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京都市国際化推進プラン(仮称)第1回会議議事録

ページ番号16797

2008年2月7日

日 時 : 平成19年6月7日(木) 午前10時~午後12時

場 所 : 京都市国際交流会館 第1・2会議室

出席者 :

 委 員

 安藤いづみ(京都YWCA・APT運営委員)

 アンドレアス・シーコーファー(京都ドイツ文化センター所長)

 太田佐知子(元中京中学校長・京都市特別社会教育指導員)

 唐津ふき子(市民公募委員)

 斎木 宣隆(独立行政法人国際交流基金京都支部長)

 齋藤 茂(京都商工会議所サービス産業部会長・国際交流特別委員長)

 周 瑋生(立命館孔子学院学院長・立命館大学政策科学部教授)

 白石 厚子(財団法人京都国際文化協会理事)

 髙木 壽一(財団法人京都市国際交流協会専務理事)

 高田 光治(財団法人京都ユースホステル協会ユースホステル部長)

 鄭 禧淳(特定非営利活動法人京都コリアン生活センターエルファ理事長)

 仲尾 宏(京都造形芸術大学客員教授)

 中島 康雄(京都市総務局長)

 浜田 麻里(京都教育大学国文学科准教授)

 ウラディーミル・ミグダリスキー(市民公募委員)

 横山 俊夫(京都大学副学長)

 顧 問

 中村 順一(財団法人国立京都国際会館館長)

 オブザーバー

 伊佐久次(財団法人京都市国際交流協会事務局長)

 井上 八三郎(財団法人京都市国際交流協会事業課長)

 事務局

 京都市総務局国際化推進室

 

議 事 :

1 開会

 

2 出席者紹介

 ~事務局から委員及び顧問を紹介した後,京都市側の出席者を紹介~

 

3 京都市あいさつ

 ~山崎副市長からあいさつ(終了後,他の公務のため退席)~

 

4 委員会の趣旨及び進め方

 ~事務局から京都市国際化推進プラン(仮称)策定委員会設置要綱,京都市国際化推進プラン(仮称)策定プロセス(案),「京都市外国籍市民意識・実態調査」及び「京都市学校・民間団体国際交流状況等調査」の概要について説明~

 

5 委員会座長の選出

 ~横山委員を座長に選出。横山座長からあいさつ~

 

6 審議 (○委員・顧問,●事務局)

(1)  委員会の運営について

 ○ まず,委員会は公開とし,市民の皆様に開かれた議論を行ってまいりたいと思います。皆様の御理解をお願いしたいと思います。

 

 ○ 外国籍市民に対するアンケートで3,700人という数字がありました。また,学校及び民間団体等に対するアンケートで370団体という数字がありました。これらの数字は,何か意味があるのでしょうか。

 ● 市内に外国人登録をしている20歳以上の人の数が約37,000人で,その10パーセントが3,700人ということです。学校等の370団体については,たまたま対象となる学校を数えたところその数字になったということです。

 ○ 外国籍市民アンケートの調査方法のところで,アンケート調査票を郵送により配布するとあるが,在日コリアンの高齢者の中には文字が読めない者もおり,特に独居の場合に何が届いたのかもわからないことがあります。何人ぐらいそのような場合に該当するかはわからないが,コリアンの場合は高齢者がかなり多くなると思います。

 ● そのような場合は,ご連絡いただきましたら,なんらかのサポートはしたいと思います。

 ○ そのような場合に,独居の方は無理かもしれませんが,家族にご協力いただくということはできると思います。ですから,調査票を送付する際の文書に,家族の方に御協力をお願いするという一言を加えておいていただいたらいかがでしょうか。

 ○ これは例えば他の言語の人についても,少しは気にしなければならないことだと思います。技術的には大変でしょうけれども,できる限り配慮いただきますようお願いします。

 ○ 今の言語の件ですが,私が日頃接している外国人の方でいえば,例えば母子家庭の方で,日本語,英語,中国語,ハングルがわからない人たちがいます。話すことはできても読み書きができないため,学校などからのお知らせも子どもに読ませるということがよくあるのですけども,例えば「育児・教育」に関する質問などについて,子どもに代わりに書かせてもいいのかということがあると思います。対象者を抽出したときに,4つの言語に当てはまらない人がいる場合は,なんらかのサポートをお願いしたいと思います。むしろこの4つの言語を母語としない人たちに,日頃非常に困難なことが多いと思いますので,市民の本当に困っている人の情報を把握すると言う点で,考慮いただきたいと思います。

