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第47回市民参加推進フォーラム

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2015年6月25日

案件名

第47回市民参加推進フォーラム

開催日時

平成27年3月19日(木曜日)9時30分~11時30分

開催場所

寺町第1会議室

議題

(1)「第2期京都市市民参加推進計画改訂部会」及び
   「職員のための市民参加推進の手引き(市民活動編)作成部会」の取組について
(2)その他

公開・非公開の別

公開

議事内容

【出席者】 市民参加推進フォーラム委員13名(石井委員,川島委員,小辻委員,芝原委員,杉山委員
      高田委員,竹内委員,辻委員,永橋座長,西村委員,野池委員,初田委員,本城委員)
【傍聴者】 2名
【特記事項】 動画共有サイトによる会議のインターネット中継を実施

【内容】
1 開会
<事務局>
 定刻となったので,ただいまから「京都市市民参加推進フォーラム第47回会議」を開催させていただく。本日はお忙しい中,お集まりいただきありがとうございます。
 まず初めに資料の確認をさせていただく。資料1~8,参考資料1~3を配布している。参考資料については,第46回会議,各部会の会議録案である。御自身の御発言等について確認いただき,修正等については,3月24日までに事務局までお知らせいただきたい。3月25日以降,京都市情報館ホームページ上で公開させていただく。
 委員の皆様の出欠状況については,大室委員,林委員が,御都合により御欠席と聞いている。また,川島委員,野池委員については,遅れるという御連絡をいただいている。現時点で,委員15名のうち11名の委員に御出席いただいているので,会議の成立ということで開催させていただく。
 本日の会議については公開するとともに,インターネット上の動画配信サービス「ユーストリーム」を利用した生中継を実施しているので御了承いただきたい。それでは,以後の議事につきましては,永橋座長にお願いいたします。

2 座長挨拶
<永橋座長>
 本日は今年度最後のフォーラムである。今日で一旦卒業される,本城委員,小辻委員,辻副座長には最後にまた御挨拶いただきたい。また,京都青年会議所から初田委員に初めて御参加いただいている。初田委員,自己紹介をお願いします。

<初田委員>
 おはようございます。京都青年会議所副理事長の初田と申します。村上副理事長の後任です。どうぞ宜しくお願い致します。

<永橋委員>
 初田委員には,既に手引き部会の勉強会に御参加いただいている。初田委員,これからもよろしくお願いします。
 早速議題に入っていくが,本日は議題が5つある。まずは,先日行った市民公募委員サロンについて,事務局から報告していただく。

3 議題
(1)市民公募委員サロンの実施報告
<事務局>
 (資料4を元に市民公募委員サロンについて報告)

<永橋座長>
 サロンに参加された委員の皆さんの感想を聞きたい。

<西村委員>
 アンケート結果の「聞いてみたい話や開催アイデア」に挙がっている意見で,「もっと多くの人が参加出来るように来ている人からの意見を参考にしたらどうでしょうか?」とあるが,私も,もっと多くの方に来ていただけたら良かったと思った。今回来られていないような審議会の方が参加出来るように,広報出来れば良いと思う。

<本城委員>
 西村委員の話にもつながるが,以前公募委員をされていた方から「出席したい」と言われたが,対象者が現役の公募委員のため参加していただけず,「サロンで折角繋がりが出来たのに残念」と話されていたことがある。参加対象を広げてもいいのかもしれない。
 これまでの公募委員サロンでは,グループでお話を聞かせていただいても,委員の皆さんの悩み等をその場では解決できず消化不良なままだった印象だが,今回は出席した皆さん全員と意見交換する中でそれぞれの悩み等も解決していただけて,満足していただけたのではないかと思う。アンケートにも「進行が大変良かった」と書いてあるので,良かったのではないかと思う。

<永橋座長>
 活発に色んな意見が聞けて良かったと思う。

<小辻委員>
 当日の話し合いの中で,「公募委員のあり方」というものが問題になっていた。参加した事務局の方は「一般の素人目線でコメントをいただきたいと考えて公募委員を募集している」と話していたが,実際に公募委員に応募される方には専門の方もいる。そうすると,一般の方が残る事は難しい。一方で,附属機関等の委員として専門家,有識者を選ぶ際に数がそれほどいないと説明いただいたが,そうではなく,委員会をうまくまわしてくれる有識者がいないだけなのではないか,と思っている。有識者がいないからと言って,同じ方が色んな委員会を掛け持ちするのは問題ではないかという話をさせていただいた。

<辻委員>
 私が委員に就任してから3年間の間に参加させていただいたサロンの中では,かなり上手くいった方だと思う。人数の関係もあるが,全員で何度も話ができ,全体のまとまりがあったと思う。活発な審議会の様子を聞き,前向きに話が展開出来た事が凄く良かった。
 今までのサロンで出た意見,具体的なアイデアがそのままになっているように思うので,審議会等運営ガイドブック等の改訂等に反映させていければ良いと思う。

