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京都市市民参加推進フォーラム第10回会議 摘録

ページ番号35269

2022年6月28日

 

日時:平成17年3月22日(月)午前10時30分~12時10分

 

場所:ひと・まち交流館 京都 第5会議室

 

出席:京都市市民参加推進フォーラム委員13名(浅野委員,川名委員は欠席) 傍聴者:6名

 

 

1 会議次第

 

1 開会
2 座長あいさつ
3 議題
(1)京都市市民参加推進計画の見直しについて
4 その他
5 閉会

[配布資料]   太字のものは、下のPDFファイルでご覧になれます。
資料1 配席図
資料2 市民参加推進フォーラム委員名簿

資料3 市民参加推進計画の見直しについて(修正案)

資料4 京都市市民参加推進計画の取組状況一覧

第10回会議

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2 摘 録

 

1 開会

 

2 座長あいさつ
<宗田座長>

 年度末ということだが,フォーラムは年度に関わらずコツコツ進めていかなければならないもので,年度が一つ進むごとに「市民参加をどれだけ推進したか」ということが厳しく見られることになる。特に次年度は市民参加推進計画の見直しを皆さんの協力を得ながら進めていくことになるのだが,徐々に時間も無くなり日増しに市民の厳しい視線が集まってきている。
新聞報道もされたので皆さんも御存知かと思うが,伏見区の一件であるとか北区の一件などはそもそも市民参加の取組を進めようという非常に熱心な取組から始まったもので,区役所や参加してくださった市民も非常に熱意を持って取り組んでこられたのだが,それをどう継続するか,どう発展させるか,ということに関して最初からゴールがあったわけではない。市民参加は,何かの建物を建てるといった分かりやすい目標があって,それに向かって進んでいくというものではなくて,次々と出てくる色々な課題に対して敏速に答えながら,市民参加の形を変えつつも発展させていくという非常に難しいものだと記事を見て感じた。この時点ではこの形が最高だと思っていたものが,一年経つともっといい形が出てくる。市民参加の推進の中には,去年の形を踏み越えなければならないような厳しい試練があるようだ。
 その意味で,フォーラムは常に厳しい市民の視線に晒されていて,「お前たちはどういうふうに考えているんだ」「何を話しているんだ」ということがかなり厳しく問われる,責任ある立場でもある。
 今日は今まで再三議論をしてきたが,「京都市市民参加推進計画」を実際に検討する第1回目である。一回で済むとは思っていないし,来年度一年間かけてもできるかできないかわからないほどの大きな課題でもあるが,我々の果たすべき責任と義務をよく認識して,皆さんとその責任を共有しながら着々と進めていきたいと思う。 

  

[就任あいさつ]
 事務局から京都青年会議所の役員交代に伴い,石原義清氏の後任として,松尾定信氏に委員に就任していただく旨の報告をし,松尾委員からあいさつをいただいた。

 

 

3 議題
(1)京都市市民参加推進計画の見直しについて
<宗田座長>
 計画の見直しについては,前回の第9回フォーラムにおいて事務局から案の提示があったが,前回の議論を受けて,再度事務局で整理をしていただいた。事務局に説明をお願いしたい。


[説明要旨]
 資料3に基づいて,フォーラムの役割を確認した後,京都市市民参加推進計画の見直しに当たっての基本的な考え方を説明し,具体的なスケジュール,方法等について事務局の案を示した。また,資料4について説明し,計画の見直しの進め方についての委員各位の意見を伺った。

 

[意見交換]
<千葉委員>
 ひとつひとつの項目についていくらくらいの予算がついているかについては,調べたらわかるものなのか。


<事務局>
 例えば計画番号1番の「審議会の公開と審議日程や内容等の情報提供の推進」だが,資料4にあげているものはその項目の中の一部であり,これらの審議会がこの事業でどういった予算立てをされているかについては調べれば出てくるところもあるが,ひとつの項目について,それを積み上げて算出をしていくことはかなり難しいと思われる。


<千葉委員>
 先日,電子会議室の運営委員会に出席した際に,電子会議室は三年間で約一千五百万円の経費が掛かっているということが話題に出ていたが,そういった個々の事業でいくらくらいの予算が掛かかっているのか,ということが評価の一つの基準になるのではないかと思う。その辺りがもう少し分かりやすければとは思った。


<宗田座長>
 そのような論点で資料を整理していないのだが,非常にいい御指摘だ。計画の第3章1の「市政運営の各過程における参加の制度や仕組みの拡充に向けた取組」に関しては,既存の制度の中に参加を取り入れていくものなので,例えば,審議会の公開を行ったことでいくら余分に予算が掛かった,といえるのかどうかは知らないが,調べたら分かるのかもしれない。
 2の方の「地域における市民主体のまちづくり活動のその支援」は個別事業で実施している部分がたくさんあるので,大体いくら予算立てをしている事業だというのは分かるかもしれない。
 実際,市民参加があまりにも予算のかかるものならば,「やめたほうがいい」という意見を持つ市民も出てくるだろうし,一方「いくらお金をかけてもやるべきだ」という意見もあるという,非常に難しい課題だと思う。「市民参加のコスト」「民主主義のコスト」というふうにも言われるが,その判断をしてみるうえでも,予算を見てみる価値はあるかもしれない。
 市民参加のコストは別に隠すものでもないし,出してみたらいいのではないか。市は「市民から求められるので市民参加の取組をやってみました。ところが実際こんなにかかってしまいました。本当にいいのですか,市民の皆さん」という返し方をする必要もあるだろうし,一度やってみてもいいかもしれない。それほど大変なものでないのなら,次回用意してもらいたい。


