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インタビュー「音を継ぐこと・伝えること」野田弥生・野田友紀

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2010年10月15日

 「きょうとシティグラフ2010」に掲載された,野田弥生氏・野田友紀氏のインタビュー原稿を掲載しています。

古曲も新曲も愛おしく思いながら母娘で奏でる琴の調べ

お二人は、どのように同じ箏曲家(琴演奏家)としての道を歩まれるようになったのでしょう?

弥生さん 娘の友紀には2歳半で初舞台を踏ませました。親が教えるとわがままが出ますので、私の師匠でもある伯母の野田秀琴に仕込んでもらいました。私が始めたのは3歳から。伯母と一緒に住んでいたので、お教室で教えている音などが自然と耳に入ってきて、小さい頃から音楽は常に身近にありました。

友紀さん 私も小さい頃から当たり前のようにお琴を弾いていたので…。中学の時、将来の夢に漠然と「お琴の先生」と書いたら、古くさいと友達に笑われて、一時期恥ずかしく思っていたこともありました。高校生になって、京都芸術センターで初めて母と一緒に舞台に立つ機会がありました。同じ舞台には狂言や舞の方も親子で出ておられて「ああ、うらやましいな」と思って見ていたら、あ、自分もそうなんだ、と改めて気付いたりして(笑)…後を継ぐというのとは少し違うかも知れませんが、母と同じお琴をやっていくんだと自覚したのはその頃です。

弥生さん 最近はようやく二人で弾いていて楽しいなと思えるようになってきましたね。古典を私が友紀に教えたり、逆に新曲だと、ちょっと友紀に弾いてもらったり。

友紀さん 前はよく間違えて母に指摘されていたので母の前で弾くのはいやだったんですけど(笑)。

弥生さん 母娘でお琴という共通の話題があるのはよかったと思っています。他の方の演奏を聴いて、感想を言い合ったりできますし。齢が違うこともあって、同じ曲を聴いても感じ方が違って面白いんです。

近々の演奏の予定では、友紀さんは「京都創生座」、弥生さんは「市民邦楽会」がありますね。(22年8月時点)

友紀さん 「京都創生座」(9月4日)は京都の伝統芸能家が若手を中心に、ジャンルを超えて競演する新しい試みの舞台です。出演者はお互いプロなので、譲れない部分があって舞台作りはすんなりとはいきません。でも何度も話し合いを重ねて最終的にはぴたりと息の合った、新しく魅力的な舞台が仕上がります。今まであまり舞台を見たことがない方に好みの芸能を見つけてもらったり、お目当てと違う芸能に興味を持ってもらったり。そんな風に伝統芸能への関心が広がっていけばいいなと思っています。

弥生さん 「市民邦楽会」(9月12日)には、京都芸術センターの夏休み邦楽体験教室に参加した子どもたちも出演します。ご祖父母の皆さんも観に来られてほのぼのした雰囲気です。伝統のある演奏会ですが、これからも多くの皆様が気軽に邦楽に親しめる機会になればいいですね。

お二人は後進を育てる立場にもあります。

弥生さん お琴の教室では幅広い年代の方に教えています。小さいお子さんを教えるのは体力がいるので、友紀に任せていますが(笑)。

友紀さん 今日習いに来たあやめちゃんは3歳から通っています。小さい子は、耳で聴いた音から入るのでやはり感覚が違ってきます。

弥生さん 自宅の教室以外でも、色んなところでお琴を教える機会がありますが、少しずつ友紀にバトンタッチしながら続けています。

友紀さん 母のアシスタントから始める形で、今は講師として京都光華女子学園で教えています。きもので教えに行ってますが、高校生なんかは柄や帯にとても敏感で。同じのを着ていくとすぐバレますから、気を使って大変です(笑)。

今後はどのような演奏をしていきたいと考えておられますか?

弥生さん 最初は古典から入りましたが、若い頃は、ラテンやポップスと共演したり、ヨーロッパを演奏旅行したりと、色々な経験もさせてもらいました。でも、やっぱり段々と古典に戻ってくるんですね。古典はもともと口伝で受け継がれてきた、体と感覚で覚えるもの。しっかりと受け継いでいかなければならないと思います。

友紀さん 欲張りかも知れませんが、「創生座」も続けたいですし、洋楽器とのコラボレーションもやりたいと思っています。古典は何度演奏しても“完成”がないので、どこまでも追求しながら、たくさんの曲を覚えていきたいと思っています。

最後に、お互いを演奏家としてどう思われているか、お伺いしてもよろしいでしょうか?

弥生さん だんだんと近づいてきたかな、と思います。特に教えるということはしなかったのですが…。伝統を受け継ぐというのはことさらにすることではなく、自然とつながっていくものかもしれませんね。

友紀さん 母のことなんか認めない、と思っていた時期が長かったんです。母のようにはなれない、という思いもあって、認めたくなかったんだと思います。ただ、あるとき母が新曲を弾いているのを聞いたとき、それがすごく良かったんです。素直にそう思ったとき、「ああ、認めてあげよう」と上から目線で(笑)。でも、その頃から古典に真剣に取り組み始めました。

弥生さん (インタビュアーに)あの、今これ初めて聞いた話なんですけど…

友紀さん こんな機会じゃないと言えません(笑)。

弥生さん どうも、お認めいただいてありがとうございます(笑)。

野田弥生氏プロフィール

京都市生まれ。生田流箏曲奏者。野田秀琴、萩原正吟に師事。昭和63(1988)年京都市芸術新人賞受賞。京都三曲協会副会長、京都市芸術文化協会評議員。2008年G8サミット外相会合では京都迎賓館で演奏を披露。海外での演奏も積極的に展開する。演奏活動の傍ら、大谷大学箏曲部などで後進の育成にも当たっている。

野田友紀氏プロフィール

京都市生まれ。生田流箏曲奏者。3歳から野田秀琴に手ほどきを受ける。平成12(2000)年、大阪音楽大学器楽科箏専攻卒業。平成13(2001)年日本箏曲連盟コンクールにて連盟賞受賞。平成16(2004)年準師範。京都市の姉妹都市・プラハでの演奏会をはじめ、海外での演奏活動も多数。「京都創生座」には立ち上げから参加。現在、京都光華女子学園で伝統文化非常勤講師も務める。

お問い合わせ先

京都市 総合企画局市長公室広報担当

電話:075-222-3094

ファックス:075-213-0286

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