 

 

 ○ そもそもこのアンケート調査というのはこれが初めてですか。

 ● 10年前に同様の調査をやっております。

 ○ その際に出てきた問題点を洗い出せば解決策も見えてくると思います。少なくとも,どういう国の,どういう年齢層の方の回答がないというのはわかるわけで,その対策をすればよいと思います。ここでそのことについて大勢で話をしていても仕方がないので,そういうデータを分析して対応すれば,いい確率で対処できると思います。

 ● その点については何らかの対策が取れないかこちらで検討します。

 

(2)  京都市国際化推進プラン(仮称)の策定について

 ~事務局から京都市国際化推進プラン(仮称)策定の趣旨,策定に当たり考慮するポイント,京都市国際化推進プラン大綱の取組状況と課題,新しいプランの事務局(案)について説明~

 ○ 今回新たなプランを策定するということですが,議会で決定される条例との関わりはどのようになりますか。

 ● 先ほど申し上げましたとおり,京都市では世界文化自由都市宣言を行い,それに基づいて京都市の基本構想,基本計画を定め,その基本計画の分野別の計画として,現大綱があります。ですから今回のプランの位置づけとしては,京都市基本計画の一つの分野別計画ということになります。

 ○ その基本計画というのはいつまで続くのですか。

 ● 2010年までです。

 ○ 2010年以降はまた新しい基本計画が作られるのでしょうか。というのは,この新しいプランが今後10年を見通して作るのであれば,新しい基本計画との整合性が問題になると思います。それについていかがですか。

 ● 実は現在の大綱も,現在の基本計画よりも先にできあがっていますが,大綱の基本的な精神を生かして基本計画を作りました。ですから現在作ろうとしている新しいプランについても,次の基本計画にその内容が反映されるということになろうかと思います。

 ○ 基本計画につきましては,議会の承認を得て策定することになります。基本計画の案は京都市が提出しますので,案を策定する際には新しいプランとの整合性をしっかりと図ってまいります。

 

 ○ 10年やってきた中で どういう具体的な成果があったのか,もしくはどういうやり残しがあったのかというのがわかれば,次に生かしやすいと思います。

 ● 資料5の中の「京都市国際化推進大綱の取組状況と課題」の枠内に主な取組状況を書かせてもらっています。また,資料6に主な取組と未実施の取組項目,主な課題を掲げさせていただいています。

 ○ 商工会議所の国際交流委員長をやっていますが,こういうことがあること自体があまり伝わってきません。同友会もそうですが,基本的に一緒にやったほうが効率もいいし,こういう方針に沿ってできると思うので,より連携を密にされた方がいいと思います。

 ○ 大変ありがたい意見だと思います。京都では,それぞれ府や市や商工会議所がそれぞれ一国一城でやってきて,ここ数年ようやく少しずつ一緒にやっていく動きが実を結んできています。一緒にやったほうがいいことは一緒になっていけるようになればと思います。

 ○ ちょうど3年前にフィレンツェの皆さんが来られて,府,市,同友会,商工会議所と経済提携を結びました。そのときに一緒にやろうということで,合同委員会の実行委員長をやらせていただきました。その会議はなかなか大変だったのですが,一つの目的があれば,一緒になって委員会を作って実行していくことは非常にいいことだったと思います。

 

 ○ 前回の大綱でも最後に触れられている推進体制について,計画があっても,それをどう推進していくかが重要であると思います。特に関係者同士の横の連携をどうとっていくか,そういうものについても盛り込んで欲しいと思います。また,予算的な裏づけがなければ,なかなか計画が実行されないということになると思います。

 

 ○ ここにあがっている施策の実施状況,課題,未実施の項目について,もう少し点検して欲しいと思います。京都市民が国際化にどう取り組むか,京都市民がどう多文化共生を進めていくかが大事なので,これをやった,これをやってないということだけではなく,施策をやったことが市民サイドでどのような成果となって表れているかということがわかってこないと,どんな施策をやっていけばいいのかということがわかって来ないと思います。ですからもう少しそういうところまで議論を突っ込んで,市民サイドで成果があげられるような施策を考えていく必要があると思います。