<米丸委員>
 全体的な点で,特に1の部分の「参加の制度や仕組みの拡充に向けた取組」に関わることだが,例えばリストアップされている中で「着手済ではあるけども,まだ検討段階に入っていない」というものが,10番,11番の項目で見られるわけだが,それらの項目は,市民と行政との関わりだけでなく,市議会との関係も問題になってくる分野だと思う。
 そのような観点で見たときに,市議会の方の市民参加に対する意識の状況や行政の方から市議会に対してどういう関わり方を働きかけているのか,といったことが気になってくる。
 特に住民投票などは,従来から制度化している自治体でも,市議会との関係で軋轢が生じたり,市長の強いリーダーシップが求められたり,といったような非常に微妙なところなので,その点を考えると調査研究をすすめながら,市議会の方でも何らかの動きなり,準備なりをしていただくテーマであると思っている。ついては,現状や,今後どのような働きかけがありうるか,といったことについて御意見があれば聞きたいし,なければ今後フォーラムでも,市議会をどのように巻き込んで市民参加を拡充していくべきかが議論されるべきではないかと考えている。


<宗田座長>
 おっしゃるとおりで2の「地域における市民主体のまちづくり活動のその支援」のところに関しては,これまでも自主勉強会で,自治連合会や市政協力委員,社会福祉協議会などをいちいち取り上げて関係の方にもお越しいただいて勉強をしてきたのだが,1の「市政運営の各過程における参加の制度や仕組みの拡充に向けた取組」ということを検討するうえで,フォーラムとして市議会の皆さんと接点を持たせてもらうということは考えてみてもいいかもしれない。市議会の方が市民参加についてどう考えているかを勉強させてもらう機会を自主勉強会で設けることについて,皆さんどう思われるか。
 市長部局と市議会というものは独立したものなので,フォーラムは市長部局の所管の中に設置された審議会という形になると,なかなか市議会に声を掛けられないのだが,自主勉強会に我々フォーラム委員の名前でお呼びし,「我々も市民として独立している組織だ」ということで市議会の方に働きかけてお願いするということもできるかもしれない。何か方法を検討して来年度考えてみたいと思う。


<乾副座長>
 気軽に話してもらえればいいのだが,市議会がどういう形で話をするかが問題だ。全体に声を掛けて各会派が寄ってきてくれるとはあまり想像できない。


<宗田座長>
 各会派に寄ってもらえれば面白いかもしれない。


<乾副座長>
 本当はそうしたいが。


<宗田座長>
 市会議員は選挙で選ばれた公的な市民の代表者であるので,市民参加推進計画が出る過程やこのフォーラムを作る過程でも,市会議員から,市議会の位置付けと市民参加というものの二重構造に対して色々と意見があったのは事実だし,「市議会こそが市民の意見を代表する立場だ」という意見もあって,その点が問題になるのは確かなのだが,フォーラムとしては,市議会が公的に市民を代表している立場であることとに敬意を払って,勉強させていただくという立場で話せればいいとも思う。


<西嶋委員>
 本能学区だけでなく中京区全体を見ても,自治連合会長や市政協力委員長の仕事がものすごく増えている。すべての窓口がそこに集中している。それを周りの者が見ていると,「若返りを図らないといけない」と思いながらも,「自分の仕事を持ちながら,あそこまでの仕事をするのは無理だ」と思ってしまい,結局,その方々が出て行かざるをえない。ところがいくらでも仕事は増えていく。
 やはり行政からの地域への入り方も一定ではなく,既存の各種団体だけではなく,若手を引き出すような違う手法で入ってきてもらうようにしないと,地域の中が高齢化してしまう。仕事を持ちながらやるというのは,到底無理なことだ。その点をコストの問題も含めて考えていかないとならないと思う。


<乾副座長>
 個人的には結局はマンパワーの問題だと思っている。区分権の流れのなかで,まちづくりの最前線は区役所だということになってきて,区のなかに「まちづくり推進」という名前が入ったけどもマンパワーは増えていない。区役所が中心になりながら,消防団等の地域団体を横につなげて各学区とのチャンネルを増やしていく「学区担当制」などの議論は始まっているが,それを束ねるマンパワーが不足している。
 個人的に感じていることだが,市民参加を推進していこうとする今の時期にきっちりとその辺に人材を入れて耕すとか,アダプターをきっちりと作ることをやっておかないと,口だけになってしまい,かえって不信感を招き,頓挫したときにはかえってマイナスが発生する。チャンスであると同時に大変な時期だと思っている。その点が大事なことだということを踏まえると西嶋委員の話はよく分かる。
 見直しについては,「取組状況一覧」が事務局から出てきて,データをきっちりと整理してもらったので,これからの作業が非常にやり易くなっていくと思うのだが,これを使って,評価をし,提言などを加えていくとなると,全項目でなくてもいいので,「取組状況」と「評価」の部分に視点をきっちりと項目化するような作業が必要になってくるだろうと思う。
 「取組状況」ならば,各課の中でどれくらい発議されて,どのように位置づけられて取り組まれているか,という初動期,そしてそれを実際の事業に乗せるとき,それを運営していくとき,それぞれの段階でどのような課題があったか,また,それに対する市民の反応はどうだったかというフローを見てみるという視点が一つある。
 次に金や人材,議会などの様々な問題があると思うのだが,取組を進めるうえでの障害は何かを見ていく。とりわけ人の問題というものは,市の中で大きな課題だと思う。訓練の問題もあると思うが,それは計画の中にも盛込まれているので鋭意やっているが,特に現場で働くべき人たちのマンパワーの問題がある。そのような問題点を整理整頓していく必要があるし,その辺まで踏み込む必要があると思う。あと,逆にプラスとして生み出したものは何か,例えば「地域の信頼を得た」だとか「地域の新しい仕組みができた」だとか,「NPOと地域がつながった」とか,そのような話の整理の仕方にまで突っ込む必要があると思う。
 内容の議論と同時に進め方の議論をしなければならないと思うが,私自身は全項目に渡ってするわけにはいかないので,今の段階で,項目の中からいくつか目星をフォーラムでピックアップしたうえで突っ込んだ話をする必要があると思う。


