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門川市長記者会見(2015年4月17日)

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2015年4月17日

市長記者会見(2015年4月17日)

「まち・ひと・しごと・こころ京都創生」取組提案募集!~「京都創生・お宝バンク」であらゆる知恵と力をつなぎ,「チーム京都」で具体化~について

 本日は,今,日本社会で最大の課題である,人口減少社会の克服,東京一極集中の打破に対する,京都市の取組について御報告します。

 本市では,「まち・ひと・しごと・こころ京都創生」に係る取組として,新たに,市民の皆さんや関係団体の方々から取組提案の募集を行うことといたしました。市民ぐるみで侃々諤々の議論をし,提案していただき,それを共に知恵を絞って実現に向けて,努力していこうという取組であります。

 本年1月に,京都市では,全庁体制のもとに,推進本部を立ち上げました。そして,何としても,早期に中間案をまとめようということで,去る3月26日に,指針としての「総合戦略」の中間案をとりまとめました。

 この「総合戦略」ですが,国全体では,本年度中に策定することになっていますが,本市では,この間,積極的に市民グループの皆さん,経済界,大学,文化団体等の方々と議論をし,提案をいただきながら,政令指定都市では唯一,昨年度中に中間案を確定し,引き続き,最終版の策定を急いでいるところであります。

 急激な人口減少は,経済規模の縮小,生活水準の低下,究極的には市民生活や都市の存続に関わる深刻な問題であります。

 さらに,京都市では,国が掲げる「まち・ひと・しごとの創生」に加えまして,「こころの創生」を重視いたしました。単に人の数の問題ではなく,人々の暮らしの美学,生き方の哲学,日本で大切にされてきたものが,今,京都に伝わっています。そうしたものを大事にし,「こころの創生」をより根源的な問題としてとらえ,そして提言し,皆で実行していくことが大事であると考えています。

 こうしたことから,人口減少は,通常の行政課題として,主に行政が財政,あるいは施策によって対処し得る問題とは,少し次元の異なる問題といえます。行政が自らの責任をしっかりと果たすのは当然ですが,行政の主導や,従前の取組の延長では,京都ならではの地方創生である京都創生は実現できないと思います。

 

 この観点から,私が考える京都創生実現のポイントは2点でございます。

 1点目は,行政主導ではない,市民の皆さん,地域,NPO,企業,大学等と行政が,危機感を共有し,同時に使命感や夢,目標を共有しながら,共に「自分ごと」として,主体的に考え,具体の行動を起こすこと。いわば,京都のオールスターキャストで,京都のまちを挙げた地方創生・京都創生の大きなうねりをつくっていくことであります。

 2点目は,市民の皆さんと行政の関係についてであります。京都の地域力,人間力,歴史力,企業力,大学力等と同時に,行政の力も,互いに磨き上げて,高め合い,そして,最大限の力を発揮する,そうした仕組み作りであります。

 例えば「市民の皆さんから御意見・御提案・御要望をいただき,それを踏まえて行政が施策を検討し,実施する」という関係を超えまして,市民・関係団体・行政等の垣根を超えた,知恵と力を大胆かつ徹底的に融合していきたいと考えています。

 今回の「まち・ひと・しごと・こころ京都創生」取組提案募集は,この京都創生実現の2点のポイントを具体化するための,市民・関係団体との新しい協働の仕組み作りとして,創設するものであります。

 それでは,今回の提案募集の仕組みについて具体的内容を御説明します。

 記者会見資料の2ページ目以降の内容になります。

 まず,個人,市民グループ,地域団体,NPO,企業等から,人口減少社会の克服,東京一極集中の是正等に資する取組の提案を募集します。提案は,京都市民の皆さんはもとより,広く全国から京都を愛する人,京都に思いをつづる方々から求めたいと思います。

 御提案いただく内容は,あくまで例示ではありますが,例えば,若い世代の方々の出会いの機会を増やす取組,地域で子育てを支える取組,京都への移住・定住を促進する取組,京都に学ばれる学生さんと京都の優れた中小企業をつなぐ取組,京都の伝統文化,伝統産業の魅力を発信する力を高め,新たな関心,需要を引き起こし,日本のこころの創生につなげていく取組など,多彩な取組の提案を期待しております。

