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門川市長記者会見(2015年9月16日)

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2015年9月17日

市長記者会見(2015年9月16日)

普通河川整備プログラムの宇多川支川・荒木川・谷田川の対策工事完了及び浸水被害対策の進捗と災害に対する体制の強化について

(冒頭のあいさつ)

 全国で台風,豪雨等による浸水被害が発生しております。京都におきましても,連続して様々な被害が発生しています。
 2年前,平成25年の台風18号は,京都に多くの被害をもたらしました。
 それを受けまして,本日は,平成25年10月に策定した「普通河川整備プログラム」の8つの対象河川のうち,3河川について,対策工事が完了しましたので,御報告します。
 また,大雨による河川からの浸水災害等の発生を未然に防止し,被害を最小限に抑えるための対策や,万が一,災害が発生してしまった場合に,早急に災害からの復旧を行うための体制の強化などに取り組んでおりますので,併せて御報告します。

(取組の背景)

 本市では,これまでから,河川改修と下水の雨水幹線整備を2本柱として,浸水対策を強力に進めてまいりました。
 この間,昭和45年から平成21年までの40年間で,床上・床下浸水被害件数は約20分の1に減少してきました。10年単位でみますと,昭和45年から54年は,年平均1,000件程度の被害がありましたが,平成12年から21年では年平均45件に減少しています。しかし,平成22年度以降は増加傾向に転じております。
 その中で,本年3月に,雨水浸透ますや雨水貯留施設,森林整備などを進めるハード対策と,防災情報の収集・伝達,災害体制の充実などソフト対策を融合させた総合的な取組である「雨に強いまちづくり」を着実に実行するための計画として「京都市「雨に強いまちづくり」推進行動計画」を策定しました。この計画のもと,行政と地域が一体となって連携し,河川改修等のハード対策と併せて,浸水被害をソフト面からも最小限にしていく取組を進めています。
 京都市内には,380の河川があります。国が5河川,京都府が53河川を管理し,本市では,340の河川を管理しています。そのうち18は府が管理する河川の一部を京都市が管理していることから,この部分は重複しています。
 本市の管理する河川の総延長は489キロに及びます。しっかりと治水対策等を行い,責任を果たす一方で,国及び府に対しても,それぞれが管理する河川の適切な維持管理に早期に取り組んでいただけるよう要請しています。

(宇治市等で発生した浸水被害を受けた対策)

 平成24年8月に宇治市等で,小さな河川が局地的豪雨によって氾濫したことで,大きな被害が発生し,2名の方の尊い命が失われました。
 これを教訓に,京都市では,直ちに,過去に浸水被害があった河川,また,川底が周囲の土地よりも高い位置にある天井川など73河川について緊急総点検を行いました。
 そのうち,早急な対策が必要である39の河川については,京都市会で緊急の補正予算を組んでいただき,「浸水予防緊急対策」として,川底をさらって,堆積物を取り除く浚渫や傷んだ護岸の補修などを行い,翌年7月末までに対策工事を完了いたしました。この結果,平成25年の台風18号や昨年8月の豪雨の際にも,これらの河川での大きな被害はありませんでした。

(対策工事の具体的内容)

 また,過去30年間に浸水被害が発生した河川のうち,抜本的な対策が必要な8つの河川において,「普通河川整備プログラム」を策定し取り組んでまいりました。
 その中で,今回,対策工事が完了したのが,宇多川支川,荒木川,谷田川の3河川です。工事は,宇多川支川と荒木川で護岸のかさ上げを行いました。谷田川では河床の切下げを行い,治水安全度の向上を図りました。いずれも,部分的な対策で高い効果が得られるため,先行して取り組んできたものです。対策が必要な箇所が部分的なものであっても,そこから溢れたら大きな被害が発生しますので,重要な対策であると考えています。
 残りの5つの河川につきましても,現在,竹田川,奥殿川,西ノ川で,河川整備の詳細設計を進めております。用地取得など地元の皆様の協力をいただいたうえで,来年度以降,改修工事を急いでまいりたいと考えています。
 泉川,千代原川につきましては,地形等の様々な課題があります。課題に対応するため,現在,河川改修やバイパス水路,さらに,地下貯水槽の設置など,あらゆる手法を総合的に組み合わせた,最も効果的な方法について検討しています。
 本年3月に,左京区の一乗寺公園の地下に小学校のプール6基分の第二太田川調整池を作りましたが,先日の豪雨の時も効果を発揮しました。
 もちろん,浚渫等の河川のしっかりとした維持管理についても当然のこととして進めてまいります。

(本市が進める浸水被害対策)

