スマートフォン表示用の情報をスキップ

門川市長記者会見(2015年6月2日)

ページ番号183494

2023年4月12日

市長記者会見(2015年6月2日)

新消防指令センター及び高度救急救護車の本格運用開始について

 本日は私から2点御報告申し上げます。まず初めに,本日,新消防指令センターと高度救急救護車の本格運用を開始いたしますので御説明申し上げます。

 消防指令センターは,119番通報を受け付けてから,災害場所の決定,出動部隊の編成と出動指令,現場活動の支援などを一体的に行う消防活動の中枢を担う重要な施設です。

 新消防指令システムは,平成24年度から3年かけて整備を行い,昨年12月からの仮運用を経まして,本日本格運用を開始するものです。予算は20億円,国の交付税等の支援を受けております。

 今回の整備では,増加する救急需要や,地震や風水害など大規模災害に対して的確に対応するため,「情報収集機能」と「情報共有機能」を強化しています。

 その主な内容について3点申し上げます。

 1点目は「情報共有と指揮機能の強化」です。災害現場の指揮者にノートパソコンやタブレットを配備することにより,例えば,火災現場等で必要となる地図,航空写真,危険物等の情報,高所カメラやヘリからの映像などを,消防指令センターからリアルタイムで送ることができるようになりました。

 さらに,災害建物の裏側などの現場指揮本部から死角となる場所をタブレットで撮影し,その映像を「現場指揮本部」や「消防指令センター」に提供し,部隊増強等のより適切な判断,活動方針の決定が可能となります。

 2点目は「消防指令センターの機能の強化」です。119番通報を受信する「指令台」を7台から9台に増設したほか,1台の指令台を2分割して2人で運用する「大規模災害モード」を搭載し,大規模災害時には最大18の指令台で,より多くの災害受信・出動指令の発令等を行うことができます。後ほど御覧いただきたいと思います。

 また,新消防指令センターは,床面積を170㎡から230㎡へと約3割増加したため,大規模災害時に職員を非常召集した場合の活動スペースなどが確保され,災害処理能力が格段に向上します。

 その他,消防指令センターの前面に,110インチの大型マルチスクリーンを5面配置し,災害活動に必要な情報を一目で確認できるようにすることで,情報収集機能を強化いたします。

 3点目は「迅速な病院選定による救急活動の効率化」です。全ての救急隊にタブレットを配備し,傷病者の救護場所においても,救急病院の収容可能状況等を確認することができ,より,迅速な病院選定が可能となります。

 これらの最新鋭の情報機器や通信機器を最大限に活用し,あらゆる災害に対して迅速,的確に対応してまいります。

 

 もう1つは,政令市で初めて導入し本日から本格運用を開始する「高度救急救護車」でございます。消防機関では,東京都に次いで2例目となります。

 導入の契機となったのが,平成24年4月に祇園地域で発生した集団救急事故であります。多くの死傷者が発生し,大変痛ましい事故でした。

 この事故の教訓をいかすために検証委員会を設置し,専門家による検証をしていただき,応急救護拠点を早期に開設することや,迅速に治療の順番を決めるトリアージを行うこと,医師との連携強化を提言していただきました。

 本市では,祇園地域での事故以降,出動態勢の見直しや医師との連携強化に積極的に取り組んできたところでありますが,集団救急事故現場において,環境に左右されない安全で清潔な応急救護拠点を早急に開設する必要があるため,本車両を導入することとしました。

 主な特徴としては,災害現場において,約5分で応急救護所が設置できます。また,室内には,ベッドを最大6床設置できるほか,手術室などで用いられる照明設備等が設置され,医師による軽易な手術など医療処置をその場で行うことができます。