<西嶋委員>
 その点でも「市民コーディネーターの養成」ということがポイントになってくるのではないか。勉強会でも議論をしたが,地域の方などを養成するよりも,各行政区のまちづくり推進課にコーディネーターのノウハウを持った人材がいて,その方が地域ごとの特色や性格を知って,各地域をコーディネートしていき,地域と地域をつなげていくといったことをする方がいいのではないか。ボランティアという形ではなく,ある種コーディネーターのプロを養成するようなことの方が現実味があると思う。


<乾副座長>
 私も賛成だ。


<宗田座長>
 いくつか重要な論点が出ているが,見直しそのものをどう進めていくかという「進め方」に関する議論もいただきたいと思う。
 西嶋委員の御発言についてだが,特に学校に関して言えることで,ここ数年の間に急速に学校が変わろうとしているが,それを担う地域の人口は増えていないし,若年層,中年層は忙しくなっていく一方で,その負担が高年層に集まってしまっている。 地域のリーダーを引受けてくれる後継者がいないという極めて本質的な論理だ。
 また,市民参加の推進によって,「仕事を請ける地域にどのくらい負担がかかっているか」について見るみる必要があるとの御指摘もあったが,それもそのとおりだと思う。


<宇戸委員>
 他の委員とまったく同じ意見だ。「取組状況一覧」の「評価」のところを見ていても,何が問題なのかというところが分かりにくい。それはまとめ方で解決することなのかもしれないが,「それではどうしたらいいのか」と考えたときに,今後は「観点別の評価」ということにポイントを絞って,問い掛けた方がいいのではないかと思う。
 私たちがフォーラムでこれまでずっと話をしてきたことや,考えていかなければいけならないことは,「京都で熱心に活動している市民以外の大部分の市民が,どのように考えているのか」「どうしたら参加したくなるのか」ことなので,個々の事業を各部署が実施していったときに,まず「市民にどのように参加してもらったのか」という入り口の部分を見ていかないといけないと思う。西嶋委員のおっしゃったように,いつも同じ地域の役職の人を通して公募していったのか,別の方法を使ったのか,その辺りの各課の状況や工夫を,フォーラムが見ていくことが必要だと思う。入り口の部分の「参加を呼び掛ける方法」というものが一番問題になっているところなので,各事業課がその辺りを書きやすいような評価シートを作ることが大事だと思う。
 それから,予算や運営方法,どのような組立てでその結果を地域住民や市民に対してもう一度表現していったのか,というそれぞれのプロセスにおける観点別の評価というものが必要だと思う。


<江田委員>
 フォーラムに参加するまでの私のニュースソースは市の図書館だった。「取組状況一覧」を見ていて思うのだが,「取組状況」あるいは「評価」というものを,「一般市民はどこで見ることができるのか」と思った。先日も中央図書館に行った際に,「市民参加の取組状況を調べよう」と思って探してみたのだが,表面的にはコーナー等もなく,残念ながら見ることができなかった。ちらし等の広報物はあるのだが,「このような会合がありますよ」とか「取組があるので参加してくださいね」といった内容のもので,「では実際にはどうなったのか」というものは残念ながら見られなかった。
 今後,計画を評価していくわけだが,「大多数の市民がどう思っているのか」ということは,どこで見てくればいいのかなと思う。一個人の考えだけで評価をしていってはならないような気がするし,何らかの形で「こういうことが行われて,こうなっているのですよ」というものが,どこかで見られるような場所や何かがいるのではないかと思う。今回,取組状況をきっちりとまとめてもらい,私自身は55項目の実施状況がよく分かったのだが,一般の市民の方に「何をやってどうなっているのか」ということを分からせる方法を一度考えていかなければならないのではないのかと思っている。


<宗田座長>
 ちなみに本日の資料である「取組状況一覧」は市民に届くのか。傍聴者には配布しているが,他に伝える方法は考えていなかった。本日ここで公開されている資料が他で見られるという仕組みはないのではないか。


<事務局>
 会議資料については摘録をまとめ,プロジェクト推進室のホームページにアップする段階で,同時に公開する予定である。従ってホームページから閲覧をすれば見ることができる。


<宗田座長>
 先ほどの江田委員の御指摘は面白く,インターネットという前に図書館という方法は確かにあるなと思った。


<事務局>
 現在,審議会の公開の取組を進めているが,公開をした審議会については,結果についても公表しなければならないと条例で定められており,例えば,各課のホームページに掲載をしたり,本市の情報公開コーナーに設置するなど,個々の審議会の取組として実施されている。


<宗田座長>
 市民参加推進フォーラムの審議内容の公開の方法については,インターネットでも行っているが,それ以外の公開の方法については我々フォーラム委員で決めればいいということか。


<事務局>
 そういうことになる。


<宗田座長>
 図書館に議事録を設置することに関しては,皆さんも賛成されると思うが,情報公開コーナーはそんなに広いところではない。図書館も他の文書コーナーがあるので,公開されている審議会の資料が参考資料付きで設置されれば,瞬く間にスペースをとってしまう。図書館などに設置し始めたら大変なことになるかも知れないが,その場合はどうしたらいいのだろうか。


