の接点について考えていきたい。この問題の整理に沿って,次回以降の議論を進めていきたい。
 具体的には,建設時の近隣協定の法的拘束力はあるのか,またマンション居住者の地域活動の活発化といった問題について話し合いたい。

 

 

 

 

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