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門川市長記者会見(2015年11月20日)

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2023年4月12日

市長記者会見(2015年11月20日)

パリ同時多発テロ事件について

 はじめに,先日パリで発生しました同時多発テロによりまして,お亡くなりになられました方々,御遺族の皆様に対して,謹んで哀悼の意を表します。また,負傷者の方々にも心からお見舞い申し上げます。

  私は,事件発生後,京都にございますフランス総領事館に弔問に訪ね,ブロソー総領事御夫妻にお見舞いを申し上げるとともに,「暴力を許さない」,「パリ市民と京都市民の心はつながっている」と申し上げました。

  昨年は,ファビウス外務大臣が,今年はヴァルス首相が京都にお越しになり,京都議定書誕生の地から,COP21成功のための協力を誓い合いました。京都市としては,代表団を予定どおり派遣し,COP21成功への努力を続けてまいります。

  また,パリ市のイダルゴ市長,ヴァルス首相へも,「京都市民の心は,姉妹都市であるパリ市民と共にあります」と,お見舞いのメッセージをお送りし,世界平和のため,また,暴力,テロの根絶のために為せる努力をしていこうと誓い合ったところであります。

  このような卑劣なテロ行為は断じて許されません。厳しい社会状況ではありますが,京都市が大事にしてきた平和の理念をしっかりと市民の皆さんと共有しながら取り組んでまいりたいと思います。

「岡崎・市電コンシェルジュ」のオープンについて

 かつて京都市内には日本で最初の市電が走っておりました。その市電の車両を活用しまして,寺社や庭園,魅力スポット,イベントの開催状況など,岡崎の総合的な魅力を発信し,岡崎地域の回遊性を高める,「岡崎・市電コンシェルジュ」を12月5日に開設いたします。

 国の重要文化的景観にも選ばれた岡崎地域は,東山を望む素晴らしい都市景観の中に,琵琶湖疏水をはじめ,美しい庭園群や文化・交流施設が集積した魅力あふれる地域であります。国内外から年間延べ500万人を越える方々が訪れる国際文化観光都市・京都の象徴でございます。

 京都市では,この岡崎地域の魅力を更に磨き,京都が未来に大きく飛躍するための原動力にしようと,平成23年3月に「岡崎地域活性化ビジョン」を策定し,京都岡崎魅力づくり推進協議会をはじめ,地域の方々並びに関係機関の皆様とともに,ほんものに出会う「京都・岡崎」のまちづくりを進めています。

 9月には,平安神宮前の旧神宮道を公園や歩行者専用道路に整備した岡崎プロムナードが完成し,大変好評いただいています。平安神宮の応天門をバックに写真を撮られたり,芝生やバリアフリーの整備も行いましたので快適に御利用いただいています。

 また,先日は7年にわたり再整備を進めてきた動物園がグランドオープンしました。4頭の子ゾウをはじめ多くの動物に子どもたちからお年寄りまで親しんでいただいています。

 来年1月10日には,いよいよロームシアター京都がリニューアルオープンを迎えます。文化芸術都市・京都を世界に向けて発信する取組が着実に進んでおります。来年1年間は様々なオープニング事業を実施する予定で,皆さんに楽しみにしていただいています。

 また,昭和天皇御即位の御大典を記念し,日本で二番目の大規模公立美術館として開設された京都市美術館も,再整備基本計画が動き出しております。現在,現地では,埋蔵文化財発掘調査も始まっております。

 京都岡崎の魅力が,飛躍的に高まる時であります。岡崎地域の回遊性を高めるということで,9月には新しい市バス路線「京都岡崎ループ」の開設を行いました。一方,国内外から訪れる方々に,岡崎の全ての魅力に触れていただくためには,更なる丁寧な情報発信が必要であります。

 岡崎地域は,多彩な文化・交流施設が集積しており,これほど集積している地域は,国内で京都・岡崎だけだと言われております。ロームシアター京都から歩いて数分で美術館や平安神宮,歴史的な庭園に行くことができる地域であり,琵琶湖疏水を利用した日本最初の商業用水力発電所の建設,更には,その電力によって,日本初の電気鉄道が営業を開始した地域でもあります。

 そこで,岡崎の魅力を存分に感じていただくため,市電コンシェルジュを設置いたします。明治28年に開通し,昭和20年まで市電が走っていた岡崎地域にとっては,70年ぶりの復活となります。

