猫の去勢手術を行いました! その3
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2012年4月5日
前回の続きです
相談所で実施している手術の様子をできるだけ詳細にお伝えしたい! という職員の思いから,ダブちゃんの手術報告長くなっておりますが,今回も引き続き譲渡猫ダブちゃんの去勢手術の様子をご紹介します。
前回の記事では,麻酔後手術部位の消毒を終えたところまでレポートしました。
この後いよいよ手術部位の切開へと進みます。
以前の記事でもお伝えしましたが,手術は無菌の状態で行います。執刀する獣医師は帽子,マスクを着用します。
また,職員がふだん着ている作業着は当然無菌ではありません。なので,手術のときは専用の滅菌済みの手術衣(ガウン)を着て,滅菌済みのグローブをはめます。
もちろん,手術衣を着てグローブをはめる前に手指の洗浄消毒はしっかりと行います。

手術衣とグローブはディスポーサブルのものを使用しています。
手術衣を着た後は,
前日から用意しておいた器具類の出番です。カストをあけて,中から滅菌されたドレープ(覆布)を出し,手術する部位を覆います。
このようにして手術をするための無菌状態が作られます。そして,その後手術部位を切開し精巣を摘出します。

カストの中にはドレープ,ガーゼなどが入っています。

手術をする部位(陰のう)に滅菌したドレープをかけます。

陰のう部分をメスで切開し,精巣を出しているところです。

血管を結紮し,精巣を摘出します。
精巣は2つあるので1つずつ同じ作業を繰り返します。
家庭動物相談所では,猫の去勢手術は糸を使わずに血管の結紮を行うので,猫の体内に糸を残しません。
また,手術中の麻酔の管理は執刀する獣医師とは別の獣医師が行います。

精巣の摘出が終了しました。精巣を摘出したため,切開した陰のう部分の傷が収縮しています。そのため,縫合は必要ありません。

手術部位の化膿を防ぐため,抗生剤を注射します。
このように,家庭動物相談所で行う猫の去勢手術は縫合糸を使用せずに行います。
麻酔がさめるまでしっかり見ます
この後,麻酔からさめるのを待ちます。

手術直後のダブちゃんです。まだ麻酔が効いています。

意識が次第に戻ってきました。

湯たんぽをあてて保温をしています。
麻酔からの覚醒を確認し,ケージに戻し,終了です! ダブちゃんお疲れさまでした!

手術当日の夕方のダブちゃんです。完全に麻酔からさめるまであと少し!
家庭動物相談所ではこのようにして手術を行っています。
施設も古く,設備も十分ではありませんが,年間にたくさんの犬猫を引取り,殺処分を行わざるを得ない現状だからこそ,生きるチャンスを与えることができた動物に,安全に確実に手術を行うことを心がけています。
相談所ブログを見ていただいている皆様にこのような取組みについて知っていただければうれしく思います。
全3回の長い手術報告になりましたが,お付き合いいただきありがとうございました!
お問い合わせ先
京都市 保健福祉局医療衛生推進室京都動物愛護センター
電話:075-671-0336
ファックス:075-671-0338