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門川市長記者会見(2014年9月10日)

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2014年10月15日

市長記者会見(2014年9月10日)

「古都京都の文化財」登録20周年記念 「世界遺産サミット ~世界遺産地域の連携と魅力発信~」の開催について

 

 本日は,私から2点御報告申し上げます。

 世界遺産「古都京都の文化財」登録20周年を記念いたしまして,国内に18ある世界遺産が所在する自治体の首長や,観光,まちづくりに取り組む専門家,市民の代表などが一堂に会する「世界遺産サミット」を初めて開催します。

 「世界遺産サミット」は,世界遺産の保全,観光面等における活用について意見交換を行い,そのあり方を問題提起することを目的とし,日本観光振興協会と「世界文化遺産」地域連携会議との共催で開催いたします。

 「世界文化遺産」地域連携会議は,世界文化遺産を有する市町村長,また志高く,日本の各地で地域に根差して世界文化遺産の保全・活用に携わる皆様とともに平成23年6月に結成したもので,私が会長を務めています。

 世界遺産にとって最も大事なことは,地域社会との関わり方,自治体との関わりです。積極的に情報交換,意見交換し,各都市でなすべきことは全力で実行する。さらに,各地域で直面している課題,成功事例を共有する。そして,国に対して制度の改革を要望するといったことを基本に,毎年,東京で総会を開催し,議論を進めてまいりました。

 同会議における3年間の活動を通じ,世界遺産の保全・活用に携わっている関係者,特に自治体の首長が市民,専門家と共に集まり,意見交換をしながら,知恵を出し合い,力を合わせていくことは非常に重要であるということを実感し,更にこの活動を強めていこうと考えているところであります。

 そして,今回,「世界文化遺産」地域連携会議の京都開催に合わせ,観光庁や文化庁など,世界遺産関係省庁としっかりと連携した下で,「世界遺産地域の連携と魅力発信」をテーマに,「世界遺産サミット」を本年10月24日に開催することとしました。

 世界中に様々な世界遺産がございますが,日本の世界遺産の最大の特徴は,有形文化財であっても,木と土と紙でできており,必ず朽ちていきます。これを,継承していくということは,その価値を認めてそれに従事する匠の技を育てていく,あるいは,森を大事にして木を育てる等のあらゆる取組が総合的に行われなければ,日本の有形文化遺産も保存できません。有形文化遺産といっても,ある意味,無形文化遺産といっても,過言ではないでしょう。世界遺産サミットは,そうしたことをしっかりと認識し,国に政策提言し,さらに,大学や伝統産業,伝統文化の関係者とともに,力を合わせて,活かしていくことがいかに大事かということを訴える場にしたいと思っております。

 今年,米国の「トラベル・アンド・レジャー」という世界で最も影響力のある雑誌の読者投票で,京都市が世界で最も魅力にあふれる観光都市に選ばれました。

 また,東京オリンピック・パラリンピック,あるいはアジアで初めて開催される「ラグビーワールドカップ2019」,「関西ワールドマスターズゲームズ2021」など,世界的なスポーツ大会の開催が予定されており,日本に対する関心も高まる時期でもあります。

 世界遺産の保全には,市民の意識を高め,観光などで活かし,価値を認識し,継承することが大切です。そのために,汗を流す人々を幅広く育んでいく。このことの重要性を確認し合い,共に努力する,また国の政策を変えていく,こんな機会にしたいと考えております。

 今回のサミットには,昨年世界遺産に登録された「富士山」から富士宮市長がお越しになります。また,今年6月に新たに世界遺産に登録された「富岡製糸場と絹産業遺産群」の富岡市長もお越しいただきます。多くの自治体の長,リーダーの方にお越しいただきます。ありがたいことであります。

 ユネスコ無形文化遺産の祇園祭後祭の49年ぶりの復興に多大なる御尽力をいただいた祇園祭山鉾連合会の吉田孝次郎理事長に,記念講演として「暮らしと観光と文化財」といったテーマで文化遺産の継承のための苦労話をしていただきます

 また,ユネスコ前事務局長の松浦晃一郎さんにもお越しいただきます。この方は日本人で初めてユネスコの事務局長に就任し,10年間勤められた方です。

 世界遺産制度が始まって42年になります。日本が加盟してまだ22年です。正直言って,日本の加盟が遅れたのではと思ったのですが,概念を変える必要があったのです。例えば,金閣寺は建て替えております。それでも世界遺産です。なぜ世界遺産かというと,創建時の哲学,材料,匠の技,これらにしっかりと基づいて建て替えられたので,世界遺産として価値があるのです。こういったことを主張されてきたのも松浦さんです。