 運用方法といたしましては,本車両は,おおむね重傷者を含む多数の傷病者が発生又は発生が予想される事故のほか,現場の要請に応じて出動していくことといたします。

 災害現場では,主に重傷者を一時的に収容する応急救護拠点にするとともに,災害状況に応じて軽症者等の一時収容場所として活用します。

 一方,祇園祭などの大規模な祭礼等の消防警備におきましても,室内空間や空調機能を利用した一時的な救護所としての活用も考えていきます。

 なお,配備先につきましては,当面消防活動総合センターといたしますが,平成29年度に京都市立病院の敷地内に設置される「新四条消防出張所(仮称)」の運用開始に合わせて,配置換えを予定しています。

 最後に,本市の救急体制に係る取組について紹介させていただきます。参考資料を御覧ください。全国的に救急出動件数が増加しており,本市におきましても救急出動件数が10年前より約1万件増加しています。

 そのような中,救急隊が通報から現場にいかに早く到着するかということが大事になるのですが,それに要する時間が,全国平均では過去10年で約2分増加し8分30秒となっているところ,本市では,6分台を維持し,6分35秒となっています。政令市では1番早く救急車が現場に到着し,救命率の向上につなげています。

 これは,救急隊の増隊をはじめ,消防指令システムにおける消防車両動態管理システムなどを全国に先駆けて導入してきた様々なシステムの効果が表れてきていると思っていますが,今回の体制強化で更に迅速な救急活動に全力を挙げてまいりたいと考えています。

 また,市内の全救急隊に救急救命士を2名配置し,メディカルコントロール体制のもと,医師による医学的な観点から救急救命士等が行う応急処置の質の確保や評価を行い,救命効果の更なる向上を目指してまいります。

 さらに,本市では,平日夜間及び休日の救急患者発生に対しまして,民間病院を中心とした輪番制で救急患者を受け入れる「病院群輪番制病院運営事業」を実施し,重症患者のたらい回しを防止するなど,大きな効果を挙げています。

 具体的には,京都市・乙訓地域を4つにブロック分けし,ブロック毎に,夜間や休日における病院の空きベッドをあらかじめ確保しておくという取組です。

 今後とも,消防と医療との連携強化を図りながら,危機管理が大きなおもてなしでございますので,世界一安心安全なおもてなしのまち京都の推進に全力投球してまいります。

 なお,午前11時から,運用開始式を執り行いますので,よろしくお願いいたします。

いわゆる「ごみ屋敷」に住まわれる方への支援について~条例施行後半年が経過 支援を基本として大きく前進~

 次に,昨年11月に施行いたしました,「京都市不良な生活環境を解消するための支援及び措置に関する条例」が5月で半年が経過いたしました。支援を基本とした取組が大きく前進しておりますので,その状況を御報告いたします。

 ごみのため込み等により,近隣を含む生活環境に悪影響を与えるいわゆる「ごみ屋敷」の問題の解決に向けて,議会でも御議論いただき,市民の皆さんの意見も頂戴し,条例を制定いたしました。

 いわゆる「ごみ屋敷」問題の解決に向けましては,多くの都市でごみ担当部局が所管しておりますが,京都市では,単にごみ問題ではなく,「人への支援が大事」ということを基本に取り組むこととし,保健福祉局の所管としております。

 条例に掲げる3つの目的の一つ目は,「要支援者が抱える生活上の諸課題の解決」,これが基本であります。二つ目は,「市民の安心かつ安全で快適な生活環境の確保」,そして三つ目が,「市民が相互に支え合う地域社会の構築」の実現でございます。この半年間,全庁一丸となって,地域ともしっかり連携し,取組を進めてまいりました。

 別紙1を御覧ください。オール市役所でごみ屋敷対策を進めていくために,平成25年11月に「ごみ屋敷等対策検討プロジェクトチーム」を起ち上げ,取組を推進するための仕組みづくりの検討を進めました。