 また,提案内容は,できるだけ主体的に取り組んでいただける内容のものを求めます。

 例えば,「こういう取組を実施したい。自分たちでここまでできるが,不足している部分について,行政や民間,専門家などの知恵や力を借りたい」,「行政と一緒にやりたい」など,行政に対する単なる提案や要望ではない,主体的な提案を御応募いただきたいと思っています。

 このような提案を応募いただいたことに対して,京都市が行う取組は主に3点です。

 「知恵や力を集める場づくり」,「提案の実現に向けたコーディネート」,そして,「『チーム京都』と位置付け,取組の積極的な広報・発信等」を行うということでございます。

 まず一つ目の「知恵や力を集める場づくり」です。

 応募のあった提案につきまして,その知恵と力の貴重な資産を増やすための新たな仕組みとして,「京都創生・お宝バンク」を設置します。いただいた提案は,この「お宝バンク」に登録します。バンクはホームページで公開し,行政だけのものではなく,市民の皆さん,地域,NPO,企業,大学等と共有する「お宝」とします。

 そして,閲覧された方から,「提案の実現につながるこんな情報がありますよ」とか,「提案に興味があるのでぜひ仲間に参加したい」,あるいは「ソーシャルビジネスとして実現の可能性があるので,自分たちの企業でぜひ事業化してみたい」など,提案の実現を後押しする情報を投稿していただきたいと思います。そうした議論の場,融合の場として,みんなでアイデアを共有し,その知恵と力がさらに磨かれ高められる場としたいと思っています。

 この「京都創生・お宝バンク」は,銀行ですと,お金を運用して利息を増やすということですが,ここでは,人口減少社会を克服する,知恵アイデアあるいは行動力,そうしたものを融合し,運用し,価値を高めて,そして,価値を生み出したいと考えています。

 次に二つ目の「提案の実現に向けたコーディネート」です。

 「お宝バンク」に登録された提案に対しまして,コーディネーターが,実現のために知恵を絞り,行政や他の団体とのマッチングを試み,化学反応を引き起こしながら,提案の更なる力を引き出して,実行に移すためのコーディネートを行います。

 コーディネーターには,行政以外の第三者の客観的な視点も大事でありますので,専門的な知見を活かせるよう,外部の有識者に協力いただき,行政の専門家である京都市職員も加わって,知恵と力を最大限に生かし,マッチングできる,そうした取組に力を注ぎます。

 例えば,提案内容を踏まえまして,その実現に役立つ,本市や京都府,国の活動支援施策や助成制度を見つけ,その施策等の内容や窓口を提案者に紹介し,具体化につなげるコーディネートを行います。

 この間,総合戦略・中間案策定に向けて,様々な市民の皆さんや関係団体からヒアリング等を実施し,「こういうアイデアなら京都市の施策の中に似たものがありますよ」,「京都府でもやっておられることありますよ」,「国の,例えば,クールジャパン戦略の中にそういうことがありますよ」,「もう少し,加えた方が良い視点がありますよ」等,様々な意見を聞きました。このような,一つひとつの思いを橋渡しするだけでも大きな力になると思います。

 さらに,提案者同士のマッチングということも非常に大事であります。提案者同士の中に京都市の職員が入りまして,融合し,連携・協働のお手伝いをする役割も果たしたいと考えています。

 三つ目ですが,「チーム京都」と位置付けて,取組の積極的な広報,情報発信等を行います。

 これは,一番大事なところですが,提案の具体化に挑戦する主体的な取組団体は,京都創生を担う主体であります。それを例えば,「チーム京都・移住支援グループ」等と位置付けまして,行動していただき,京都市も一体となって広報等を行い,後押ししていきます。

 「チーム京都」の提案の企画・構想・実施に際しましては,広報のほかにも,京都市の関係部署や,外部有識者等も入ったコーディネーターが引き続きアドバイスし続けるということも考えております。さらに,必要に応じて,京都市の新たな行政施策に生かしていきたいと思います。