 岡崎・市電コンシェルジュは,岡崎地域の中心であり,交通のアクセスが良い,神宮道と二条通の交差点南西にある岡崎公園交番の南側に開設し,新たな岡崎のシンボルにしたいと考えています。

 岡崎・市電コンシェルジュでは,京都市美術館やロームシアター京都,みやこめっせ等の文化・交流施設で開催されるイベント情報や平安神宮や南禅寺をはじめ,豊富な文化財や著名な寺院・神社,植治の庭等の見どころ,飲食店情報などの情報を発信してまいります。

 京都検定1級合格者を中心とするボランティアガイドが,見どころをつなぐモデルコースを案内し,さらに,行楽期の土曜日,日曜日,祝日には,英語で対応ができるボランティアガイドも配置してまいります。

 また,運営者である京都岡崎魅力づくり推進協議会のネットワークを存分に活用した,最新の岡崎情報をお届けします。

 市電は,北区の大宮交通公園に展示しておりました市電車両を改修し,外装の案内板や,内装の一部には,京都市産業技術研究所で開発された屋外用の「うるしぬり塗装」を施しています。京都市産業技術研究所は,100年の歴史を持っており,京焼や清水焼の釉薬や漆,お酒の酵母の開発など,京都の伝統産業,中小企業の支援を技術面で行ってきました。

 漆塗装は,日本古来から使われてきた伝統技術ですが,紫外線や熱に弱く劣化しやすい,乾燥に時間がかかるなど,屋外での使用は困難とされてきました。しかし,京都市産業技術研究所において,乾燥しやすく,耐久性に優れた漆を開発しました。伝統と革新の融合であります。新たな時代を切り拓いてきた岡崎を象徴するものとして漆で市電を塗装しました。夜にはライトアップもいたします。

 また,高齢者の方や,お子様連れの方などが利用しやすいよう,出入口にスロープを設置するとともに,誰でもインターネットを利用できる「京都どこでもインターネットKYOTO Wi-Fi」を整備し,おもてなし機能を充実いたします。

 開所日・開所時間につきましては,資料に記載のとおりです。

 この「岡崎・市電コンシェルジュ」で,多くの皆様に岡崎エリアの魅力,歴史,産業,文化,自然あらゆるものを知っていただき,効果的,効率的に奥深いものを感じていただける取組を進めてまいります。

「民泊」対策検討プロジェクトチームの設置について

 次に,「民泊」対策プロジェクトチームの設置についてであります。

 「世界があこがれる観光都市・京都」を目指して,現在,京都市では191の観光振興の施策を市民ぐるみで実施しているところであります。お陰様で,外国人観光客を含めて,多くの方が京都を訪ねていただき,感動していただいております。その中で,私たちは,安心・安全で魅力溢れる宿泊施設の整備促進が極めて大きな課題であると認識し,そのことも観光振興計画の中に明確に位置付けております。

 一方で,増大する宿泊需要を背景にしまして,インターネットを介してマンションの空き部屋等に宿泊者を泊めるといういわゆる「民泊」が全国的にも急増し,京都も例外ではありません。

 しかしながら,こうした宿泊施設については,旅館業法等の関係法令による許可を得ておらず,施設の安全管理上,極めて問題が多いものもあります。また,宿泊者のマナー違反など,周辺の市民の方々とのトラブルも絶えない状況に至っております。

 私は,かねてから,京都に宿泊をされるお客様の安心・安全の確保と周辺の市民の方々の生活との調和が確保されてこそ,京都の最高の「おもてなし」であると申し上げてまいりました。

 こうした状況を踏まえまして,関係部局の連携の下,急増する「民泊」の実態を把握するとともに,課題の抽出などを行い,京都にふさわしい,安心・安全で市民生活と調和した宿泊環境の整備方針の検討を進めてまいりたいと考えております。

 この度,12月1日(火曜日)付けで,庁内に「民泊」対策検討プロジェクトチームを設置いたします。

 プロジェクトチームでは,1点目として,市内の「民泊」に係る実態調査を行います。2点目は,市民及び「民泊」事業者に向けた啓発を行います。3点目は,実態調査の結果を踏まえまして,関係法令の遵守を促してまいります。4点目は,市民生活との調和を図る方策や京都にふさわしい宿泊施設の整備促進に当たっての課題抽出を行い,今後の安心・安全で市民生活と調和した宿泊環境の整備に向けた具体的な方策の策定につなげてまいります。

 このプロジェクトチームは,糟谷観光政策監をチームリーダーとします。京都市の観光政策監は,市長,副市長と各局長の間に位置し,観光という視点から京都市の施策を横串に指す,全庁を横断する役割を果たしております。