 そして,平成26年7月から,福祉的な支援が必要にもかかわらず,支援につながっていない方等に寄り添い支援を行うため,3名の地域あんしん支援員を新たに配置しました。

 同年9月に,保健福祉局に担当部長を筆頭とし,専任の担当課長,担当係長を配置しました。また,関係部局が緊密に連携して対策を進められるよう,関係部局職員15名を保健福祉局に兼職させ,全庁一丸となって取り組む体制を更に強化しました。

 区役所・支所においては,地域力推進室,福祉事務所,保健センター,消防署等を中心に,訪問調査による実態把握,対応方針の確立,支援を進めるための対策事務局を平成27年1月中に全区役所・支所に設置いたしました。

 また,要支援者への支援を継続的かつ専門的な立場から検討していくために,本年4月には,区役所・支所で活動する5名の保健師を新たに配置しました。6月からは3名の地域あんしん支援員を増員し,6名体制といたしました。このように支援を必要とする人に寄り添い,地域と一緒に専門性を深めて支援し,指導する体制を強化してきました。

 別紙2を御覧ください。こうした体制の下,「ごみ屋敷」として通報等のあった154世帯全てについて,訪問調査し,相談や指導を必要に応じて実施し,7割に当たる108世帯は調査が完了しました。

 残る46世帯は更に状況把握が必要な世帯で,調査そのものを現時点で拒んでおられる方,コミュニケーションが取りにくく調査が進展しない方,不在のため連絡がとれない方等です。現在も,きめ細かく訪問し接触を試みる等の努力を行っています。なお,外にごみが溢れるなどして,近隣の方に迷惑がかかっているといった事例はございません。

 そして,調査を完了した108世帯の内,衛生上,防災上,防犯上の観点から支障のあった90世帯は「不良な生活環境にある」と判定いたしました。

 残る18世帯は,樹木の生い茂り等であり,不良な生活環境とまでは言えない状況でございました。

 「不良な生活環境にある」と判定した90世帯のうち,46世帯につきましては,要支援者への寄り添い支援を行いながら,信頼関係の構築に取り組んでいるところであります。

 そして,44世帯については,条例を施行することで,目に見えて改善できている事例でございます。清掃の実施などの具体的な支援に繋がった44世帯のうち,32世帯については,地域の方との連携が深まり,自主的な清掃につながるなど大きく前進しました。残る12世帯については,京都市の協力の下,延べ75回の清掃を実施し,約1,800袋のごみを搬出しました。

 取組中の8世帯を除いた36世帯については,不良な生活環境が解消したと評価できます。

 「ごみ屋敷」の状態を解消することだけではなく,要支援者の社会的孤立の解消等を図るための福祉サービスの利用の促進,地域住民による声かけや見守り等も行っています。その結果,要支援者の生活上の課題解決に向けて,地域住民とともに支援していく取組が大きく広がってきております。

 「ごみ屋敷」を解消するため,本市では,まず人間関係を構築し,本人に寄り添った支援を続けてまいりました。本人の困り事を優先して支援する。自己決定を尊重する。徹底して寄り添っていくことが大事であります。それらを大事にすることによって,これまで拒否してきた「ごみ屋敷」の清掃の同意につながるなど素晴らしい事例が出てきております。

 また,ごみを搬出するに当たっても,本人との信頼関係を崩すことがないよう,廃棄の意思を確認しながら丁寧に作業を進めております。

 清掃作業は,多い時では,1度の清掃で45リットルの袋を約400袋も搬出するような大変な重作業となります。1件に対して繰り返し清掃に入る必要があるケースもございます。また臭いや虫が発生している厳しい環境での作業もあります。地域の方も含めて清掃に協力していただいた方々に苦労をかけておりますが,この場をお借りして敬意を表し,御礼申し上げたいと思います。

 また,清掃を受けられた方や地域の方からも,感謝の言葉もいただいております。

 問題の改善に繋がっている事例も多くございますが,困難な事例もございます。困難な事例に対応していくため,次の取組を更に進めてまいります。

 一つは,人への働きかけの専門技術を有する保健師と,支援のための地域資源をコーディネートする地域あんしん支援員との連携を強化し,よりきめ細かく要支援者にアプローチしてまいります。