<江田委員>
 何らかのものがないと一般の市民はわからない。区役所はなんとなく行きづらく,何かを見ようとしても見づらい。図書館などの施設だとコーナーがあれば,ついでに見ていこうか,という気になる。
 資料は二年も三年も置く必要はないと思う。一年分の見出しだけでも置いてあって,それ以上見たい方はインターネットで調べてもらうという形で構わないと思う。何らかの形で「こういったことをやっている」ということは知らしめないと,市民はなかなか参加しないのではないかと思う。


<大島委員>
 4月からデジタル放送が始まるが,そういった媒体を活用するということはできないか。すぐには無理かもしれないが。


<宗田座長>
 インターネットなどを使わない方たちへの配慮も必要だと思う。


<米丸委員>
 図書館の情報検索端末を利用し,図書館の情報検索コーナーの司書の方に,審議会等の情報閲覧の仕方についてサポートしてもらえるように情報提供をして,「市政の審議会情報等を得ることができる」と掲示などをしておくというのが,一番の近道のように思う。「プリントアウトして欲しい」という要望があれば,若干実費をもらいプリントアウトもする,といったように制度化できれば,図書館もインターネット上のリソースも有効活用できるのではないか。


<宗田座長>
 もう一点忘れていただきたくないのは,仮に閲覧できたとしても,それらの資料を読みこなして意見を言うところまで辿り着くには,かなりの負担になると思うが。


<江田委員>
 読みこなさなくてもいいと思う。「こういったものやっている」「こういった結果が出ている」ということがわかればいいと思う。
 先日初めて気づいたのだが,図書館に今回のフォーラムの傍聴者募集のチラシが設置されていた。まずは,「こういうものをやっている」ということを知ってもらうことが大事で,それ以上のことは司書の方にお願いするといったものでいいと思う。


<宗田座長>
 フォーラムは毎回傍聴者に来てもらっているが,他の審議会は公開しているとはいうものの,なかなか参加者が来ないというのが現実だ。


<西嶋委員>
 「伝統産業の日」のパンフレットは25万部配布され,そのパンフレットに「着物姿の方は市バス・地下鉄が無料である」とう内容が記載されていたのだが,その効果もあって,着物姿で京都市に入って来る方がとても多くなり,去年よりも今年は多くなっている。
 審議会に限らず,やはりお金を掛ければ情報も伝わるもので,審議会にそれだけの情報を伝える資金がないのは当然だと思う。参加者が集まるか否かについては資金との関係が十分にあるのだと思う。ただし,色々なところから情報を得られるようにすることは必要だと思う。
 あと,取組状況に記されている「評価」は,あくまで主催者側の評価であって,そこに参加したり,関わった方々がどう思われたかというところがわかれば,もう少し我々も検討ができると思う。
 また,「着手済」というのは,「今はまだ進行形である」ということで,「完了」というものは「もうそれで終わった」ということだと思うのだが,終わったものであっても,評価が大変良かったのであれば,再度すぐにでも続けていかなければならないのではないかと思う。その点を事務局がどのような方向で考えているのかということについては,聞かせていただきたい。


<宗田座長>
 今,二つのことをおっしゃられた。まず,取組状況一覧の「評価」については,担当部局からの報告を,一定事務局で評価したものではなく,実際参加した市民や関係者がどのように感じているかをみるべきだという御指摘があったが,それはフォーラムで調べればいいと思う。要するにこの「取組状況一覧」に書いてあることまでは予算が無くてもわかるわけで,ここから先のことを調査しようということになると,何らかの費用と時間がかかってしまう。それをするのか,それともフォーラム委員に市民の代わりになって評価してもらい,安く済ませようかという選択だと思う。
 「安く済ませるべきではない。我々の意見が市民代表の意見とするのではなく,本当に深く関わった人々の意見を聞いてこないといけない」ということを言うのであれば,その場合は当然,時間とお金がかかるということになる。その判断の問題だと思う。
 それから,「着手済」「完了」などの事務局の認識についての御指摘だが,「完了」「着手済」「検討・着手予定」「未着手」という4つの区分に分かれており,それ自体が評価ということではなく,それぞれに評価の仕方や点検の仕方というものは違うと思う。 
 御指摘の点について事務局はどのように考えているのか。


<事務局>
 御指摘のとおり,完了していても制度ができあがって動いているものもあるので,今回の問合せの中でも一定わかる範囲では書いているが,その点を具体的に検討する余地はあると思う。
 例を挙げて説明すると,取組状況一覧の13ページ,22番「市民参加ガイドラインの発行」は,ガイドラインという冊子を作り,職員にノウハウを伝授するという取組であり,これについては冊子ができあがったので「完了」としている。また,同じく職員の育成という観点から,21番「市民参加を促進する職員研修を実施する」というものがあるが,これは実際に研修を実施したので,「完了」と書いてもいいのだが,更にやり続ける必要があるので「着手済」としている。そのような分け方になっている。
 それから23番「重要事務事業の庁内説明会の開催」は,市民の前に職員が立つに当たっては,京都市の重要事務事業についても頭に入れておくべきだ,という考えに基づき実施する取組だが,これはまだできていないので「未着手」としている。ただし,これ自体はできていないが「局政策推進方針」というものを作り,ホームページに公表し,誰でも閲覧できる状態にしているので,そのことを「評価」の欄には記載している。それから14ページの25番「市民参加手法開発手法研究会の設置」については,まだ何もできていないが設置に向けて検討をしているので「検討・着手予定」と書いている。
 異論があれば,変更していくことはやぶさかではないので,その点も御議論いただければと思う。


