「第3回外来種チュウゴクオオサンショウウオ対策検討会」議事録要旨
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2024年2月8日
第3回外来種チュウゴクオオサンショウウオ対策検討会議事録要旨
開催日時
開催場所
1 調査結果
・ 鴨川水系では鴨川で捕獲数81頭中,在来種2頭,交雑種73頭,外来種6頭であった。鞍馬川では捕獲数6頭中,在来種が1頭,交雑種が5頭であった。高野川系では,捕獲数3頭中,在来種1頭,交雑種2頭であった。
・ 鴨川水系全体で在来種が4頭,交雑種・外来種が86頭の結果となり,在来種が約4%であった。
・ 桂川水系では,最上流部の花脊・広河原付近で捕獲数15頭中,在来種1頭,交雑種14頭であった。清滝川では捕獲数9頭中,在来種8頭,交雑種1頭。桂川の久我橋付近で捕獲数11頭中,在来種10頭,交雑種1頭であった。
・ 桂川水系では最上流部で交雑種がほとんどを占め,下流部においても交雑種が見付かった。
2 捕獲個体の取り扱い
・ 鴨川の在来種については,当面一時保護施設で保護していく。
・ 交雑種については,当面一時保護施設で飼育する。
・ 京都水族館で一時保護していた交雑種については,展示水槽へ移動させ,バックヤードでの一時保護の体制を整えていただいた。その結果,種の保存法に基づく譲渡しの手続きをとった。
3 主な意見
○平成23年度調査の最終結果報告について
・ 桂川水系の上流に外来種がゼロで交雑種がいるのはおかしい。
・ 過去のオオサンショウウオの保護と放流の記録を調べる必要があるのではないか。
・ 日本全体でチュウゴクサンショウウオがどのぐらい入ったのか明らかでない。中国から輸入されたとされる1970年代頃の記録を整理しておいたほうがよいのではないか。
・ 一日の調査で費やした距離や時間と捕獲に動員した人数も記録する必要がある。
○今後の調査計画について
・ 毎年繁殖しているので調査が終息しないのではないか。
・ 90パーセント以上,交雑種がいるところで,交雑種を除去して在来種だけ残すというのは実際無理ではないか。
・ 大きいのは捕っても,中ぐらいの次世代のが全然捕れない。だから産卵場所を見つけて,幼生をなるべく捕っていかないといけない。
・ 石の下に隠れている小さなものまでを確認することは大変である。
・ 調査計画自体をきっちりと整理して,どこまでやるのか決めないといけない。出来ることと,出来ないことがある。
・ 交雑種が広範囲にいると京都だけで解決する問題ではない。京都市に隣接している辺りでどの程度,交雑種が入っているかも調べる必要がある。
○保護したオサンショウウオについて
・ 鴨川の在来種はとりあえず人為管理下に置かないといけないのではないか。本来の生息場所では無理であろう。
・ 鴨川の在来種で今確認しているのは,4個体のみ。そこから増やそうとしても増やせない。
・ 外来種・交雑種が絶滅するまで在来種を人間の管理下で飼育した場合,川に逃がしたときにエサを自分で取れなくなっていることもありうる。そういう問題も考えないといけない。
4 委員会でのまとめ
・ 今年度は去年と同じ方法で取り組み,現状把握に努め,調査の効率を見ながら来年以降どういう風にすべきか方向性を見極めることとする。
・ オオサンショウウオの食習慣や食材としての流通経路について,検討会の各メンバーがこれまでに独自で知っていることをまとめてみる。
・ 過去のオオサンショウウオの保護の記録についても,調査を行う。
5 平成24年度の調査計画について
・ 鴨川水系では鴨川源流域(雲ケ畑)で調査を行う。
・ 桂川水系では桂川本流・清滝川・上流域(上桂川)・源流域(花背・広河原)で調査を行う。
・ 既に,桂川では下流域で1頭,交雑種を捕獲した。源流域では8頭捕獲し在来種3頭,交雑種4頭,1頭分析中である。京都市文化財保護課が鴨川で6頭捕獲し在来種1頭,交雑種5頭であった。また,西京区の善峰川で1頭を捕獲したが未検査である。
お問い合わせ先
京都市 文化市民局文化芸術都市推進室文化財保護課
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