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共同記者会見(2015年3月26日)

ページ番号180563

2023年4月12日

京都市山ノ内浄水場跡地活用に関する基本協定締結式

出席者

学校法人大和学園     理事長 田中誠二

社会医療法人太秦病院  理事長 加茂久樹

京都市            京都市長 門川大作

                 公営企業管理者上下水道局長 水田雅博

記者会見内容

出席者挨拶

京都市 門川市長

 ただいま,大和学園さんと太秦病院さんと協定書を締結することができました。ほんとに嬉しく,ありがとうございます。

 長年にわたって京都の地において,人々の健康・医療,幸せのために,また人を育くむために,ご活躍してこられた2者が手を携えていただきまして,そして,京都市と「食と健康」をコンセプトにした,京都ならではの強みを活かした,新しい取組がスタートします。嬉しく心強い限りでございます。

 田中理事長,加茂理事長,はじめ,本日は田中田鶴子名誉学園長にも御出席いただいており,喜び合いたいと思います。

 また,この浄水場でございますが,長年に渡って素晴らしい水を提供し続けてきました。節水型社会になって水需要が減少していく,その中で,水田上下水道局管理者を先頭に,あらゆる知恵を絞って,地下鉄を降りてすぐという好立地の条件を有効活用していこうと,日本の大都市で初めて,抜本的な配水計画を見直し,2年かけて無事に跡地として活用できるようになりました。

 そして,既に南側では京都学園大学が,京都に戻ってきて,この4月に新しいキャンパスがオープンします。

 北側につきましては,少し水道事業が継続されてきた経過もあり,並行してその活用に取組んでまいりました。

 4年前にどういう施設を誘致するか,構想を発表しまして,それ以降,今日まで様々な方々から問合せ,構想の提案がございましたけれども,第3者機関による公正なご判断のもとに,大和学園さんと太秦病院さんの提案が採択されました。ありがたく思っております。

 両者の輝かしい歩みについては,みなさんご承知のとおりでありますけれども,右京区はもとより京都が未来に向かって発展していく,大きな足掛かりになる。 

 また,京都から関西を元気にしていく,今,地方創生と言われておりますけれども,そんな拠点となるものと確信しております。

 さらに学園大学との連携についても十分に考えていただいており,新しい学びが生まれる,このように思っております。

 大和学園さんにおかれましては,和食・食文化そうしたことについて専門職大学院の創設も検討いただいております。日本で初めてのものでございます。

 また,病院と大和学園の連携により,新たな食文化そうしたことについても,連携のもとに新たな取組が始まるとこのように確信いたしております。

 平成30年には,1,400人,そして将来的には,2,300人の学生さんや職員がお越しいただく,向いの京都学園大学と合せますと,5,500人の方があの場所で,集い・学びそして新たな医療・食文化を創造していただく,このような場所になると確信しております。

 今後とも大和学園さん,太秦病院さんとの信頼関係をしっかりと深めまして,取組んでまいりたいと思いますので,よろしくお願いします。

 

大和学園 田中理事長

 代表事業者の大和学園 理事長の田中でございます。

 この度は,山ノ内浄水場跡地の北側用地につきまして,大和学園ならびに太秦病院を活用事業者として,基本協定を締結いただきまして,門川市長,水田管理者,京都市ならびに京都市上下水道局の職員のみなさん,京都市民の皆さまに事業者を代表いたしまして,心から厚く御礼申し上げます。

 それでは,着席してご説明させていただきます。

 大和学園は,創設以来,管理栄養士,調理師,パティシエ,診療情報管理士,ホテル・ブライダル・ツーリズム等,いわゆるホスピタリティ分野の資格専門職の職業教育を実践し,即戦力となる専門人材を輩出してまいりました。

 また,職業教育で積み重ねた教育資産を活かし,地域の生涯学習やホスピタリティ産業の人材開発や商品サービスの開発支援等,産業振興事業にも積極的に取り組んでいます。

 私どもが考える職業教育の基本は「おもてなし」,すなわち,ホスピタリティの心を持つことに尽きます。ホスピタリティとは,「人に奉仕し,人をもてなし,人を幸せにする,他者を思いやる心であり,人の喜びを我がことのように感じられる精神」であります。

