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門川市長年頭記者会見(2018年1月4日)

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2018年1月22日

市長記者会見(2018年1月4日)

年頭の抱負

 新年明けましておめでとうございます。市長に就任しまして,10回目の新年を迎えました。この一年が皆様にとって実り多い年になりますようお祈り申し上げます。今年は,明治維新から数えて150年目の節目の年であります。明治維新で,千年以上続いた都の地位を失い,人口が34万人から23万人に激減する都市衰退の危機の中にあって,先人たちはしっかりと100年後,200年後の未来を見据えていました。「子どもさえしっかりと育てていれば未来は明るい」と,竃の数ごとにお金を出し合い,地域の力で全国初の小学校となる64の番組小学校を設立。市立芸大の前身となる全国初の画学校や,工業高校を開設するなど,「教育」と「文化」で未来を切り拓き,今日の京都の礎を築いてきました。そして,琵琶湖疏水,発電所,市電の開業と繋がります。

 昨年は,文化庁の全面的移転に先駆け,地域文化創生本部が発足。「大政奉還150年記念事業」や日中韓,アセアンからも参加した「東アジア文化都市会議」の開催など,例年以上に文化で彩られた一年でした。そして,本年は,京都が最高の都市理念として掲げた世界文化自由都市宣言から40年目の年でもあります。「都市は,理想を必要とする。全世界の人々が,人種,宗教,社会体制の相違を越えて,平和のうちに,ここに自由につどい,自由な文化交流を行う」。この理想を実現し,京都の最大の強みである文化力を,子育て支援や教育福祉,観光,環境,経済の活性化,安心安全など,あらゆる政策分野と融合し,文化を基軸としたまちづくりを更に加速させる一年にしなければならないと決意を新たにしています。文化庁は,来年度文化政策の総合的な推進のための組織再編を行い,職員を1割増員し,「新・文化庁」として生まれかわります。

 さらに,地域文化創生本部の予算も2倍に増強され,京都を拠点に,全国と連携して新しい文化行政を一層進めようとされています。京都市も文化庁等と連携して,文化で日本を元気にする取組を進めてまいります。「東アジア文化都市会議」等を通して,改めて文化こそが平和の安全装置であることを認識しました。文化で世界平和に貢献し,文化で世界から尊敬される都市になることを目指して,本年も全力を尽くしてまいります。報告案件を発表する前に,嬉しいニュースが届きましたので,お伝えします。

 この度,二条城において,囲碁界の頂上決戦と言われる本因坊戦を開催することが決定されました。京都は本因坊発祥の地。さらに,二条城は,将軍の御前で碁を打つ「御城碁(おしろご)」の始まりの場所とされています。まさに,碁の魅力を国内外へ発信するに相応しい場所を選んでいただいたと感激しております。今回は初手を国宝・二の丸御殿の大広間で行い,「御城碁」の雰囲気も再現されます。囲碁界初の国民栄誉賞が有力視されている井山裕太(いやま ゆうた)本因坊が大広間で打つ碁は,ファンのみならず,多くの方を魅了することは間違いありません。是非,御期待ください。

 

 

「健康長寿のまち・京都いきいきアプリ」の運用開始について

 続きまして,「健康長寿のまち・京都いきいきアプリ」の運用開始について,御報告いたします。「いつまでも元気に 活力にあふれた毎日を笑顔で送る。」それは,市民ひとりひとりの願いです。その実現には,例えばウォーキングを続けるなどの日々の継続的な取組が欠かせません。

 この度,「健康長寿のまち・京都いきいきアプリ」を開発し,明日(1月5日)から運用を開始いたします。市民の皆様に地域や人とのつながりの中で,仲間とともに楽しみながら,健康づくりをはじめるきっかけとしていただくよう, オール京都で市民の主体的な健康づくりを応援するものです。今回のアプリには4つの特徴がございます。1点目は,「まち歩きや文化を楽しめる」,2点目は,「身近な仲間といっしょに取り組める」,3点目は,「手軽で便利に記録,応募ができる」,4点目は,「本市の他のアプリと連携する」でございます。それぞれの特徴に応じたアプリの機能を御紹介します。

