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門川市長記者会見(2018年9月18日)

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2018年9月18日

市長記者会見(2018年9月18日)

「食品ロス削減全国大会 in 京都」の開催及び「食品ロス削減月間」の創設 について 

 本日の案件を御説明する前に,2点御報告を申し上げます。

 1点目は,先日の台風21号であります。関西一円に甚大な被害をもたらしました。京都でも,かつて私どもが経験しなかった強風による倒木,あるいは倒木による家屋損壊,文化財の損壊等,甚大な被害が発生し,また長期にわたる大規模な停電が発生しました。私も,京北から花脊,久多,あるいは水尾,宕陰等を回ってきましたが,大変な倒木でございます。現在,被害の実態を把握する取組を進めております。

 台風通過時点から,まずは地域の皆さんが,懸命に御努力いただきました。そして,土木事務所と区役所が連携し,緊急車両が通れるように,倒木の除去等に全力を挙げました。さらに関西電力の復旧も支援してきましたが,水尾等におきましては,長い地域で10日間以上も停電が続きました。

 電気が無いということは,いかに生活に甚大な影響を及ぼすかという事を改めて実感したところです。京都市で出来ることは全力を挙げてやる。関西電力との連携を強化して,一日も早い復旧に向けて作業を進めてきました。

 経験の無かった停電をしっかりと検証して,今後の教訓にしなければならない。既に,関西電力京都支社へ副市長等が参っておりますが,私も大阪本社の方へ寄せてもらいたいと伝えていたものの,関西電力から近々京都市へ来たいとのことでした。また,既に検証委員会を立ち上げて,復旧の在り方,自治体との連携の在り方等,しっかりと検証していくとのことです。

 倒木は,極めて大規模な範囲で発生しました。100haを大きく超えるかもしれません。被害状況をしっかりと把握し,2次被害が無いように取り組んでまいります。

 電気は通電したけれども,倒木が電線に持たれている箇所も沢山ございます。早急に対応していかなければならないと考えております。現時点で停電している箇所もある状況です。しっかりと全力で取り組んでまいります。

 農地,ビニールハウスの被害等も甚大であります。議会へは,7月豪雨,大地震の被災者支援の補正予算を提案させていただきますが,今回の強風による被害を精査して,まずは8億円程度の補正予算を追加提案していきたいと思っております。

 国にも様々な要望をしておりますが,京都市独自の生活再建の支援にも取り組んでいきたいと思っております。

 台風,豪雨,そして大地震,災害が続発しております。これらもしっかりと総括し,より安心安全なまちづくりをしていく。全力で市民の皆様と共に取り組んでまいりたいと思っております。

 幸いなことに,京都市内では,人の尊い命は守られました。東日本大震災,かつての台風被害を受けて,防災の強化に緊急に取り組んできた成果と考えております。さらには,地域の住民の皆様が自主防災会,消防団,水防団,社会福祉協議会など,様々な取組を強化していただきました。敬意を表するとともに,自分たちのまちは,自分たちで安心安全を確保していくという決意,京都の地域力の素晴らしさを改めて実感しております。そうしたことも含めて,今後のまちづくりにしっかりと活かしていきたいと思っております。

 

 2点目は,トルコ共和国のブルサ市にて,開催された「第16回世界歴史都市会議」でございます。台風の被害状況の把握と緊急対応で出発を2度にわたり延期しました。しかし,被害の全体像が把握でき,出張先でもしっかり災害対策本部と連携できる。副市長をはじめ,万全の体制を取れるという事で,議会とも相談し,京都市会から寺田一博議長をはじめ,各会派の先生方,市民訪問団の皆様と一緒に訪問いたしました。

 現在,非常に厳しい国際情勢の中での歴史都市会議でありました。そういった意味でも大きな意義がありました。

 私が基調講演で,今年40周年を迎える「世界文化自由都市宣言」を紹介しました。全世界の人々が,人種,宗教,社会体制,あらゆる違いを超えて,平和のうちに自由に集い,文化交流の中で新たな文化を生み出す。そして,世界の平和に貢献する。それを京都市が都市最高の理念とし,あらゆる取組を進めてきました。歴史都市会議も16回の開催を重ね,さらに会議の意義を進化させていきたい。そして,レジリエントシティ,SDGsの取組と歴史都市会議の取組をしっかりと融合してきたいと申し上げました。

 今回の主たるテーマは「グローバル化が文化と生活様式に与える影響」。グローバル化で地域固有の文化が廃れていく。また,グローバル化で地域経済が極めて困難な状況になっていく。世界で商店街が厳しいという話もありました。ブルサは,比較的固有の文化を守っていらっしゃいますが,商店街が厳しい状況です。

 観光も大きな議論になりましたが,地域の固有の文化の継承無しに,持続可能な豊かな観光は有り得ない。そして,観光を豊かにすることが交流を生み出し,平和に繋がる。こうしたことも踏まえて,深い議論のもとに,「ブルサ宣言」を発しました。

