第2回市民対話会議(西京区)
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2024年6月28日
第2回市民対話会議(西京区)を開催しました
1 概 要
西京区本所管内において、地域活動を支え、リードする自治連合会等や、子育て、医療、福祉、まちづくり等の分野で活動する事業者、NPO法人等の方々にお集まりいただき、松井孝治京都市長と、地域の活動の中でも意欲的・特徴的な取組を中心に意見交換を行いました。
日時:令和6年5月27日(月曜日)午後4時~
場所:西京区総合庁舎東庁舎5階会議室
参加者:29名
(参加団体等/五十音順)
嵐山東学区自治連合会、オープンスペース祐の風、樫原学区自治連合会、
樫原学区デジタル推進委員会、桂学区自治連合会、桂川学区自治連合会、
桂東学区自治連合会、桂六斎念佛保存会、川岡学区自治連合会、川岡東学区自治連合会、
社会福祉法人京都社会事業財団京都桂病院、特定非営利活動法人京都子育てネットワーク、
桂徳学区自治連合会、特定非営利活動法人コミュニティ・スペースsacula、松陽学区自治連合会、
一般社団法人西京医師会、西京区学校図書館ボランティアネットワーク、
西京区社会福祉協議会、西京区体育振興会連合会、西京区地域女性連合会、
西京区訪問看護ステーション連絡会、西京区民生児童委員会、西京歯科医師会、
西京保健協議会連合会、阪急電鉄株式会社、松尾学区自治連合会、松尾大社、
みんなで苔香居の活用を考える会、洛西紙工株式会社
2 会議内容
▶出席者の主な発言内容
1 地域コミュニティの活性化
(西京区のスポーツ振興)
・スポーツの振興を通じて、地域コミュニティの活性化に積極的に取り組んでおり、従来、観るのが主であったスポーツを、楽しめるスポーツとするために区内全小中学校の施設が借りられるよう各学校と調印書を締結した。
・今後は、体力の維持及び健康の保持増進に貢献するとともに、地域の皆さんとともにコミュニティを促進していく。
・何より、自治会への加入率を上げるために体振が積極的な活動を展開していく。
(ICT化による地域のデジタル化の推進)
・高齢者と若い世代の自治会加入は、地域社会の連携等の活性化に重要なため、次の時代へ向けてデジタル化をスタートした。
・「いちのいち」というアプリを用い、自治会長や学区民がスケジュール管理を行い、地域活動を写真や言葉で見える化することで、地域のイベント等の情報への理解が深まり、生活の質が向上すると考えている。
・今後は、防災機能の充実や自治会役員の不安や負担を軽減し、デジタルだからこそできるコミュニティづくりを図っていく。
(自治会加入の必要性・重要性を多くの方々が身近に考えられるような施策の充実)
・人口減少と高齢化等により自治会離れが加速しており、最大の課題となっている。
・住民の安心安全を第一に、いつまでも住み続けたいと思える学区を目指して取り組んできた。桂学区では、コミュニティに関する取組のほか、防火・防災、環境と様々な取組をしている。
・京都市は、自治会加入の必要性・重要性を多くの方々が身近に考えられるよう、書面上だけではなく、何らかのアクションを早期に起こす施策を考えて欲しい。
(地域企業と連携した社会貢献や課題解決)
・事業を通じた地域や社会の課題解決に重きを置いて活動している。
・ダンボールを作っている会社で、区役所や市役所が繋ぎ役をしていただいて、大量に出るダンボールの端材を子どもたちの知育キットに生まれ変わらせる取組をしており、また、防災での活用も検討するなど様々な取組が進もうとしている。
・社会貢献や課題解決に向け、行政や地域の方々と連携できることを期待している。
(市民活動団体への助成)
・区内の小学校には図書館ボランティアがおり、読み聞かせや図書館の整備などの活動をしている。一時期、子どもと先生以外は、学校への立入が禁止となって活動が停止したが、各学校の図書館ボランティアが交流し、横の繋がりを深めた。
・図書館ボランティアネットワークでは、公共図書館や図書ボランティアを応援する講座や講演会活動などをしているが、場所の確保や活動資金への助成がないと活動の幅が狭まれ、すごく不安を感じている。
・活動資金に困っている団体は多いと思うので、地域のために活動している小さな団体への色々な助成を増やしたり、アイデアをいただきたい。
(公共スペースの有効活用と地域貢献の手法)