 世界遺産制度の拡充に大きな功績をお持ちの方であります。

 そして,観光庁の久保成人長官,文化庁の山下和茂文化財部長にもお越しいただき,それぞれのお立場から御発言いただきます。また,ユネスコ平和芸術家の城之内ミサさんにお越しいただき,ピアノアンサンブルを御披露いただきます。

 一昨年の,世界遺産条約採択40周年の最終会合が京都で開催されました。そして,「京都ビジョン」が打ち出されました。「京都ビジョン」の要点は,「地域との連携」でありました。世界遺産の過去,現在,未来が世界に発信され,これを受けて,京都の関係者が「京都アピール」を発信しました。これも,中心は「地域との連携」であります。

 そして,「地域と世界遺産」を重視しながら,世界遺産登録20周年を再認識し,また,日本中の世界遺産が生かされ継承されていく,そのために京都としての役割を果たし,世界にメッセージを発信していきたいと思っております。

 

 

市バスにおける「ICカード」の利用開始について

 次は,市バスにおけるICカードの利用開始についてでございます。

 交通局が全力を挙げて努力した結果,計画よりも3箇月早く,本年12月24日のクリスマスイブから,すべての市バスにおいて「ICカード」をご利用いただけるようになりましたので,御報告いたします。

 現在,市バスは,「より便利でわかりやすく」をコンセプトにあらゆる取組を進めております。本年3月には,24両もの増車を行い,観光系統や主要系統の増便,また,地下鉄や民間鉄道との結節の強化,更に夜間ダイヤの増強などに全力で取り組んでおります。案内表示の一新も非常に分かり易くなったと好評でございます。

 また,市民や事業者の皆さまとの協働のもと,バスの駅の整備をはじめとするバス待ち環境の向上にも全力を挙げております。

 こうした取組と併せまして,市バスをさらに便利にお使いいただくため,昨年度から2箇年かけてICカードシステムの導入に取り組んでまいりました。

 徹底して作業工程の効率化を図った結果,12月24日からご利用いただけるようになりました。これによって,車内での両替の手間が無くなるほか,ICカード1枚で,市バスと地下鉄を利用できるようになります。また,「ICOCA(イコカ)」や「Suica(スイカ)」など全国10種類の交通系ICカードもご利用いただけるようになりますので,飛躍的に便利になります。

 今後とも,市バス,地下鉄,また,民間の鉄道やバスも含めて,協力し合い,公共交通優先の「歩くまち・京都」の取組を充実させていきたいと思います。

 トラベル・アンド・レジャー誌のアンケートに寄せられた声の一つに,「見るべきものがたくさんあり,バスや電車を使ってそれらを簡単に観光してまわることができる。観光には最低でも2~3日かかる。」というものがありました。バス,地下鉄などの公共交通を便利にすることがいかに大事かということを改めて感じましたし,これからも努力していきたいと思います。

質疑応答

報告案件に関する質疑

<世界遺産サミット(他のサミットとの違い及び参加自治体等)について>

記者 世界遺産に関するサミットは,今月末に弘前市で開催される「環世界自然遺産サミット2014」や,和歌山で開催される「全国世界遺産観光地サミット」等あるが,今回のサミットが,これらのサミットと違う点を改めて伺いたい。

   また,今回のサミットは,地域連携会議の定例総会を兼ねての開催となるのか。

 

市長 「世界文化遺産」地域連携会議は,世界遺産を有するほとんどの自治体が加盟している会議であります。これに加盟する自治体の首長と地域のリーダーが一堂に会する,このことに非常に意義があると思っています。

   参加自治体の規模においても,世界遺産を有するほとんどの自治体を網羅しており,この会の責任の重さを実感しています。

   また,サミットの前に地域連携会議も行いたいと思っております。

   

 

記者 世界遺産が所在する自治体は21都道府県だが,参加自治体はいくつになるのか。

 

市長 参加自治体数は,現在調整中ではありますが,現在13市町村から出席の返答がありました。

   さらに,自治体もさることながら,その地域で熱心に活動されているNPO法人の方々との連携も非常に大事だと感じております。また,観光庁,文化庁,林野庁等の政府関係機関の全面的な支援もいただいており,責任も重いと考えております。

 

記者 世界自然遺産の北海道,鹿児島からの参加もあるのか。

 

市長  呼びかけております。

 