 有り難いことに,次回の開催地を8都市が誘致活動をされました。結果的にロシアのカザンに決まりました。かつては,次回の開催希望都市が無いということで,京都市が開催地を引き受けたこともあります。今は,それぞれの都市が開催を希望している。嬉しい事です。

 同時に,台南市がプレゼンする時には,中国の都市が部屋から出ていくという厳しさも感じました。文化は最大の平和装置である。文化交流で世界平和に貢献していきたい。文化を基軸とした都市経営をしていきたいと決意を新たにしたところです。

 

 

 それでは,今日のテーマを御説明申し上げます。「食品ロス削減全国大会 in 京都」の開催でございます。そして,「食品ロス削減月間」の創設についてでございます。

 京都市では,昭和55年から40年近くに渡って,京都大学と共同でゴミの調査を地道にやってきました。本市のごみ量は,ピーク時の平成12年度に年間82万トンありました。ごみの量に応じて,ごみの処理施設も増やしていく。これがかつてのごみ行政でございました。そんな中,ごみ量を39万トンにしようと目標を掲げまして,あらゆる取組を市民,事業者の皆様と取り組んできました。お陰様で,平成29年度はその半分の41万トンにまで減量が進みました。政令指定都市において,市民の一人・一日当たりの御家庭からのごみ量平均が557gであるのに対して,本市は3割も少ない402gと,全国の大都市の中で最もごみの少ない生活をしているのが実態です。

5箇所あったクリーンセンター・清掃工場を3箇所に減らすことができ,ごみ処理に要する費用も年間154億円もの大幅な削減を実現しました。そして,全額ではありませんが,その財源を福祉や教育をはじめ,京都の未来を創る事業に充てることができています。

 本市唯一の最終処分場である東部山間埋立処分地についても,平成12年度に500億円の経費を掛けて造りました。当時,15年間で一杯になるという見込みでしたが,ごみの減量が進み,今後約50年間はもつ見込みです。埋立てを開始した平成12年度から考えるとトータルで約70年間。15年間と考えていたのが70年間もつということです。京都市の貴重な財産です。

 しかし,これからが大切であります。京都議定書誕生の地としても,環境負荷の低減をより一層図ることはもとより,ごみ処理には,いまだ年間213億円もの貴重な税金が使われている。東部山間埋立処分地を少しでも長く使用していきたい。次世代につなげていくためには,ごみ減量を更に力強く進めていく必要があります。平成32年度のごみ量を,ピーク時の半分以下39万トンに。これは単なる数字の目標ではありません。3か所のクリーンセンター,20年に1回は設備更新で2年程休まなければならない。そうすると,その間,2箇所のクリーンセンターで回す必要があります。退路を断って,どんなことがあっても,39万トンまで削減しなければならない。市民の皆様,事業者の皆様とともに,必ず実現してまいります。高いハードルであります。努力する人は減らしてきてくださいました。さらに減らす。他都市では,減らしてもリバウンドで増えるケースもあります。しかし,京都市は順調に減らしてきています。

 3ページを御覧ください。その中で,重要なポイントになるのが食品ロスであります。資料表紙の写真に戻ってください。この写真は,御家庭から排出された90世帯の3日分のごみに含まれていた手つかず食品です。まだ食べられるのに,多くの食べ物がごみとして捨てられています。衝撃的な写真であります。

 燃やすごみの内訳では,生ごみが約4割でございます。紙ごみが約3割と突出しております。紙ごみも雑がみも,どんどん資源として分別しようと取組を進めております。生ごみのうち,約4割が手つかずの食品や食べ残しといった,食べられるのに捨てられてしまう食品,いわゆる食品ロスであります。この削減が,目標達成に向けた大きなターゲットとなっています。

 4ページを御覧ください。日本では,食品ロスが年間646万トンも発生しています。ちなみに,発展途上国などに全世界が食料支援をしている。食料不足,あるいは飢餓で大変な状況にある人々がおられる。そこへの食料援助量が約320万トンであります。ほぼ2倍の食品を日本では無駄にしています。もったいない。そして,その日本は,食料自給率が38%です。世界中から食料を集めてきて,無駄にしている。この食品ロスを削減すれば,世界の人々が飢えから免れる。そうした計算もできます。

 京都市においても,年間6.4万トンもの食品ロスが発生しており,国連で採択された「SDGs」が世界共通の目標として認識される中,世界中で食品ロス削減の取組が広がっており,京都議定書誕生の地として,何としても削減していかなければならないと決意を新たにしております。

 6ページを御覧ください。京都市では,平成26年度に「新・京都市ごみ半減プラン」を策定し,ピーク時に9.6万トンあった食品ロスを,SDGsや国が目標年次としている2030年度より,10年早い2020年度までに半減の5万トンにするという野心的な削減目標を全国で初めて設定し,精力的に取り組んでおります。

 廃棄物の発生抑制や温室効果ガス削減など「環境」はもちろんのこと,食文化,食育,食品衛生,流通,消費生活,子育て支援など様々な分野における施策をしっかりと融合して取組を進めております。

