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ペット飼育問題について

ページ番号2951

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2010年4月23日

管理について

ペット禁止の規約の有効性

 ほとんどのマンションでは,管理規約や使用細則で動物の飼育を禁止しています。
 動物の飼育を禁止する管理規約(使用細則)については,場合によっては裁判でその効力が争われることがありますが,動物の飼育を原則として全面禁止している規約について裁判所はこれを有効であるとしています(東京高裁平6.8.4など)。

 

ペット禁止の理由

 すなわち,盲導犬のような飼い主の日常生活・生存に不可欠な動物は例外として,一般に愛玩動物(ペット)の飼育については,

 

  • 何をペットとして愛玩するかは飼い主の主観によって様々で,飼い主以外の居住者にとっては,愛玩すべき対象とはいえないような動物もあること 
  • 犬,猫,小鳥等の一般的とみられる動物であっても,そのしつけの程度は飼い主により千差万別であり,仮に飼い主のしつけが行き届いていたとしても,動物である以上は,その行動,生態,習性などが他の居住者に対し不快感を招くなどの影響を及ぼすおそれがあること 
  • マンションで他の居住者にまったく迷惑をかけずにペットを飼育しようとすると,防音・防臭設備を整えたりするほか,飼い主の適性チェックや飼育方法についての詳細なルールが必要となるが,すべての愛玩動物についてこれらをあらかじめ規約等により定めることは至難の業であること
  • マンションでは,居住者が同一の建物の中で,相互に壁一枚,床一枚を隔てるのみで隣接するという極めて密着した生活を余儀なくされ,戸建ての場合と比較して,その生活形態が相互に及ぼす影響が極めて重大であるから,他の居住者の生活の平穏を保障するために,規約等により自己の生活にある程度の制約を強いられてもやむを得ないこと

 

 以上の4点から,原則全面禁止という規約は有効であるというのが多くの裁判例でとられた考え方といえるでしょう。そのペットが実際に他の区分所有者に迷惑をかけているかどうかは関係がないという考え方です。

 

ペットが飼えるマンションの増加

犬の散歩イラスト

 しかし,ペット飼育禁止の規則はなかなかその徹底が難しいというのが実情です。それは,多くの居住者がペットの飼育を望んでおり,他人に分からなければ良いだろうという安易な考えでひそかに飼育している場合が多く,管理組合としてもその把握が難しいからです。
 とはいえ,規約違反の状態を放置しておくことは,マンションの規律上好ましくありません。そうすると,ペット飼育の事実が判明した場合には,管理規約や使用細則でペットの飼育を禁止している以上,その飼育は規約違反となり,また,「区分所有者の共同の利益に反する行為」(区分所有法6条1項)として法律違反ともなるわけですから,管理組合としては,最終的には裁判に訴えてこれをやめさせることができることになるわけです。

 だからといって,管理組合が無条件・機械的に「即刻排除」という対処をすれば,問題がすべて片づくというものではありません。飼い主にしてみれば,昨日まで黙認・容認しておきながら,話し合いの機会も作らずに,今日になっていきなり強硬措置をとるとは許せない,理事会の横暴であるという感情を抱くようになり,同じマンション内で共同生活をしなければならない居住者間で対立関係が生じてしまうからです。
 

ペット禁止規約の見直し

 また,最近ではペット飼育についての考え方も変わってきています。「ペットを飼育することができるマンション」というのをセールスポイントにして分譲されるマンションも現れ始め,高齢化社会において,いわゆる「癒し」の効果を積極的に評価すべきであるという見方もされ始めています。
 そうした現実から,ペット一律禁止の規約を見直そうという動きも出て来ています。
 たとえば,ペット飼育を一律に禁止するというのではなく,種類を小鳥,魚,猫のほか小型犬に限定するとか,エレベーターに連れ込まない,留守をするときには必ず一緒に連れて行く,廊下に放置しない,糞の始末を必ずする,首輪を義務づける,理事会に登録し,もし迷惑行為があれば理事会が飼い主に処置を命ずることができるというようなきめの細かい取り決めを作っているマンションは少なくありません。飼い主で組織を作り,相互にマナーを向上させようとしているところもあります。
 規約は原則的に改正しないで一代限り認めるという処置をとっているマンションもありますが,それではその後に入居した人には分からず,このマンションはペットが許されているという誤解を与えるおそれがあり,あまりお勧めできる解決方法ではありません。
 いずれにしても,すべてのマンションに適用できる明快な解決方法はありません。それぞれのマンションの実情に合わせて,居住者間で十分に話し合って結論を出すことが大切です。

 

【関連リンク】

 マンションなどの集合住宅や都心での動物達(ペット)の暮らしを検証し,問題点や対策を考える。
http://homepage2.nifty.com/k-kstudio/index.html外部サイトへリンクします

 

 

 

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