<永橋座長>
 傍聴席におられる新妻さん,参加いただいての感想を聞かせて欲しい。今回のようなサロンの場を持てたのは,新妻さんのお陰だと感謝しています。

<傍聴者(新妻さん)>
 凄く雰囲気の良い会になり良かった。
 資料4「検討部会の面白い点」3つ目の「委員だけでなく,傍聴者にも発言の機会がある」というところだが,傍聴者にはアンケートが配られるだけで,その場で意見が言える訳ではない。「意見を表明出来る機会が設けられている」という風に,資料を修正していただければと思う。

<永橋座長>
 「その場では意見を言いにくいだろうから,後から意見を出してください」という配慮がなされているという事でよろしいか。承知した。
 今までのサロンで,「大所帯の審議会では市民公募委員は発言しづらい」,「議論が決まってしまっている」という話があった中で,事務局の努力,配慮が「見える化」出来ればいいという話はあった。今回,京都市基本計画点検委員会の事務局の方に御参加いただき,「もっとやり取りを活発にしたいと思いながらも,大所帯だと時間等の都合で出来ない。ただ,市民公募委員には事前にヒアリングしている」という話をしていただいた。先ほど辻委員から御提案いただいた,審議会をもっと良くする為のヒントがいただけたと思っている。
 来年度も公募委員サロンは市民公募委員に広く参加を呼びかけると共に,事務局の皆さんにも来ていただく事で,お互いの誤解が解けたり,理解が深まる事を目指して開催していきたいと思う。
 では,二つ目の議題にうつりたい。まずは計画改訂部会の部会長である石井委員,手引き作成部会の部会長である竹内委員から,御報告をお願いします。

(2)第46回会議以後の各部会の取組経過について
<石井委員>
 まず,1月28日に第3回計画改訂部会を行い,施策ごとにこれまでに挙がった意見を確認し,計画改訂に必要な論点について検討を行った。その後2月11日に市民参加円卓会議を行った。市民17名フォーラム委員11名の計28名に御参加いただいた。内容としては,推進施策2の施策の中から,「想いをカタチにするためには」「理解と共感の輪を広げるためには」「動かす資源の確保のためには」というテーマを設定し,テーマごとにグループ討議という形で話し合いを行った。最後に「区役所と市役所,そして職員は」というテーマについても意見交換を行った。主な意見については資料5を御確認いただきたい。
 3月4日には第4回計画改訂部会を行った。現在の,推進施策1~3,推進体制という4本柱構成を「市民の市政への参加の推進」「市民のまちづくり活動の活性化」「推進体制」という3本柱に再編し,これを元に,改訂計画のイメージ案を作成するという事を確認した。改訂計画のイメージについては,この後事務局に詳細を説明していただきたい。

<竹内委員>
 手引き部会は,1月30日の市職員円卓会議の中で市職員の声を聞き,そこから手引きを作るという事で,市職員円卓会議の準備に力を入れてきた。
 1月30日の市職員円卓会議には,各局区から1名程度という事で22名の方に御参加いただいた。部会以外のフォーラム委員,市のまちづくりアドバイザー,永橋座長のゼミの学生さんにも進行のお手伝いをいただき,中身の濃いワークが出来たと思う。そこで出た意見,職員が困っている点,市民とのやり取りの中で実感した気づき,もっと広がれば良いと思っている事等を模造紙にまとめた。その直後に部会の皆さんと自主勉強会を行い,その日のうちに,出た意見,気付き,疑問点を洗い出す作業を行った。
 自主勉強会では,どういう手引きを作っていくのかということを話し合い,前年度に作った「協働がおいしくなるKyoのレシピ帳」のように,「インデックスを大事にしたQ&A方式の薄い手引きにしていきたい」,「市民のまちづくり活動を応援する市職員のスキルアップを図るような研修を行う際に使ってもらえるように,テーマを選んだ柱立てをしたらいい」という意見が出た。2月19日にも自主勉強会を行い,出て来た意見からQ&AのQを探す作業を行った。現在それぞれ委員が載せたい項目を質問形式に変える作業をしている。
 今後としては,作成したQの中からどれを採用していくのか,既に出て来た意見,気づきの中から,Aに当たる部分をどう組み合わせていくか。コラム,そもそも論など付け加える部分をどのように盛り込むのか,という事を考える機会を設けないといけないと思っている。
 資料では「手引きを完成させて発行する」となっているが,皆様からもまだ意見をいただきたいと思っている。