 7ページを御覧ください。食品ロス半減に向けた具体的な取組を,いくつか御紹介します。1点目は,日本で初めての試みとして,昨年度にイズミヤさんと平和堂さんの2事業者に御協力いただき,市内の食品スーパー5店舗で実施した社会実験であります。日本には3分の1ルールがあります。製造者が3分の1。流通で3分の1。小売で賞味期限が残り3分の1を切ったものは,ごみとして捨てられているというルールであります。この賞味期限が過ぎても十分に食べられる。食品小売業界の商慣習を見直していこうと,食品ロスが発生しにくい流通・販売を目指す社会実験を実施しました。

 その結果,廃棄量については前年度同期と比較して約10%もの削減が確認でき,併せて,売上数量,金額もそれぞれ約6%増加しました。

 市民の皆様のアンケートでは,9割の方がこの取組に賛成していただき,事業者からも前向きな意見が寄せられています。この成果を,他の食品スーパー等の事業者とも共有し,更なる取組につなげるため,今年度は,昨年度に御協力いただいた事業者に加え,新たに京都生活協同組合にも御協力いただき,実施店舗を5店舗から10店舗と,昨年度から2倍に増やして実施しております。また,調査対象品目につきましても,生鮮食品以外に,新たにスナック菓子,ドレッシング等の賞味期限の長い商品5品目などを追加した計22品目としました。そして,調査期間も昨年度の1箇月から5箇月に延長して実施いただいております。後ほど申し上げますが,食品小売店向けの食べ残しゼロ推進店舗認定制度の創設につなげております。

 8ページを御覧ください。2点目は,30・10(サーティー・テン)運動です。

宴会等で,幹事が「30分間は自席を離れずに食事を,最後の10分は席に戻って食事をする。」と,声掛けを行うことで,食べ残しが8割も減少するといった大きな成果が確認できました。この成果を積極的に発信することで,宴会等における食品ロスの削減,ひいては,そうした取組の意識から家庭における削減にもつながるものと考えております。

 3点目は,平成26年12月に創設した「食べ残しゼロ推進店舗」認定制度です。

食品ロスの削減に向け,小盛りメニューの提供や持ち帰りなどに取り組む飲食店や宿泊施設を食べ残しゼロ推進店舗に認定し,政令指定都市最大規模の818店舗にまで拡大しております。また,新たに「食品スーパー等の食品小売店」を対象として,食品ロス削減に取り組む店舗を「食べ残しゼロ推進店舗(食品小売店版)」として認定する制度を創設し,その申請の受付を開始したところであります。

 9ページを御覧ください。その他にも,食品ロス半減という目標達成に向け,「生ごみ3キリ運動」,「フードバンク活動等支援」,地域学習会「しまつのこころ楽考(がっこう)」など,市民,事業者の皆様と協働で,様々な取組を力強く推進しております。

  10ページを御覧ください。10月30日,「食品ロス削減全国大会」を開催いたします。京都は,良質な水と肥沃な土壌に恵まれ,自然との共生を大切にしてきたまちであります。茶の湯や生け花をはじめとする生活文化が栄えたことに加え,漆器や陶磁器等の生産が食文化とともに発達してきました。季節感やおもてなしの心,本物へのこだわりといった精神文化が京都の食文化にも浸透しています。

 さらに「いただきます」「ごちそうさま」,自然や命,食に関わるすべてへの感謝の心,生活の中から生まれてきた食材を無駄にしない「もったいない」「しまつの心」。優れた生活文化,食文化が今も息づいていますので,これを大事にする。これが食品ロスの削減に繋がると考えております。

 市民,事業者の皆様とともに,環境省,農林水産省,消費者庁,全国の自治体,国内外の大学等の研究機関とも連携して取り組んでいく。「食品ロス削減全国大会 in 京都」でございます。

 11ページを御覧ください。大会の概要です。京都大学百周年時計台記念館において,10月30日火曜日の午後1時から開催します。

 オープニングセレモニーとして,DO YOU KYOTOネットワークのメンバーである華道「未生流笹岡」家元の笹岡隆甫さんと,能楽囃子方幸流小鼓の曽和鼓堂さんによります歓迎パフォーマンスを御披露いただきます。

 基調講演には,京都市文化功労者などの素晴らしい経歴をお持ちで,日本料理の第一人者,瓢亭第14代主人髙橋英一様に,「京の食文化の継承・発展」をテーマに御講演いただきます。

 その後,産学公が連携して,食品ロス削減に係る取組事例の発表や意見交換を行い,最後に,本大会に集う参加者の総意として,食品ロス削減に向けた「京都アピール」を発表します。