<西嶋委員>
 例えば30ページの「出前トークの実施」は「完了」となっているが,「評価」では「利用拡大に努めていく」となっている。このようなものは特に身近な問題なので,人に聞くまでもなく,本当にこれが完了して今後も継続していく項目なのかということについては,フォーラムのメンバーの中で話のできる問題ではないかと思う。速やかにこれは継続していくものなのか,多少の手直しが必要なものなのか,ということはフォーラムで検討できる問題だと思う。


<宗田座長>
 フォーラムで検討しやすいような「出前トーク」などは,フォーラムでも一度審議をしたものなので,検討していけばいいと思うが,他の項目に関しても,苦手だからといって見直しをやらないで済むということにはならない。そこが大変なところだが。


<乾副座長>
 フォーラムで議論しただけで十分か不十分かということではなく,本日のような議論をしながら,少しでも関心を持ってもらうために市民に向かって問い掛けて,掘り起こしを行うようなことをしなければ,今すぐこの取組状況に評価を出せるはずがないと思う。なかば「京都市はここまでやりました」という宣伝をしながら,なかば「それについてどう思いますか」ということを,ことあるごとに全体に向かって投げかけるという行動そのものは大事だと思う。
 むしろそのやり取りの中でひとつひとつ状況が変わっていくということが大事で,フォーラムの役目はここで議論をすると同時に,少しでも外に向かって知らせていく,そして「どうですか」という問い掛けをしていくことだと思う。
 評価自体について市民の意見を求めるということと同時に,それによって違う状況を作り出すための働きかけを行うという二重の意味で,フォーラムは動く必要があると思う。
 その方法として,きっちりとお金をかけてアンケートなどを実施する方がいい場合と,ワークショップやシンポジウムを開いて,もっと広がっていくような状況をつくる方がいい場合とがあるので,その二つをまな板に載せて考えるということが必要だと思う。


<竹下委員>
 一市民として感じることだが,2年位前から,市から市民への呼びかけが結構多くなっているような気がする。教育委員会からも「何か意見はありませんか」という問いかけがあり,はがきで意見を送ったら,必ず丁寧な資料を添えて返事を送り返してくれる。ちょっとした工夫で,呼び掛けてさえもらえれば,それに応える市民も多いと思う。区役所・支所や図書館等での情報提供を工夫してもらえれば市政への参加も高まるのではないかと思う。
 また,取組状況一覧の記載内容を見ていると,日頃,地域のまとめ役の方が挨拶でおっしゃれられるようなことが書いてあるので,その下で働く人たちの「愚痴」を聞いてもらえるような場所があればすごく嬉しいと思う。


<乾副座長>
 今の意見には二つのすばらしい話が含まれていた。まず,「この2年でよくなった」という御指摘だったが,そのことを市の職員に聞かせてあげたら喜ぶのではないか。そういったやり取りが必要だと思う。職員の中には「必死になって仕事に取り組んでいるけども,市民はどう思っているのか」と思っている人もいるはずだから,先ほどのような話を直接聞ける対話の場を設けてみてもいいのではないか。
 更に「PTAではこんなことをしているのに」という愚痴を聞いて欲しいということだったが,その対話の場に,その愚痴を持ってきてもらうととてもいいと思う。おそらく市の職員はその辺りのフォローアップできていない。だが,そういったチャンスを作り,やり取りを行うなかで,「こんな動きをした」といったことを市に伝えればいいわけだし,言う方の市民も,それによって大きな励みができてくるということになると思う。全般には広がらないかもしれないが,そのようなチャンスをいくつか作って,市民がきっちりと市に対して「最近こういったことがよくなったよ」と言ってくれる,それと同時に市民が「私たちもこんな取組をしている」というやり取りのできる場を,来年度は何回か設定できればといいと思う。
 その際に全般をテーマとするのか,テーマを絞り込んだうえで実施するのかという工夫は必要だと思うが。


<西嶋委員>
 私が思うのは,区役所もそうだが都市づくり推進課などは昼夜土日問わず一生懸命地域に入って頑張っている。だから我々もここまで育っていったのではないかと思っている。そう考えると,予算配分を経済局よりも都市計画局の方に持っていって,業界団体に下ろすよりも,もっと地域に下ろしていって,それによって地域力を高める,というスタンスをまず決めてしまわないといけないのではないかと感じている。同じ事業をしていても業界団体だったら予算の桁が違う。
 この前も伝統産業関係のシンポジウムが100名ほどの参加者を集めて実施されたのだが,その話の中で,「ある業界団体の方が350万円の予算をもらい広島で陶芸展をしたのだが,その売上げが250万円だった」という話を聞いた。こんなことは普通の企業では考えられないことだ。そのような話を頻繁に聞く。
 こういった問題は市でも理解していることだと思う。しかし,分かっているが手をつけられない。補助金の申請をする場合のハードルが高くなっていることも事実だが,もっと業界以外の市民にも目を向けてもらうことが必要ではないか。
 景観・まちづくりセンターの支援事業でも,年間4箇所しかできない状態だ。これではせっかく地域がやる気を出していても,「今年は無理だ」と言われて力が抜けてしまう。それが20箇所,30箇所できる,人材もそこへ送り込む,ということならば話も変わってくる。そのようなことを,今やらないといけないと思う。その当たりについては市会議員の方と話ができる問題ではないかと思う。


