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門川市長記者会見(2014年5月12日)

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2023年4月12日

記者会見資料(平成26年5月12日)

祇園新橋伝統的建造物の利活用について

 祇園新橋のすばらしい伝統的な建造物を寄附いただきました。それを,京都の未来のために最も有効に活用したいということで,事業者を募集しますので,御説明させていただきます。

 『かにかくに 祇園はこひし寝るときも 枕のしたを水のながるる』と詠んだ吉井勇や,谷崎潤一郎,夏目漱石など,多くの文化人をはじめ,市民,国内外の方々が愛した祇園。春は「都をどり」,夏は「祇園祭花傘巡行」,秋は「かにかくに祭り」,そして,冬は「南座顔見世総見」と,四季折々に多彩な催しが行われ,国内外から,年間400万人を超える多くの方々にお越しいただき,また注目いただいております。我が国第一級の"おもてなし空間"と言っても過言ではないと思います。

 質の高い洗練された町家が今も整然と並び,白川,石畳,素晴らしい緑,春には桜,本当に趣きある町並みは,国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されております。

 こうした国内はもとより,世界の人々を魅了するこの地の伝統的な建物を,昨年6月,大澤惠美さんという方から,公益のために使ってほしいとの御遺志により寄贈いただきました。

 この建物は,維新志士たちを支えた芸妓により明治中期に建てられたものであると伝えられております。京都市では,歴史都市・京都の魅力を世界に発信するため,この時代の生き証人ともいえる建物を最も有効に使おうということで有識者を交えて検討をしてまいりました。

 この度,京都市では初めてとなりますが,有識者の御意見を踏まえ,基本コンセプトを,「祇園新橋の町並みや風情を守る」,「祇園新橋の新たな魅力を創る」,そして,「京都の文化を世界に発信する」として,地域の特性やこの建物の外観も含めて価値を活かし,有効な活用をしていただく方を公募型プロポーザルで募集します。

 プロポーザルで選定した事業者には,定期借家契約により,原則10年間貸し付けて,活用していただきます。この度,その事業者を募集します。

 事業者は,6つの評価軸をもとに事業者選定会議において選定していたただきます。

 なお,委員については,放送作家の小山薫堂さん,喜んで引き受けようと言ってくださっています。また,京料理を進化させる気鋭の料理人,京料理木乃婦の三代目主人であり,若手料理人のリーダーでもあります髙橋拓児さんほか6名を予定しております。

 評価項目については,まず1点目,建物の価値を向上させる改修提案,風情にあった利活用であるかどうか。

 2点目は,これまでとは一味違った,新しい京都の魅力を創り出すものであるか。

 3点目は,世界に発信する仕組みや取組。

 さらに,「公共性」,「事業の実現性・経済性」,「家賃」の3項目を加えた6つの軸で評価を行います。

 今後,5月中旬に募集要項を公表しまして,9月末まで提案を受け付けます。す。そして,施設の整備を行いまして,来年度のオープンを目指します。

 ぜひ,事業者の方には,この建物,この場所に相応しい活用案を御検討いただき,積極的に御提案いただきたいと思います。祇園の,ひいては京都の魅力と品格をさらに向上させるもの,同時に寄贈いただいた大澤さんの心が生かせるようにと考えております。世界に発信し,京都と世界を繋ぐ懸け橋となっていくことを期待しています。

 本市としましても,祇園をはじめ,京都全体の歴史を守るべきは守りつつ,また新たな魅力を創造する取組に市民の皆さん,事業者の皆さんと全力を挙げていきたいと思います。新橋の新たな拠点となる本施設とともに,京都の魅力・文化を強力に発信してまいります。

質疑応答(要旨)

<報告案件に関する質疑>

記者

 この建物をどのように活用してほしいか。また,今後同様に提案を受け付ける施設はあるのか。

市長

 活用については,あまり固定的に考えていただく必要はありません。我々だけが知恵を絞るのではなく,京都はもとより全国,世界から御提案をいただき,京都の魅力を全国,世界に発信するものとして活用していきたいと思っています。

  「京都の空き家」,これを京都の資産と捉え,「細街路対策」,「密集市街地対策」,「京都市空き家の活用,適正管理等に関する条例」の3点セットを活用し,京都ならではの地域力を活かした取組を進めてまいります。

  今回の事案がモデルとなり,使われてない空き家には大きな魅力があることに気付き,皆で活用していく。このような取組が広がればと思います。

 

記者

 評価軸に,「祇園新橋の新たな魅力を創る(これまでと一味違った京都の魅力を創出)」とあるが,市長はどのようなものがこの土地に必要だとお考えか。

市長

 これまでの懇談会で皆さんに議論いただいてきたことなので,あまり私が1つの概念を示すのは避けたいところですが,一般的には,「一元さんお断りが多い」,「敷居が高い」というイメージが多い地域であります。国内外の方々がこの祇園の魅力に気軽に触れていただける,そして,多言語対応ができる,伝統的な京都のおもてなしがある,こういったことが新たな魅力として発信できればと思い,基本コンセプトを設定しています。