 本市では,この他に,ハード面として,河川からの浸水被害を防ぐため,様々な対策に取り組んでおります。 
 一昨年の台風18号が接近した際に,桂川,有栖川の合流地点における水位の上昇に伴い,幹線水路から有栖川への排水が困難となったことから,水路から水が溢れだし,右京区の梅津地域におきまして,171件の床上・床下浸水被害が発生いたしました。梅津地域の皆様に大変な御心配をおかけしてしまいました。
 被害を受け,本市では,直ちに浸水対策の検討に着手し,土地所有者の迅速な御理解をいただきまして,構口樋門に台風18号と同程度の流水を処理できる排水ポンプを完成させることができました。今月2日も朝まで洪水警報が発令されておりまして,地域の皆様に完成を喜んでいただきました。
 また,市内の各河川の浚渫や除草などのきめ細かい対策が大きな効果を上げていることから,河川の維持管理費の予算を,昨年度の約1億3千万円から今年度,約2億2千万円と約7割増額いたしました。今後も,日常的な点検と緊急の対応を,年間を通じて取り組んでいきたいと考えています。
 さらに,国の機関である淀川河川事務所と緊密に連携しまして,桂川における水防活動にも使用できる土のうをあらかじめ準備するなど,大型台風接近時に備えた予防的な対策を行っています。
 この他に,一級河川旧安祥寺川などの河川改修事業を引き続き進めてまいります。
 また,本年4月に策定した「排水機場長寿命化修繕計画」に基づき,排水機場の機能を維持するための,機器の更新・整備などに取り組んでおります。

(災害に対する体制の強化等)

 ソフト面の対策として,災害に対する体制の強化を行っています。
 京都市では,大雨などにより災害発生のリスクが高まってきた場合には,1号から5号に分類される災害活動体制に基づき災害対策にあたっています。
 この1号と2号の間に,「土木2号」を設置し,土木事務所や区役所へ情報収集を目的として,あらかじめ,本庁の所属から情報連絡職員を配置するとともに,みどり管理事務所や本庁の所属から土木事務所へ応援職員を派遣し,河川等の浸水被害や土砂災害の発生に備えた災害活動体制の強化に取り組んでいます。
 また,事前の対策としまして,出水期の前や,大型台風の接近前には,土木事務所によるパトロールなど,予防措置を講じるとともに,災害発生時には,交通規制や災害状況の把握などに迅速に対応しています。
 以上のように災害を未然に防ぐために,多種多様な対策を講じていますが,万が一,災害が発生した場合には,災害復旧の事業を実施する土木事務所の人員が不足してしまうことがあります。
 このようなときにも,早急な災害復旧を実施できるように,本年7月に災害復旧支援隊を創設しました。建設局の技術職員全員を応援職員と位置付けるとともに,あらかじめ当該職員の派遣順位を指定し,迅速に復旧作業が実施できるように体制の強化を図っております。

(結び)

 毎年のように災害が発生いたします。こうしたことに備えまして,地域の皆様とともに,水防団,消防団,自主防災会などと一体となって,訓練を重ねるなどして,「雨に強いまちづくり」に万全を期してまいりたいと考えています。

質疑応答

報告案件に関する質疑

(京都市と京都府が重複して管理する河川について)

記者
 京都市が管理する340の河川のうち,京都府と重複管理する18河川について,二重行政の観点からどのように考えるか。

市長
 京都市は340の河川を管理しています。このうち,京都府が管理する18の河川で,一部分を本市が管理しているということであります。河川の管理というのは,国と都道府県と基礎自治体で行っていますが,しっかりと連携して,それぞれが責任を果たしていくのが重要だと思います。
 例えば,桂川は国が管理しています。そこに合流する有栖川は府が管理しており,さらに,有栖川に合流する水路は京都市が管理しています。   しかし,桂川の改修が進んでいないので,豪雨等により流量が増すことで,支川から本川への排水が困難になり,支川に水が逆流してしまいます。逆流を防ぐため,樋門を塞ぎますと,水が溢れ,浸水が発生します。このような状況を受けて,本市では,右京区の梅津地域に排水ポンプを設置して,浸水被害を防ぐなど,1箇所,1箇所,地域の実情に応じた対応を行っています。
 桂川では,ようやく河川改修の工事が始まることになりましたが,工事の完了まで概ね5年の年月がかかるということであります。河川の大規模な改修というのは,川下から進めていくのが原則となります。このため,桂川の上流域にある京都市では,工事の完了まで年月を要します。この間,しっかりとした管理河川の改修や維持管理を行っていくと同時に,国,府に対して,迅速で,抜本的な改修を要望しているということであります。

(京都市が進める河川整備プログラムの実施基準について)