 もう一つは,京都ならではの地域力を生かし,関係機関や地域による横断的なネットワークの構築を推進しながら,問題解決に向けた取組を進めてまいります。

 ごみ屋敷の問題は,地域コミュニティの活性化が根本にあると思っています。なお,こうした取組を繰り返しているにもかかわらず,指導や勧告等の措置を実施せざるを得ない事例については,有識者の御意見をお聞きしながら丁寧に,段階的に対応していきたいと思います。

 現時点で,勧告等をする事例はないと考えておりますが,課題の解決していないケースもございます。地域住民が相互に支え合う地域社会の構築を基本にしながら,しっかりと取り組んでまいります。

質疑応答

報告案件に関する質疑

<ごみ屋敷>

(空き家対策との関連)

記者 昨年4月に空き家条例が施行されたが,ごみ屋敷についても,空き家状態のものや,最終的に連絡が取れなかったり,空き家とみなされた場合,   空き家対策と連携はとっていくのか。

 

市長 空き家対策については,昨年4月にいわゆる「空き家対策条例」という別の条例を制定しています。これは,空き家の発生抑制,空き家の活用,そして,安全管理等を定めるものです。ごみ屋敷問題は,空き家の問題というよりも,そこに住んでいる方にどのように自立していただき,地域と絆を結び,人間らしい生き方をしていただくかということですので,空き家対策の視点とは別だと思います。もちろん,長期にわたって空き家であるという場合には,空き家対策として考えていかなければならないものではありますが,危険家屋がこの中に含まれているわけではありませんので,空き家対策の視点から検討しなければならないというケースは,現時点ではありません。

 

<ごみ屋敷>

(清掃の同意を得る方法/強制撤去案件について)

記者 同意を得られて清掃しているということだが,中には認知症の方や障害をお持ちの方もおられると思うが,どのような形で同意を取っているのか。また,今の時点で強制的な撤去を考えている事例はないのか。

 

市長 専門家,保健師等も含めて,丁寧に対応しています。まず,「家に入り掃除をさせてもらうことの同意」,それから,「これは捨てて良いか」と一つ一つ同意を得ています。1回目は,「ほとんどのものを捨てないでほしい」と言われることが多いですが,2回目,3回目と回を重ねるうちに信頼関係が深まり,また,生活空間に余裕が出てきたことに快適さを感じられ,「それじゃあこれも捨ててください」,というように進行していきます。このように非常にきめ細かい取組を進めています。もちろん,認知症等の方については,専門家による相談を保健師等も含めて対応しております。

 なお,現時点で,調査を拒否し,コミュニケーションが取れないケースで,近隣の安全確保ができないという事例はございません。コミュニケーションは取れているが,私道に多くの物をため込んでおられているため,その奥に住まわれる体の不自由な方が車いすで通行しにくいという事例は1件ございます。なんとか,ストレッチャーが通れるようにしようとしている状況であります。きめ細かく話をして信頼関係を構築し,撤去に向けた粘り強い努力をしているため,現時点において直ちに勧告までは進めず,その方の気持ちに寄り添いながら丁寧に指導していこうと,取り組んでいます。

 

<ごみ屋敷>

(清掃後のアフターケアについて)

記者 掃除をしても再び「ごみ屋敷」に戻るケースも非常に多い。「ごみ屋敷」を解消した方に対するアフターケアは。

 

市長 再び「ごみ屋敷」に戻る点が大きな課題ですが,清掃を通じて地域の方や地域あんしん支援員とのコミュニケーションが取れ,地域のネットワークに参画していただいているケースもございますので,そういったことを大事にしていきたいと思います。

 また,高齢者の一人暮らしだけが問題ではありませんが,一人暮らしの高齢者宅への全戸訪問等の取組をきめ細かくしております。そのような地域に根差した福祉の取組が大事だと思います。