<永橋座長>
 各部会の委員の皆さんから,意見があればうかがいたい。

<初田委員>
 自分は手引き部会に参加させていただいているが,今回の報告を聞いて,ようやく全体像が分かった。

<杉山委員>
 計画改訂部会に参加させていただいているが,正直まだ腑に落ちない所がある。時代,社会情勢の変化を受け計画を改訂するという事だが,そこが腑に落ちない。どう社会が変わり,どう計画を改訂しなければいけないのかという議論がまだ必要だと思う。
 例えば,世の中の情勢として,今までは「協働をした方が良い」という形だったものが,「協働をしなければいけない」という状態に移りつつある,というのであれば,「協働をもっと推進しよう」という積極的な計画になるはずである。その辺がまだ私自身すっきりしない所であり,そういう事を考えていきたい。

<本城委員>
 杉山委員が言われたように,改訂計画は2020年までの計画になる。これから5年で,社会情勢は結構変わると思う。少子化,空き家など以前にちらほらと聞いていたものが,ここ最近はテレビ等で取り上げられるようになっているので,5年先には社会情勢はかなり変わると思う。5年後の社会情勢の変化に,計画の改訂部分がしっくりくるものでないといけないと思う。計画が後追いをしていてはいけない。2020年に,どういう事が問題になるのか,という事を見据えた計画になれば良いと思う。
 ずっと自分の中で腑に落ちなかった所が,市民参加推進が手段なのか目的なのか,ということで,私自身は手段だと思っていた。目的があり,手段を活性化しましょうというものだと思っていたが,目的が分からないので腑に落ちていなかった。何かをやりたい方,無関心な方については,「社会情勢がこうだから,こういう目的で市民参加を推進してもらいたい」という目的を示すと,市民参加に取り組む方も増え,手段としての市民参加は活性化するのではと思う。

<芝原委員>
 以前から本城委員がおっしゃっていたが,「誰の為に,誰に読んでもらいたいものにするのか」という所がまだ自分の中でまとまっていないので,今後も議論をしたい。
 計画で用いる言葉,表現については,市民の人が見てどう思うか,市の職員が見たときにどう思うかを大切にしていきたい。もっと丁寧に言葉を扱っていければいいなと思う。

<永橋座長>
 社会状況の変化,その為にどういう事が求められているのかという事は,市民参加の目的にも繋がってくるという話はこれまでにもあった。社会状況の変化については,高田委員からこれまでに強く御提起いただいた部分かと思うが,高田委員,何かご意見はあるか。

<高田委員>
 計画に盛り込む目的や理念は,「協働による市民参加によって何を目指すのか」ということだと思うが,これは,少し先の未来を想像して書き込む事が大事だと思う。

<辻委員>
 市民参加は,何か大きな目的があり,その手段という側面は確かにあるが,市民参加というものは,行政が果たすべき責務でもあるし,市民の権利でもある。縮小型社会で,市民にも色々やってもらわなければ仕方ないというところもあるが,本当は市民が大事にすべきところだと思う。パブリックコメント,審議会等の制度が整っても,上手く使われなければ,実質的には機能せず形骸化してしまう。計画自体は行政計画なので,そういう所がどうからんでいくかは分からないが,それ自体の重要性もあるかと思う。
 選挙権も18歳からになりそうなので,大学生にも早いうちから政治やこうしたことに関心をもってもらいたいとも思うし,こういう市民の力,覚悟は,一旦なくなってしまうと元に戻すのは難しいと思うので,支えていかなければならないと思う。

<永橋座長>
 市民がアクセスあるいは経験を成熟させていく手段,機会,権利の3つの側面として参加・協働があると市民の方に捉えてもらうということ,それを行政としてどう支えていくかということ。そこから行政計画の位置付けも見えてくる,そういう認識をさせていただいた。ありがとうございます。
 続いて,手引き作成部会の方から感想,意見等があればうかがいたい。

<西村委員>
 市職員円卓会議にはかなり沢山の方に来ていただいたので,各グループで活発に話が出来たと思う。その後の自主勉強会で,出た意見等を共有し,各グループで出た意見を事務局にまとめていただき,付箋を使って大事な意見等を洗い出す作業を行った。そして,それぞれを持ち帰り,Qを考える作業を行った。
 Q&AのAは市職員円卓会議での意見で出て来ているので,Qを考える事になったが,やっていて,表現の仕方が難しいと感じた。自分が思っている事と,職員の方が出してくれた言葉,想いが一致しているのかという心配がある。

