第7回市民対話会議(南区)
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2024年8月26日
第7回市民対話会議(南区)を開催しました
1 概 要
南区において、子ども・子育てに関わる活動に取り組まれている方々を中心にお集まりいただき、松井孝治京都市長と、日頃の活動や活動の中で感じられていること等について対話しました。
日時:令和6年7月12日(金曜日)午後2時30分~
場所:and happiness.(カフェ・子ども食堂)
参加者:10名
(参加団体等/五十音順)
上鳥羽学区自治連合会、上鳥羽橋上鉦講中、一般社団法人京都中小企業家同友会南支部、
子育てサークル「やんちゃあず」、隨林寺保育園、NPO法人happiness、
南区社会福祉協議会、南区「はぐくみ」ネットワーク、龍谷大学
2 会議内容
▶出席者の主な発言内容
(自治会・町内会、地域力)
・子どもたちをどういう風に育てて支えていくかを考えると、やはり地域全体で支える必要がある。突き詰めていくと、地域の中心である町内会が崩壊したら、子どもを育てることもできないのでは、と考えている。
・上鳥羽では27団体が安心安全推進委員会を作って、月に1回集まり地域の課題、悩み事を発信する会を開催している。これこそが地域力だと思う。
・若手やPTA会長など若い人のグループをつくった。やってみると我々の発想と全く違う、色んな発想がでてくる。若い人たちの発想を、「俺たちとは違うな」と言いながら、受け入れてくれる地域というのはすごいなと思う。
・近所のおばあちゃんが、「暇やから」と言ってごみのネットを片付けてくれている。そういう風に助けてもらうことで、「私にも何かできることないか」と思えてくるので、見返りのないおせっかいが地域を温めていくのだと思う。「自治会に入ると何をしてもらえるんですか」という方も、入り方が違えば、「自分たちもこの地域で何かできるのか」という感覚になっていくのでは。
・結局は「人」が大事。「南区はみんなで守っていこうね」というネットワークを作っていくためにも、発信することが必要で、どうやって次の世代につないでいくか。
・大学卒業後、地元に帰ろうとしている子がいて、知り合いの同友会の会社の社長さんを紹介した結果、今は正社員として京都で働いている。みんなが意識しないと人口減少は止められない。その時にちょっとおせっかいに若者に声を掛けていくことが重要で、この「おせっかい」こそが大切だと思っている。
(子育て支援)
・子どもを産むと「誰々ちゃんのお母さん」となるが、そうではなく、絵を描くなど自分たちの活動をしていると、個として認めてもらえ、それがお母さんの自信につながり、子育てにいい影響を与えるということを、自分でやりながら周りの人に教えてもらった。
・我々の合言葉は「一緒に子育て」。お母さんたちは、周りの状況も変わって、生きづらさも増えているけれど、子どものことがとても大事で、子育てに関しても「これでいいのかな」と思ったり、いつも自分を責めたりしてしまう。
・色んな行政の会議に参加しているが、「そんなにお世話をしたらお隣の人の助けがいらなくなる」と思うこともある。お母さんたちは、自分たちで考えていろんなことをする。支援も必要だが、市長が仰る「市役所・区役所がかすがいになる」というところに期待したい。「いい車に乗せてあげるよ」ではなく、「こういう風に乗るんだよ」というのが良いと思う。
・京都の保育園は、9割が民間の保育園であり、全国的にも珍しい。出生率が下がったことで、保護者も保育園を選ぶようになってきている。
・里親をしているが、里親の委託を受ける時に、保育園に入れるなら受け入れられると言っても、保育園に入れない。費用は国から出るのが普通だが、民間の保育園に入ると一部負担金などがあり、社会的養護の子どもについては優先的に保育園に入れるようにしてほしい。
・社会的養護については、そういうケースを地域で見守りたい、引き取りたいという人はいるが、制度が硬直化しているというか、つながっていない部分は多い。
(子ども食堂)
・運営している子ども食堂には、地域を限定していないため、他の学区や南区以外の様々な場所から子どもたちが来る。行政を巻き込んでできないかなと考えている。