 まず1点目は,まち歩きや文化を楽しめる「スタンプラリー機能」です。文化やスポーツをはじめ,京都ならではの体験から楽しく健康づくりをはじめていただくため,市内約2,000箇所の史跡や文化施設,観光地をスタンプスポットとして御紹介しております。各種イベント情報も配信しており,イベント参加で,京都ならではの文化にふれ,まち歩きを楽しみながら健康になり,お出かけがより一層楽しくなります。また,スタンプスポットでは,本市が所有する75種類のキャラクターが様々な場所に登場して,健康づくりを応援してくれます。例えば,地下鉄の駅では「太秦萌ちゃん」が,上京区では「かみぎゅうくん」が登場します。さらに,登場したキャラクターと一緒に記念写真も撮ることもできます。キャラクターを集める楽しみ,さらにキャラクターとの記念写真をフェイスブックなどのSNSに投稿できる楽しみもあり,キャラクターを集めることで,健康づくりの基本であるウォーキング,そして,地下鉄・市バスなどを利用した公共交通優先の歩くまち・京都の推進にもつながります。

 それでは,記念写真の撮影までの流れを,アプリを使って説明します。スクリーンを御覧ください。アプリのスタンプラリータブを選択すると,自分の周りのスタンプスポットが表示されます。スポットの近くまで歩けば「チェックイン」のボタンが表示され,スタンプを押すことができます。もし,スポットにキャラクターがいると画面上に現れます。京都市役所もスタンプスポットになっております。本日の記者会発表にあたり,太秦萌ちゃんに京都市役所へ来ていただいております。では,記念に写真を撮っていただきます。このとおり,私と太秦萌ちゃんとの写真が撮れました。市内の様々な場所がキャラクターと出会えるスポットになっています。市民の皆様には,これまで行ったことのない場所を訪ねて,キャラクターとの撮影を楽しんでいただきたいと思っております。

 2点目は,身近な仲間といっしょに取り組める「グループ機能」です。健康づくりの取組を続けていくには,一緒に励まし合う,また競い合う身近な仲間の存在が大切です。今回のアプリでは,家族やお友達などと一緒に,アプリ上で「グループ」を組んで健康づくりに取り組むことができます。例えば,「すこやかクラブ」や「おやじの会」などのグループを作り,この機能を使って,仲間と励まし合いながら,健康づくりを楽しんでいただきたいと思います。グループメンバーの中では,お互いの健康づくりの取組状況が分かり,「いっしょに頑張ろう!」「すごい!」などの励まし合うメッセージを送り合って,健康づくりの取組を続けていくことができます。また,歩数やスタンプ取得数について,グループ内での個人ランキングやグループ対抗でのランキングも表示されます。例えば,ウォーキングのグループ対抗で順位を競い合うなど,グループ同士で競い合って,仲間と一緒に健康づくりに取り組んでいただきたいと考えております。

 3点目は,手軽で便利に記録,応募ができる「ポイント手帳機能」です。「いきいきポイント」は,毎日の健康づくりを手帳に記録することで健康ポイントが貯まり,50ポイント以上を貯めて応募すると抽選でプレゼントが当たります。これまで,手帳に書き込むことで記録していた毎日の健康づくりを今回,デジタル化します。毎日の歩数が自動的に記録され,グラフで表示されるため,「自分がどれくらい歩いたか」を一目で振り返ることができます。達成感を得やすくすることで,継続して健康づくりに取り組むことができます。また,ポイント手帳をアプリで記録することで,健康ポイントの管理やプレゼント応募も,スマートフォン上からできるようになります。アプリを日記として御活用いただき,達成感を得つつ継続的な健康づくりにつなげることができます。

 4点目は,「京都市の他のアプリと連携する機能」です。本市では,昨年5月に運用開始した「やましなプラス」をはじめ,「みっけ隊」,「こごみアプリ」等,市政と市民との掛け橋となる,京都ならではのアプリを開発してまいりました。今回のアプリでは,他のアプリで健康づくりにつながる市民活動等を行った場合,自動で健康ポイントを加算します。例えば,「やましなプラス」で年齢や性別に応じた1日の健康目標歩数を達成した場合,健康ポイントの獲得がより手軽に行えます。あらゆる市民活動が健康づくりにつながるような仕組みを構築し,多くの市民の方々にアプリをダウンロードしていただきたいと考えています。また,スマートフォンをお持ちでない市民の皆様に向けて,いきいきアプリの運用開始に合わせ,「健康長寿のまち・京都」ポータルサイト上に,マイページ機能を追加します。ホームページ上での健康ポイントの管理や,プレゼント応募が可能となります。なお,従来の紙媒体による取組も継続して実施するため,ネットを利用していない市民の皆様もいきいきポイントの取組に参加していただけます。