・公共スペース(公共空間)の使われ方をどう考えるかがポイント。私有地とか民間企業が所有するスペース、リソースをどう公共性を持たせるか。民間や個人の持ち物、資産などをどのようにして公共性を持たせていくか。地域に貢献していくことをどう評価していくか。30代40代が地域に貢献できて、それを評価してもらえる場を提供するというのが大事だと考える。
・子どもたちが、かっこいい大人の姿を見る機会だとか、一緒に何かに取り組んで評価してもらえる場を提供する、その積重ねが自治会活動など地域での貢献に繋がるのではないか。
2 防災・減災対策
(病院・福祉施設と連携した防災対策)
・松陽学区では、自治連や自主防をはじめ、桂病院・ライフイン京都・京都厚生園などと合同防災会を発足した。毎月1回は、災害無線交信や代表者による会議を行い、不定期でリーダー研修も行っている。研修は、看護師の応急処置を学ぶ実践的な研修としたい。
・松陽学区でも高齢化による自治会離れが進んでおり、災害時に仲間に入ってもらえるよう、月2回程度、カラオケやラジオ体操を開催し、併せて自治会活動も促進し、いざという時には、こうした「絆」に基づいた連携を取りたい。
(什器の充実)
・避難所のマンホールトイレは、便座などの周辺ツールが経年劣化しており、こうしたツール環境を充実して欲しい。
・グラウンドに釜戸がある小学校があり、近隣の小学校にもあるが、川岡小学校のグラウンドには釜戸がない。キャンプ場が閉鎖されることがあり、青少年の育成の観点や防災の観点からも、川岡小学校のグラウンドでも釜戸が使えるようになって欲しい。
3 子育て世代・若年層の参画
(子ども・若者の居場所づくりと地域と連携した相談・支援)
・子ども達の居場所づくりのための子ども食堂をはじめ、居場所づくりを展開している。
・活動に当たっては、川岡東学区の自治連や団体、高齢者施設、区役所などから協力も得て活動しており、今後も、子ども・若者達のニーズに合わせて様々な活動を展開していく。
(つながりひろがる「循環型の子育て相互支援」の社会へ)
・乳幼児親子のつどいのひろば「いっぽ」は、桂学区や桂小学校の協力も得て、親子が気軽に安心して集える場として、ママのつながりづくり、パパの育児参加の機会などを提供しており、昨年、延べ6,075人の利用があった。
・西京区役所の新庁舎2階の子育て交流ひろば「てって」の運営にも参加しており、官民が連携する子育て事業の場として、相談援助や親子の交流の場を提供し、子育て事業の充実を図っていく。
・今後は、企業にも子育て応援に協力、参加してほしいと考えている。
(不登校の子どもに係るアンケートの実施手法の見直し)
・不登校の子どもたちを対象に、学校の先生も子どもたちも明日も行きたくなるような学校になれるよう活動している。
・学校に行くのが当たり前という目を気にして、外に出られない、家にこもってしまう子がいるので、温かい目で見てもらいたい。
・文部科学省による不登校の子どもたちのアンケートは学校の先生が答えていることから、当事者の声を拾うアンケートを実施して欲しい。当事者の声を拾うことが、学校に通える環境を整え、通いたくなる学校に繋がる。
4 地域医療の推進
(西京よろし会(医療・介護の多職種連携の会)との連携・協働)
・西京よろし会は、医療・介護の多職種連携の会であり、紆余曲折の上に平成27年度にできて、今日に至っている。医師会、歯科医師会、薬剤師会と区役所が協定を、訪問看護ステーションと覚書を交わしたことで、災害医療班を作って災害時に共同して避難所の運営を支援する体制を構築した。
・西京よろし会として、研修を重ねるとともに、この5月21日に初めての診療所と被災状況報告訓練を実施した。
・こうした連携に基づき、災害時には、区の災害対策本部と連携し、災害対策に当たっていく。
(区内4つの病院と連携・協働した「西京・医療出前講座」の実施)
・西京区内にある京都桂病院、三菱京都病院、シミズ病院、西京都病院の4つの基幹病院と西京区役所が協定を締結し、医療出前講座を行っている。
・基幹病院として、地域の方々に医療を身近に知ってもらい、予防ができないかと考え、区役所と相談し、今の事業が実現した。こうした取組が、地域共生、重層支援に繋がるよう、概ね10人以上が集まってもらう出前講座を開始し、丸2年を迎えた。これまで、延べ1,000人以上の方が受講。今後も地域のニーズに応える形で地域貢献していく。
(地域福祉を支える担い手確保に向けて)