<永橋座長>
 Qについては事務局で一旦整理していただいているが,部会でこれから議論をしていくに当たって,みんなで確認していければと思う。

<西村委員>
 来ていただいた職員の方が色んな意見を出してくださったので,その意見を反映したものを作りたい。

<野池委員>
 円卓会議では,全員ではないかも知れないが,協働や市民参加に想いのある市の職員の声が聞けたと思う。現場で戸惑っていることや,どう進めていいか分からないという声が聞けた。完璧な手引きは出来ないと思っている。ただ,フォーラム,市,民間として出来る事は何なのかという事を考えつつ,多くの市職員とこの手引きを活用した場をもちながら,手引きをバージョンアップしていければいいと思っている。
 何故市の職員の方々が協働に取り組んでいるのか,計画に盛り込まれてはいるが,京都市として市民参加をどこまでやらなければならないのか,というようなことを,職員の方に納得感をもって取り組んでもらうことは非常に大事だと思う。会議に来られた方も,「市民参加は大事だ」という事は言えるが,「何故京都市はやらなければならないと思っているのか」,「どこまでしなければいけないのか」という話になると,計画のステップとしては分かりはするが,各区,地域,市民により状況が多様で目標等を描きづらいようだった。目標値があれば良いという事ではないと思うが,次の展開として各地域,各区役所ごとなど,部署の中で落とし込んだ目標設定,計画に基づいた次のステップがあると,市の職員も動き易いのではないか。京都市は大きいので,地域によって違う状況があり,一言に協働と言っても分からなくなってしまう。ステップ,参加の段階があるのではないか,という議論が自分たちも必要だと思う。

<永橋委員>
 市民の側も各部局の状況も多様であるということ。市としての政策はあるが,この3年間で各区役所での取組が進んだように,各部局,各区役所ごとに,大きな計画を自身の部局の状況に合わせて回していく事にも踏み込む必要がある,ということをお話しいただいた。
 来年度以降の計画改訂をどう進めて行くかという議論にも繋がるので,またあとでお話を聞かせていただきたい。

<小辻委員>
 職員研修として市職員円卓会議を開催したが,「協働の経験がないので,どういうものか勉強する為に来た」という職員がいた。その人が,他の職員の話を聞き,自分も協働をしていたという事に気づいて帰られた事は良かったと思う。そういう職員はまだ他にもいるだろうから,協働とは多種多様だという事を職員の方々にも知っていただき,気づくことのできる場が今後もあれば良いと思う。
 既に情報や知識を持っている地域の人のメリットではなく,多くの市民のメリットに繋がるような取組の展開が必要だと言う事は,いわゆる地域のリーダの方々は色々な情報を沢山持っており,似たようなプランが多数出て来て困るという声もあるが,一方で,「そうした情報があれば使えるのに」という方もいた。例えば,PTAには入って来る情報でも,ママさんサークルには入って来ないというようなことである。職員との交流の機会が欲しいという声があっても,実際は,未来まちづくり100人委員会,まちづくりカフェ等の職員の方と市民の方々が出会える場はそれなりに出来ていると思う。こういったものを有効に使っていき,市職員はもちろん,市民の方にも職員に慣れ親しんでもらえるような場を展開出来れば,より進んでいくと思う。

(3)第2期京都市市民参加推進計画(改訂版)のイメージについて
<永橋座長>
 次の議題にうつる。まずは事務局から説明をお願いする。

<事務局>
 第2期計画の改訂については,今年度の夏以降に皆様に議論いただいた。特に計画改訂部会では,施策の事業毎に進捗状況の確認から,そもそもどういう方向に改訂すれば良いのかという議論も含め,沢山の知恵をいただいた。今まで皆さんに議論いただいた事を整理し,今出ている意見を踏まえるとどういうものになるのか,というイメージとして,資料6を示させていただく。(資料6を元に,改訂計画のイメージについて説明)

<永橋座長>
 事務局から改訂の方針を示していただいた。既に皆さんから,「市民参加というものが何の為に行われるのか」,「どういう社会状況の下で,どういう事を進めていかなければいけないのかという事をもっと腑に落としたい」,「市民の権利として,参加,協働の機会が捉えられているか」,「誰に向かって届ける為に,どういう言葉を使ったらよいのか」,「各部局,各地域の状況に合わせ,本体の計画を更にそれぞれの所で使いこなしていくにはどうしたらよいのか」などの提起があったが,意見,御質問があればうかがいたい。