 そこで,日本の職業教育・生涯学習をリードし,世界に開いていく「アカデミー・オブ・ホスピタリティ」。この言葉を,大和学園がめざす未来の姿として,ここ山ノ内の事業運営に取り組んでまいります。

 さて,今回,ご縁があって,私達と同様に「ホスピタリティ」を大切にした経営理念をお持ちの太秦病院とパートナーを組むことができました。本日まで両者で協議を重ね,京都市ならびに市民の皆さまに貢献できる事業計画ができたと自負しております。

 まず,「ホスピタリティ創学拠点」と「おもてなしの人づくり,まちづくり」の2つのコンセプトにお互いが力を合わせ,山ノ内浄水場跡地活用方針に沿って,京都市の「都市格向上」に貢献できる事業を展開する所存であります。

 この「ホスピタリティ創学拠点」は,敷地の東側に専門学校,西側に病院を配置した複合的な開発となります。ここでは,活用方針である「学びの環境の充実」,「市民生活の質の向上」,加えて「にぎわいの創出」を目指し,整備を進めます。

 そのために京都市や京都学園大学とも連携して,「食文化・健康」をテーマに,ホスピタリティにあふれた新しい人づくり・まちづくりの事業を展開いたします。

 それでは,具体的な事業計画について,太秦病院と共同で実施する取組も含めて,私から簡単に説明させていただきます。

 まず「学びの環境の充実」ですが,京都市内に点在する本学園の4つの専門学校のうち,3つを統合します。そして,太秦病院と連携して「食文化」「健康」「医療」にかかわるスペシャリスト養成の一大拠点を整備します。

 2018年4月に「京都調理師専門学校」並びに「京都製菓技術専門学校」を,そして2024年4月に「京都栄養医療専門学校」を開学し,最終的に約2,100名の学生・教職員が新キャンパスに集う予定であります。

 このキャンパス整備により生涯学習機会の更なる提供や海外との教育交流など,学びの環境の充実に努めてまいります。特に,ユネスコ無形文化遺産に登録された“和食”について,その継承,発展に貢献する人材育成や情報発信にも力を入れたいと思います。

 さらに,栄養・調理分野の専門職大学院の早期の設置に向けた取組みを行います。ここでは,研究中心ではなくて,理論と実際を融合させた実践的な高度専門人材の養成を目指します。

 次に,「市民生活の質の向上」の取り組みでありますが,専門学校と病院がもつ医療と職業教育のノウハウを活用し,「産業振興」,「食育・健康増進」、そして「防災」をキーワードにしたまちづくり事業を展開します。

 まず,「産業振興」の取り組みですが,「大和学園ホスピタリティ産業振興センター」を開設して,フードサービス業界を中心に店舗運営や商品・サービスの開発に向けた産業支援事業を展開したいと思います。

 また,行政や企業・商店街と協力して,人材育成や地元食材の活用など地域のフードビジネス・農業・観光産業の振興に貢献したいと思っています。

 続いて,「食育・健康増進」の取組として,太秦病院と大和学園の連携による生活習慣病対策や健康増進に関する講座を開催します。

 また,地域の小中高校のご協力を得て,食育・健康教室を開催したいと考えています。 

 さらに,「大和学園 地域健康 栄養支援センター」を開設して,地域の皆様方の健康づくりや健康寿命の延伸につながる活動を展開します。

 最後になりますが,「にぎわいの創出」について,国際会議にも対応するセミナーホールを設置して,食関連の学会を誘致したいと思います。

 また,国際会議のセカンドプログラムとして,和食や和菓子,日本型食習慣をテーマにしたセミナーを開催し,京都市のMICEの誘致やインバウンド観光振興にも貢献していきたいと考えています。

 また,敷地内にはみどり豊かなオープンスペースを配置するとともに,日本の食文化の魅力を発信する「京料理ミュージアム」を設けて,コミュニティの醸成・地元の連携強化にも寄与してまいります。

 さらに,学生が運営する京料理・フレンチ・イタリアンの3つのレストランやカフェ,加えて,製菓・製パン店舗,合わせて5つの業態を地域に開放します。また,太秦病院には,リハビリ室や多目的ホールを設けて,地域の行事や研修,サークル活動などの交流の場として貸し出すことで,地域に貢献するにぎわいを創出します。