 粕谷観光政策監をチームリーダーとして,「民泊」の実態調査を担当する産業観光局,旅館業法を所管する保健福祉局,建築基準法を所管する都市計画局,消防法を所管する消防局並びに区政に関する連絡調整を担当する文化市民局の5局の部長級職員をサブリーダー及び課長級等で構成します。

 旅館業法に基づき,安心安全で衛生的な宿泊環境の確保及び消防法による防火,さらに,建築基準法に基づく建物等の安全確保など,総合的に進めていきたいと考えています。

 「日本のこころのふるさと・京都」の強みを活かして,世界中の人々に京都観光で感動していただきたいと思います。同時に,京都の厳しい状況にある中小企業,伝統産業,伝統文化の活性化につなげ,安定した雇用の創出につなげていきます。

 そのためにも,安心・安全で周辺住民との調和のとれた宿泊施設が大事でありますので,そうしたことを念頭に取組を進めてまいりたいと思います。

質疑応答

報告案件に関する質疑

<「民泊」対策検討プロジェクトチームについて>

(実態調査について)

記者 
 今回京都市が実施する実態調査の完了時期はいつ頃を予定しているか。

市長
 スピード感を持って取り組み,2,3箇月で調査を完了させたいと思っています。

記者
 実態調査について,具体的にはどのような方法を想定しているか。

市長
 ネット上に掲載されている情報の収集や宿泊事業者,周辺住民,また,旅館関係者等からのヒアリング等により進めてまいりたいと思っています。並行して,今も市民の皆様から,いわゆる民泊について,様々な通報や相談等があります。その数は,この間91件に上ります。また,インターネット上にも多くの民泊に関する情報が掲載されております。この中には,しっかりと旅館業法に基づいて許可を取っていたもの,手続きを行えば,簡易宿泊所として許可を得られるものがございます。

 一方で,旅館業に該当していないというものや営業を中止しているもの,現在,本市が指導を行っているものなど,様々な事例があります。現状のルールに基づいた啓発を行いながら,実態調査を通じて民泊の実態を把握するとともに,課題の抽出などを行い,京都にふさわしい,安心・安全で市民生活と調和した宿泊環境の整備方針策の検討を進めてまいります。国においても,検討が進んでおりまして,特区の問題だけでなく,新たな方策を検討していくということが新聞等で報道されております。京都市としましても,独自にきちっと取り組んでまいります。

記者
 プロジェクトチーム体制の人的規模は。

市長
 チームは市役所の観光政策監,部長,課長級で構成し,全体で10数名になると思います。

(民泊に対する方向性について)

記者
 京都市は,条例で民泊を認める方向性なのか。または規制する方向性なのか。

市長
 認める,認めないの問題ではなく,旅館業法や建築基準法,消防法等を順守した運営をされることで,いいおもてなしにつながることが大事であります。毎年行っている観光客を対象にしたアンケートでは,宿泊施設が予約できないという点が大きな不満となっております。良質な宿泊施設が不足していることが京都観光の最大の課題の一つと認識しております。

 その中で,本市では,新たに農家民宿を宿泊施設として認定する制度や全国で初めて一棟貸しで町家を宿泊施設にする際に玄関帳場の設置を緩和できる制度を条例化するなどの取組も進めております。安心・安全と周辺住民の静かな生活を確保することが,最大のおもてなしであります。そのことを踏まえた上で,条例化するかしないかの二者択一ではなく,どのような解決策があるのかを模索し,施策を打ち出していくためのプロジェクトであります。

(民泊の条例化について)

記者
 今回のプロジェクトチームで実態調査を行い,課題を抽出したうえで,条例の制定も検討するという理解でよいか。             

市長
 条例の制定が必要かどうかを検討したいと思います。例えば,大原野の市街化調整区域で使われていない民家があります。しかし,そこは宿泊施設にできないため,規制緩和して宿泊施設にできないかというアイデアが,地方創生で募集した提案の中にございました。こうした規制緩和は,周辺住民の迷惑になりません。しかも,地域の活性化に繋がります。こういったアイデアは他にもあると思います。そうしたアイデアや課題を抽出したうえで,政策として展開するためのプロジェクトでございます

報告案件以外の質疑

(COP21について)

