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門川市長年頭記者会見(2015年1月5日)

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2023年4月12日

市長年頭の抱負

 新年あけましておめでとうございます。

 市長に就任して7度目の新年を迎えました。私にとって2期目を締めくくる集大成の1年であります。今年もより一層,現地現場主義を徹底し,市民の皆様と共に汗して,京都の未来を切り拓いていきたいと決意を新たにしております。どうぞよろしくお願いいたします。

 昨年は,京都が国内外から注目を集める,大きな前進の年でありました。京都ならではの環境政策,屋外広告物対策などの景観政策,歩くまち京都・公共交通優先の取組,そして,観光の分野では,世界一魅力的な都市という高い評価もいただきました。市民の皆さん,事業者の皆さんが京都市と心を一つにして取り組んでくださった成果であると感じており,皆さんの御理解,御支援にあらためて御礼申し上げます。依然として,中小企業や伝統産業が厳しい状況であるなど多くの課題が山積しています。それらの課題に対して,徹底した市民参加のもと,「はばたけ未来へ!京プラン」を作りました。そのプランをより一層深化させて取り組んでまいりたいと決意しております。

 年頭に当たりまして,新年の私の抱負を申し上げさせていただきたいと思います。

 我が国最大の課題が「人口減少社会」であるということが,ようやく国民的な認識になり,国においても,様々な取組が展開されようとしています。京都市は,京都ならではの優れた文化力,歴史力,地域力,なんといっても市民の皆さんの人間力を最大限活かし,「京都から課題解決のモデルを示す。」,「全国の地方創生を牽引する。」,そんな決意で取り組んでまいりたいと思います。

 京都市では,これまでから,「はばたけ未来へ!京プラン」に人口減少対策を重視する方針を掲げ,子育て支援,教育の充実,経済の活性化と安定した雇用の創出,都市の魅力向上など,あらゆる政策を融合し,総動員してきました。

 これらの取組により,平成22年のプラン策定時には,平成17年の人口147万5000人が,平成27年には2.2%,3万2000人減の144万3000人に減少すると想定されておりましたが,転入人口が増加し,10年間で0.4%,6000人減と,かろうじて人口減少を食い止めています。しかし,合計特殊出生率は全国平均を大きく下回っており,中長期的には極めて厳しい状況にあります。

 また,京都市は大都市特有の課題を抱えると同時に,北部山間地域等に過疎地域,限界集落も抱えております。日本の課題の縮図であると言っても過言ではございません。

 さらに,明治維新により,人口が35万人から20万人強に激減し,都市の存立の危機を市民の力で乗り越えてきた貴重な経験も有しております。そうした中で,京都市が今,市民ぐるみで経済界も含め,オール京都であらゆる努力をしてまいりたいと思います。

 国においては,昨年末に,「まち」「ひと」「しごと」を基軸とした対策をしっかりと講じていこうという地方創生の総合戦略が策定されました。私は,「人口の過疎」や「地方の消滅」が大きな課題であると同時に,京都に伝わる日本の“伝統文化,伝統産業”,“美意識,価値観”,美しい自然景観や風土に育まれた“心の豊かさ,奥深い精神性”などが失われる「こころの過疎」や,「日本のこころの消滅」も,日本の将来にとって大きな課題であると感じています。

 このような課題に対し,日本のこころのふるさと・京都が果たし得る役割,果たさなければならない役割は,極めて大きいと考えております。日本の精神文化の拠点として,東京圏とは一味違う,独自の価値観・美意識・生き方の哲学を大事にしながら,東京圏から地方への人の流れを促進していく。京都がリーダーとしてその役割を果たしていくことも大事であると思っています。「日本の『こころの創生』の中核を担っていきたい。」,そうした観点から,京都市の総力を挙げて,京都ならではの地方創生を推進していくために,私をトップに全庁体制の「京都市まち・ひと・しごと・こころ創生本部」を設置することとし,明日,第1回会議を開催いたします。

 各市町村や都道府県の地方創生総合戦略は,来年度中に策定することとされていますが,京都から地方創生を牽引していくために,本部会議を中心に,スピード感をもった取組を進めてまいります。まず,今年度中に,戦略の骨子を策定した上で,27年度の前半期には戦略をまとめあげ,具体的な取組をスタートさせてまいります。

 50年後,100年後も日本が,京都が,そしてそれぞれの地域が,そこに住む人々が,誇りを持っていきいきと輝けるような,真に「豊かな地方,豊かな日本」を再構築する,そんな取組を京都から進めてまいります。

