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京都市未来まちづくり100人委員会~座談会~(第76回おむすびミーティング)

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2014年12月19日

京都市民が自分たちのまちを自分たちで良くしていくために主体的に行動し、市民主体のまちづくりを推進しようと2008年9月に創設された「京都市未来まちづくり100人委員会外部サイトへリンクします」は、全国でも先駆的な「まちづくり」のモデルとして注目されています。開始から6年目を迎える今、その取り組みは京都市内各地に広がりを見せています。地域の課題に多様な人が意欲的に挑む空気が生まれ、「まちづくりに関わりたい」という人たちが増える中、あらためて100人委員会の意義を確認しようと、11月7日に発案者の門川大作市長と、委員や運営事務局として参加してきた5人が、それぞれの体験を振り返りながら、100人委員会の成果や今後について語り合いました。

京都市未来まちづくり100人委員会~座談会~


左側の画像から対談内容を
印刷してお読みいただけます。

参加者

参加者
 氏名 100人委員会との関わり  備考
 伊豆田 千加 第4期委員 NPO法人 子育ては親育て・みのりのもり劇場 理事長
 嘉村 賢州 第1~3期運営事務局 NPO法人 場とつながりラボhome’s Vi 代表理事
 内藤 郁子 第1~3期委員 NPO法人 京都景観フォーラム 理事長
 野池 雅人 第4~5期運営事務局 NPO法人 きょうとNPOセンター 事務局長
 平井 誠一 第1~3期委員 代表 株式会社西利 代表取締役社長
 門川 大作  京都市長

異なる意見や能力を互いに認め合う

門川 第1~3期委員の代表を務めた、西利の社長・平井誠一さん。100人委員会の創成期で、特に印象に残っておられることは?

平井 まず、京都には素晴らしい思いや能力を持った人がこんなにいるのか、と驚きました。最初に全員の「京都が好き」という思いを確認できたので、代表として「ばらばらで一緒」という言葉を投げ掛けました。生い立ちも考え方も求めるものも、それぞれ少しずつ違う。けれど、京都が好きで何とかしたいという思いは一つ。だから、きっと一つのものが生まれてくるとお話ししました。当初は「こんなこと言ってもまちは変わらない、どうせ(行政は)動かないのでは」という声もあったんです。けれど、徐々に「じゃあ逆に期待するのはやめ、まずは自分たちが『こうします』と宣言しよう」となった。そして事業者への資金協力も、市民が市民の目線でお願いしようと。市民の宣言と、行政の協力・共感(共汗)と、事業者の協力、この三本柱で行こうと。第3期が終わるころには「異なりを認めながら一つを生きる」―異なる意見や能力をお互い認め合うことで、一つのものが出来上がるという感覚が出てきた。みんな本当に自由闊達に力を注いでくれました。最近まちづくりイベントに行くとよく100人委員会の元メンバーに会う。ある意味100人委員会は京都市が用意してくれた「まちづくり学校」だったなと思います。

見ているだけの人をどう巻き込むか

門川 京都の一番の宝は「市民力」。それをもっと生かせる仕組みと、きっかけをつくったときに、まちは劇的に変わると思っていました。そのために100人委員会が始まりました。NPO法人「子育ては親育て・みのりのもり劇場」の理事長・伊豆田千加さんは第4期に参加されて、どんなことを感じましたか。

伊豆田 まず感じたのは、NPOを立ち上げた当時の私たちと同じような、「もやもやしている、でも当事者だ、何かがしたい」と思っている人たちが老若男女いっぱいいるということでした。私が委員として参加するときに心掛けたのは「こうしたら」と誘導するのでなく、その人たちの思いやプロセスに寄り添い、形にできるようにする役割を果たすことでした。何か動きたいと思う人がその思いを周囲に分かってもらおうとするときに大切なのは、第三者や傍観者の人たち,つまり、「見ている」だけの人たちもその立場での参加者と捉え、できるだけ近くに寄ってきてもらえるようにすること。こういう人たちを,どう巻き込めるかがポイントで、それができれば緩やかな一体感が生まれ、地域の中で活動が継続する仕組みができる気がしています。見ているだけの人たちを無視して、「私たちだけで好きにやろう」というやり方ではない活動をしていきたいと私自身思っています。そういう意味でも、この100人委員会の広がりは無限大です。私個人もその後ずっとつながっている人がいますし、婚活ならぬ「縁活」の場、ご縁がどんどん広がっていく場としても、すごいなと思います。

議論の場は、まちづくりの縮図

門川 目標と人のつながりさえあればこれだけのことができるという実例を、明るく力強く語っていただいた伊豆田さんは、100人委員会の広がりに大きな影響を与えられましたね。「ご縁」を広げ、まちづくりに波を起こしている好例、第1~3期に参加した内藤郁子さんは、NPO法人「京都景観フォーラム」を立ち上げられました。

内藤 100人委員会に参加したのは、新しい景観政策が施行されてちょうど1年目。私と同じように「景観は大事だと市民に分かってもらい、市民発のムーブメントを起こさなければいけない」と思う人たちと、「こんな政策はとんでもないからやめさせよう」という考えの人たちと2グループあったのです。それを「同じ景観のことだから一緒に」と言われ、全く違う意見の人たちと毎月話すこと丸2年。やっと何か見いだせたかと思ったら、また次の月に初めからという繰り返し。でも議論の場は、まちづくりの縮図。いろんな人がいる中誰も疎外せず、一緒に何をしていけるかを見いだしていくのには、本当に時間がかかるし、忍耐もいる。でもおかげで粘り強さ、忍耐力がつきました。第2期のころから、とにかく実行をしようと「京都景観フォーラム」と名乗りはじめ、「放置自転車撤去看板の提案」や「景観エリアマネジメント講座」など、いくつかの事業を開始し、委員会卒業の時にNPOの認証を取りました。