<宗田座長>
 大変重要な指摘で,他都市でも既存の地域団体に出しているお金が多いということでNPO団体が指摘をして問題になったということがあったが,その問題には歴史がある。昭和30年代の伝統産業が本当に辛かった時代に,近代化を図るという視点から伝統産業振興というものが始まったのだが,高度経済成長期に伝統産業が潤ったことにより,方向に迷いが生じてきた。何が言いたいかというと,昔は市民が伝統産業に依拠して暮らしていたので,伝統産業を支援することは即ち市民を手厚く救うことに結びついていたのだが,いつの間にか救っている相手が変わってしまい,高齢者などのもっと救うべき人が出てきた。そのようなこともあって,今,地域に焦点を当てなければいけない状態になってきたということは,時代の変化とともに社会も変わってきたということでもある。ところが社会の変化と同じように制度や仕組みなども変わっていくべきなのだが,既存団体は力が強いものだから切れないという状況になっている。それを一つ一つ点検することはフォーラムの仕事と言うよりも市議会の仕事ではないか。


<西嶋委員>
 それは点検という問題ではなくて議会の問題だ。議会と業界団体がつながっているから,結局,市民活動のなかに入ってきてもつながらない。だからお金も下りてこない。そういう仕組みだ。


<宗田座長>
 新しい団体は相当しっかり活動していかないと,既存の仕組みの中では力を持つことができないということだと思うのだが。


<乾副座長>
 まずこのフォーラムでできることは,市民活動について「お金が足りているか足りていないか」という話をまずしてみることだと思う。「お金は無いし,人はいない」という事実を炙り出しておかないといけない。その点については市職員も言えるのであれば言いたいのではないか。本当はやりたいけどもできないことがゴロゴロしていると思う。それをうまく掬い取って,この場できっちりと議論する必要があると思う。まずはそちらからだと思う。取りあえずは「予算が足りない」ということを素直に言って,知らしめればいいと思う。


<長谷川委員>
 市が考えている市民参加の中には,資金的な問題を多く含んでいるという点を,もっと明快に打ち出してもらわなければならない。55項目のなかにも資金のいらない部分もあればそうでない部分もある。その点も明快にしていかなければならない。
また計画を見直すに当たっても,施策を実施するための予算化がどうなるのかということも考えていかないと,新たな手法を考えるといっても,その点がはっきり出てこないと話が進まないと思う。


<西嶋委員>
 一つ一つの経費だけでなく,トータルの経費を見たい。55項目はお金を掛けずにやれることばかりだ。今,お金の掛かっているところを見直して,そこから回していかないことには無理だと思う。
 先ほどの話だが,20年,30年前は伝統産業に「おんぶにだっこ」という状態だったが,今はその伝統産業に従事している人間の後継者がいない状態だ。また,20年先の伝統産業に従事している人口を考えたら大変な数字になる。それを今,温室のように業界を暖めておくだけではいけないと思う。
 地域力を高めることで,地域を好きになってもらい,その地域に住んでもらうことが重要だ。その地域に住んでもらってこそ,その地域の産業に携わるという結果を生むのだと思う。


<宗田座長>
 地域力は伝統産業をも救うという御指摘だが,それはいい発想だと思う。市民参加を推進することで,市が今まで業界を牽引してきたこととは違うルートで,京都の経済や伝統産業を活性化するということはありえるということだ。


<西嶋委員>
 例えば商店街だが,商店街が歯抜けになっていく理由は大型店舗ができたからで,この原因は相当大きなものだ。我々の地域でも24時間営業のスーパーができたが,そうなると地域の商売をしている方はそれだけでは食べていけない。また,そういった方々が地域の中心となって動いていたら,「地域の仕事などやっている場合ではない。半日働きに行かなければならない」という状態になってしまう時代だ。
これらの問題は地域で考えていかなければならない問題であり,その点でも予算的な配分を考えてもらいたい。


<乾副座長>
 この55項目のトータルコストは出ないと思う。例えば,「地域を活性化するために色々なところにチャンネルを作るために,コーディネートをするプロフェッショナルが必要だ」ということで,取あえずは市役所や区役所が中心となってやるとなった場合,区役所のまちづくり推進課に何人職員がいるのか,コンサルタントを頼めるだけのお金を握っているか,本庁が予算をもっているか,といった様々な問題があるのだが,それらは表に出てくるお金の問題ではない。そのようなお金は「報告書を作ります」といったときとは違って,表には出てこない部分だと思う。
 今,有栖川で川作りのワークショップを住民の方から仕掛けてやっているが,やってもらえばやってもらうほど,河川課の方は苦しくなる。「川作りは市民参加でやります」というところまでは決まっているが,それを実施する予算はどこにも取っていない。
そういった話が積み上げられているので,先ほど,評価の中に「職員のしんどさ」も含めて,「お金が必要である」という話は入れて欲しいと言った。「こうやりたいのだけど,ここまでしかできなかった。こういう問題があったから」とか「お金を別のところからもってこざるをえなくなった」といった話こそ,「取組状況」や「評価」のところできっちりと押さえておかなければならないと思う。


<長谷川委員>
 お金のないところはいっぱいある。「一円のお金もないが実施している」というところもある。そういうところを行政からも率直に言ってもらいたい。「一円の予算もないがやってもらえないか」と言われたら覚悟ができる。あるような無いような中途半端な話をしているからややこしくなる。これから市民参加を求めるには,ただ「来てきださいね」だけではなく,予算があるかないかの前触れからはっきりさせておかないといけないと思う。その辺りを明快に出してもらうほうがやりやすいと思う。