 12ページを御覧ください。本大会につきましては,ノーペットボトル,ノーレジ袋といった,環境にやさしい運営といたします。私,COP15に行ってきましたが,会場周辺はごみだらけでした。分別されず,厳しい現実を見ました。今回はモデルとなる大会にしようと,ノーペットボトル,ノーレジ袋。さらに,京都市では,ごみの発生抑制・再使用,いわゆるリユース・リデュースの「2R」を強力に進めております。会場には,マイボトルやマイバッグ等の持参をお願いすることとします。

 近年,プラスチックによる海洋汚染が地球規模で深刻となっていると認識され始めました。年間800万トンものプラスチックが海洋に流出し,微細な粒子となって小魚や貝などの海洋動物に食べられ,巡り巡って人間の食卓に紛れ込んでいるとも言われています。

 日本からも年間6万トンものプラスチックが海洋に流出しています。そのような中,国内外の企業において,プラスチック製ストローなどの提供を廃止するという動きも出てきております。

 ペットボトルを見てみますと,世界では,清涼飲料用のペットボトルが年間約  4,800億本消費されており,これは,1分間に100万本消費されていることになります。そのペットボトルを縦一列に並べると約9,600万km,実に地球から太陽までの距離の半分以上の長さになります。衝撃的な量です。

 13ページを御覧ください。レジ袋も同様です。「しまつのこころ条例」を施行した平成27年10月に,店舗面積が1,000㎡以上ある市内の全食品スーパーが,

政令指定都市では初めて,一斉にレジ袋を有料化されました。床面積で換算すると,把握している全食品スーパーの約95%に御協力いただいています。

 しかし,課題はコンビニやドラッグストアなどでございます。そこへの広がりが,これからの大きなテーマであります。

 京都市では,政令指定都市で初めて家庭ごみ有料指定袋の原料の一部に,バイオマスポリエチレンを使用することも始めました。また,「祇園祭ごみゼロ大作戦」をはじめ,屋台等にリユース食器を導入するなど,プラスチックごみ問題についても市民ぐるみで取り組んでいます。私は,この大会を通じ,こういった使い捨てプラスチックの問題についても,自らの問題として考えていただく機会にしたいと考えております。

 14ページを御覧ください。最後に,「食品ロス削減月間」の創設についてでございます。本大会の開催を契機として,京都市では,食品ロス削減について,市民,事業者の皆様に自分ごと,みんなごととして実践していただく。その輪を広げていく。今年度から毎年10月を「食品ロス削減月間」として取組を進めてまいりたい。全国の自治体の先頭に立って,食品ロス削減を牽引していきたいと思っております。

 具体的な削減月間における取組としまして,1つ目は,食べ残しゼロ推進店舗認定制度の推進です。先ほど御説明した商慣習の見直しに係る調査・社会実験の効果を広く発信し,削減に向けた実践の輪を広げていくため,食品スーパーやコンビニ等の食品小売店を対象とした「食べ残しゼロ推進店舗」認定制度を創設しました。先行する飲食店・宿泊施設を対象とした既存の制度に加えることで,更なる食品ロス削減を図ってまいります。

 2つ目は,市役所本庁舎内での「フードドライブ」の実施です。現在,民間のフードバンク団体等により,フードドライブやフードバンク活動が実施されております。

市役所本庁舎の一部スペース(会議室)において,市職員が率先垂範して食品を持ち寄り,フードバンク団体を通じて福祉施設等に寄付するフードドライブを実施します。

 また,子供たちにも食べ物の大切さを学んでもらうため,食品ロス削減をテーマとした紙芝居による周知・啓発,街頭キャンペーンなどを精力的に実施し,食品ロス削減の機運を高め,実践につなげてまいります。

 こうした取組を通じて,市民,事業者の皆様とともに,食品ロス半減はもとより,ピーク時からのごみ半分以下39万トンという目標を必ず実現してまいりたいと考えております。

 そして,「持続可能な環境にやさしい」京都のまちを作っていきたいと思っております。

 

質疑応答

報告案件に関する質疑

記者

 市民や事業者の協力というのは欠かせないと思うのですが,改めて市民に対しての思いは?

市長

 この間のブルサでの世界会議でも,環境にやさしい京都議定書誕生の地として御説明してきましたが,現にごみが半減したということに驚嘆の声が起こります。どうして京都でそのようなことができるのか。例えば,人口は横ばいですが,観光客が大幅に増えている中でごみが半減した。これ以外にも,エネルギーの消費量が27%減り,自動車分担率が大きく減ったということもあります。これは十分な議論を重ね,明確な目標を作り,市民ぐるみで実行してきましたことにより,結果が出てきたのではないかと思っています。行政主導ではできないものです。市民の方々,市民団体の方々,あるいは,大学研究者の方々と連携を進めて地道に取り組んできた結果であると思います。必ず実行するために,子供への啓発も取り組んでいますし,今までどちらかというと感心の薄かった層への取組も大事だと思います。また,今取り組んでいるスーパー等々の取組も欠かせません。より取組を強化していきたいと思います。

 今回の「食品ロス削減全国大会 in 京都」は,京都市と「全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会」が主催で実施します。平成28年10月に発足し,354自治体が参加しており,福井県に事務局を担っていただいております。全国で様々な取組が展開されており,正直,大都市でその先頭に立っているのが京都市であると言えると思います。

 また,京都大学が主催で「食と持続可能性」に関する国際シンポジウムを同時開催しますが,パネル展示等につきましては共有して実施します。このあたりも京都ならではの強みだと思います。この酒井先生は国の中央環境審議会循環型社会部の会長をされています。その他,京都には全国,また世界を視野に研究,実践されている方がたくさんおられます。こうした取組と連携して取り組んでまいりたいと思います。

 

記者

 食品ロス削減について,コンビニなどの小売店へはどのような働き掛けをされているのですか?