 ○ 確かに今の時点での京都の国際化に何が必要なのかということについて考えていくことが必要であると思います。

 

 ○  大阪に住んでいた10年前と比べて一番感じるのは,京都議定書というのは本当に大きな影響力があったということです。京都というとリゾートで,美しいけれど保守的なところというイメージであったのですが,それが,現代的な環境ということや,人間の問題を語り合える場であるという認識を世界に与えるようになりました。京都議定書は10年前に策定されましたが,それ以来若い人にとっては,京都と聞くと御所や美しい寺社ではなく,議定書が一番有名になっています。ですから人文,科学,哲学をすべて京都の精神という枠組みの中にまとめて,どのように京都がそれを育んでいくかが重要であると思います。京都はそのリーダーとなる資格を十分に持っていると思われているので,そういったことを入れ込んだ形で,プランを作っていけばよいと思います。寺社というものも重要であり今後も守っていくべきものであることはさておき,人々は京都の精神はどこへいったら見られるのかという目で京都に来ています。ですから京都の精神をどのように具体的に見せるかという視点が大切であると思います。

 ○ 今回の新しいプランではずっとこれから長く続けていくべきことを考えていかなくてはなりません。そして,今指摘のあったとおりよそから来た人にとって京都がどのように写っているかという視点が重要であると思います。例えば京都議定書をどのように京都が率先して実施しているかということが非常に問われると思います。京都市は「歩く京都」という取組を進めておられますが,少なくとも市内の中心地ではどんどん推進していく,それから自転車に乗る人が増えていることは環境的に大変良いことだと思いますが,このままの状態でそれが続くと大変危険になるので,自転車が安全に乗れる環境やルールを整備する,そういったことを市民の中に根付かせていく必要があると思います。海外の人が京都を訪れたときに京都議定書が実現しているまちだということがわかれば,今後,自然と皆さんが京都に来てくれると思います。

 

 ○ 私は,警察の方や,入管の方などにもオブザーバーとして会議に来ていただき意見を言っていただければ,別の視点から国際化について検討できるのではと思っています。留学生時代の自分の経験からしても,そのような方の声を聞くことはとても参考になると思います。もう一つ国際化といえば,言語の多様性と文化の多元化ということが重要であると思います。京都には現在ドイツ文化センター,日仏会館,日伊会館,孔子学院,コリアンセンターがありますが,それらの組織を利用して,言語や文化の発展に活用ができないかと思います。

 

 ○ 国際交流の観点から,これまでは京都をはじめ友好親善型の交流がメインだったと思いますが,これからは交流相手国との課題共有というか,課題解決型の交流を目指す方向にあると思います。例えば京都市は現在9都市と姉妹都市交流をしているとのことですが,京都市と相手都市とが共通で抱えている課題,例えば環境問題,教育問題,高齢化の問題などについて,お互いに吸収し合えることや学べることは多々あると思います。そういう課題解決型の交流へとシフトしていくことが目指すべき方向ではないかと思います。

 

 ○ 私は子どもということを中心に思うところを話したいと思います。私は現職のときに公立としては珍しく,英語や韓国や中国やいろんな国と行ったり,来たりというぐらいまでの交流をして,その効果がすごく大きいと感じました。今大事なのは,中学,高校ぐらいの生徒をもっと刺激して,国際化と言うとすぐに英語圏という頭では間違いなので,もっと広い観点から刺激を与えることが大事だと思います。一つは小中学校の総合学習の中にもう少し国際ということを入れるとともに,もう一つはもっと京都を知らしめる。結局物を言おうと思ったら,もっと京都のことを知らないといけないということを気づくことを含めて盛り込んでいくことが大切だと思います。私は,退職後,ネパールの支援活動を続けていますが,そういうことでもこどもたちは非常に興味を持っているが,結局話を聞いて終わってしまう場合が多いので,そういうことを考えていくことが大事だと思いました。

 ネパールではささやかな活動ですが,山岳地帯の子どもたちに,自分達の足で学用品などを持っていって,直接手渡したり,そこでいろいろな話をしたりといったことをしています。わずかな影響しかないかもしれないですが,少しでも勉強してくれて,識字率があがったらいいと思っています。そのことを今の子どもたちに話すことによって,自分達の生活を見直す,また,世界に目を向ける機会になればと思っています。