 最初に申し上げましたが,地方創生は行政主導でも,行政依存でもできません。我々も国に対していろいろな要望をしていますが,全国的に国の本気度が伝わらないという意見もあります。

 しかし,国に要望しているだけでなく,まず,京都市が,京都創生のために「何を行うか」ということ,同時に,「誰が主体となってどのように行うのか」ということ,そして,市民の皆さんは,何を望んでおられるか理解し,市民の皆さんの行動を引き起こしていくことも大事だと思います。

 明治維新の時,京都の町衆が学校を作られました。京都市も文部省もない時代に,私たちの先人である京都市民の方々は学校を作り,人を育てられました。このような,様々な歴史から,学びたいと思います。

 そして,徹底した市民参加のもとに,また,同時に京都市の行政の総力を挙げて,京都ならではの地方創生・京都創生をつくる,行政と市民との新たな協働の関係を作っていくことにつなげたいと思っています。

 なお,いただいた取組提案につきましては,9月中にまとめる京都創生の戦略の中に反映させるため,7月末を第一次募集の締切とさせていただきます。

 同時に,4月から7月までの4か月間に,多いに議論していただくことが大事ですし,この4か月間で,提案としてまとめ切れるものでもないとも思います。従いまして,「まち・ひと・しごと・こころ京都創生」総合戦略・最終版の確定後も,その状況を見て,第二次募集も考えていきたいと思います。

 私からは以上です。

 

質疑応答

報告案件に関する質疑

<「まち・ひと・しごと・こころ京都創生」取組提案募集!について>

(取組の経費について)

記者 

 取組の経費について,活動助成を行わない理由は,市の財政が厳しいからか,あるいは,何か別にねらいがあるからか。

 

市長

 取組に対して,一定の活動助成を出そうかという案もありました。しかし,この間,市民の皆さんの意見を聞いていましたら,「提案したい」,「話を聞いてほしい」,「同じことを考えている人と協働の行動をとりたい」等,様々な思いをもっておられることがわかりました。

 活動助成となると,行政による事前審査・評価を実施し,助成件数の上限を設けざるを得ませんし,すべての提案を助成することはできません。したがって,活動助成は実施せず,行政がフィルターをかけないことに決めました。

 こういうことで,市民の皆さんにも御負担をかける部分もありますが,例えば,無料で使える会議場所等の提供をさせていただくなど,支援していきたいと思っています。

   

(取組提案数の見込みについて)

記者

 京都市として,取組提案数の見込みや上限等はなく,広く提案を募集するということか。

 

市長

 はい。提案としての成熟度の高いものから,まだ熟成されていないものまで,広く歓迎したいと思っています。それらの提案について,コーディネーターをつけていきます。

 過去の成功した事例というのは,初めから練りに練られて固まった案というものでない場合もありますので,そういうことも大事にしていきたいと思います。

 この度の募集制度は,「自分は何もしない,行政にこれをしてください」というような提案は対象としていません。「自分たちがこれをやりたい。ついては,こういう支援を求めたい」とか「パートナーを求めたい」等の主体的な取組を考えています。

 なお,今まで,「未来まちづくり100人委員会」,あるいは,各行政区で,「区民提案・共汗型まちづくり事業」等を実施してきましたので,いろいろな芽はあると思っています。

 

(取組提案に対する市の姿勢について)

記者

 似通った内容の取組で,たくさんの提案がくると思われるが,寄せられた提案の交通整理が大変ではないか。

 

市長

 大変であると思いますが,あえて,大変なことに挑戦しようと考えています。

 東京のマスコミから,「国,各省庁の本気度をどう思いますか」という質問を受けました。この間,私は,石破大臣と3回会いましたし,安倍総理の本気度も感じています。ただ,今進められる,地方創生,あるいは,京都創生のような,大改革に対して抵抗があるのは当然であると考えています。

 今,政府の覚悟も求めていくのと同時に,地方自治体も覚悟を決めなければならないと思います。さらには,市民の皆さんお一人おひとりが,あるいは,地域,大学も経済界も企業も,それぞれが,「自分ごと」として,覚悟を決めて,主体的に考え,行動する時にしか,この地方創生,そして,京都ならではの京都創生は実現できないと思います。