 結びになりますが,大和学園と太秦病院は,今回の基本協定締結を第一歩として,これからも京都市や市民の皆さまに愛され,地域に貢献できるまちづくりに全力を挙げて,取り組んで参ります。今後ともご理解とご支援をお願いいたしまして,私の挨拶とさせていただきます。ありがとうございます。

 

太秦病院 加茂理事長

 太秦病院の理事長の加茂でございます。

 この度はこのような場を設けていただき,ありがとうございます。着席させていただきます。

 まず初めに,右京区太秦にあります山ノ内浄水場跡地の活用事業者として学校法人 大和学園とともに太秦病院を選んでいただいたことを,京都市長ならびに選考に関係された京都市関連部署職員の方々,ならびに選考委員の方々に深く感謝申し上げます。

 今,一番思いますことは,後々にも,「選んでよかったな」と,言っていただけるように,これからも最大限の努力をしていかなければならないということです。

 さらに,大和学園,そして今春,開校予定となっている京都学園大学とともに緊密に連携して,頑張っていきたいと思いますので,何卒よろしく御願い申し上げます。

 太秦病院は,「親切で的確な医療(やさしさと確かな技術をもって)」をモットーに,地域住民のための医療機関として,太秦の地において56年にわたり地域医療に専念してまいりました。

 しかし万が一の災害時には,住民の命と健康を守るべき中心施設であることを考慮しましても,早急に耐震性や利便性に配慮した建物に建て替える必要があり,この間,数多くの住民の方々からの強い要望がありました。

 私たちは,いつでも安心して受診できる,地域住民の皆様方の身近な,かかりつけ医療機関を目指しております。

 山ノ内浄水場跡地で,新しい環境の下,病院環境・機能において,新施設基準を満たす設備等の充実した病院を建設し,地域の皆様方がより快適で便利な施設をご利用いただけるようにと考えております。

 このように,安心・安全な地域を確保する為の医療機関としての役割を果たすことができるように,入院設備・外来診療を充実させる一方で,訪問診療も地域の在宅医療拠点を目指したいと思います。

 また,健康教室の開催・フェスタ等のイベント開催・地域集会への講師派遣などを通じて,情報の発信や地域協力を実践し,地域のコミュニティとして,医療・保健・健康と包括的な医療機関としての役割を担い,医療機関・教育機関との連携や共同での医学研究も行っていきたいと思います。

 また,医療においては,公正,公平な立場で職務を遂行し,地域貢献を果たしていく考えです。

 近隣の医療機関・検査機関とも連携し,チーム医療の精神に基づき職員一同力をあわせ,より質の高い医療を提供し,市民生活の質の向上に貢献したいと思います。

 この度,おもてなし,人に対する心配り,優しさなどをめざす共通の事業理念とともに,管理栄養士や医療事務員を教育,養成されてこられた学校法人 大和学園と共同で事業を進めていけることに,非常な御縁を感じるとともに,右京区,京都市のめざしている安心で安全な街づくりに,大きく貢献できると確信しております。

 最後に,病院としまして,安心,安全な街づくり,そして健康で明るい地域コミュニティづくりに医療の分野で貢献できればと思います。

 そして,病院で働く職員が誇りと生きがいを持って働くことができ,さらに地域住民の方々から感謝されるような医療ができるようにと切に願っています。

 本日は,このような場を設定していただきましたことに,心から感謝申し上げます。

 誠にありがとうございました。

質疑応答

〇記者

 食の専門学校を運営する大和学園と太秦病院が連携して事業を実施されると説明がありましたが,両者が一緒に事業を実施することで,それぞれどのようなメリットがあるのか教えていただけるでしょうか。

 

〇大和学園 田中理事長

 大和学園は,職業人の養成を行う教育機関であります。一方,太秦病院は職業教育の実践の場,職業の実践の場であります。

 大和学園が養成する管理栄養士や診療情報管理士,医療事務の事務職員など,この学生達のインターンシップ,校外実習の場として,これから連携をしていきたいと考えております。