<世界遺産サミット(世界遺産を抱える都市が持つ課題)について>

記者 世界遺産を保全していくためには財政面など様々な課題があると思うが,サミットを通じてどのような成果を期待しているのか。

 

市長 文化財は面で保存しなければならないが,日本の文化財保護制度はいまだに貴重な文化財を「国宝」や「重要文化財」など,物や点を対象とした制度になっています。「世界遺産」という概念の中で一番大事にしなければならないのがバッファゾーンであります。京都ではその点を大事にして,20年前に「古都京都の文化財」が指定されたときには,世界遺産の周囲にバッファゾーンを設定しました。

   また,京都のまち全体がふさわしい景観になるよう,国に対して景観法の制定運動を行い,平成17年に国において景観法が施行されました。そして,すぐに市民的な議論を始め,2年経った平成19年に,京都の新しい新景観政策を実施し,きめ細かい支援策に取り組んできました。

   文化財保護制度を面で展開していかなければならないときに,補助制度などの国の政策そのものが追いついていないことを実感しています。

   今回のサミットは,京都国際ホテルで開催します。二条城が世界遺産に指定されたときに,二条城の周辺をバッファゾーンに指定し,建物の高さ規制を15メートルにしました。国際ホテルは,今年12月に閉店されますが,この建物が無くなったときに二条城から見える景色は,410年前の築城の時とほとんど同じ景色になります。

   また,文化遺産は面だけでなく,縦にも守らなければなりません。伝統産業や伝統文化がつながらなければ世界遺産は守れないからです。

   世界遺産制度は非常に価値の高い,すばらしい制度ですが,コンセンサスを得てやっていかなければならないものでもあり,非常に大変な制度です。そうしたことを国や世界遺産を有する各自治体が認識し,国全体として,文化遺産を面でも縦でも守る。そうしたことを国に対して,制度改革や国家戦略としてやっていくように要望し続けていかなければならないと思います。

   イタリアには世界遺産に関する特別法があります。国に対して特別法を求めることも議論しておりますが,現行の制度の中で,国も自治体もあらゆる政策を総動員していくことが必要だと思います。

記者 今回のサミットは今後も続けていくのか。

 

市長 続けていくのかということも今回のサミットの大きなテーマにしたいと思っております。そして,世界遺産の登録運動はありますが,登録されたらそこで終わりというものではなく,世界遺産の価値を縦と横で守っていくことを推進するサミットにしていきたいと思っています。

 

<ICカード(利便性向上による増客・増収効果)について>

記者 市バスのICカードについて,利便性の向上による増客や増収の効果の見込みは。

 

市長 ICカードにしたからすぐにお客さんが来るということではないと思います。ICカード導入による減収もあると思いますが,結果として,マイカーからバス・鉄道に乗り換えることに大きく役立つと思います。

 

<世界遺産サミットの開催(京都市の役割)について>

記者 京都市長として,今回のサミットの開催においてどのような役割を果たしていきたいか。

 

市長 各地域が直面する世界遺産の維持のために,また,観光客が増えるがゆえの課題や問題点を京都は克服してきました。そうした経験も持っているから,各自治体の方々から「世界文化遺産地域連携会議の会長は京都市長がやるべきだ」という御意見をいただきましたので,お受けしました。世界遺産を有する自治体の象徴として,京都が,役割を果たさなければならないと思っています。

   また,例えば,建仁寺の建物は国宝ではありませんが重要文化財です。国内規定では,文化庁が(世界文化遺産の候補を)絞り込むときに国宝であることと定めています。しかし,外国ではそうした規定がありませんから,「どうして,建仁寺をはじめ,大徳寺や大覚寺等が世界遺産ではないのですか」と,京都に来られた外国の方は不思議がられます。逆に,世界遺産であっても,観光客が多く訪れるかといえば,そうでもありません。

   したがって,京都市では,今回の世界遺産サミットの開催を機会に,世界遺産であるとか,国宝であるとか,重要文化財であるとか,その認定を越えて,京都市に伝わるあらゆる文化遺産を大切にして,次の世代に伝えたいと考えています。いま,地蔵盆とか,京都の食文化,花街の文化等を「京都をつなぐ無形文化遺産」として選定する京都市独自の取組をしていますし,京都遺産という制度も発足させたいと思っています。こうしたことにも取り組んで,他の地域に対してモデルとなり,世界遺産に登録されなかったから,がっかりということではなく,世界遺産でなかったとしても尊いものは尊いという取組に深化させなければならないと痛感しています。

 