 

京都市子育てアプリ「京都はぐくみアプリ」の配信について

 まずは,先ほど申し上げた人口減少社会への対策となり,子育て環境日本一の京都を作っていくことにもつながる取組で,子育て支援施策を,スマートフォンで,いつでも・どこでも手軽に入手することができる,政令指定都市初の子育てアプリ「京都はぐくみアプリ」の配信についてです。

 「「子どもは社会の宝」,社会全体で育もう。「家庭,地域,学校,企業,行政など社会のあらゆる場で,人と人との絆を結び,共に行動し,子どもたちの今と未来を守っていこう」」と,京都市では,平成19年に「子どもを共に育む京都市民憲章はぐくみ憲章」を制定しました。平成23年には,京都市会全会一致でその推進条例を制定していただき,様々な事業を展開しています。

 また,幼稚園や保育園,児童館など,地域の身近な場所で子育ての相談ができる工夫や,妊娠中や子育て家庭を保健師や助産師が訪問する「こんにちはプレママ事業」や「こんにちは赤ちゃん事業」など,200を超える様々な子育て支援施策を充実して実施してまいりました。

 これらの施策は,これまでから新生児が誕生されたすべての御家庭に配布してきました「京都市子育て応援パンフレット」や,ウェブサイトで情報発信してきましたが,たくさんの事業を実施していますので,情報量が膨大になってきております。

 この度,必要な情報を必要な方に,さらに手軽に,よりわかりやすくお届けするために,京都市子育てアプリ「京都はぐくみアプリ」を作成し,これまで発信してきた子育て支援施策はもとより,京都府の取組とも連携し,子育て家庭のニーズに応じた幅広い子育て支援情報を効果的に配信してまいります。

 それでは,アプリの主な機能を5点説明いたします。

 1点目は,子育てイベント情報の配信機能です。

 幼稚園,保育園や児童館など子育て関連施設で開催される「遊びのイベント」や「子育て相談会」に加えまして,地域の皆様や子育てサークルが実施される「子育てサロン」などの子育て支援の情報をリアルタイムでお知らせいたします。

 利用地域や子どもの年齢などを登録すると,登録区分に応じた最新の情報を,1日に1回,決まった時間にお届けします。また,周辺情報プッシュ機能をオンにしていただくと,現在の位置情報を基に,その周辺で開催されているイベント情報などをお届けします。さらに,アプリで入手していただいた情報のうち,参加したいと思ったイベントについて,メモ機能を使い登録を行いますと,開催日に通知が届くという機能も備えております。

 2点目は,子育て支援施設情報の掲載です。

 イベントの開催施設を地図画面で確認することができます。また,お子さんと一緒に外出しやすいように,幼稚園,保育園や児童館などの京都市の子育て関連施設につきましては,イベント情報に加えて,「授乳」や「おむつ替え」スペース等の設備情報も掲載しております。外出先で,急に授乳やおむつ替えが必要になった場合でも,近くで利用可能な施設を検索することができます。

 3点目は,子育て支援施設やイベント開催施設までのナビゲーション機能です。

 初めて利用する施設で開催されるイベントにつきましても,気軽に参加していただけるように作成しております。バス鉄道の乗換案内アプリとして,好評をいただいている「歩くまち・京都」アプリと連動させることで,徒歩だけでなく,バスや鉄道を利用した移動方法の案内も行うことができます。

 4点目は,子育て支援施策の検索・閲覧機能です。

 京都市の子育て支援施策について,例えば,「妊娠から出産まで」,「赤ちゃんが生まれたら」,「子どもを預けたい」,「障害のある子どもへの支援」など,保護者の方の視点に立ちまして,目的に応じてわかりやすく11のカテゴリーに分類しました。さらに,キーワード検索によって,簡単に必要な情報を入手していただくことができます。

 5点目は,身長,体重,写真など,子どもの成長を記録できる日記機能です。楽しみながらアプリを利用していただけるよう,身長と体重がグラフ化して表示され,一目で子どもの成長を確認していただくことができます。記録した写真は,スライドショーにして順番に見ることができます。

 また,アプリの配信と併せて,本市が実施するあらゆる子育て支援情報を掲載している「京都市子育て応援ウェブサイト」についても,施策やイベント情報などを,よりわかりやすく簡単に検索できる機能を追加し,使いやすいものとしてリニューアルを行います。