 したがって,行政と提案者が対峙しなければならないようなこともあると思いますが,そこから新たなものが生まれると考えています。

 それくらいの覚悟で提案募集させていただくことにしました。

 

(求めている提案について)

記者

 市長はどのような提案を求めているか。

 

市長

 昨日東京で「京都に移住して,1歳の子どもの子育てをしたい」とおっしゃっている方がいました。その方は,京都の土地勘をあまり持っておられないようで,「便利なところは上京区」と思っておられるようでした。「上京だけではなく,御所の周りがいい」と思ってらっしゃる方もいらっしゃるのですが,こういう京都に移住してこられる方をコーディネートしてあげることが大事だと実感しています。

 また,全国の高校生が集まり,京都の留学生と一緒に行動するという取組が今年始まりました。こうしたことが仕組みとしてもっと広がれば,京都の大学で学びたいということにつながると思います。修学旅行では,お寺や神社を見るのがほとんどで,あまりそういうことにつながっていません。

 就職活動の時期に入りましたが,京都には魅力あふれる中小企業や零細企業がいっぱいあるのに,いわゆる有名な企業への就職活動になってしまう。もう一歩踏み込んだマッチングの仕組みづくりが必要ではないかと考えています。

 留学生数については,全国的には少し減少していますが,京都では増えています。しかし,この留学生も東京に一極集中しています。京都の魅力をしっかりと海外の方に伝え,大学で学ぶ魅力を発信し,留学生の方々のお世話がしっかりとできる仕組みができていない。このように,ソフト面でもやるべき課題がたくさんあると思っています。

 

(提案のホームページ公開について)

記者

 いただいた情報をホームページで公開することについて,提案は,京都市の貴重な財産になると思うが,個人や他の企業,自治体から盗用されないチェック体制や運用体制はどうなっているか。

 

市長

 まず,情報を公開するということを提案者に周知していくことが一番大事だと思います。東京や首都圏の方がアイデアを活かすのは困ったことですが,地方都市がこれを活かすことは大いに結構だと思います。総務省の副政務官らが京都にお越しいただいたときにもお話したのですが,総務省もICTを活用した地方創生を検討されており,これを京都が中心になってできないかというざっくばらんな議論をしました。その時に,「京都の大学で学べば,故郷を思い,故郷に帰りたくなる,こういう大学教育を京都市と一緒にできませんか」というお話をしました。素晴らしいことだと思います。東京の大学に行ったら東京で職に就いてしまう。京都の大学で学べば,故郷に帰ってくる。現に本市では,「学まちコラボ」という取組を大学と地域,商店街とやっています。私もいろんな場に行きました。青少年活動センターの取組で感動した事例がありました。学生さんが地域に行って地域のお年寄りの生い立ちを聞いて,自分史を作り,敬老の日に渡されるという取組です。そうした取組をされている学生さんは,「お盆に帰省した時に,自分のおじいちゃんの話をもう1回聞いてみようと思った」とおっしゃるんですね。また,京都女子大学が東山区で独居老人の訪問や買い物支援をやっておられます。そういう取組が京都の魅力だと思います。

 東京一極集中を打破し,地方創生していく,その時に京都が中心となり,京都から東京一極集中の流れを変える渦を起こそう,その渦が全国津々浦々に広がっていくようにしたいと考えています。

 従って,アイデア,盗んでいただいたら大いに結構です。「京都移住計画」という非常に志の高い任意団体の方々がいらっしゃいます。自分たちがやっていることが他都市でどんどん真似されることを喜んでおられます。私はこれにも感銘を受けました。京都だけが良くなっていこうということでは地方創生はできない。私は京都の役割は東京中心の流れを,全ての地方への流れに変えていく,そのお役に立つことだと思っています。そのため,あえて良い提案も本人の御了解があれば公開していきます。ただ,マッチングの時には,京都市を通していただき,トラブルを避けていきたい。1回通していただいて,あとは当事者同士でやっていただくことにしたいと思っています。

 

(提案への手応え)