<石井委員>
 計画改訂部会で特に論点として挙がった点について,追加で報告させていただきたい。
 「豊かで活力ある地域社会の実現に向けて」掲げられた45施策,204の事業について勉強会を行ったが,この204の事業,施策はこの市民参加推進計画に基づいて出てきた施策なのか,出た施策を後からあてはめているだけなのか,議論の必要があるという意見が出た。
 また,NPO等に関しては,現状の助成制度等が,市民参加に意欲がある方を共に育てていく為の制度として機能しているのか,実効性のあるものにしていかなければNPOが継続的に育っていかないという話が出ていた。
 「計画改訂において重点化すべき内容」については,「縮小型社会」というキーワードと「市民が主体的に担う範囲の一層の拡充」に加えて,元々京都にあった町衆意識が薄れていっているが,これを市民に訴えていってはどうか。地域の商店,企業との協働をもっと図り,一体的にやっていった方がいいのではないかという意見が出ていた。
 計画改訂の視点と考え方について,市民が主体的に担う範囲にどう気づいてもらうかという部分で,職員,市民が持っている地域に対する希望,危機感,使命感が,市民,職員の目から見た時と,齟齬があるのではないか。本当に必要な目的に向けて両者をもっと近づけていく,共有をどう図っていくかという事を具体的に示していく必要があるのではないか。職員と市民の信頼関係をどう築くかという事を考えていかなければ,一方的に「市民が主体的にやるんですよ」と言っても伝わらないのではないかという話が出ていた。
 庁内の推進体制については,「市と区の連携を施策としてマネジメント化する必要があるのではないか」,「市と区の連携に向けたプロセス,システムをもっとクリア,明確にしていかなければ,連携は図れないのではないか」という話が出ていた。
 興味関心を高める工夫については,「『市民参加推進計画』という標題自体が,職員から見ると,市民とどうやって事業を推進していくかという目線での話かと思うが,一般の市民から見ると『私たちは何にこき使われるのか』という感じにもとられるのではないか」,「標題をもう少し,市民に寄り添った表現にした方が,市民も冊子自体を手に取りやすくなるのではないか」という話が出ていた。

<永橋座長>
 先ほど杉山委員からは「どういう状況があって,こういう事が必要なのか」という点が腑に落ちていないという話があったが,事務局,石井部会長からの報告を踏まえ,今,杉山さんはどう感じておられるだろうか。

<杉山委員>
 私の個人的な感想になるが,市民参加を推進する動機は2つあると思っている。1つは市民社会を実現するというポジティブな動機。もう1つは,縮小社会の為に市民社会を実現せざるを得ない,そうしなければ,社会サービスが低下するというネガティブな動機である。せざるを得ないから頑張って推進していくのか,来たるべき市民社会の実現の為に如何に実現させていくのか,そのバランスはあると思っている。
 切迫している自治体は,ギュッと力を入れて取り組まねばならないし,余裕のある自治体はゆったりと進めていっても大丈夫だと思う。
 ゆったり進めても大丈夫なのであれば,市民社会をより実現しうるような施策を充実させ,「市民が沢山参加し,意見を言い合えるような地域作りをしましょう」と言える。
 逆に切迫型なのであれば,スピードアップをする為にどういうような方針を立てていくのかという考え方で,重点施策のボリューム,配分が変わる気がする。
 私が腑に落ちないのは,全部を総括的に書くと,どういう状態を想定して計画が立てられたのかという共通認識がぼやけてしまうのではないかという点である。私個人としては,過去の5年よりも,スピードアップして取り組まねばならない問題だと思っている。現場によっても認識は違うと思う。

<永橋座長>
 物事を一緒にやっていくには,危機感を共有することと,ポジティブに「こういう事をしたい」という思いを共有することと,両方の共有が必要である。危機感,切迫状況の認識はすり合わせておく必要があるというご提起をいただいた。
 縮小社会という事でいうと,行政側としては今後5年間の状況,危機感をどう認識されているのか。局長個人の意見も含め,お聞かせいただきたい。

<淀野担当局長>
 全国の課題として,人口減少社会に向けて,どう地域を再生していくかという事で,地域創生の総合戦略を作っているところである。人口をどうやって維持するかという事も大きなテーマになるが,色んな事業,施策をどう市民の人と一緒にやっていくのか,地域にどう還元していくのか,という事も大きな視点になっている。地方創生の総合戦略は,全自治体が作るという事になっているが,京都市は前倒して,今年の夏頃に作る予定である。それだけ危機感を持って取り組んでいる。その中でも,市民参加,協働という事は大きな視点になると思っている。
 先程の石井委員からの報告にあった,「『市民参加推進計画』という名前は,市民としては『行政に使われるのではないか』という印象を持つ」という話,ショックを受けた。市民参加推進計画ではサブタイトルで「参加と協働」と謳っており,計画の冊子の中で市長の言葉として,「京都のまちづくりの礎となる理念が参加と協働」だと位置付けている。そういう意味で言うと,安直かも知れないが,「市民参加,市民協働推進計画」「参加と協働推進計画」等名前を変える事も一つの案ではないかと思ってしまった。
 市民参加推進計画を全庁的に進めていくという事でいうと,庁内体制としては,今現在も市民参加推進会議という組織がある。去年の5月の開催時には市長から,参加と協働について直接メッセージをいただき,個人的には感銘を受けた。市民参加の取組について,「理念として良い事なので,それぞれの部局で協力してやりましょう」と言う事はこれまでにもあったが,「こういう意味があるから,やるのだ」という事を明言された。各局,職員に対しても心に届くメッセージであったと思うので,その言葉を改訂計画で載せたいと思った。