 

市長

 家庭の食品ロスは減少傾向にありますが,まだまだこれからです。おっしゃるとおり,食品スーパー等も食品ロス削減を先進的に取り組んでいますが,コンビニの食品ロスはこの数年,全国で増加しており,京都市でも同様であります。

 お年寄りなどの一人家庭が増える中で,食べやすく調理された食品は,最近消費者から評価が高まっていますが,同時にその分のロスが増えており,重大な問題だと思っています。

 今はスーパーから取り組んでいただいていますが,もちろん,全ての小売業に対して働きかけていき,消費者,販売業者からも評価され,そして,売上にもつながり,未来も良くなっていく四方良しの取組にしたいと思います。こうした取組の実証実験を実施していますので,これをしっかりと全国のコンビニ業界に示していきたいです。京都のことだけではなく,全国のモデルとなるように推進していきたいと思います。そして,今回のこの取組も環境省,農水省,消費者庁に参画していただきますが,いずれ私は,食文化という面で文化庁にも参画して欲しいと考えています。そういった取組を個別事業者に働きかけていくことが大事であると思いますし,このような取組を通して,全国にうねりのようなものを作っていきたいです。

 

記者

 食品ロスを世界的に見た時に,市長が目標としている都市はあるのでしょうか?

市長

 例えば,ペットボトルについて,サンフランシスコがペットボトル飲料水を売ってはいけないという取組をされています。その他にも色々な例があるのですが,食品ロスについては,ミラノ万博で気候変動と食料生産,そして,推進国における食品ロスなどをテーマにした宣言が行われています。その取組を主導した国連食糧農業機構(FAO)から昨年,京都大学主催のシンポジウムにおいて,京都市の取組を発表してほしいとの依頼がありましたので,発表させていただきました。

 そして,10月30日に開催する「食品ロス削減全国大会 in 京都」と京都大学主催で「食と持続可能性」に関する国際シンポジウムが同時開催されます。気候変動によって,これから食料生産がどのようになっていくのか。先進国で驚くほどの食品ロスが起こっている中で,気候変動と食料生産だけでなく,食品ロスの問題と一緒になって考えて行こうという取組を進めておられますので,そちらの方にも関心を持っていただきたいと思います。

報告案件以外に関する質疑

(災害対応について)

記者

 今回の台風による被害に対して,被災者への支援をお伺いしたい。

市長

 台風21号では,全壊3棟を含めて,1,223棟が被害を受けました。国にも要望をしておりますが,京都市の独自の取組として,全壊に対する補修費用を上限295万円,それとハウスクリーニング等のために5万円。一部損壊の場合は45万円,それとハウスクリーニング等のために5万円。こうしたことを国や京都府の支援ではなく,京都市独自の支援としてやっていきます。その他に,農業被害に対しては,国や府の補助に本市独自で嵩上げするような補正予算も検討しております。倒木被害については,国の支援がありますが,一定の基準がございます。撤去等の費用を国,府,市で補助する制度もございます。そうした支援にもしっかりと取り組んでいきたい。また,林道被害に係る国制度を利用するには測量も必要になるので,測量に係る費用についても支援していきたいと考えております。

 

(大規模な停電の発生について)

記者

 ここまで停電が長引いたということで,関西電力の対応にどういう課題があったとお考えでしょうか。今後,関西電力本社に行く予定はありますか。

市長

 アポイントを取ろうとしましたが,今は復旧対応でバタバタしているということで,関西電力本社の方から,改めて京都市に伺いたいとの連絡がありました。その時に,現場で聞いた生の声をしっかりと踏まえて,関西電力と話し合い,申し入れをしていきたいと思います。

 長期の停電により,山間地域の市民生活に与えた影響は甚大であります。現場に行くと,区役所の職員が回覧板を回してくれたとか,土木事務所の職員が住民と一緒に倒木を片付けて,緊急車両が通れる道を作ってくれたとか,そういう声を聞いています。そして,このような第一線の職員が頑張っただけでなく,地域の皆様が生活をなんとか改善していくために,倒木を片付ける等,懸命な努力をされました。

 しかし,電線に引っ掛かっている倒木だけは,素人では手を付けられません。そういうところに対する関西電力の体制が非常に弱かったというのは,関西電力自身も感じておられると思います。今後は想定外という言葉は通用しません。したがって,電力の安定供給という企業責任をしっかりと務めていただきたいと思います。