報告案件以外の質疑

<4~6月の景況感について>

<ニューヨークでの対日投資セミナーについて>

記者 4月~6月のGDPが7.2パーセント減となったが,市長として増税後の景況感をどのように認識しているか。

 

市長 景況感につきまして,一つは産業観光局が地道な調査をしています。

   同時に,会う人会う人に体感的なものを聞いております。率直に言いまして,観光分野が非常に活況ですので,まちが非常ににぎやかで,活気に満ちているという感がありますが,この分野でも国内旅行が少し東に向いているという傾向もあるようです。がんばらなくてはならないと考えています。

   また,伝統産業や零細企業では,なかなか厳しいという状況がありますが,京都の中小企業につきましては,あまり悲観されていないようにも感じられます。この状況を乗り越えていける,一時的なものであるという感覚を持っておられる方が非常に多いように思われます。リーマンショック後の3年前,4年前においては,皆が非常に縮み思考になった感がありましたが,今回の落ち込み部分については,乗り越えていけるものであると認識されているようです。

   景気について申し上げるなら,経済政策は非常に大事です。同時に企業の経営者,あるいは,市民の気の問題というのもあります。そこに明るい希望を抱きながら,京都市としても取り組んでいきたいと思います。

 

<ニューヨークでの投資セミナーについて>

記者 9月23日にニューヨークで初めて開催される日本主催の投資セミナーに出席されるが,その意気込みと,ニューヨークということで,どのような投資につなげていきたいか。

 

市長 経済産業省との間で対日直接投資の促進について意見交換を行う中で,今回のJETRO主催の対日投資セミナーの話が持ち上がり,参加の運びとなりました。都道府県からは,経済産業省の官僚であられた,和歌山県の仁坂知事が出られます。そして,政令市,中核市等からは,私が行きます。あと,新潟の十日町市,岡山の美作市。それぞれ個性的なところが行って,その土地ならではのアピールをすることになると思っています。

   私もよいチャンスをいただきましたので,まずは,京都への投資策として,あらゆるものを包み込むことができ,そして,世界ナンバー1,オンリー1の企業を創出してきた,京都の魅力を訴えたいと思います。また,京都は,伝統産業から先端産業まで発達しており,iPS細胞に至るまで,あらゆるものづくりをしています。これに関連した新たな産業も創出されてきており,あまり知られていませんが,京都リサーチパークでは,300社を超える企業が集積して,約4,000人に及ぶ人が働いています。さらに,京都には,大学や研究機関が集積するという魅力もあります。

   何よりもいつも申していますが,京都には,ナンバー1,あるいは,オンリー1の企業でグローバルニッチの企業がありますが,それらのルーツは織物,染め物,印刷,あるいは陶磁器,お酒,寝具や仏壇仏具等,伝統産業のものづくりの力にあります。こうしたあらゆるものづくりの力と,大学や研究機関のイノベーション(技術革新)が融合して,新たなものづくりに発展します。

   私は,これらの京都の魅力と同時に,安心安全のまち京都,さらに,住環境,あるいは,食文化,あらゆる魅力を訴えたいと思います。ちょうどアメリカで発行されている「トラベル・アンド・レジャー誌」に世界一と評価されましたが,「京都を訪れた方にとって1番であるということは,そこに住んでいる人,そこで働く,学ぶ人にとっても1番であります」と,このように訴えてきたいと思います。

 

<地方創生への取組について>

記者 安倍内閣が進めようとしている「地方創生」について,一部では,ばらまきなのではないかという指摘もあるが,京都市としてどのような点に期待しているか。

 

市長 あくまで,地方が活用しやすい制度にしなければならないと思います。リーマンショック後の不況時の雇用創出の予算でも,京都市はうまく使いましたが,他の自治体では使い切れないということがありました。雇用対策事業のように,都道府県を通じて地方に分配するということではなく,政令市が主体となるような制度設計を要望していきたいと思っています。そして何より,一過性に終わらない,持続可能なものにしなければもったいないと思います。

   地方の地域力が,それを支える人間力が,歴史力が,きっちりと自治体と市民との協働によっていかされれば,地方は元気になります。これは東京で設計してもだめなので,きっちりと評価する手続きを整えたうえで,地方が独自にいろいろな案が出せて,そうした地方の独自性,制度の柔軟性,これを尊重するものにしてほしいと強く言っていきたいと思っています。これは,先日,太田国土交通大臣にも伝えたところです。また幸いなことに,二之湯智総務副大臣は京都出身でありますし,京都市政のこと,京都の産業政策等,よく知っていていただいていますので,連携してやっていきたいと思います。

 

 

 

記者会見資料

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