<永橋座長>
 局長,京都市としても,縮小社会に向けては巻き気味で,協働と参加を積極的に進めていくという認識を持っておられると理解した。ありがとうございます。

<小田室長>
 ネーミングの話だが,市民目線で見るとどういう部分が,固い,“おしきせ”のように見えるのだろうか。どういう名前なら,親しみやすいというような話は出たのだろうか。

<石井委員>
 そこまでの話はできていない。僕自身が考えるなら,例えば,「明るい未来を共に作ろう計画」のようなものだろうか。

<川島委員>
 改訂計画のイメージ案には,前提として,「財源が少ない」,「市民の自治会への参加が少ない」等,「厳しい状況」が記載されており,その上で,「市民参加が出来た実感,成果を示そう」という流れになっている。財源が足りない,市民の自治会への加入が低いというマイナス部分が先に出てしまうと,成果というのは,財源が確保出来る事,自治会の加入率が高くなる事という風に見えてしまう。そうなると,やっぱり「使われる」と感じてしまう。
 「行政だけで仕事をしていれば,ここまでのアイデアしか出ないのに,市民の方と一緒に考えると,こんな面白い事が生まれた」というような等を載せるべきなのに,前提にあまりにも暗い話を出してしまうので,それが何とかなったという事しか成果にならないのか,となる。そうすると,参加が何人増えた,市民公募委員が会議の中に何人入ったという事が成果で,それで終わりと読めてしまう。
 前提の部分に,「私たちは,市民参加というのは,ただ参加する人数が増えれば良いという事ではなく,こんな面白いものが生まれる事を期待して,これを作っている」という部分が出ると,サブタイトル「参加と協働」の「協働」の所に,何か面白い中身があるように見えると思う。
 計画の名前だけ変えれば良いという話ではなく,そもそも前提の部分があまりにも暗い事が問題ではないかと思う。

<小辻委員>
 私がいつも気になるのは,「自治会,町内会を維持,発展」させなければならないと感じている市民がどれだけいるのかということである。例えば,「ゴミが広がって困るから,地域で集まってゴミ掃除をしましょう」という事は理に適っているが,そうした事情を何も知らず,特に自分では問題だとも思っていないことを「地域のルールだからやってください」と言われても,はいと言えないという話もある。そういうことを考えると,「自治会,町内会の維持,発展」が,市民参加推進計画に入っているのは,そうしたものを必要ないと感じている市民からすると違和感があるのではないか。望んでいない市民に,その辺はどう説明するのか気になる。

<本城委員>
 これまで「何故この計画があるのか,誰のための計画なのかが分からない」と発言してきたが,前回部会で事務局から「行政計画であり,基本的には職員に対する計画だ」と説明いただいて納得した。その計画が,実際には職員にもあまり認知をされていないということでいうと,そうした職員に計画を理解してもらう上で今回の資料6は凄く良いと思う。
 これまでの部会では,縮小社会,ビジネス化で市民活動を維持するといった意見も出た。その辺の捉え方については今後も議論を行うとのことだが,この資料の中に具体的な説明が加えられれば,この資料自体を推進計画の見直しという所で,使っていただく,認知をしていただく良い資料だと思う。

<芝原委員>
 最初の「興味,関心を高める」というところでいうと,これが難しい事だと感じている。
 先日,「青少年がまちづくり,市政参加をする為にはどうしたら良いか」という事について話し合うワークショップを行った。ワークショップを行うにあたり,京都市の附属機関に青少年委員という人が100人位いるということで案内を送ったが,参加者はゼロだった。
 そもそも学生に,市政に対する興味,関心がない。原因は色々とあるだろうが,京都市内に住んでいない,京都市には住んでいるが,住民票を移していないということもその一つに挙げられると思う。そうした学生は多く,京都の大学に通ってはいるが,京都の市民だという意識がない。そのため,情報を出しても,受け止めてくれる学生側にアンテナがない。興味関心を高める工夫の前に,特に若い世代に対しては,まずはアンテナを身に着けてもらうことが必要ではないかと感じた。
 ワークショップで出た一案としては,学生が京都市に引っ越して来た時に,京都市に住民票を置く事を,制度として整えてはどうかというものがあった。大学への入学の際に区役所の出張所のようなものを大学構内に置き,そこで住民票を移す手続きができるようにするというようなことである。今は大体の事が学生証で出来るので,区役所,市役所に行く機会がなく,結果として関心,興味もない。まず,住民票を京都市に置いてもらうということをすれば,情報も行き届き易くなり,アンテナを身に着けるための最初の一歩になるのでは,と思った。