 その他にも2点申し上げたい。1点目は緊急対策です。山間部の水道も下水道もこの間,整備を全て完了しており,そこには独自の電源も確保していました。昔は電気が止まると水もでないという危険もありましたが,これについては,この間の整備で発生しませんでした。

 充電器をどうしておくのかという緊急対策は重要であります。今回,大規模な土砂崩れは起こりませんでしたが,土砂崩れも同時に起こって,道がふさがるという状況も十分に有り得ます。もし倒木と土砂崩れが同時に起こった場合,電源をどうするべきか。これも今回の教訓になると思います。

 もう1点は,それぞれの地域で聞きましたが,木が茂りすぎていることです。杉が40,50年経って,茂りすぎている。杉は意外と根っこが浅い。林業が非常に厳しい中で,木が伸びるままにされている。それが倒木被害にも影響し,停電を引き起こしているという指摘もあります。林業全体の在り方も,専門家の意見も聴きながら,考えていかなければならないと思います。また,ほとんどが民有林でございますので簡単なことではありません。京都市では,全国に先駆けて,久多と京北の2箇所において,持続可能な林業のモデルとなるような取組を進めていきたいです。

 こういった点を踏まえ,関西電力の責任を果たしていただくために,申し入れを行っていきます。

 

(民泊について)

記者

 違法民泊の対策ということで,先週に全国初の違法民泊への警察の摘発がありましたが,現状の指導の状況,警察との連携など,今後の規制のあり方について,市長のお考えは?

市長

 観光客と市民の安心・安全な生活を両立させていくことが持続可能な京都市の未来のために,また,市民生活の安心や豊かさにつながる観光のためにも一番大事な要件です。これまで徹底して違法民泊対策を推進し,2年半を超えました。そして,2,259の無許可営業の施設に調査指導を進めてまいりました。その結果,8割強に当たる1,845施設について,違法民泊の営業中止,あるいは,営業実態が解消されているということを確認しています。取組の結果がしっかりと出てきていると思います。

 そして,現在,違法民泊として122施設の調査指導を行っております。この度の法律によって与えられた権限を最大限生かし,これをまずは撲滅していきたいと思います。その例の一つとして,先日の我が国初めての警察による摘発です。京都府警察も全国の警察の中では最も積極的に行動されていると思います。今も様々な協議をしていますが,より一層強力に連携して取り組んでまいります。

 そして,市民から本市に寄せられる民泊通報・相談の内容も変化しつつあります。民泊通報・相談窓口を開設した平成28年度は,月平均124件の無許可施設に関する訴え・相談がございました。直近の8月では54件と,6割減となってきています。通報の内容がなにより大事であり,それが変化してきています。

 深夜に及ぶ騒音,あるいは,不適切なごみ出しなどの迷惑行為,見ず知らずの人が出入りするなどのセキュリティーの悪化などがありましたが,こうした苦情が大きく減少してきました。

 一方で最近は,地域住民の方がしっかりと関心を持っていただき,本市独自のルールの遵守について,「宿泊定員がオーバーしているのではないか?」,「チェックインの時にしっかりと面接してないのではないか?」といった,許可施設に対して,「しっかりと調べて指導するように」というような通報・相談に変わってきています。

 また,「事業者が説明をしたいと言っているが,それに対して住民側としてどのような対応,どういう要望をしたらよいのか」というような,民泊に限らず,宿泊施設と地域住民とのあり方をどのようにしていこうかという相談も増加傾向にあります。

 しかし,違法民泊を根絶するのは我々の使命であります。したがって,地域住民の皆様とより一層連携を強化し,草の根のような取組をもって,違法民泊を必ず根絶してまいります。今指導しています122の施設につきましても,新たな法令で与えられた権限を最大限駆使し,警察とも連携し,取り組んでまいります。

 

(宿泊税について) 

記者

 京都市の宿泊税の条例可決をうけて,金沢市や福岡市では宿泊税の導入を検討している動きがあります。特に金沢市は京都市と同様の仕組みの宿泊税を検討されていますが,改めて宿泊税の意義についてお聞かせください。 

市長

 金沢市も京都市も基礎自治体であり,基礎自治体こそが,市民の安心安全の確保,質の高い持続可能な観光,地域の文化の継承,担い手の育成,地域経済の活性化等に繋げていかなければなりません。税制度上,京都市の観光客は多くても,それが税収には繋がりません。これを聞くと,多くの方が驚かれます。事業者の利益が出ても,そのほとんどが国,一部が府の税収となります。基礎自治体の税収は,市民税がほとんどであり,そのアンバランスが非常に大変であります。そのため,市民だけでなく,全ての旅行者に等しく負担していただこうという考えのもと,市民の皆様や議会において議論いただきました。そして,本市の受入れ環境の整備等の利益を享受される方には,少なくとも,一人200円は負担していただくこととしました。東京都は,宿泊代が1万円以上という設定であり,贅沢税のような面もありますが,それと同じ仕組みの場合,京都市は数億円しか税収が入りません。それでは,観光客と市民の皆様にとって,満足度と質の高い観光都市を進めていくための財源になりえないため,全ての方に最低でも200円,高い宿泊施設に泊まる方には,相応の負担をしていただくことにしました。全国的に,具体化してきているのは,金沢市,福岡市くらいですが,本市が一つのモデルになるのではないかと専門家の方がおっしゃっておられました。