 配信につきましては,アプリ,新ウェブサイト共に,平成27年1月末頃の予定です。

 アプリの周知につきましては,こどもみらい館,児童館,幼稚園,保育園,小・中学校,つどいの広場など子育て世代の方が集まられる場所でのリーフレットの配布や,お子さんが出生された際お送りしている「お祝いレター」へのリーフレットの同封,子育て家庭へ訪問しております保健師等も含めまして,徹底して案内してまいります。さらに,母子手帳の交付時や乳幼児の検診時でも周知を行うことで,多くの方に利用していただきたいと考えております。

 子育てを支援するアプリは,政令指定都市で初めての取組であります。

 京都市では,保育所待機児童ゼロを達成し,学童保育につきましても,3年連続で待機児童ゼロを達成しております。また,京都ならではの幅広い市民団体等が「子育てサロン」など,様々な子育てに関する取組を展開されています。これらとしっかりと連携し,そして,必要な方に必要な情報を丁寧にお届けしていく,取組を進めてまいりたいと思います。

 

バレンタインデーに「My猪口(チョコ)を贈ろう!」キャンペーンの実施について

 次に,バレンタインデーに京焼・清水焼等の「お猪口」(チョコ)を西陣織等のお猪口袋に入れて贈る「My猪口(チョコ)を贈ろう!」キャンペーンの実施についてです。

 京都市が全国に先駆けて「京都市清酒の普及の促進に関する条例」を制定して2年余りが経ちました。今や全国に同趣旨の条例を制定した自治体が90を超えています。

この条例は,日本酒の振興はもとより,京都に伝わるすばらしいものづくり,伝統文化,伝統産業,精神文化を次の世代に伝え,国内外に発信していこうという趣旨です。

 このキャンペーンは,その趣旨を踏まえ,日々の暮らしや行事に,京都の伝統産業製品(京もの)を取り入れていただくきっかけづくりとして企画されたものです。

 この度,バレンタインデーに,京都の日本酒と京焼・清水焼等のお猪口と西陣織のお猪口袋をギフトパッケージに入れて贈っていただく。そして,ホワイトデーには日本酒で乾杯していただく,このようなことも含めて, 京都はもとより,首都圏など様々な場所でキャンペーンを行っていきます。そうすることで,一過性のものではなく,息が長い取組にしていきたいと思っています。節分の時に,恵方巻を食べるという文化は,昔,それほどなかったものです。少なくとも,私たちが子どものときはなかったですが,今やすっかり定着しました。今回を機会に,日本酒と伝統産業を結び付けて繋いでいきたいと思います。

 主な取組としては,京都駅ビルで1月7日から1箇月以上にわたり,「My猪口プロジェクト」の周知,あるいは,プロジェクトメンバーによる様々な商品の展示,販売を行います。

 また,お猪口の陶芸家等の職人や京都の蔵元による講演等も開催し,盛り上げてまいります。

 首都圏では,2月4日から3月2日までの約1箇月かけて京都の多彩な奥深い魅力を発信する「京あるきin東京」は,東京で京都を感じていただき,そして,京都に来ていただくことを目的に実施するもので,今年で5回目になります。昨年までは2週間でしたが,今年は1箇月にわたってやることになりました。そのオープニングイベント会場等々でもキャンペーンを開催してまいります。

 また,2月13,14日に開催する「BRAND NEW KYOTO」などのほか,三越日本橋本店においても販売していきます。

 このほか,今年新たに開始いたします「京都・和の文化体験の日」や,「伝統産業の日」などでもこの取組をお知らせし,来年度にもつなげていきたいと思います。

 このキャンペーンは,京都の伝統産業製品「京もの」の素晴らしさ,クールさを国内外に発信しようと,伝統産業業界の未来を担う若手職人たちが昨年7月に発足させました「KYO-MONO is COOL!プロジェクト」実行委員会の企画によるものです。

 京都市としても,全面的に協力して,雑誌等への宣伝にも取り組んでまいりたいと考えております。

 これだけ京都に観光客がお越しになっている。これだけ京都のものづくりが評価されている。しかし,一方で伝統産業の厳しい現実があります。そうしたことを繋ぎながら未来に向かって,伝統産業,さらには,京都に伝わる日本の精神文化の継承に取り組んでまいります。

 

(華包について)