 さらに,利用者の歩数や体重等の変化を,統計データとして年代や性別,行政区ごとに集計し,アプリ利用の効果測定や,今後の本市の施策検討に活用します。運用開始後も,府市協調のもと,京都府の「まゆまろ」や市民協働の更なる推進のため,地域の団体のキャラクターなどにも,登場いただきます。さらに,他のアプリとの連携等,継続的なコンテンツの充実を行うとともに,健康長寿のまち・京都市民会議と連携し,市民が楽しく使い続けられるアプリにしてまいります。私は,市民の皆様が笑顔でいきいきと過ごせる健康長寿のまちこそ,全ての市民の皆様にとって住みやすいまちであると確信しています。その思いのもと,市民の皆様としっかりと手を携えながら,年齢を重ねても「京都に住んでいて良かった」と心から実感していただける「世界一健康長寿のまち・京都」を実現する取組を,今後とも全力で進めてまいります。

質疑応答

報告案件に関する質疑

(「健康長寿のまち・京都いきいきアプリ」の運用開始について)

記者

 高齢者に対する利用促進に向けた取組についてどうお考えですか?

 

市長

 国民全体の65%がスマートフォンを使っています。20代,30代では9割を超え,50代でも75%,60代以降は37%です。すこやかクラブ等と連携して,スマートフォンの使い方の勉強会を開催するなど,高齢者の方にもスマートフォンに慣れ親しんでいただけるような取組を進めてまいります。

 また,京北と左京北部の山間地域の光ファイバーを整備しました。これらの地域で一人暮らしをしているお年寄りの方にも,ICTを活用いただくとともに,スマートフォン利用促進にもつなげていきたいと考えています。

 

報告案件以外に関する質疑

(財政健全化に向けた取組について)

記者 

 財政健全化に向けた取組についてどうお考えですか?

 

市長 

 平成21年に財政健全化に向けた有識者会議を発足させました。京都市の財政構造を分析し,将来に渡ってどのような取組を進めるべきか議論いただき,方向性を明確にしました。

 自治体の財政は,行政施策が順調に進むと厳しくなります。あらゆる事業を先送りすれば,市民サービスは低下しますが,財政は厳しくなりません。市民の皆様と一緒に作った基本計画に沿って施策を進めて行くためにはお金が掛かります。必要な市民サービス,施策を進めながら,中長期に渡った財政の健全化の見通しを立てていくことが,行政において非常に大事です。政府に要望へ行くと,「京都は元気ですね,京都は財政も豊かでしょう。」と仰っていただく状況となっており,実情を御理解いただけていません。

 京都市は政令指定都市ですが,田舎的な要素もあります。大阪市は木造住宅の割合が2割であるのに対し,京都市は5割近く維持しています。木造住宅は30年建てば,固定資産税の評価額は約2割まで下がります。また,京都市は200㎡以下の家も多いですが,200㎡以下の土地は固定資産税が6分の1になります。このように,税財源から言えば,京都市は不利になっています。しかし,それを大事にしていかなくてはなりません。

 京都市の中小企業の割合は99%,中小企業で働く人は70%です。日本の経済,働く人の雇用条件は大企業と中小企業では格差がありますが,我々は中小企業が宝であると考え,大事にしていきます。また,大学生は税金をほとんど納められませんし,大学も固定資産税を納められません。しかし,これらは京都の誇るべき都市特性であります。京都市が千年の歴史と市民力を大事にしながら財政面で両立していくことは,非常に困難さがあります。

 したがって,京都の含み資産について,13,000人の職員が知恵を出し合い,活用策を導き出す必要があります。京都の先人たちは,明治維新の危機の中で,まず学校を作り,子どもを育て,芸術大学・工業高校を作りました。その明治維新から150年の節目の時に,京都の含み資産を徹底的に活かすことで,展望が開くと思います。