 これからは,使い方が問題となります。市民と宿泊者の方,そして,最も御協力いただく宿泊事業者の方も,それぞれが宿泊税を導入して良かったと思っていただける宿泊税にしていきたいと思います。

記者

 使い道の中で,何が最も重要であるとお考えでしょうか?

市長

 これ一つというものはございません。

 持続可能な観光という点においては,京町家や担い手不足の支援等,京都ならではの文化の継承であります。京都の観光は世界から評価されていますが,それは,これだけ大都市でありながら,日本人が大事にしてきた暮らしの文化,生き方の哲学が,今も脈々と受け継がれているからです。もちらん,個々の文化財も大事であります。これが一つです。

 もう一つが,この間取り組んでいる公衆便所の様式化,バリアフリー化です。これも大切な課題であり,巨額の費用が掛かります。約10年前までは,まだ和式トイレを作ってきたというのが現実です。こうした受け入れ環境の整備も大事です。

 さらには,時季,時間,場所の3つの集中の打破です。場所の集中は,あらゆる取組を進めていますが,悪化しています。SNS等の影響で,人が人を呼ぶ。京都には,非常に静かな京都ならではの場所がありますが,観光客にしっかりと発信できていません。また,地域の方がその魅力に気付かれておらず,観光としての発信ができていない。先日DMO(観光地経営組織)を立ち上げましたが,このような地域の観光戦略・観光推進体制の充実・強化も大事であります。

 

(大岩山の土砂崩れについて)

記者

 台風や雨が降る度に,麓の住民の方々は,土砂崩れを心配する日々を送っておられます。この現状について,市長はどのようにお考えですか?

市長

 地域の方々の声をしっかりと受けとめて,この7月中旬に宅地造成等規制法に基づいて指導・監視したのち,様々な取組を進めてまいりました。そして,具体的な是正工事の計画が提示されないまま,土砂の搬入が継続されたので,8月27日付で宅地造成等規制法に基き,土地管理者に対し,土砂搬入停止命令を発令しました。9月4日以降,土砂搬入は停止されていると確認しております

 それから,南側斜面の沢筋の最上流部からの土砂流出の危険があります。それについても,9月10日付で,是正期限を9月30日までとして,災害防止措置命令を発しました。命令の内容は,緊急的に講じるべき防止措置として,南側斜面の締固め作業等,具体的な取組を示しております。もし実行されない場合は,行政代執行も視野に入れてまいります。また,南側斜面の恒久的な安全確保のために,当初から速やかに是正計画書を提出するよう指導してきましたが,引き続きその指導を強力に行い,安全性の確保に取り組んでまいります。なお,緊急的な対策として,溜池(大谷池)の浚渫のための工事を8月下旬から実施しています。

記者

 不法な土砂の搬入が判明して,少なくとも8か月が経過しました。山頂の山肌は,この間,大幅に露出を増やしています。これまでの京都市の対応・指導に問題はなかったとお考えでしょうか。

市長

 はい。その時点毎において,担当局の方では,全力をあげて取り組んできていると考えております。しかし,是正命令等には,手続き等も必要であり,弁護士等としっかりと相談しながら,取組を強化してきたところであります。しっかりと以後も取り組んでまいります

記者

 議会でも,必要最小限度の土砂しか入っていないという説明がありますが,搬入された量も質も,これまで一度も報告されていない状況で,なぜ搬入されたものが,最小限度と言えるのか。住民の方々から「崩れる土砂が増えただけだ,ずさんな指導だ」と不安を募らせる声もありますが,お考えをお聞かせください。

市長

 それについても,包括的にしっかりと対応していきます。ただいま申したとおり,宅地造成等規制法に基づく,禁止・停止命令,さらに是正命令を行っておりますので,しっかりと取り組んでまいります。

記者

 土地管理者への行政指導を強化されていますが,管理業者も「勝手に土砂を入れられてしまった被害者でもある」という姿勢を示しており,なかなか行政の指導に応じていない現状があります。最初に土砂を捨てた業者に土砂の撤去を命じられる土砂条例を,約半分の自治体が制定しているという状況もありますが,条例の制定の必要性について,どのようにお考えですか?

