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河川マイクロプラスチック調査について

ページ番号311962

2023年5月2日

広報資料

令和5年5月2日

環境政策局(環境企画部環境指導課 222-3955)

河川マイクロプラスチック調査について

 本市では、京都市生物多様性プランで海洋汚染につながる河川のプラスチックごみの削減、京都市循環型社会推進基本計画でプラスチックの削減を掲げ、各種施策に取り組んでいます。この度、プラスチック製品やプラスチックごみ等が破砕して発生するマイクロプラスチック等について、市内河川の実態を把握するため、令和3、4年度に京都大学と連携して河川マイクロプラスチック調査を実施し、その結果をとりまとめましたのでお知らせします。


調査概要

 本市河川におけるマイクロプラスチックの実態を把握するため、令和3年度は、晴天時に鴨川・桂川等4河川7地点、令和4年度は、降雨後に桂川2地点にて調査を実施した。調査に当たっては、京都大学の助言により、マイクロプラスチックよりも粒径が大きいメソプラスチックも調査対象とすることにより、元のプラスチック製品の特定を図ることとした。

【参考】マイクロプラスチック・メソプラスチックとは

(1) マイクロプラスチック

 環境中に存在するプラスチックのうち、5mm未満サイズの微細なプラスチックのこと。非常に細かいため、環境中に拡散すると回収が困難。また、発生源により1次マイクロプラスチックと2次マイクロプラスチックに分類される。

  • 1次マイクロプラスチック:マイクロサイズで製造されたプラスチックのこと。洗顔料、化粧品等のスクラブ材に利用されるマイクロビーズなど
  • 2次マイクロプラスチック:大きなサイズのプラスチックが自然環境中で破砕・細分化されたもの

(2) メソプラスチック

 環境中に存在するプラスチックのうち、5mmよりも大きなサイズの微細片のこと。

調査実施機関

京都大学

調査日

令和3年8月4日・10月8日

令和4年8月20日

調査地点

令和3年度  鴨川・桂川等4河川7地点

令和4年度  桂川2地点

晴天時調査の結果概要(令和3年度)

  • 全ての調査地点でマイクロプラスチック等が検出され、市内河川において、マイクロプラスチックが存在することが判明した。
  • マイクロプラスチックの個数密度の値は、0.09~19.77個/m3の範囲であり、本市最下流に位置する桂川宮前橋を除く6地点では、日本全国29河川での調査結果の平均値1.6個/m3よりも低い値又は同程度であった。メソプラスチックの個数密度の値は、0~0.77個/m3の範囲であり、マイクロプラスチックと同様に最下流地点である桂川宮前橋で最も値が高かった。

表1 マイクロプラスチック調査結果(個数密度)   単位:個/m3

 

高野川

御蔭橋

鴨川

葵橋

天神川

西京極橋

桂川

西大橋

桂川

久世橋

鴨川

京川橋

桂川

宮前橋

R3.8.4

1.25

0.59

0.44

1.92

0.64

0.25

19.77

R3.10.8

0.82

0.22

0.13

0.91

0.09

2.32

10.51

表2 メソプラスチック調査結果(個数密度)    単位:個/m3

 

高野川

御蔭橋

鴨川

葵橋

天神川

西京極橋

桂川

西大橋

桂川

久世橋

鴨川

京川橋

桂川

宮前橋

R3.8.4

0.09

0.02

0.00

0.01

0.02

0.04

0.77

R3.10.8

0.14

0.00

0.02

0.02

0.00

0.03

0.37

  • 検出されたマイクロプラスチック等の形状の約95%が、2次マイクロプラスチックと推察される破片状、繊維状及びシート状のものであり、また成分の約80%がポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)であった。
  • 検出されたマイクロプラスチック等の中には、「緑色、破片状、PE製」の特徴を有する屋外用玄関マットや、「白色、球形、ポリスチレン(PS)製」の特徴を有する発泡スチロールなど、生活用品に由来すると推察されるものがあった。なお、採取されたマイクロプラスチックに一律の特徴は認められず、特定の発生源から排出されたものではないと推察された。
  • 以上の結果から、日常生活で使用されているプラスチック製品等が、一般環境中で劣化、細分化したものが風雨等で飛散し、河川敷の植物等に捕捉され、断続的に河川に流入している可能性が示唆された。
検出されたマイクロプラスチック・メソプラスチックの例(「」は推定された元製品)
検出されたマイクロプラスチック・メソプラスチックの例(「」は推定された元製品)