記者
 最近は50年に一度と言われる災害の発生や,特別警報等の発令が各地で続いているが,京都市が進める河川整備プログラムの実施基準をより厳しいものに見直すなどの考えはあるか。

市長
 京都市では,平成24年の宇治市等で発生した災害に対応して,改修が必要な河川に対する応急措置を実施するとともに,緊急対策を講じ,1年以内に「浸水予防緊急対策」として,河川の堆積物を取り除く浚渫や護岸補修などの対策工事を完了させました。この結果,平成25年の台風18号においても,京都市では,人命被害はありませんでした。
 現在は,緊急対策のひとつとして平成25年10月に策定した「普通河川整備プログラム」に基づき,順次,対象河川の対策工事を実施しています。
 本年の3月には,平成25年の台風18号での教訓をふまえて,「京都市「雨に強いまちづくり推進行動計画」を策定して,「ながす」,「ためる・しみこませる」,「くみだす」,「つたえる・にげる」,「そなえる・まもる」を,5つの基本方針として,行政と地域が一体となって連携し,ハードとソフトの両面からなる総合的な取組を実施しています。
 現行の計画に基づいた河川改修等の取組を行うとともに,国,府そして京都市が連携した取組が重要であると考えています。先日,京都府知事と京都市長による会談が行われました。この中でも,山科区の安祥寺川等の河川改修について,京都市としても地域の災害対策に全力をあげて取り組むので,府が管理される河川改修についてもお願いしているところであります。

(災害時の氏名公表について)

記者
 茨城県常総市の水害において,行方不明者の氏名が公表されず混乱があった。京都市では,災害の際に行方不明者が出た場合,氏名公表を考えているのか。

市長
 災害時の対応については,「空振りを恐れず,手後れを恐れる。」ということを念頭に,避難情報等を発令しています。今回の水害は,避難情報を早期に発令することについていい教訓になったと思います
 また,氏名の公表等については,現在,氏名を公表するルールがございませんので,今回の事案を今後の対応策に活かしてまいります。

報告案件以外の質疑

(マイナンバー制度を利用した還付制度について)

記者
 財務省が,消費税増税に合わせてマイナンバーカードを使った増税分の還付制度を検討しているが,市長のお考えは。

市長
 国において,消費税の増税が,可能な限り低所得者の生活に影響を与えないよう検討していただきたいと思います。
 また,還付申請の際にマイナンバーカードを必要とする制度にすることについては,なお研究していただきたいと思います。

記者
 還付制度自体,実現は難しいというお考えか。

市長
 私も正式な説明は受けておりませんので,より良い制度を創設していただきたいと考えております。 

(北陸新幹線の小浜ルートについて)

記者
 北陸新幹線について,石川県知事と富山県知事が,京都駅を通るルートが望ましいと発言しているが,市長はどうお考えか。
 また,関西広域連合以外にも京都駅を通るルートが望ましいとしている自治体と連携する予定はあるのか。 

市長
 「京都駅を通ることが各府県の願いである」という声が自然と出てくるのは,好ましいことであり,歓迎しております。関西広域連合においても,そういった声が大きな影響を与えていくのではないかと思います。
 こういった声をいただくのは,京都の都市格が向上したことの表れだと思いますし,この流れを文化庁の京都誘致につなげていきたいと考えています。

(大阪維新の会の動きについて)

記者
 年末の退任を表明している大阪市の橋下市長が,年末に行われる知事と市長のダブル選挙において,再び大阪都構想を争点化する発言をしていることについて,市長はどうお考えか。

市長
 大阪都構想が議論されているときから,大阪のことは大阪で考え,より良い選択をしていただきたいと申し上げておりますので,コメントは差し控えたいと思います。

記者
 首長が国政政党をつくることについてはどうお考えか。

市長
 そのことについても,私は評価をする立場にないと思います。大阪の方や関係者が,日本の未来のためになるよう判断していただければと思います。

(二条城のバス駐車場について)

記者
 二条城のバス駐車場について,反対運動が起こっているが,計画の見直しはあるのか。

市長
 駐車場を計画している東側空間は,東大手門,隅櫓などがあり,二条城の中でもとりわけ象徴的な場所であります。現在,その場所に観光バスが並び,風情を害しているという御意見を国内外から多くいただいております。そういった御意見や地域の方々の御意見を受け止めて整備計画を作りました。引き続き,しっかりと説明しながら取り組んでまいります。
 また,京都市会におきましても,「苗圃で育ってきた木を保存しながら整備を行う折衷案はないのか。」という御意見も出されておりますので,そういった御意見も踏まえながら,丁寧に進めてまいります。