市長

 この宅地造成等規制法は,この京都府の条例と比較して,指導対象,指導のタイミング,内容においても,全体として大きな差異はありません。したがって,国の法律をもって,しっかりと対応していけると考えております。今後については,条例が必要であるかについて,研究を進めてまいります。

記者

 先程の大岩山の件について,法の内容で,指導内容やタイミングに差異はないとおっしゃりましたが,しかし,最初に捨てた業者に早期に指導を行っていれば,これほど露出する山肌は大きくならず,住民の不安も大きくならなかったと思います。それを踏まえれば,すぐに撤去を命じられる土砂条例は必要と私は考えますが,いかがですか?

市長

 お考えとしては伺っておきます。我々は法律で遜色のない取組が出来ていると考えており,条例があったからと言って,業者に対応できたかは別問題ですので,この法律で取り組んでいきます。同時に,今後,この条例の必要性については改めて議論していきたいと考えております。

 

(オーバーツーリズムについて)

記者

 近年世界的にオーバーツーリズムという話しがあり,観光客のマナーや宿の確保等が問題になっていますが,改めて京都市の現状においてオーバーツーリズムの状況にあるのかどうか,市長のお考えを伺いたい。

市長

 3つの集中が極めて一部の地域に混雑という課題を生んでいます。この3つの集中を是正していくことが最大の課題です。例えば嵐山は混んでいますが,奥嵯峨は人が少なく,大覚寺もすごく空いている。したがって全体として決してオーバーしている訳ではありません。とある料理屋さんが何故か急に炎天下に行列が出来ている。でも隣のお店はそうでもなく,閉めていく店もある。京都のほんまものの奥深い魅力,全市的な魅力をしっかり発信することが極めて大事だと思います。

 例えば山科は1,400年の歴史があります。90年前は宇治郡山科村でしたが,宇治が観光で賑わう一方,山科はそういう状況でもありません。琵琶湖疏水通船の復活を越市長がおっしゃった時に,山科の魅力を発信する絶好の機会だと思いました。今までからも山科で経済同友会や地域が一体となって,観光のキャンペーンをされていますが,平安京が巨大すぎて山科の魅力を発信できていません。このような地域がいっぱいあります。この問題を,京都市という大きな括りで捉えていますが,例えば,山科市や西京市と考えると観光客がいっぱいということはありません。伏見も稲荷大社以外は非常に空いています。したがって,極めて一部に集中している状況を是正していくことが一番の課題だと思います。

 

(成人式について) 

記者

 成人式の対応についてお聞きします。今月,和装業界が集まった着物サミットで成人年齢が引き下がった後は,二十歳のお祝い事として,現行通りの継続を望むことを各自治体に要望していくと決まりました。和装産業を振興する市長としての現時点のお考えをお聞かせください。

市長

 成人式,同時に二十歳を祝う集いというのは,非常に良い考えだと思い,私もかねてから主張してきました。18歳の1月というと,多くの方が大学受験の直前,就職に向けての大変な時期であります。そうした中,18歳を新成人として祝うとなると,落ち着いて祝う雰囲気になかなかならないだろうと思います。これは和装の問題だけではありません。落ち着いた時期に,成人式,二十歳を祝う集いとしてやることには私は大賛成であります。

 同時にお酒も二十歳からとなっていますし,すべてが18歳に変わるというものではありません。落ち着いた時に二十歳を祝っていく,結果としてそのことが,和装振興にもつながると思いますので,京都から率先して取り組んでいきたいと思っています。

 ちょっと古い話ですが,30年前,昭和天皇が病に伏されて,毎日容態がマスコミに報道されました。その中で全国の様々な行事が中止されました。時代祭も中止になりました。その時に,成人式用の和装がぴたっと動かない,振袖が全然動かないということがありました。昭和天皇にもしもの事があれば成人式は自粛になるのではないかという雰囲気が全国的にありました。私は当時教育委員会にいましたが,文部省は何も言わなかったので,自粛ではないかという状況でした。京都の和装業界の方が当時の教育長に,自粛の可能性はあるが,成人式は新成人に自覚を促し,それを皆が讃えるものであり,単なるお祭り騒ぎではないということを言っていただきたいという依頼がありました。当時の教育長がそのようにおっしゃると,それが全国に広がり,振袖が動き出しました。昭和天皇は1月7日に崩御されましたが,15日の成人式では黙祷をして,厳粛に行われました。

 そういうことも含め,やはり京都が成人式,二十歳の集いのあるべき姿をしっかりと示していきたいです。荒れる成人式というのがかつてあり,成人式無用論が言われましたが,その時もただちに審議会を開き,成人式の意義をしっかりと市民ぐるみで議論して,より充実させていこうと決意し,今に至ります。その時の一つの成果が,2分の1成人式であり,各学校で自分が二十歳になった時にどんな人間になっているかを書いて発表するなどの取組が行われました。また,10歳の子に成人式の受付を行ってもらいました。ちょっと元気なお兄ちゃんが10歳の子に「おめでとうございます。」と言われて,さっとお辞儀をしている姿もほほえましかったです。成人式,二十歳の祝いについて,京都がしっかりと役割を果たしていきたい。それが結果として和装振興になると思います。

記者会見資料

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