<宗田座長>
 ではこの辺で,「市民参加手法開発研究会」の進め方,取組についてもう一度具体的に事務局から説明していただきたいのだが。


<事務局>
 事務局案としては先ほど申し上げた以上のことはない。


<宗田座長>
 市民参加推進フォーラムの下部組織といえば大げさだが,「市民参加手法開発研究会」を4回のフォーラムとは別に組織して,時間を掛けて議論をしていく場を作り,その中に「市政参加・情報提供部会」と「市民活動部会」というものを作ろうという提案だが,フォーラム委員はどちらか一つ以上の部会には参加していただき,必要に応じて外部委員を加えるというものだ。両方の部会に出たいという方の意思を削ぐものではない。
 ところで「市民参加手法開発研究会」も公開にするのか。難しいのはこの部会が公開していることをどのように伝えるかということで,予算の問題もあるのでインターネット上で紹介することくらいは最低するとか,もう少し予算の掛からない方法を考えて,公開であることを市民に伝えていかなければならない。
 この件に関しては,後ほどどちらに御参加いただくかというスケジュールをお伝えしたいと思う。


<西嶋委員>
 「最大7回開催可能」というのはフォーラムも含めて7回ということか。


<事務局>
 フォーラムとは別だが,予算の範囲内で整理していかなければならない。


<乾副座長>
 提案だが,研究会でもフォーラムでもいいので,来年度は拡大フォーラムのような,外に向かって情報を伝えて問い掛ける場を,最低でも1回か2回は必要だと思う。審議会の公開は,それなりに効果はあると思うが「行っていいのかな」とか「平日の昼間だと行きにくいな」といった人はたくさんいると思う。人が参加しやすい時期を狙って実施できないか。その場合,予算のことが気になるのだが。


<宗田座長>
 このフォーラムを公開フォーラムに位置付けて,パネラーも我々が勤めるといった形で実施した場合,どれくらい追加の予算がかかるものなのか。


<米丸委員>
 以前,一度実施したことがあったが,その際はどれくらいかかったのか。


<事務局>
 会場費などは問題ないと思うが,広報をどれだけ行っていくかという点を検討しなければならないと思う。


<宗田座長>
 既に来年度の予算は決まっているので,今の段階で公開フォーラムを実施すると決めても困ると思うのだが,4回あるフォーラムのうち1回を公開フォーラムにして,多くの市民に参加してもらって実施するということを,我々委員が決めれば実施することは可能か。


<事務局>
 予算を掛けずにシンポジウムのようなものを実施することは,事務局内で整理できることなので可能なのだが,来年度のスケジュールはタイトなので,4回のうちの一つをシンポジウムとするのか,4回とは別にシンポジウムを実施するのかという点は検討していただきたい。


<宗田座長>
 スケジュールでは,第13回会議と第14回会議に,提案素案を検討し,決定するという段階があるが,提案素案を市に出す前に,シンポジウムで市民の皆さんにも諮って,意見を聞いたうえで提案を出すというプロセスもいると思うので,私の素案としては,市に責任を持って提出する前に,13回と14回の段階で,市民参加推進フォーラムの提案であるということを市民に諮って提出するという形にもっていきたいと思う。


<乾副座長>
 個人的にはもう少し早く実施して,この段階でフォーラム委員だけでなく100人,200人でもいいから市民の声を聞いた方がいいと思う。回数は増えても何とかなると思う。


<西嶋委員>
 広報に関しては,市民しんぶんの一面に掲載してもらうくらいのことはしてもらいたい。小さく載せるのではなく大きく載せるのであれば伝わり方も違うと思う。


<事務局>
 開催時期が早くわかければ市民しんぶんに掲載することは可能である。ちらしやポスターを作るとなると経費が掛かるが,手をかけない広報の方法は工夫できると思う。


<宗田座長>
 では乾副座長の御提案については事務局に持ち帰っていただいて,次回に進める方向で決めたいと思う。


<乾副座長>
 もう一つ提案だが,もう一つのチャンネルの作り方としては,今,各区が何かをしないといけないと悩んでいると思うので,全区では無理だが,区の事業と連携して何かを実施することは可能だと思う。


<長谷川委員>
 「来てください」という姿勢ではなくて,「出前トーク」のように,フォーラムを出前したらいいと思う。年間2箇所程度,区役所の会議室や小学校の校舎などを借りて我々が出向いて行ってフォーラムを実施する,といったことをしてみてはどうか。
自主勉強会だけでもかなりの回数を実施しているのだから,形を変えて出前していけばいいと思う。市民しんぶんの区版を広報に使うと,市民はかなり集まると思う。


<宗田座長>
 各行政区によって状況が違っていて,冒頭の挨拶で「うまくいっている部分とうまくいっていない部分がある」と申し上げたが,注意しないといけないのは,区役所のまちづくり活動は分権の体制で実施されているので,お助けする部分と介入しないほうがいい部分があると思う。あまり押し付けにならないようにしなければならないといけない。