 全国的にごみ屋敷問題が大きな問題になっており,これまでから区役所中心にきめ細かい対応をしてきましたが,条例施行後の全庁一丸となった取組,目的を明確にし,地域の方々にも協力いただいた取組により,解決困難な事例について大きく改善しました。この間の取組に確信を持ち,今後も取組をきめ細かく充実させていきたいと思っています。

報告案件以外に関する質疑

(関西電力の管外投資について)

記者 6月1日から関西電力が電力料金の値上げを行うことに関連して,先日,関西広域連合委員会で,関西電力の八木社長から,電力自由化に備えるため,管外である首都圏で新しく発電所を増設するという説明があった。管内で電力料金の値上げをする一方,管外で投資することについての市長のお考えは。

 

市長 私は,関西電力に対して,「中長期の方針として,脱原発依存を明確にされたい。」,「再生可能エネルギーの強化」,「経営効率を徹底して向上させて,値上げを回避,値上げ幅を圧縮し,市民生活や中小企業を守ってもらいたい。」とお伝えしています。お伝えした内容に貢献する取組なら是とします。管内で値上げをする一方で,管外投資をすることについて,関西電力の説明責任が必要だと思います。

 なお,できるだけ地域で自立することが大事です。現在,宮津での火力発電所が停止したままになっており,毎年株主提案の中で,最新の火力発電所を再開することを要請しております。東日本大震災の時も,仙台は,ガスが日本海側にもあったから早く復旧できたという事例もありました。関西電力の火力発電所は太平洋側に集中していますので,そうした事例も踏まえて,地域で自立できるよう,火力発電所の再開を最優先に取り組んでいただきたいと思います。

 

(救急車利用の有料化について)

記者 緊急出動件数が伸びている中で,救急車の利用について,軽傷の方には費用負担を求める議論もあるが,市長はどうお考えか。

 

市長 あくまでも,「命を大事にする」ことが我々の使命であります。可能な限り,良識のある判断をしてほしいということを啓発しており,今後もそうした対応を徹底してまいります。

 有料化することで,本当に救急車が必要な時に要請の自粛につながり,本来の目的を達せられないということは最も避けなければなりませんので,慎重な検討が必要だと考えております。

 まずは,市民の皆さんの御理解を求めて,可能な限り本当に必要なときにだけ要請していただくことを徹底していきたいと思います。

 なお,近年,京都において出動件数が増えているのは,高齢者の増加に伴うものなどが要因であると考えております。安易な要請が原因で急増しているわけではございません。

 

 

<下鴨神社の敷地内におけるマンション建設ついて>

記者 市民団体から下鴨神社の敷地内でのマンション建設について,広く市民に説明する場を設けるように指導して欲しいという要請が京都市に行われた,市長はどのように対応されるか。

 

市長 下鴨神社は,建築に関わる景観の保全,糺の森の保全等について,京都市の基準に対応した取組を進められてこられました。したがって,ネット等においても公表されていますが,多くの方の御理解のもとに,この取組が進められることがベストであると思っています。下鴨神社において,必要に応じて適正に取り組まれると考えています。

 

記者 京都市から下鴨神社に対して,説明会の開催等の指導を行う考えはないということか。

 

市長 下鴨神社の自主的な取組を見守りたいと考えています。

  

記者 市民団体によると,今回のマンション建設に伴い,世界遺産の登録にも影響が及ぶのではないかという懸念もあるが,現時点で,神社側の計画等を市長はどのように見ているか。

   ※2009年にドイツのドレスデンが,4車線ができたことで,世界遺産が取り消された。

 