記者

 たくさんの応募が寄せられる手応えはあるか。

市長

 募集期間も限られているため,提案数は,そんなに多くはないと思っていますが,議論は巻き起こると思います。従って,第2次提案も検討したいと思っています。最終案をどうしても年度前半にまとめ,国に対しても強力に要望していきたいと思っていますので,7月までという非常に短い期間の提案募集になりました。相当の提案をいただけると確信はしています。

 

(市民と行政が協力して行う意義)

記者

 今回のねらいは,市民の主体的な協力を得るというところにあると思うが,市民の主体性が必要で,行政だけではこれまでできなかったことはどのようなことがあるか。

 

市長

 市民の主体的な協力を得るというのはそのとおりですが,行政が市民に協力を求めるという関係ではできないと思う。市民の皆さんが,「何をしたいか」,「どんなまちづくりをしたいか」,「どんな取組をしたいか」,これをもう一度考えてほしい。そして,「自分たちでここまでやる,しかし,これ以上は自分たちの力ではできないから,応援してくれる人を探してほしい。」,「行政にも応援してほしい」という協力体制をつくっていきたいです。通常,市民の皆さんの声は,市長への手紙でいっぱい提案いただいています。やらないよりやった方が良い提案はたくさんありますが,できません。

 この間私は未来まちづくり100人委員会,各区の地域おこしの取組,京都ならではの地域力を活かした取組をみてきました。また,京都の強みを活かした地域と大学生,企業,これらを結び化学反応を起こすことができることを強く感じました。従って,商店街の具体的な活性化の取組であるとか,伝統産業と新たなニーズをマッチングするとか,私の発想を超えた様々なものが出てくると思います。京都に74の伝統産業,伝統工芸があることは意外に知られていません。伝統産業と新たなニーズ,京都の農業・林業等と新たなニーズ,これをつないでいく,こういうことができるのではないかな,と思います。

 

(プロジェクトの進捗や成果の報告方法)

記者

 具体的に動き出してからの話にはなると思うが,それぞれのプロジェクトの進捗や成果をどういう形で市民等に報告していくのか。

 

市長

 可能な限りホームページ等でできるだけ早くお示ししていけるようにしていきたい。それに対して,重ねての提案も出てくると思います。先ほどのお話ですが,天才アートという展覧会を今年はパラソフィア国際現代芸術祭2015と連携して開催しました。総合支援学校を卒業された方,学んでいる方,授産施設に行っておられる方などがすばらしい作品をつくられるんですね。これが,京都のお土産のパッケージになるのではないかという話を聞いていて,人気のパッケージになりそうだなと思いました。障害のある方の芸術性に着目して,それを発揮し,商品開発につながるようにコーディネートできれば,京都ならではのパッケージになるのではないかと思います。極めて具体的な部分の例示ですが,こういうことが起こりうるものはいくつもいくつもあると思います。

 

報告案件以外の質疑

<統一地方選挙について>

記者

 統一地方選挙の結果について,市会の会派構成が大きく変わったが,地方創生など様々な市政課題がある中で,今後どのように政策を進めていくのか。

 

市長

 まずは,市民に選ばれ当選された方々にお祝い申し上げたいと思います。地方自治体は,首長と議会の二元代表制ですので,議会との信頼関係を大事にしながら,未来の京都のまちづくりについてがんばっていきたいと思います。

 そして,自民党,公明党,民主党との連携を深めていきたいと思っています。その他の党についても,京都ならではの京都創生の取組等で大きく意見の異なる会派は少ないと思います。しっかりと議論しながら未来の京都に責任をもってやっていきたいと思っています。

 

<四条通の渋滞について>

記者

 統一地方選挙の中で,多くの候補者が四条通の拡幅について言及していた。実際,四条通では渋滞が発生しており,10月には完成の予定である。今後,市としてどのように取り組んでいくのか。

 

市長

 京都市において,渋滞解消に向けたあらゆる取組を推進していますが,花見シーズンや雨の日も重なり,渋滞,市バスの遅れ等で御迷惑をおかけしていることについては,お詫び申し上げたいと思います。