・様々な生活上の困り事を抱えている人たちの相談に応じ、必要な支援をつなぐ役を担っているが、定年退職後にも働く人や共働きが増え、担い手不足が深刻になっている。担い手確保に向けては、自治連合会の皆様と連携していきたい。子育て支援では、区役所新庁舎の子育て交流ひろば「てって」を活用して、親子が地域と繋がる活動をしていく。
5 歴史・文化の継承
(郷土芸能「桂六斎念佛」の次世代への継承)
・京都の六斎念佛は、令和4年にユネスコ無形文化遺産に登録された。
・桂六斎の保存会は、令和元年に復活し、区役所とも連携して演目の鑑賞会や体験会等を行ってきている。能や歌舞伎、浄瑠璃など、数多くのものを取り入れているため、衣装も様々なものがあり、大切に補修しながら使っている。
・毎年の運営費の捻出や会員数の維持・確保、六斎念佛に関係する様々な業種の方が減ってきていることが課題である。
・今後は、とにかく六斎念佛を少しでも多くの方に知ってもらうことが必要である。
(文化に対する公共のサポート)
・上桂地域にある文化財の建築物である苔香居を地域交流の場として活動している。
・福祉や産業振興に比べると文化は後回しにされる。文化が廃れてしまうと長期的なまちの魅力みたいなものが無くなってしまう。住み続けたいまちを考えると残すべき文化は応援するというスタンスが、有形無形にかかわらず必要ではないか。
▶市長の主な発言内容
(自治会加入率の低下)
・地域に様々な課題があり、自治連合会や体育振興会など伝統的な地縁組織には様々な方がいらっしゃると感じた。地縁組織は担い手不足という問題に直面し、加入率が下がっている。伝統的な地縁組織に対する無関心層が、若く新しい住民を中心に一定数おられ、その割合が大きくなっていることは、深刻な課題。
(新たな団体と地縁組織の繋がり)
・伝統的な地縁組織と、新たに活動を始められた団体が、相互にどう繋がっていくのかを考える必要がある。
・ある大学の副学長の話だが、学生に課題を与えて地域に送り出すと、学生は自分の持っているデジタル技術を使って地域の魅力をシェアする。例えば、お寺の文化財や庭などを動画でシェアし、資金を集めるという仕組みを考えてみようと提案すると、生き生きとして自分の卒業課題にした。
・大学に勤めていた私の経験でも、学生が商店街の振興のため、週4回も5回も通って、どこまでが研究でどこまでが趣味か分からないぐらい地域に入り込む学生がいた。
・医療出前講座で地域に入る医師の話があったが、謝金がなくても先生はその活動を意気に感じておられる。こうした方や先程の学生のような話もある。
(区役所の役割である「場の提供」)
・会議前に、新庁舎の区民交流ひろば「てって」を視察した。子ども連れの方が二組いらっしゃったので声をかけたところ、特に行政関連の手続きはなくても、週2~3回来ているとのことだった。色々な交流拠点があるが、場というのはすごく大事だ。場を提供するのが行政である区役所や市役所の大きな役割である。
・住民の運動会を学校で開催するということは、地域の活動に学校施設を活用しているということ。学校の施設を地域に返したらどうかという話を内部でしている。例えば、子ども食堂を学校で行い、子どもだけでなくお年寄りなど独りの方が一緒に御飯を食べる場として活用してもいい。
・これだけ多様な活動があるということを共有し、自治連合会の活動と相互に連携することで、自治連合会の活動自体もふくよかになるかもしれない。
(若者と地縁組織の関係)
・今日共有いただいたような活動や様々な団体の関係性について、若い世代はあまり知らない。若者にどうやって知ってもらうかということが重要。
・地域への貢献が、自分の喜びに繋がるというような社会をどう作っていくか。そして、それがどう循環していくのか。その循環を若者は感じられていないように思う。大学生や高校生を含めて、若者が何らかの地域活動に積極的に関わってくれることが将来に繋がるような京都を作っていきたい。
・私が大学に勤めていた頃、社会問題に向き合い、地域の皆さんとお祭りの伝承を5年、10年やってきたという学生の声を聞いて、面白いと感じた。地域活動にのめり込んでいくような好奇心があり、地域の方々に愛されるキャラクターのこの学生をどう伸ばすか、みたいなことを考えさせられた。社会全体がそういう活動をどう見て、どう応援していくのか、その活動がその後の人生にどう繋がっていくのか、ということが分かる「繋がる京都」を作っていきたい。
・今日、皆様からお伺いしたお話を、市役所・区役所としてどう受け止め、答えを出していくのか、しっかり考えていきたい。
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