<高田委員>
 杉山さんの違和感の話に繋がるかも知れないが,計画そのものは職員向けだが,我々は,この計画を市民にも手に取ってもらいたいと思ってやるのか。名前を変えるというのはそういう事か。この計画自体,200の事業をやっているという事を市民は知っておくべきなのか,全部を把握する必要があるのか,という問題がある。
 市として条例実現の為に取り組んでいくという視点で,推進施策,推進体制の仕分けを行ってみてはどうか。推進施策2「市民のまちづくり活動の活性化」については,外向けの事業。推進施策1,3,推進体制については,内向き(庁内の職員向け)の話なので,分けて議論をしてはどうか,という話があったかと思う。基本は市としての取組や姿勢を定めたものであり,それを市民の手にも取って貰いたいという話になってくると,この形態で計画を手に取る人が居るのか疑問だ。「市はこういう事をやっているから,一緒にやって行こう」という別のもの(冊子)を市民向けに作らなければならないと思う。
 職員向け,市民向けを混在させて書くと,本当にどこに向けて作ったものなのか分からなくなる。私は,あくまで職員向けということを念頭に置いて,「危機感を持ち,市民と手を組んで一緒にやらなければならない」という事で縮小社会と言わせていただいた。
 市民向けにする場合は,参加をしてもらうという事であれば「参加をしてもらえれば,こんなに豊かに暮らせるよ」という提示がなければいけない。何処に向けて書くかによって,発信の仕方が違う。計画の中で,市民にも職員にもという事で欲張るのか,その場合は仕掛けを考えなければならないと思う。

<竹内委員>
 計画の名前の話と,誰が読むべきものかという事については,「まずは庁内(職員)に向けてのものだ」というところは譲れない気がする。実態,背景が危機的だという事は明らかにしておくべきだと思うが,これまでの成果が数値だけで示されていても「面白くない」と感じる。協働した事により,役所が想定していなかった,面白い,より市民に寄り添った成果が出ているという事まで言えると思うので,それを載せたいと思う。数値で成果を把握しておくことは必要だが,具体的な取組成果を書きたいと思う。
 あと必要なのは,ビジョンだと思う。「これに向かってやる」という事を打ち出さなければ,施策についてどこを切る,どこを伸ばすという話が出来ない。

<淀野担当局長>
 これが市民向けになっているのかという1つの判断材料として,これが数値的な成果の把握評価である以上は,行政計画の域は超えられない。ただ,数値的な把握も大事かと思うが,「この事によりこんな成果が生まれた」,「こんなに良くなった,上手くいくようになった」というような,市民実感調査のような評価があれば,市民としても「この施策,事業によってこれがあるんやな」というように感じてもらえるのではないかと思う。欲張った意見かも知れないが,そうした市民の実感や成果的な事が盛り込めれば,もう少し,市民の手に取ってもらえるようなものになるのではないかと思う。

<野池委員>
 京都市としてのビジョンを明確にする事は大事だと思う。それは,色々な議論の中で言葉に出来るかと思う。
 色々な市民活動に関わらせていただいているが,成果は沢山あると思っている。京都市は,他都市のモデルになる事も多い。自ら褒める事ではないと思うが,やれる事はやっている。100人委員会等では色々な取組が生まれているし,各種色々な地域活動,行政の活動に参加する事にも貢献している。そういう成果は徐々に見えてきているので,もっと発信出来ると思う。
 事業者,地元企業との連携,協働も広がっていける可能性があると思う。例えば,調達に関わる事に関して,社会貢献を積極的に行っている企業,事業者を行政も推進的に調達先にする。そういった制度を使う事により,協働をより推進出来ないだろうか。囲い込むのではなく,環境の取組も当たり前になったように,環境プラス地域との連係等,そういった視点も取り入れる事で,「やらなければいけない」ではなく,「やっていく事が当たり前」になるような,メリットを付けて取組を推進する事も大事だと思う。
 市民参加推進委員を作って市民参加を進めていく事については,凄い事だと思う。推進委員を集め,研修,会議だけして終わりにならないよう,中身のあるものにして欲しい。推進委員制度のあり方,立場についても,もう少し議論を深め,活用していけるようなものにしたい。

<永橋座長>
 色んな意見,提起があったが,それを踏まえ今後の進め方,来年度のスケジュールイメージについて,事務局から説明をお願いしたい。

(4)今後の進め方について
<事務局>
 (資料7を元に今後の進め方について説明)