 京都の伝統文化であります「生け花」をユネスコ無形文化遺産に登録されました「和紙」で包んだものです。これを復活させることを目的に,京都の若手の華道の家元等によって組織された「京都華包研究会」が西洋風の花束ではなしに,こういった京都らしい伝統を大切にしたプレゼント用の花包をつくっており,本日飾らせていただいています。このような研究会が立ち上がり,多くの若手の方が頑張っておられます。伝統を大切にしながら,新たな挑戦をしていただいております。こうしたことも応援していきたいと思っていますので,よろしくお願いいたします。

 

質疑応答(要旨)

<報告案件に関する質疑>

<京都市まち・ひと・しごと・こころ創生本部会議について>

(総合戦略の目標について)

記者 会議で議論される総合戦略の目標は。

 

市長 会議では,経済団体や文化団体等の意見も賜りながら,前提条件を付けずに議論していきたいと思います。

   2011年から2020年までの10年計画である「はばたけ未来へ!京プラン」が,ちょうど5年目を迎え,現在,中間総点検を始めております。その中でも,「人口減少社会への挑戦」を最大のテーマとしています。これまでは人口をぎりぎり維持してきましたが,出生率はいまだに低い状態が続いております。こうした状況において,これからどうするのかということを集中的に議論しながら取り組んでまいりたいと思います。

 

記者 来年度前半には戦略を策定するということだが,スピード感を持って取り組む狙いは何か。

 

市長 人口減少対策や少子化対策は待ったなしであります。国は来年度中にプランを策定するよう示されていますが,京都市では,「はばたけ未来へ!京プラン」を作る際に,相当の議論を重ねておりますので,論ずるよりも行動し,一刻も早くビジョンを作ることが大事だと考えております。僭越ですが,日本のモデルになるようなビジョンにしたいと思っております。

   京都市は,精神文化や暮らしの美学,生き方の哲学を基本構想に掲げております。そうしたことも踏まえて,スピード感を持って議論し,深め,結論を導いていきたいと思っています。

 

<京都市まち・ひと・しごと・こころ創生本部会議について>

(会議名称について)

記者 政府が立ち上げた「まち・ひと・しごと創生本部」にはない,「こころ」を加えた理由は何か。

 

市長 行政がこころの問題を取り上げるということは非常に難しい面があります。しかし,京都市は「京都市基本構想」の第一章に「京都市民の生き方」を定義しました。京都市会でも全会一致で可決されています。こうした非常に奥深い精神性も含めて,京都市民は価値観を共有できると私は確信しています。

   そして,このような問題は,結婚され,子どもに恵まれ,それを社会全体で育んでいこうという市民運動として取り組んでいかなければならないですし,その精神的なものを大事にし,その条件作りを行政がしていかなければならないと思います。

   非常に難しいことなのですが,東京から地方へ人の流れを作っていく,その先頭に立つということは,多くの大学生が故郷から京都に来られる「大学のまち京都」としても,その方たちが,東京での就職を目指すのではなく,故郷での就職を目指すという取組でもあります。

   本市では,大学と地域とが連携する「学まちコラボ事業」を実施しています。熱心な学生さんが地域社会に入り,お年寄りのいろんな介護のお世話をされたり,伝統産業の従事者と触れ合うなどの経験をされる。その経験を活かし,東京ではなく故郷での就職を目指される。こういう体験も私は間近に見てきました。こういうことも含めて,やはり精神文化の拠点都市・京都が,巨大な経済力と情報発信力を持つ東京に対して,しっかりとした定義をしていかなければならない。そうしなければ,日本の未来が難しくなってくる。このような意味から,「こころの創生」ということを掲げさせていただきました。

 

My 猪口(チョコ)を贈ろう!」キャンペーンの実施について>

(伝統産業の振興と首都圏での取組強化について)

記者 本日の経済団体等との新年賀詞交換会の中でも,市長は「日本酒乾杯条例」は大成功であり,90もの自治体まで広がったと話されていたが,条例の本来の目的であった,京焼・清水焼,伝統産業の振興について,どのような現状認識を持っているか。

   首都圏での取組をかなり強化されているが,3月に開業する北陸新幹線の影響があるのか。

 

市長 日本酒乾杯条例が90もの自治体に広がり,多くの共感を得ているということは申し上げています。しかし,本来の趣旨である,ものづくりから精神文化の振興,継承はこれからであります。

   しかし,京焼・清水焼,伝統産業の振興についての議論がなされ,若い作家たちがつくっていこうというところまできており,スタート台に立てたことは事実であります。これからしっかりと取り組んでいきたいと思います。