 四条通における歩道拡幅事業は,「歩くまち京都」,「公共交通優先のまちづくり」の方針のもと,地域の方々や業界関係者と8年かけて合意形成を行ってきました。その事業の趣旨について,市民の皆さんや他府県の方々への周知が十分にできておりません。現在,約100箇所において,迂回を案内する表示看板の増設,マスコミ,ラジオ等を通じた広報を行っておりますが,そうした広報活動により力を注いでいきたいと考えております。

 四条通は,歩行者が1時間当たり約7千人おられるということで,歩行者の方からは,「歩きやすくなった」とおっしゃっていただいています。

 以前は,ベビーカーを押して歩く人や,高齢者,体の不自由な方が,安全に歩くことができませんでした。歩道の片側3.5メートルに対して,車道は15メートルもあります。そして車で通っている人は約2千人程度です。この状況について,地域の皆さんや商店街から,「歩くことができる道にしてほしい。」という要望をいただいたのが始まりでした。そして,京都市として,「歩くまち京都」の事業として取り組み,議論に議論を尽くしてきましたので,今後もしっかりと進めていきたいと思います。周知徹底が不十分ではありましたので,ゴールデンウィークに向けて,より広報活動を徹底していきたいと思います。

 

記者

 これまでの周知は不十分だったのか。

 

市長

 京都市内での周知は行ってきましたが,全国レベルでは行っていませんでした。工事が完了する時期には,四条通を主要道路から外していただけるようカーナビの大手各社に要請をしております。政令市初の取組ですので,関係者の協力も求めていきたいと思います。引き続き,あらゆる取組を推進して,「人と公共交通優先のまちづくり」という当初の目的を達成していきたいと思います。

 世界の歴史都市で,京都市のようにまちの中心部に車が流入するというまちはあまりありません。新しい取組によって,都心部に車を流入させないことが,そこに暮らす人々にとっても,高齢の方や障害のある方にとっても住みやすいまちになります。また,観光客にとっても,観光しやすいまちになります。「歩くまち京都」の理念について,異議を唱える方はほとんどおられません。事業の趣旨をしっかりと周知し,計画どおり完成を目指していきたいと思います。

 

記者

 カーナビの件については各社と合意しているのか。

 

市長

 現在,カーナビの大手3社には検討していただいている段階です。

 昨年,一昨年の同時期の渋滞状況は,中央線側の車線が1時間に約4,000台,歩道側の車線は1時間に約1,000台でしたので,現在の渋滞状況はあまり変わっておりませんが,渋滞の結果,バスが遅れたことは残念なことですので,改善に全力を挙げてまいります。

 

<関西電力の株主総会について>

記者

 今年は関西電力に対して株主提案をされるのか。また,提案するとすれば内容についてはこれまでと違うところはあるのか。

 

市長

 東日本大震災,福島の悲惨な事故から4年が経過しました。私は,決して風化させてはならないと考えております。

 京都市では,市議会において,脱原発依存社会の実現を目指し,再生可能エネルギーを推進していく等々の議決をいただいております。そうした考えのもと,過去3回にわたり株主提案を行っており,社外取締役の免責等,前進している部分もあります。その前進した部分が,日本社会で常識になってきており,この3年間の世論も含めた意思の変化だと思っています。

 ただし,関西電力の原子力発電に対する根本的な考え方は変わっておりませんので,引き続き,ぶれることなく株主提案していきたいと思っています。これまでから大阪市と多くの項目で共同提案しておりますし,現在も大阪市と調整を行っております。

 

記者

 議案数や内容は昨年と同じという理解でよいか。変更する点はあるか。

 

市長

 現在,大阪市と調整をしておりますが,昨年とほとんど同じという理解で構いません。

 

記者

 脱原発依存を求めることには変わりないか。

 

市長

 変わりありません。関西電力への株主提案の1回目と2回目に出席しましたが,1年経つだけで緊張状態が違いました。会場の雰囲気から,株主や会社の緊張感が風化してきているのではないかなと感じました。危機感を持っていなければ,人間の記憶は風化します。風化させてはなりません。日程が決まれば,よほどの先約が無い限りは出席したいと思っています。

 

 

記者会見資料

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