門川 市民の皆さん自身が「京都のあるべき姿」を自ら培い、行動する組織が生まれたのは画期的ですね。内藤さんたちのNPOはことし8月、京都市と連携して景観づくりに取り組む団体、景観整備機構として認証されました。

内藤 京都らしい景観まちづくりを進めていくためには、市民が主体となって、自分たちのまちの特性を理解し「自分たちのまちをどうしていくのか」という意識を持ってもらうことが大切です。そのきっかけづくりやお手伝いをしていきたいと考えています。もう一つ大切なのが、行政だけでも、市民だけでもまちづくりはできないこと。市民と行政、その間をつないでいける専門家としての活動にも取り組んでいきたいと思っています。

各区に広がる取り組み

門川 最近京都に移り住んでくる人も増えている。これも市民の皆さんが市政を動かしたからだと思います。京都を「小さな東京」にはせず、京都の市民力で、京都ならではのまちづくりで活性化していこうとしています。第1~3期に運営を担い、また現在はアドバイザーを務めるNPO法人「場とつながりラボhome's vi」代表理事の嘉村賢州さん、この人もすごい。京都の未来に向けたまちづくりに、100人委員会はどんなインパクト・価値を与えたと思いますか。

嘉村 20代最後の3年間、相当の苦労を体験しました(笑)。まず初めに、何かお題を用意したいと言われた行政の担当者の方と相当闘ったことが思い出されます。「市民主体のまちづくりにレールを用意しては駄目。白紙で臨みましょう。皆さんの力を信じれば多種多様なアイデアが出るに違いない」と。普通の生活では交じり合う機会のない多様な人が集い、全員で難題に挑んだ3年間。結果100人委員会出身者全員に「私の100人委員会」という意識が生まれたと思います。さらに卒業生には「京都のまちを私たちのネットワークで何とかしよう」という主役感が育まれているのがインパクト。そして価値があるのは、今同じような試みが行政区ごとに起こり、オリジナルで運営されていることです。例えば最近、東京の保育士で京都に引っ越して何かしたいという人を、左京区のまちづくりについて対話する「左京朝カフェ」に連れて行ったんです。するとその日のうちに仲間ができ、次に会う約束までできた。「そこへ行けば何かが始まる」入り口が、京都のあちこちで生まれているのは、大きな価値だと思います。

多世代から集まっているのが特徴的

門川 嘉村さんに最初に会った時、教育長当時ですが,いろんな考えの人のさまざまな話題を、単なる雑談で終わらせずに、きちんとした仕組みでまとめられていた。すごいなと思いました。そこで100人委員会の仕組みづくりに際しては、嘉村さんを中心にずいぶんもんでいただきました。当初の心配に反し、まちづくりに関心のある人が集まってくれました。学生や専門家もいて、いろんな学び合いがある。第4、5期の運営事務局を務めるのはNPO法人「きょうとNPOセンター」事務局長の野池雅人さん。野池さんが目指す、今後の100人委員会は?

野池 既にベースができているところから始まった第4、5期は、委員の皆さんにもここに何かするために集まっているという意識がしっかり浸透しています。特に第5期は10~30代の方が半分を占め、非常に活気があります。他のまちの会合ではたいてい50~60代の方が中心で、若い人はぽつぽつ。しかし京都の場合は若い人たち自身が、まちのことを話し、いろんな人たちを知り、そこで何か行動を起こしたいという雰囲気がある。12月20日に開く第5期の「プロジェクト構想発表会」では、今のメンバー117人の議論が、本当にまちの課題になるのかを多くの市民の方に問い、確認し合う場にしたいと思っています。 100人委員会は京都市の一つの文化。多世代の方々がこれだけ集まっていることは非常に特徴的なことです。こうしたまちづくりの文化が深くより根付くよう、これからも取り組んでいきたいと思います。市役所の職員が参加しているのも面白く、今はメンバーの2割近く。参加すると職員の意識は大いに変わる。職員の一部は最初、市民というと窓口に要望を寄せる人で「怖い」?(笑)イメージだという。ところが100人委員会で非常に前向きで主体的な市民に出会うと「一緒に何かできるのでは」となってきて、その後区役所に異動して何か始めたり、市民活動のNPOに入る人も。またそれを見る学生たちは京都市役所に就職したいと言う。市職員と市民の関係が、あの場では同じ市民としてフラットであり、そういう関係性が生まれているのは素晴らしいですよね。

門川 市役所の職員もさまざまな実践をしています。現在京都市では、市民の皆さんに一番近い区役所の改革を進めており、最近「区役所が大きく変わってきた」という声をたくさん頂いています。100人委員会は、いわば京都市全体の縮図。まちづくりは市民と行政が一体となって、相互に良い影響を与え合うからこそ、推し進められる、その思いを新たにしました。これからも市民主体のまちづくりを、ぜひ皆さんの力で盛り立ててください。市役所もさらに頑張ります。

お問い合わせ先

京都市 総合企画局総合政策室市民協働担当

電話:075-222-3178

ファックス:075-212-2902