 

 ○ 私は働いているときに,途上国を中心に旅行をよくしましたが,日本では想像もつかないような貧困などの問題を見ることがありました。旅行の話を友人にするときにそういう問題もなるべく含めて話すようにいていると,ある友人から「良かったそんな国に生まれなくて」と言われ,大変ショックを受けました。でも彼女が特別なわけではなく,日本人がそういう状況を実感として知らないことが一番問題だと思いました。結局その後いろいろ考えて,青年海外協力隊に参加し,発展途上国で2年間活動をしていました。

 今1歳の子どもがいて,その関わりなどで感じることは,自分と同じ年齢,自分と同じ人種,自分と同じ言葉をしゃべる人ばっかりが周りにいると,ちょっとした違いが認められない。子どもたちの中でもちょっとしたことが特別なことに見えて,いじめの原因になったりする。それが言葉も通じない人と交流させることで,世の中にこんなに違うことがあるんだということがわかれば,もっと身近なところで差別というものがなくなっていくのではないかと思います。子どもにもっと違いを知る機会を作ることができたらなとおもいます。

 

 ○ 大学で語学の講師をしています。外国籍市民のアンケートに対して意見を言いたいと思います。京都はやはり素晴らしいまちだと思います。私の知っている外国人で京都に住んでいる人は,京都をよく知って,京都が好きで選んだ人が多いと思います。アンケートでは,今外国人が生活でどういう問題があるか,困難があるかということに限定してしまっていると思います。例えば外国の自分の文化を紹介したいか,したくないか。したいならばどういう方法でしたいか。もっとどういうアピールがしたいかということについて,あるいは自分がどう役立てるかということについても調査した方がいいと思います。確かに外国人が日本で住むことには困難が多いですが,ただそのことにとどまるのでなく,もっと交流を盛んにするにはどうすればいいかということが大切だと思います。そのことにおいては共通点を探す視点ということが重要だと思います。外国人は顔を見るだけで,また,言語を聞くだけで違いがあるとわかります。ただし,共通点もあるものであり,それを探そうという姿勢が国際化につながるのではないかと思います。それから「メイク・イニシアチブ」,つまり自分の方から意思を表す機会をもっと作っていただければいいのではないかと思います。

 ○ アンケートは前回調査されたものをベースに作られていると聞きましたが,今のお話のように新しく加えていくべきものもあると思います。アンケートは最終スタートする前にまた議論する機会はあるのでしょうか。それとも大体できているのですか。

 ● 実は時期の関係もあって質問はほぼできておりますが,今日出していただいたような点については参考にしたいと思います。特に今のお話にありました地域活動への参加といった点については,これまでからいろいろな所でご意見をいただいており,前回の調査に加えて,それに関する設問と言うのは大分増やしています。それに加えて今いただいた意見を調査の実施までに検討したいと思います。

 

 ○ 先ほど指摘のあった環境問題については,「シンク・グローバリー,アクト・ローカリー」ということが合言葉としてよく言われますが,国際交流や国際化といったときにもそういう精神が有効なのではないかと思います。例えば国際交流というと,とても大きなことのように思われがちですが,実は身近なこと,本当に隣の人との違いを認めるといった小さなことを実現することで,それが大きなことを変えていくということもあるでしょうし,また,一方で身近で困っている人の問題が,日本の社会構造の問題であったり,グローバリゼーションの問題であったりするなど,いろんなことにつながるということもあるだろうと思っています。そういったことを,できるだけこの大綱の中に具体的な文言で盛り込んでいけたらいいと思っています。それから,今回2つの部会がありますが,実は一緒に併せて考えられることもたくさんあると思います。例えば国際交流の進展の結果として,私たちの社会が多文化化しているわけですし,あるいは多文化社会の中で育った人間が,国際交流のために働くようになっていくことがあると思いますので,その辺りを一体的に考えていけたらよいと思います。

 ○ 今のお話のとおり,私も2つの部会で話し合う項目には違う点があるかもしれませんが,共通する課題も多いと思います。私は以前学校での意識について考える活動をしていましたが,学校で多文化共生のために子どもたちをどう育てていくかということについて考えていきたいと思います。