検出されたマイクロプラスチック・メソプラスチックの例(「」は推定された元製品)

雨天時調査の結果概要(令和4年度)

  • マイクロプラスチックの個数密度の値は、上流の西大橋が20~115個/m3、下流の宮前橋が66.67~326.67個/m3の範囲であり、晴天時と比較し、西大橋では14.1~81倍、宮前橋では4.4~21.6倍高い値であった。メソプラスチックは、西大橋が0.021~0.071個/m3、宮前橋が0.64~2.45個/m3の範囲であり、晴天時と比較し、西大橋では1.4~4.73倍、宮前橋では1.12~4.3倍高い値であった。
  • 晴天時と同様に、検出されたマイクロプラスチック等の形状の95%以上が2次マイクロプラスチックと推察される破片状、繊維状及びシート状のものであった。また、検出された成分について、マイクロプラスチックではポリエステル(PET)、PP及びアクリル樹脂(PMMA)が約85%を占め、メソプラスチックでは、PE、PS及びPPが約90%を占めた。
  • 採取時間ごとで、検出したマイクロプラスチック等の個数密度や成分に変化があったが、一律の特徴は認められなかった。
  • 検出されたマイクロプラスチック等の中には、晴天時と同様に、屋外用玄関マットや発泡スチロール片と推察されるものがあった。加えて、マイクロプラスチックは、塗料等に使用されるPMMA片やPET製の繊維の割合が晴天時よりも大幅に増加した。また、メソプラスチックは、PSの割合が晴天時よりも大幅に増加した。
  • 以上の結果から、雨天時には、降雨によって、晴天時よりも広範囲の流域から、多くの2次マイクロプラスチック等が河川に流入していることが判明した。さらに雨天時では、晴天時に検出されたPE、PPに加え、PMMAやPET製繊維などの割合が大幅に増加したため、市街地から、これらが多く流入していることが推察された。
表3 マイクロプラスチック調査結果(個数密度)  単位:個/m3

採取日時

調査地点

R4.8.20

晴天時

平均

12:00

14:00

18:00

19:00

20:00

21:00

桂川西大橋

 45.00

20.00

 45.00

27.03

 55.00

115.00

  1.42

桂川宮前橋

146.67

66.67

326.67

93.33

120.00

193.33

15.14

表4 メソプラスチック調査結果(個数密度)  単位:個/m3

採取日時

調査地点

R4.8.20

晴天時

平均

12:00

14:00

18:00

19:00

20:00

21:00

桂川西大橋

0.021

0.051

0.071

0.057

0.043

0.038

0.015

桂川宮前橋

0.66

0.99

0.84

0.64

0.96

2.45

0.57   

検出されたマイクロプラスチック・メソプラスチックの例(「」は推定された元製品)
検出されたマイクロプラスチック・メソプラスチックの例(「」は推定された元製品)

検出されたマイクロプラスチック・メソプラスチックの例(「」は推定された元製品)

まとめ

(1) 調査結果

  • 本調査結果から、晴天時・雨天時とも検出されたマイクロプラスチック等の形状の95%以上が、破片状、繊維状及びシート状であり、日常生活で使用されるプラスチック製品等が一般環境中で破砕・細分化された2次マイクロプラスチックであると推察された。
  • また、晴天時・雨天時ともに、検出されたマイクロプラスチック等に一律の特徴を認めなかったため、特定の発生源によるものではないと推察された。
  • 検出されたマイクロプラスチック等の成分として、晴天時では、生活用品として多岐に使用されているPEとPPの割合が高かった。また、雨天時では、晴天時と比較し、マイクロプラスチックではPET及びPMMAの割合が、メソプラスチックではPSの割合がそれぞれ大幅に増加した。 

(2) 今後の取組

  • 検出したマイクロプラスチック等のほとんどが、使い捨てプラスチック製品や生活用品に由来すると推察されることから、市民一人ひとりが、使い捨て製品をはじめとするプラスチック製品の使用の削減に加え、プラスチック製品の適正使用、プラスチックごみの適正処理に取り組む必要がある。
  • また、一度流出したマイクロプラスチック等の回収は非常に困難であるため、清掃活動により、マイクロ化する前にプラスチックごみを回収することが重要と示唆された。
  • 本調査結果を踏まえ、プラスチックごみの海洋への流出防止のため、本市において、プラスチックの使用削減及びまちの美化に向けた啓発を進めていく。

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電話:075-222-3955

ファックス:075-213-0922

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