 今年は,パリと友好都市60周年であります。フランスやイタリアでは,手作りの物が活かされています。しかし,京都では,手作りの物は衰退の危機にありますので,これらを活かす仕組みも作っていく必要があります。

 例えば,日本酒乾杯条例を制定したことで,日本酒出荷量の落ち込みが底を打ち,良いお酒が売れ出して展望が開けてきたというお話を聞きます。このように,あらゆる知恵を出していきたいと思います。日本の最大の強みは,文化であります。芸術,ものづくりといった強みと,文化都市としての強みとをしっかりとマッチングしていきたいと思います。 

 

(本因坊戦について)

記者

 二条城で開催が決定した本因坊戦について,感想をお願いします。

 

市長

 本当にありがたいです。世界遺産・二条城での本因坊戦が歴史的な一戦になるのは間違いありません。成功に向けてしっかりと取り組んでまいります。

 

 

(民泊新法について)

記者

 政府が各自治体に向けて,自治体独自の規制を牽制するような通知を出しましたが,どうお考えですか?

 

市長

 地域住民の意向,観光も含めたまちづくりの理念,それらを無視して,国が一律的に指導するのであれば,観光立国推進基本法の趣旨に反し,極めて問題であると思います。そのため,すぐに国へ確認しましたが,そうした意図ではないとのことでした。

 我々は法律を超える条例を制定できません。しかし,京都が大切にしてきた観光客と地域住民の安心安全を確保する,心の触れ合いを大事にする,都市格を高めて双方が豊かになっていく,このような観光の理念をしっかりと条例化に活かしていきたいと思います。1月12日まで,民泊のルール案に関するパブリックコメントを募集しております。いただいた御意見をしっかりと踏まえた条例案を議会に提案したいと思います。我々は地方自治体として,地方自治の本旨に則り,市民の意向を最大限反映した条例であると国へ主張してまいります。

 

 

記者

 宿泊施設を増やす取組を進める一方で,住居専用地域における民泊を1,2月に限定する方針は矛盾していませんか?

 

市長

 観光というのは,受け皿を増やし,量を追いかけるだけではいけません。旅行者とおもてなしをする人の両者が喜んでいただける観光でなければなりません。これこそが,持続可能で都市格を高めていく観光であると思います。

 京都には74%に及ぶ山間部があります。京都の中心部は観光客で賑わっていますが,花脊や大原等の山間地域には足を運んでいただけていません。そうしたところに目を向けていただければと思っております。

 また,民泊は,空いている離れや二階をお貸しし,ホストがおもてなしをすることが本来の姿であると思います。そのため,家主不在型の全てを否定するわけではありませんが,若干の疑問を持っています。ホストがいて,観光客をおもてなしする,これは質の高い受け皿の拡充になります。概ね10分以内に管理者が駐在し,チェックイン時に,人数確認,本人確認,さらには防火,防犯の体制,近隣住民が騒音等で不安がないようにしっかりとルールを説明する。そのような状況が整うものであれば,民泊は質を高める,そして量を確保するというものになると考えております。

 

記者

 以前,集合住宅での民泊は原則認めないと仰っていましたが,それは今も変わっていませんか?

 

市長

 私はホストがいない集合住宅の民泊は好ましくないと何度も主張し,国に対してもその主旨を申し上げてまいりました。

 しかし,残念ながら,集合住宅があるがゆえに民泊を認めないということは,法律の趣旨を鑑みると,不適切となります。したがって,法律を超える条例は憲法上できませんので,それに従わざるを得ません。

 そうした中で,集合住宅には二つのパターンがあると考えています。一つは,オーナーマンションです。現在,京都市内に約1,700の管理組合があります。これまでも,民泊を認めない場合は,民泊を認めないことを管理規約にはっきりと明記してくださいと申してきました。それらが明記されていれば,民泊はできません。そうすることで,一定の歯止めになるかと思います。もし「民泊いいですよ,共存していきましょう」と,そのマンションの方々が認めるのであれば,我々が禁止するものではありません。

 もう一つは賃貸マンションです。賃貸マンションについて,厳しい問題がございます。近隣への説明も一切なく,誰が宿泊しているのかも分からないというような状態がないよう,きめ細かいルールを条例等で決めていきたいと考えています。その条例等のルール案については,我が国のトップ水準の大学教授,弁護士等々に御議論をいただき,取りまとめたものとなっています。

 

(双京構想について)

記者

 昨年6月の京都の未来を考える懇話会において,上皇の京都滞在に向けた文書を送ることになりましたが,現在はどのようにお考えですか?