 

 ○ ヨーロッパの国々が非常に平和的な共存を達成しているのは,1950~60年代にドゴールとアデナウアーが高校生の交換留学を始めたことが大きいと思います。その交換留学というのは,非常に強制的なものであり,嫌でも2週間なり,夏中なり,あるフランス人のホストファミリーの所で過ごさなければなりませんでした。最初はフランス人のこともわからなかったし,親もなぜフランスまで行かなければいけないのかという感じでしたし,祖父や祖母の世代だともっと拒否感が強かったのですが,やはりホストファミリーとずっと暮らして,一緒に遊んだりしていると,20年,30年すると本当に意識が変わってきたと思います。やはり一緒にビーチで遊んだ人と戦うようなことにはなりませんし,一緒にいるうちに愛が芽生えるといった経験がありますので,重要なことだったと思います。今ドイツでやっているのはポーランドの子どもたちとの交流ですが,旧東ドイツの子どもたちをポーランドへ送っています。今,ポーランドでは何をやって,何を考えているのかあやしいという目で見られている雰囲気がありますが,こういう交流が10年,15年続けば,現在のドイツ・フランスの関係のように改善が見られてくると思います。

 

 ○ 私は自分の育った民族や,ルーツが違った人たちが,文化,言語が違っても,ふれあうということが基本だと思います。それを市や区や町でしたり,いろいろな団体がしたらいいと思います。それから,このプランと市の基本計画との関係を確認したいと思います。10年間してきたことやできていないことがここに記載されていますが,現在作ろうとしているプランは基本計画として今後市として実現していくということでいいのですか。それに私たちいろいろな団体や地域がそれに関わっていくということでいいのでしょうか。

 ● はい,そうです。

 ○ 私は,外国人はすべて地域の町内に住んでいると思います。大学の先生だからといって例外はなく,すべてどこかの町内に住んでいます。私が住んでいる町内は6カ国の人が住んでいます。近所でわらべ歌の会があったのですが,いろいろな国の歌が歌われて大変盛り上がりました。もう少し外国人を地域で住んでいる仲間という目で見られたら良いと思います。それから,国籍のことでいうと,二重国籍の人がいるなど外国籍と一言でくくるのは非常に難しいと現状があるということを理解してプランを策定していく必要があると思います。

 ○ 行政は比較的そういう枠組みで取り扱いがちですが,確かにそういう点についても考慮していく必要があると思います。

 

 ○ これから10年間を考えたときの手法として,携帯電話を使っていろいろなことができると思います。ですから可能であればアンケートで,外国の人がどれくらい携帯を持っているか,また携帯のアドレスをいただければ,これからのアンケートも本当に簡単にできると思います。将来のことを考えると,みんなが携帯電話を持っていると仮定して,それを使っていろいろなことをやるということを考えたらいいのではないかと思います。個人情報をきっちりするということが重要になってきますが。

 ○ これは新しいアイデアだと思います。もし,考えられるのであれば試みていただければと思います。

 

 ○ 今回のプランを考える際の重要な点の一つとして,中国からの帰国者やダブルの人など,国籍だけではくくれないことがあることを考慮する必要があります。統計上にも出てこない,そしてこういう会議でも議論に出てこないということがあり,これをどうやって汲み上げていくか。2つの部会において,このことを頭において議論をしていく必要があると思います。それから,プランができあがったときに,交流にしろ,内なる国際化にしろ,市民が参加できるような仕組みを作る必要があると思います。例えば世界歴史都市会議は京都市が中心となっていろいろ進められていますが,どこまで市民の参加ができているかということなどが気になります。

 もう一つは国との関係の問題で,自治体だけでは解決できない問題があると思います。東海地方のニューカマーの特に増えている自治体では,そうした自治体同士の会議を開いて,豊田宣言とか,浜松宣言と言う形で国に提言している。そのようにして国レベルでの施策を含めて変えていかないと解決できない問題があると思います。1年間の討論の中で,京都から発言して全国的な施策にしていくものもあれば,とてもいいものになると思います。

 