<永橋座長>
 事務局からのスケジュール説明を受けて,何か意見,質問等あるか。
 危機意識と喜びの共有は,どちらも大事であるが,市民参加推進フォーラムはその縮図だと思う。厳しい状況で頑張っている人たちが集まり,サロン,円卓会議,研修を行うと,数字で表せない喜び,やりがいが職員,市民,事業者,NPOに生まれる。我々フォーラムの委員はそれを実感してきた。そのことを,改訂計画に活かせないだろうか,市民の人たちと一緒にやるのは,大変だけれども,やりがい,喜びを感じられることでもあり,努力が必要で,時間もかかるが,素敵な事が生まれるのだ,ということを改訂計画に盛り込んでいきたい。行政計画なので,職員に危機意識と夢と希望を持っていただけるような計画にできないかと思っている。市民にとっても,厳しいからこき使われると思われるのは,我々,事務局の本意ではない。全員で気持ちを合わせ,来年度も取り組んでいきたい。
 続いて,議題5である他の審議会の状況についての報告をお願いする。

(4)その他
<事務局>
 (資料8を元に,新たに設置された附属機関等について説明)

<永橋座長>
 4つの審議会についてご報告いただいたが,何か意見等はあるか。

<本城委員>
 市民新聞で公募委員の募集を見たが,複雑なタイトルで,年に1回の開催で何の確認をするのか全く分からなかった。開催回数が妥当かという事は誰が決めているのか。

<事務局>
 基本的には,各政策担当の部署が開催回数を決めている。

<芝原委員>
 「京都市商業集積審議会」について,公募委員は選任されているが,事前レクチャーや顔合わせの機会を設ける予定がないようだ。必要だと思う。

<永橋座長>
 先日のサロンでも話題に挙がったが,公募委員のやる気,能力を引き出すには,事前レクチャー,ヒアリング等を実施することで,公募委員に寄り添う姿勢が大事だと思うので,事務局から担当所属に,協力いただけるように伝えていただきたい。

<事務局>
 いただいた意見については,各所属に伝える。

<永橋座長>
 審議会は,市政への参加,市民の権利としても重要であり,改訂の中でもしっかり確認していく必要がある話である。事務局から所属への伝達,よろしくお願いします。
 最後に,傍聴された方から意見を伺いたいと思う。

<傍聴者>
 18歳になってから選挙の話をするのは遅いという事について,僕もその通りだと思う。市民参加についても,最初の年齢が何歳かと考えた時に良く分からなかったが,京都市で毎年行われている市民実感度調査は20歳からが対象になっている。少なくとも18歳からにしても良いのではと思う。
 審議会の適切な回数については,内容に応じて回数を増やす事が出来るようにすれば良いのではないだろうか。

<傍聴者>
 職員さんは,こんなに大変な事を市民と協力しながら,成果を出さなければいけないという事だが,どこまでやって努力の成果として実感されるのかと思った。市民との接触の中で,感じていただく事が必要だと思った。
 人口減少,縮小型社会という話があったが,市民参加を推進していくうえで協働をする相手である市民は減少しているということでいうと,どうやって担う相手を見つけていくのか,根本的な疑問がある。人口減少,縮小型社会という事を前面に出すと,「担えない」となってしまうのでは。

<永橋座長>
 最後の御提起に関しては,まだ表に出てきていない方,地道に頑張っている方が,それぞれ市民,行政の側に居る。やって良かったと実感していない市民,職員それぞれに居る。それをどうするか,フォーラムの課題として検討していくことが必要だと思う。

<淀野担当局長>
 今年度最後のフォーラムという事で,一言お礼申し上げます。この4回のフォーラムに留まらず,委員の皆様からは,計画改訂部会,手引き作成部会,円卓会議,サロン,自主勉強会を含め,貴重なお時間を沢山いただいた。
 辻副座長,本城委員,小辻委員については,お世話になりありがとうございました。一旦卒業という話があったが,今後ともどうぞ宜しくお願いしたいと思う。辻副座長については,専門の分野から貴重な意見をいただいた。市民公募委員の小辻さん,本城さんについては,公募委員という立場で,本質を突いた意見,我々が気付いていないような事を御指摘いただき,凄く感謝している。手前勝手な話ではあるが,京都市としてもこういった方々に引き続き御協力いただきたいと思う。個人的な想いだが,公募委員として御参加いただいた委員の方々には,京都市の貴重な委員として,他の審議会,委員会の公募があった際に参加いただけるような仕組を,参加される以上しっかりと役割を果たせるような仕組も含め,検討していきたいと思っている。今後ともよろしくお願い致します。

<事務局>
 それでは,第47回会議閉会する。ありがとうございました。

資料

会議資料

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総合企画局 市民協働政策推進室 市民協働担当

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