<乾副座長>
 介入をするというよりも「話を聞きに行く」ということでいいと思う。


<千葉委員>
 自主勉強会を各区で実施して,そこにゲストとして区役所の方や地域の方に入ってもらってはどうか。


<宗田座長>
 そろそろこの議論を収束させようと思うのだが,不破委員はいかがか。


<不破委員>
 拡大フォーラムを実施するとのことだが,「実施したが人が集まらない」という可能性があるのではないか。市民の方は「市民参加でひとこと言いたい」とは思ってないと思う。市民にたくさん来てもらうためには,切実な問題を提示する必要があり,例えば,「市バスの敬老乗車券」などがテーマだとすると,すごく人が集まると思う。「市民参加全般について何でも言ってもらえるから来てください。こちらはある程度のものは用意しました」と呼び掛けたとしても,これはパブリック・コメントを実施しても,ほとんど回答が返ってこないのと同じ状況になりかねないと思う。
 パブリック・コメントが返ってこないのは,意見を言ったところでほとんど中身が決まっているからだ。決まっているものに対して文句を言ったところで,「このような意見がありましたが,こちらの立場としてはこうです」といった程度のものだ。例えば,秋くらいに「フォーラムの意見をまとめて,提案をつくりましたので来てください」と呼び掛けても来ないと思う。
話は変るが,「福祉千葉方式」と言われていて,千葉県が福祉条例を作った際に,特に内容を定めず,まったく何にも無い状態で「福祉問題について言いたいことを言ってください」といった形で会合を開いたそうだが,様々な問題を持った人に集まってきて,色々なことを言ったそうだ。そして,そのような会合を1年間で1万人くらいの参加者を集めて実施し,それに基づき条例化したらしい。もし拡大フォーラムを開くのならば,切実な問題を上手に抽出して投げかけるということと,あらかじめお膳立てしすぎないということが大事だ。
 また,西嶋委員が指摘されたことは,市民参加の根幹に関わる問題であって,来年の提言に盛込まれないといけない話だと思うのだが,今のスケジュールを見ると,それぞれの部会に分かれて,55項目から項目を選び出して「これは足りない,これはこうしたい」というものをまとめて市民に出す,ということになっており,それをしたとしても,市民はほとんど寄ってこないと思う。狙いはわかるのだが問題点を絞って仕掛けないと,熱意だけが空回りするのではないかと心配している。


<宗田座長>
 二つの部会に分けて,項目をそれぞれで検討するというような形にはしないでおこうと思っているが,予算や市民がどのように見ているのかという部分については問題を炙り出して,その問題を提言の中に盛り込みたいとは思う。


<藤澤委員>
 拡大フォーラムについては特に異論はないが,以前に実施されたときの参加状況はどうだったのか。前例があるのならば前例に倣って,どのような広報が有効であるかについて考えていけばいいと思う。公開フォーラムについては実施してみればいいのではないかと思う。
 先日「保育フェスタ」というものがあり,私も参加したのだが,先ほど「取組状況一覧」を見ていて,その事業が市民参加の取組のなかの一環であることを知った。事業にはたくさんの方が参加していたのだが,「評価」の欄を見ていると,「予算を削減したにも関わらず参加者が増えてきている」となっている。
実際に参加した私自身も,思った以上に人が集まっていたことに驚いたし,子どもの遊ぶおもちゃはみんな手作りだったが,子供達はみんな喜んでいた。また,保育士さん達が子ども達と遊んでくれているのを目の当たりにして,事業としてはよかったのではないかと思っている。
 予算については長谷川委員がおっしゃったように「これはある,これはない」ということをはっきりさせてしまい,難しいかもしれないが,予算が無いなかでも実績を積み上げてきている事業には予算をつけるとか,予算があるところでも実績がなければ減らされていく,といったような成果目標のようなものを立てることができれば,予算の管理はもう少ししやすくなるのではないかと思った。
 あと「保育フェスタ」は無料だったが,参加者は有料でも参加すると思う。参加費を市民から徴収し,予算に充てることはできないのかとも思った。


<松尾委員>
 公開フォーラムについては,投げかけの内容によって市民の食いつきが違うと思う。自分たちに直接関わりがあるものについては興味を持つと思うが,いずれ問題になることであっても,直接関わらないことであれば興味を持たれにくいのではないか。公開フォーラムを実施するに当たっては,テーマも重要ではないかと思った。
 あと,各行政区で会議を開いていき,その区の方に来ていただくという取組は非常にいいと思っている。青年会議所でも地域の方と色々なことをしていこうということで事業を展開しているのだが,やはり区ごとで非常に温度差があり,教育問題一つをとっても問題点が違ったりするので,行政区に実際に行って話を聞くということは非常にいいと思う。


<宗田座長>
 それでは時間も迫ってきたので,この件については,本日の御意見をもとに,今後作業を進めていくこととしたい。
 なお,自主勉強会でこれまで議論を行ってきた「市民コーディネーター等の養成」については,現状の市民参加推進計画の記載内容では,その目的,方向性等が充分でないという議論になっているので,この項目の内容の修正を行うとともに,今後,引き続きこのフォーラムで議論を行い,現在ある事業の見直し,活用も含めた今後の展開を検討することとしたいと思う。
 「取組状況一覧」ではコーディネーターは「着手済」という表現になっているがこれはどういうことか。


<事務局>
 「生涯学習コーディネーター」を実施状況の中にあげているので,「着手済」になっているが,「市民コーディネーター」をあげるとするならば「検討中」ということになる。


<宗田座長>
 「市民参加手法開発研究会」のフォーラム委員の選出方法に関しては,この場で希望を聞くのか。


<事務局>
 若しくは座長に別途,御相談させていただく方法を取りたい。


<宗田座長>
 それでは,お帰りの際に「どちらの部会に入りたい」という希望があれば言っていただくということでいいと思う。傍聴者の皆さんに感想等を伺いたい。


<傍聴者>
 ・「市民参加のコスト」という話題が出ていたが,審議会の会場費や謝礼などについても経費を削減すべきところがあり,検討していくべきだと思った。
 ・地域コーディネーターという取組をされているということを知り,とても収穫になった。

 

[退任あいさつ]
 宗田座長から宇戸委員が退任する旨の報告があり,宇戸委員から退任のあいさつをいただいた。

 

<宗田座長>
 それでは本日はこれで閉会とさせていただく。委員の皆さん御協力ありがとうございました。
 

お問い合わせ先

総合企画局 政策推進室 市民参加推進担当
電話: 075-222-3178 ファックス: 075-213-0443

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