 ○ 外国で20年間ほど生活してきましたが,京都に来て,大変京都に思い入れを持っています。特に多文化の問題と京都の位置づけの問題について大変関心を持っております。多文化の点については,京都はいろいろなことが凝縮されたユニークな場所だと思っています。一つは研究者,学生,文化人,芸術家をはじめ本当にいろいろな方々が集まって,京都の外国籍市民が構成されていて,日本においても一つのモデルケースになり得るのではないかと思いっており,多文化特区とか,多文化モデル都市といった位置づけが,日本の他の都市と比べてあり得るのではないかと思っています。そういう視点をもって多文化共生部会で議論いただければ,ユニークな,また貴重な提言ができるのではないかと思います。

 それから京都の位置づけ,国際交流,国際協力についてですが,世界歴史都市会議も素晴らしいし,姉妹都市も素晴らしいし,国際交流というものもすでに相当こなされていますが,私はこの場で京都の世界の中での位置づけということを少し議論をされてはいかがかと思います。私は外から京都を見る機会が多かったのですけども,京都は世界でも極めてまれな可能性を持っていると思います。例えば宗教間の対話の問題,文明間の対話の問題,また学術の面では「大学のまち京都」という視点で,いかにして国際的に開かれた大学ということをいかにして広く確保していくかということについて,まだまだできることが多くあると思います。特に京都には大学コンソーシアムというユニークな組織があり,是非その第2フェーズとして,国際的に開かれた大学のまち京都づくりに取り組んで欲しいと思います。また芸術文化の面でも京都は恵まれていて,東西文化の接点でもあります。ただ,京都では芸術家などでも比較的個人的なチャネルを通じて交流している面があると思います。京都にはフランスの九条ビラや,ドイツでも同じような施設を考えておられるし,孔子学院もあります。翻訳者の家や芸術家の家,あるいは外国の人が京都で勉強するためのネットワーク作りなどについても考えてはどうかと思います。また,言うまでもなく環境の面での京都の役割もものすごく大きいと思いますし,産学官の連携の面でも京都は日本の中でも傑出した位置づけです。更に食文化の面でもフランスよりもはるかに勝っていると思います。そういったことを交流を通じて,京都から是非発信して欲しいと思います。京都がそういういろんな可能性の中で,それぞれの分野で世界の中での有数の拠点になるということを将来像として考えるという視点で,議論をされたらいかがかと思います。

 2点目は市民の支援や理解を得るということです。サミット誘致で京都は大変盛り上がりましたが,外から京都に来た日本人や,外国から来た人の方が京都への思い入れは強いかもしれません。もっと,京都にいるすべての人の意識の向上を図っていく,特に京都の位置づけについての意識向上を図っていくことが重要だと思います。そのときに,学校で京都が世界でどういう位置づけにあるかをもっと教えるということが必要であると思います。

 最後に京都創生が今国際的にも注目を集めています。私は景観,観光,文化をとても大事だと思うし,これからもずっとやっていかなくてはならないと思いますが,いずれも守りの視点で京都の将来を考えているような気がします。それに併せて京都が将来一体どういう位置づけにあるのかという期待に応えた役割を演じるということを,今回の検討の中で突っ込んで議論をされたらいいのではないかと思います。

 

 ○ 多文化共生という言葉について,最後に一つだけ意見をいいたいと思います。この言葉は内容的には何も問題はないですが,10年たってもあまり市民の間に浸透していないと思います。市民公募の際にも,国際交流部会の方は応募が多かったのですが,多文化共生部会のほうの応募は2~3名でした。市民を巻き込んでやっていかないといけないことであればあるほど,市民にわかりやすい言葉であるほうがいいと思いますので,多文化共生を意味する,もっとみんなにわかりやすい言葉についても考えて欲しいと思います。

 

 ○ 皆さんいろいろな意見が出てきておりますので,大変心残りではありますが,予定である12時で終わりたいと思います。それでは最後に日程のことについて,事務局からお願いします。

 ● 第1回目の会議でしたが,本当に多くの意見をいただき,どうもありがとうございました。次回からは部会に分かれて,議論を進めていくことになります。次回の日程でございますが,7月中旬で事務局で調整させていただきます。8月につきましても,速やかに調整させていただきます。それでは本日はどうもありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

お問い合わせ先

京都市 総合企画局国際交流・共生推進室

電話:075-222-3072

ファックス:075-222-3055

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