 また,医食同源といいますけれども,医療機関である太秦病院と大和学園が連携して,地域の健康増進や,生活習慣病の対策,あるいは,食生活の改善を通じて,介護の予防や傷病の重症化を予防していく,そういった講習会や啓蒙活動が定期的に,連携して実施できるのではないかと考えております。

 そういった意味で,太秦病院さんがお持ちである医療機関としての蓄積が,私どもの教育現場に様々なかたちで生かされ,また,地域の社会貢献活動にも連携して反映できるのではないかとそういうメリットを感じています。

 

〇太秦病院 加茂理事長

 大和学園の理事長が言われたとおり,太秦病院も医食同源,医薬同源などいくつか言葉がございますが,食事というのは医療の中でも,例えば,糖尿病であるとか生活習慣病の改善において出発点になるのもので,食事指導や栄養指導は,最初にするべき医療行為でございます。そこに予防医学の観点から,力を注いでいきたいと思っております。

 これまで,大和学園では,栄養士の養成,食育問題などの研究を実施されており,太秦病院でも,管理栄養士がおりますので,同様の研究や交流が実施できると思っております。

 それは,ひいては,地域や京都市全体の皆様の健康に繋がっていくものと考えております。

 また,大和学園は,医療事務の職員を養成されています。病院の中で目立つのは,医師や看護師になりますけども,医療事務の役割は極めて大きいものであります。

 チーム医療を実施していくうえで,医療事務の役割がキーポイントになっており,そこに携わる人の人柄や判断力が非常に重要になってくると考えます。

 医療の基本にあるのは優しさ,人に対する気配りがなければいけないと思うのですが,そのあたりを大和学園さんも非常に強調されておられますし,当病院も同様に考えており,これからも実践していこうと思っておりますので,両者が手を携えてやっていけるものと思っております。

 

〇門川市長 

 重ねまして,京都学園大学が健康医療学部看護学科等,健康医療をテーマにした大学として,これから尽力されますので,そことの連携もできるのではないかと考えております。

 

〇記者

 もう一点市長にお聞きしますが,冒頭のあいさつの中で,この京都が未来に発展する足掛かりになる,関西を元気にする拠点になってくると申されておりましたが,もう少し具体的に,この2者が連携することで,どのような効果があるとお考えか教えていただけますでしょうか。

 

〇門川市長

 この跡地活用のコンセプトとして,大学,学問,健康,にぎわいなどをテーマに取組んでまいりました。

 また,地下鉄に近接しているという好条件の場所であり,京都駅からも約18分でアクセスできるという,新たな都心といっても過言でない場所であると思います。

 そこで,広域連携ということが言われておりますが,大和学園さんと太秦病院さんだけでも新たに連携した取組を実施されますし,そこにプラスして京都学園大学との連携もあります。

 これを核にして,より一層,健康・医療,また人を育てていく,これにより京都はもとより,関西全体の拠点づくりにしていきたいと考えております。

 

〇記者

 市長にお伺いしますが,60年間の一般定期借地権設定契約を締結されるということで,60年という期間で考えられると思いますが,今後,一日5千人の人が集まる,それを地域の活性化にどうやって繋げていくのか,また,どのような地域にしていきたいかという思いを聞かせていただければと思います。

 

〇門川市長

 右京区ですが,例えば京都の国宝,世界遺産等が非常に多く,また,様々な先端企業も集中しており,工場出荷額は伏見区に次いで多いという特性を持った場所であります。

 しかし,まとまった土地がないという弱点がありました。

 そこで,上下水道局が配水計画を見直し,この土地を新たに活用できる場所としました。

 この跡地は,地下鉄や京福電鉄に近接しており,あらゆる場所に鉄道で動けるメリットのある,極めてポテンシャルの高い場所であります。また,こうした場所は極めて少ないと思っております。

 将来的に,観光,産業,そして,今回新たに大学も増え8つの大学になり, 学問のまち,大学のまち,医療のまち,また,大和学園さんは,観光に貢献する人材の育成もされている,こういう意味で新たなまちづくりの拠点がこの地にでき,この場所だけでなく,右京区はもとより,京都全体の発展に繋がっていくと考えております。

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