 

市長

 府と市をはじめ,経済界,文化団体が参画した中で,市民の皆様の御意見も聞きながらオール京都の意見をまとめてまいりました。そして,国に対して,様々な機会を通じてその主旨が伝わるように要望しています。例えば,京都市は年末に国に対して制度改革や,予算の要望をしていますが,その中にも,京都の未来を考える懇話会における議論の要旨を明記し,国にお伝えしているところです。今後,退位に向けた具体的な日程が決まっていく中で,どのように文書を提出していくのか,引き続き,京都府等とも相談していきたいです。

 

記者

 国の議論では,上皇が住まれる所を「仙洞御所」という表現を使っていますが,京都にも「仙洞御所」がある中で,もう一つ「仙洞御所」ができることは,京都からすると違和感があると思いますが,その点についてはいかがでしょうか。

 

市長

 京都には「仙洞御所」がありますが,現状は林のようになっています。したがって,今の状況で「仙洞御所」にお住まいいただくことは,そもそもありえない状況です。また,従前から申し上げておりますが,今上天皇,皇后両陛下の御心が何よりも大事です。退位されて一切の公職から退かれ,静かにお暮しになるという時に,季節の良い時期に,京都にできるだけ長く滞在いただき,皇室ゆかりの社寺や文化施設等々へお越しいただけたらありがたいと思います。

 

記者

 上皇には京都に長く滞在していただきたいが,京都に住所を移していただかなくても良いというのは,改めて,どういうことですか。

 

市長

 季節の良い時などにゆっくりと京都にお越しいただけるとありがたいということです。天皇皇后両陛下が京都に来られた際に,旗を振って「お帰りなさい」というように騒がず,桜のきれいな時,もみじのきれいな時などに,「陛下がお越しになったようだなぁ」と,ふんわりと京都市民の中に伝わっている。そのような形が良いのではないかと思います。

 

 

(京都市の教育について)

記者

 昨年,インターナショナルスクールの後押しをしていきたいと仰っておられましたが,教育に関する取組や方向性に関するお考えがあれば教えてください。

 

市長

 4年毎に選挙で選ばれる市長,知事が教育の中身について直接関与することは望ましくないと考えておりますので,市長就任以来,可能な限り教育委員会にお任せし,発言は控えております。教育委員会がしっかりと議論し,取り組んでもらいたいと考えています。

 私は,京都の歴史や伝統,文化を子供の教育にしっかりと活かしていき,世界を視野にした教育改革を進めていくということが極めて大事だと思います。教育委員会では,日吉ケ丘高校に英語村を作るなどの様々な取組を進めていますが,そのような取組を応援していきたいと思います。

 

記者

 大阪で髪染めの問題がありましたが,この個性を潰してしまう教育に対してどのようにお考えですか。

 

市長

 多様な価値観を認めていくということは,非常に大事でありますし,寛容の精神というのも京都が大事にしてきた価値観です。同時に,それらは単純な言葉だけのものではありません。したがって,保護者を含めてどのような議論がされ,どのような意思決定がされているのかが非常に大事です。私が教育長時代,厳しい状況にあった学校では,茶髪を一切認めない,あるいは運動靴のかかとを踏んではならないと規律を徹底的にされていました。そこに茶髪の転校生が入学し,議論をしっかりとした上で,親の了解のもとに染め直してもらうという事例がありました。これに対して,色々な批判をする人がいましたが,実際は保護者の方々の総会でも学校の取組を応援していこうという背景がありました。したがって,一部分だけで議論をせず,当事者がどれだけ一人一人の子どもを大事にし,どういう手続きを踏んで取り組んできたのかを考慮する必要があります。これを第三者が形だけで批判するということは,私は控えるべきだと思います。

 当時,私はその中見についてコメントはしませんでした。市長,教育長があれこれ悪いというような判断をすべきでないと思いますし,そういった現場への配慮が大事だと思います。

記者会見資料

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