記者
 関連行事は中止するという報道もあったが,京都市としては予定どおり職員を派遣するのか。中止すると言う話は聞いていないのか。

市長
 派遣する方針に変更はありません。中止するという話も聞いておりません。先日,ブロソー総領事と話をした際に,京都市が予定どおり職員を派遣することを伝えたところ,パリの方は喜んでおられるという説明がありました。京都市としては,現地から来ないでくださいという判断が出されない限りは,京都議定書誕生の地として,しっかりと役割を果たしたいと思っています。私自身が行きたかったのですが,市会の開会中のため,地球環境エネルギー政策監の松本政策監を先頭に,4名の職員を派遣したいと思います。

(小学6年生による大麻事件及び軽犯罪認知件数の受け止めについて)

記者
 先日,市内の小学6年生が大麻を吸っていたということが明らかになったが,教育長も経験されている市長はどのように受け止められているか。

市長
 この5年間で,京都市内の小・中・高校生で大麻を含む薬物による補導事案等がなかった中で,高校生が大麻の所持等で逮捕される事態があり,大変な驚きと危機感を覚えております。教育委員会において,ただちに全市の校長先生に集まっていただき,地域や保護者,警察との連携をさらに強化し,徹底した薬物の乱用防止に向け一歩踏み込んだ取組をスタートさせました。しっかりと教育委員会をバックアップし市役所全体,市民ぐるみで取り組んでまいります。

 危険ドラッグは市内でほぼ入手できないようになり,取組が大きく前進している一方で,専門家によりますとその部分が大麻へと流れていることも指摘されています。こうした中で,今回の小学6年生についてですが,今,小中学校でも喫煙指導も含めた薬物乱用防止教育を徹底して行っており,「たばこを吸わない・吸わさせない」という指導をPTAも含めて徹底して行っていただいています。該当の小学校においても,徹底した喫煙指導を行っている中で,子どもから「兄の部屋で吸ったことがある」という告白につながったことが発見の契機と聞いております。学校がただちに警察と教育委員会と連携することができ,学校が喫煙指導も含めて徹底して指導し,子どもの発達に悪影響を及ぼすものを排除していく取組が非常に大事であると,改めて関係者が実感したところであります。学校の指導で発覚したことを大きな教訓として,今後ともより一層学校の中での喫煙指導を含めた薬物乱用防止教室についてPTAや地域とも連携し実施していく必要があると実感しています。

 全ての中学校・高等学校で「薬物乱用防止教室」を実施していますが,薬剤師会や警察との協力のもと,小学校全校で実施できるよう教育委員会において全力を挙げているところであり,しっかりとバックアップしたいと思います。

記者
 これほどまで若年層に大麻等が広がっている原因をどうお考えか。

市長
 社会全体の病理現象が根本原因だと思いますが,一つは特定の人にしか入手できなかったものが,インターネットでの入手が容易になっていることであります。大人が,親が,教職員がそのことを共有し危機感をもつ必要があります。2つ目が,家庭も含めた教育力やしつけ,親子の会話などがかつてより弱まっていることです。高校生だけでなく小学生も含めた子どもが大麻に関わっていることに親が無関心,知らないという状況もあります。

 PTAでは,PTAが中心となって制定した「京都はぐくみ憲章」では,もう一度子どもを見つめ,子どもを社会全体の宝として,親だけでなくみんなで見守り育てていく,そんな京都の機運や伝統をもう一回活かそうと取り組んでいただいています。あらゆる方策を徹底して,とりわけ京都ならではの地域力と学校教育を結ぶ,行動するPTAの力と結ぶことが大事であると実感しています。

 なお,青少年の刑法犯の認知件数は今年1月から市内で4割を超えて下がっています。全体数でも子どもの犯罪は大きく減少している中での問題であります。しっかりと取り組めば克服できますし,克服していかなければならないと思っています。

記者
 市内の軽犯罪認知件数は減少し政令市16位くらいで全国ワースト上位から改善されているが,近年ワースト1~3位と高かったが,その要因はどうお考えか。

市長
 一つ目は自転車に関わる犯罪,いわゆる自転車泥棒が多いということであります。自転車泥棒が少ないのは札幌市や仙台市でありますが,それらのまちは自転車が少ない。京都市は自転車に絡む犯罪率が圧倒的に多く自転車のまちであります。

 二つ目は,再犯率が高いことであります。この間,そこに焦点をしっかりと当てた指導をやってきました。万引きなどの再犯が多かったのですが,自転車や万引きの犯罪は大きく減少しています。やれば結果が必ず出るとういうことを実感しています。

記者会見資料

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