   同時に,今年2月,1箇月にわたって様々な行事を東京で実施することになりました。また,「京都レストランウィンタースペシャル」というものを,5年前から京都市とレストラン業界で進めてきました。2月は京都の観光で一番お客さんが少ない時期であります。1箇月間,東京でもやり,京都でもやり,取組を連動させていきたい,という意図をもって首都圏対策を強化しております。もちろん,金沢と対抗するつもりはございませんが,首都圏という情報発信拠点,また人口集積地を大事にしながら,京都の伝統産業,京都の精神文化を継承していきたいという意図でございます。

 

   お猪口の作家の皆さんにとって,初めての取組であります。お猪口を直接売られるわけです。今まで京焼・清水焼等は,全て問屋を通じてモノを売るという文化でありました。例えば,和菓子やお漬物のように,直接作った人が直接売っている産業というのは元気であります。消費者のニーズがすぐ伝わってくるからでしょう。しかし,着物や帯のように非常に付加価値の高いもの,あるいは,京焼・清水焼などは,しっかりとした流通機構がございます。従って,作り手は消費者のニーズをあまり気にせず流通機構がその役割を担っておられるということです。これを自分たちが作り,自分たちが売るということを重ねていきますと,生産者に若い人が今何を求めているか,どういうものが市場に出回るのかということを感じていただけます。若手の作者たちがここからスタートしていこう,ということであります。

 

<「京都はぐくみアプリ」の配信について>

記者 はぐくみアプリはどのような方に,どのように活用してもらいたいと考えているか。

 

市長 京都市では,これまでから,パンフレットやホームページ等で,たくさんの子育て支援情報を発信してきました。

   また,子育て世帯の約6割が子育て支援施設を利用され,子育て支援情報を求められる方が30数%にのぼるとの調査結果が出たことを受けて,必要な方に的確な情報を発信することを目的に,「京都はぐくみアプリ」を作成しました。

   0歳から9歳までの子育て世帯が市内に111,256世帯あります。スマホの利用率を60%と仮定すると,約67,000世帯が御利用対象となりますが,初年度は,15,000世帯くらいの方に御登録をいただき,そして,友達から友達へと利用が広がっていけばよいと考えております。

   活用については,例えば,わが子の発達が心配な方,子育て相談を受けたい方,身近な地域で開催されるイベントや子ども達が遊ぶ場所を探している方に,子育て支援に関するあらゆる情報を的確に発信することで,施設やサービスを存分にご利用いただきたいと考えています。

   イベントの主催側としても,周知の不足から人が集まらないというようなこともあります。アプリの御活用をとおして,必要な方に必要な情報を発信することで,こうしたミスマッチの解消に大きな役割を果たせると思っています。

 

<報告案件以外の質疑>

<リニア中央新幹線について>

記者 リニア中央新幹線に関して,年末頃から国費投入による名古屋・大阪間の延伸前倒しの話が出ているが,前倒しが京都駅誘致に与える影響をどのようにお考えか。

 

市長 我々はこれまでから,「東京・大阪間の全線同時開業」,「関西国際空港までの延伸」,「京都駅の誘致」の3点を国やJR東海に求めてまいりました。

   リニア中央新幹線は,日本全体にとって大きな力になるものであります。全国新幹線鉄道整備法に基づき,経済効果等をしっかりと検証し,検証結果に基づいてコースを決めることが重要であります。私どもの計算では,京都駅コースが一番経済性に優れているという結果が出ておりますし,1000年を超えて日本の精神文化の拠点であった京都を新しい国土軸から外すことが日本の未来にどれだけの影響を与えるのかということをしっかりと議論していただきたいと申してきました。

   したがいまして,国費を投入して早期に開業するという気運が高まってきているのは大いに評価するところであります。早期開業等を最も早くから言い続けてきたのが京都でありますし,国費を投入するということになれば,法令に基づく検証が必要になりますが,42年前に行った検証では法の趣旨に合わないのではないかと思います。引き続き,道理に基づいて粛々と主張してまいりたいと思っています。

 

記者 国費投入は京都駅誘致にとってはプラス材料となるのか。

 

市長 プラスかマイナスかということよりも,国費を投入しなければ同時開業は困難ですし,関西国際空港への延伸も不可能であります。

   したがって,そういう意味での国費投入は歓迎したいと思います。JR東海だけでは難しいと既におっしゃっているわけですから,国が支援するのは当然だと思います。京都市がこれまでから求めてきたことに関しても一歩前進だと思います。

 

記者会見資料

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