市長 「糺の森を潰してマンションを建設するとはけしからん」という市民の皆さんの声が私のもとにも届きますが,そういうことではありません。

 建設予定地は,戦後,ゴルフの打ちっぱなしになっていた時期もあります。現在は駐車場として利用されており,樹木も糺の森と関連のない木が茂っている状況であります。それを専門家の意見を反映し,糺の森と調和した樹木を新たに植えて御蔭通は石畳で広げるなどして,今よりも世界遺産を構成する糺の森や下鴨神社にふさわしいものになります。

 景観上は,大きく向上するものと説明されていますし,私共もそのように考えております。世界遺産の関係者もそのことについては,理解されています。したがって,世界遺産の取り消しということは,万が一にもないと確信しています。

 なお,京都会館の時も,「これは大変なことになる」と,世界遺産に関する委員会の方に説明に行かれた市民団体の方もおられるようですが,取り消しにつながる動きには一切なっておりません。世界遺産は京都の宝であります。どんなことがあってもしっかり守っていきます。

 なお,京都のあらゆる重要な景観を形成するゾーンについて調査を行い,新たに61箇所について規制を強化することも検討しています。また,約1000件の建物を重要建造物の候補に取り上げまして,それらについても,国に対して要望していきながら,保存体制を整えていこうと進めているところであります。

 

(世界遺産の関係者との意見交換について)

記者 (国際機関との付き合いについて,意向が伝わらない事案もあるが,)世界遺産の関係者との間では,どのような頻度で意見交換等を行っているか。

 

市長 京都市としては,日常的に,ひとつの課題があれば,その都度しっかり説明を行っています。世界遺産に関する委員会のメンバーとは,信頼関係も強固なものがございますので,心配はないと考えています。

 

<高度救急救護車について>

記者 祇園の事故からどのような教訓が残り,救護車をどのように活用していくのか。

 

市長 この10年間でも,救急車の出動件数は約1万件も増加していますが,個別の事象において,救急車が現地に到達する時間は早まっています。

 祇園の事故においては,8名の方が亡くなられました。多くの傷病者を救命するために,現地に緊急の救護所を設置して,医療機関と連携して,的確な判断のもとに病院に搬送しなければならないと考えています。

 今回の高度救急救護車の導入により,これらに,的確に応えられる体制ができると考えております。

   

<Kyoto-WiFiについて>

記者 Kyoto-WiFiについて,24時間の接続時間を30分に短縮するなどセキュリティ強化を先日図られましたが,今後,更にセキュリティ強化をされる予定はありますか。

 

市長 政令市サミットにおいて国に対してセキュリティ対策の要請を決議しました。日本のWiFi環境は,今,最も遅れている分野ではありますが,その中で,京都市のWiFi環境は最も進んでおり,観光庁や経済産業省では評価されている取組です。同時に,安心・安全の両立が必要であると考えています。ホテルなどいろいろ場所で,民間が設置するWiFi環境はたくさんあり,京都市だけがしっかりとセキュリティ対策をしても,民間でできていない例もあります。そういう意味で,国レベルで対応していただけるように要請していきます。

 

(府警との連携について)

記者 12月に24時間にしたものを,4月に府警からセキュリティ上の問題が指摘されてから変更しているが,事業開始前に府警と連携のうえ,改善すべきではなかったか。

 

市長 WiFi環境の整備は,新たな試みですので,事業を実施しながら,その中で浮かび上がってきた課題に対して,迅速に対応していきたいと思います。石橋を叩いていつまでも渡らないということより,石橋を叩きながら渡っていきたいと思います。また,その石橋に問題があれば改善していきます。改革を進めながら,問題があれば改善していくのがベストであると私は考えています。

 なお,現在,利用者の皆様から高い評価を受けており,これまで犯罪等が発生したという報告は受けておりません。

 

記者会見資料

このページに対してご意見をお聞かせください

このページは役に立ちましたか?
このページは見つけやすかったですか?

お寄せいただいたご意見は、今後のホームページ運営の参考とします。

お問い合わせ先

京都市 総合企画局市長公室広報担当

電話:075-222-3094

ファックス:075-213-0286

フッターナビゲーション