・最初は貧困や虐待の支援がしたいと思い活動を始めたが、いざやってみると、今日明日のご飯に困る子どもはいなかった。今は便利な世の中だが、「心の貧困」が課題であり、両親がいるから大丈夫、というわけでもない。お金があっても習い事や塾漬けで親との時間を持てていないこともある。食事の用意をする時にお米を洗っていると、「なにやっているの?」と聞いてくる子もおり、お米を洗うことを知らない子もいる。
・子ども食堂を通じて、地域で子どもを育てられる環境が大事だと感じており、色んな大人に関わってもらうことで、子どもにとっても様々な見本を見た方が、豊かな大人に育っていくのではないかと思っている。
(企業と地域の連携)
・自分の会社だけでなく地域が良くなることで自分の会社の発展にもつながっていくことから、中小企業家同友会南支部では、職場体験の受け入れや3箇月に1度の一斉清掃などに積極的に参加・協力している。また、「あつまれ!みんなのカフェ」という事業を実施しており、直近では子育てに取り組んでおられる方々に集まっていただいた。
・地域の大事さやつながることなどに対し、何の意味があるのかと思っていた時もあるが、活動に取り組むうちに、「まちづくり」というのはみんなで取り組むものであり、発信する側の人間がまず自分たちで動かないとつながっていかない、と思うようになった。
(学生と地域のつながり)
・龍谷大学では、仏教系ということもあり、地域の社会変革に地域の皆さんとどう向き合うか、ということに取り組んでいる。一方で、学生が来れば地域が元気になるというのは幻想だと思っている。
・特効薬があるようなものではないので、過度な期待をされても困るが、答えのない課題に対して一緒に知恵を絞ったり、悩んだりすることはできるので、一緒に地域のことを一生懸命考えていきたい。
・実は、学生は地域活動に憧れており、特にそういう原体験がない子ほど憧れている。昔よりもまちのことを考えており、優しい一方で、地域への入り方、コミュニケーションの取り方が分からない。まちに関わりたい学生は一杯いるので、まちをどう開いていくか、学生たちがどうやってまちに飛び込んでいくのか、という入り方が重要。
(文化)
・ユネスコ無形文化遺産に指定されている六斎念仏の1つ、上鳥羽六斎念仏をやっており、子どもたちに基本である四つ太鼓から教えている。登校拒否の子に、「六斎来ないか」といって参加してもらったところ、学校に行けるようになった。
▶市長の主な発言内容
・地域によって雰囲気が違う一方で共通するところもあり、これまで地域を支えてきた地縁団体の皆さまが使命感を持って取り組んでいただいていると同時に、何故若い人は入ってくれないのか、という悩みを抱えているように感じている。
・市役所が何とかする、ということではなく、地域の皆さんが色んな問題を議論しながら、子どもから高齢者まで、共に良くしていこうという気持ちを持つことが大切。
・地域によって課題やバランスが少しずつ違うが、地域を良くしたいという気持ちを持っている方が沢山いらっしゃるので、市役所・区役所が結節点・かすがいとなり、回っていく仕組みを作ることが私の使命。
・今日の話で印象に残ったのは、子どもには一見格差がないように見えて、実は社会経験をする場面がない子どもが多い。経験というのはとても大事で、自分で経験することで将来の選択肢が広がっていく。
・京都の一番大きな課題は、こんなにもいる学生が素通りしてしまっていること。商店街側から学生を見た場合、善し悪しがあり、「あの人たち居なくなるから」という見方をする。学生を受け入れる側も工夫がいるし、大学から見たらどうやって学生を地域に送り込むのか。これらをちゃんと混ぜることで、地域に引っかかる、そして関わることで地域に就職しようという人が出てくると思う。こうした人々は放っておいても生まれるものではないので、地域側も新しいやり方を模索する必要がある。
・地域に住む皆さんの主体的な活動が大切。「かすがい」はあくまで「かすがい」であり、区役所や市役所はつなぐ役割を持つが、あまり前に出すぎてはいけないと思っている。
・区役所も市役所も、もっと屋上とかも使って、ふれあいの拠点になってほしい。
・ここに来る前に開建高校を視察したが、学食も地域に開かれている、そういうことが大事。若い人がいるということは、それだけで地域にエネルギーがあるからもったいない。だから開建高校のやり方はすごくいいと思う。
お問い合わせ先
京都市 総合企画局総合政策室市民協働・公民連携担当
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