記者
 駐車台数を減らした場合,他の場所に減らした分の台数を確保する方針か。

市長
 これから検討する中で知恵を絞りたいと思います。

記者
 今のスケジュールは実現可能だと思うか。

市長
 どうしてもその時期に完成させようとする事業ではありません。二条城の世界遺産としての価値を高めていこうとする重要な事業であります。丁寧な検討をして,より良い案を作りたいと考えております。

(府市協調による中央卸売市場の再整備について)

記者 
 先日の府知事との懇談会の関係で,府は1年前には中央卸売市場の再整備について前向きであったが,1年間進捗していないように思える。協議会を作るとのことだが,いつ始めるのか。

市長 
 府市協調はあらゆる面で大きく前進しています。消防学校の共同化は私たちの悲願でした。府域の消防力が向上し効率的な行政に資することになります。府とは話し合いを重ねて,重ねてここまでよくできたなと思っています。衛生環境研究所もそうであります。一つ一つ積み上げていくことの大事さを実感しています。
 中央卸売第一市場,第二市場については,今,お互い産みの苦しみの時だと思っています。プラス思考で前向きに取り組んでまいりたい。
 とりわけ地方創生元年であります。市内に牛・豚は一頭も飼育されていません。第二市場が府域の畜産振興や京都の食文化の進展に大きな役割を果たしていることは府も十分理解されています。同時に京野菜,京都の魚介類なども一部を除く全てと言っていいくらい市域外の府域のもので,それらを大切にしている。市場がどれだけ大きな役割を果たしているかということであります。市場関係者は厳しい状況にあります。市場の機能なくして漁業も農業も畜産も成り立たないとおっしゃっていて,そのことは府も御理解されています。
 府市ともに財政が厳しいですが,より府下全域の発展のためにしっかりと協議を積み重ねていきたいと思います。

(シルバーウィーク期間中の四条通の渋滞対策について)

記者 
 今週土曜日からシルバーウィークの連休が始まるが,四条通の渋滞対策について,現在の見通し,混雑の見通しは。

市長 
 春の桜のシーズンは大変な御迷惑をおかけしました。あらゆる取組を総動員して進めてまいりました。また,多くの市民,他府県の方の理解が深まっています。シルバーウィーク,あらゆる状況に的確に対応できるようになお緊張感をもって取り組みます。
 先日の経済団体との話し合いの場でも,評価いただく声がずいぶん増えてきたなと実感しています。理念を大事にしながら取り組むまちづくりは,なかなかすぐに理解していただけない面があります。
 建設関係のある方が,「市長ブレないでがんばろうな」とおっしゃられまし た。「景観政策の時には賛成できなかった。しかし,ここにきて,京都の都市格が大きく向上している。そのことが経済も含めて大きな好循環を生んでいる。歩くまち京都・公共交通優先の取組が,この10数年かけて進んできているわけだからブレないでやっていくことが大事だ。」という激励もいただいています。もちろん,不満に思っておられる方にも丁寧な説明をして進めてまいります。

記者
 一定の混雑はやむを得ないということか。

市長
 みんなで努力すれば渋滞はしません。現にゴールデンウィーク,祇園祭の際にも大きな渋滞は発生しませんでした。
 デモ行進の際には渋滞は発生しますが,国民の権利として保障されていますので規制するわけにはいきません。事前に情報を得ていますので,バス車内できっちりと説明しています。
 なお,去年と比べてバスの運行状況はほぼ同じであります。また,20年前のマイカーで京都に来られる観光客は41.7%でありました。2年前は15.1%,昨年は9.9%に減りました。今年はもっと減る見込みであります。
 「歩くまち京都・公共交通を優先しましょう,歩いてこそ京都の魅力を感じていただける」ということを10数年徹底して申し上げてきました。多くの方の共感を得ています。もしこれらの取組がなければ,これだけの観光客で京都のまち全体が渋滞で大変なことになったはずです。観光も振興させ経済も活性化させ,同時に人優先,環境や健康にもよい取組です。ブレずに推進していかなければならないと思っています。

(安全保障法制関連法案採決について)

記者 
 早ければ今晩,安全保障関連法案の採決がされようとしている。各種世論調査では国民の理解が高まっているとはいえないが,市長のご意見は。

市長
 戦後70年,今年は特に歴史を振り返り,平和の尊さを多くの国民が実感し,この平和をどう維持していくのかを考えた1年だと思います。同時にそれぞれの立場の方が平和を思い取り組んでおられますが,国民的なコンセンサスを得るための,冷静な議論が日本の未来にとって大事です。国におかれてはより一層,説明責任に力を入れてもらうことが何よりも大事だと思います。

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