 

記者

 良い立地,良い素材の町家を,市が独自で活用方法を検討するという手法もあるが,あえてそこで民間の力を入れるという狙いは何か。

市長

 私は,可能な限り民間の力を活かす,これがまず大事だと考えています。 そのために,有識者の方々や地域の代表者の方々に参画いただき議論してきました。地域の方々も,全国,世界から広く公募いただき,第三者機関で審査し,最も京都の魅力を世界にアピールするものにしてください,という非常に懐の深い御意見をいただいており,嬉しく思っています。固定概念,利害に拘らず,自分たちが今まで取り組んでこなかった新たな発想にチャレンジしようとしている。伝統をしっかりと守りながら常に新たな挑戦をされるすばらしい京都の町衆だな,と感じています。

<その他の質疑>

(総合区について)

記者

 地方自治法の改正案に,「総合区」が盛り込まれているが,先般の東京で行われた会議でも指定都市の首長からはその制度に対してはあまり評価していないという声があがっていた。市長もそのように発言されていたが,改めて,総合区に対する市長の考えを伺う。

市長

 政令指定都市は20市ありますが,それぞれの都市の歴史的経過や抱えている課題は違います。我々は,特別自治市を含めた多様な大都市制度の創設を国に要望してきました。政令指定都市の首長は,都道府県知事と同じ仕事をしている面も多いですが,知事会の中には入れません。また,大きな都市は自立しているということから,市長会の意見に政令指定都市の意見が積極的に取り上げられることは少ないと,非常に難しい立場にあります。我々は,地方六団体を八団体にしてほしいということも要望しております。

  そのような状況で,菅官房長官を代表とする政令指定都市を応援する国会議員の会が創設されたことをうれしく思います。そして,先日の会議では,総合区というのが大きなテーマではなかったですが,ある議員さんの,総合区に関する質問に対して,浜松市長が,あまり政令指定都市で総合区を活用しようというところはないのでは,というお話をされました。京都市においても,今,総合区を検討していることはありませんし,総合区を求める声についても,議会からも市民からもありません。

 私も総合区を活用する計画はないということを,その後のぶらさがり取材の時に申し上げました。もちろん,政令指定都市が様々な行政を行ううえでの選択肢のひとつとして,制度として作られることについて否定するものではありません。同時に,政令指定都市が様々な要望を国に対して行っていますから,それらについてより前向きに検討してほしいと考えています。今,京都市では,区長の権限を強化していこうと考えています。住民に最も近い,区長と区役所が,住民の悩みも地域のあらゆる可能性も一番よく知っています。

 また,区長や区役所には,住民の悩みや課題に真正面から対応できる行政能力がありますので,それらを生かしていくための様々な取組を進めています。それが今,京都市が与えられている権限の中で,また,議会の判断で進めていくことができますから,総合区という形でなくてもできると考えています。

 

記者

 従来の制度と総合区で表面上違うのは,区長の同意案件を増やすという部分だが,今やっていることができるのであれば,必要ないということか。

市長

 そういうことです。京都市では必要としていません。もっとも,全国の政令指定都市の区長制度には様々な形があります。現行制度でも,京都市の場合は,区長,担当区長は局長級です。これに対して,区によって区長のランクを変えている指定都市もあります。京都市の場合は,歴史的にも,伏見区は人口30万人近い西日本最大規模の区ですが,その伏見区長と人口規模の異なる東山区長とは対等です。そういう良さを生かしていきたいと思っています。

 

記者

 改正では,都道府県と政令市との協議が盛り込まれていますが,京都の場合は,京都府知事と京都市長との懇談会と,府市行政協働パネルがあるが,今回の協議に関してはどういうふうに考えているのか。

市長

 先日の指定都市市長会でもそうでしたが,会議をやってよかったと思うのが,政令指定都市が様々な創意工夫をしながら,都道府県とのより効率的な行政執行のあり方についてどんどんと改革していることです。最も先進的に改革しているのが京都市だと思いましたが,それをアピールする場になったと考えています。逆に,地方でできることは地方で行っているということを,国会議員の先生方に,これまであまりアピールできていなかったことが反省点となります。したがって,地方でできることは地方で行う。一方で,政令指定都市と府県との間で,様々な軋轢があるところもありますから,その際は,この調整会議,勧告制度を活用して,行政執行を行うということだと思います。しかし,京都市はしっかりやっていると,私は考えています。

 

記者

 となってくると,政令市の側からすると改正そのものは,あまり必要ないというか意味のないようなことに思うが,これが今出てきた背景を市長はどうお考えになるか。

市長

 地方分権改革が始まってから20年となり,大きな節目を迎えます。大都市は自立しているから大丈夫だと,国政の場でもあまり議論されてきませんでした。その間も,我々は,様々な課題を提案してきましたが,大阪都構想も含めて,大都市制度について国政レベルでしっかりと議論していこうという流れになっています。私は,それはプラスに受け止めたいと思っています。これを第一弾として,政令指定都市の願いにこたえる改革をより進めてほしい,こんなことをお願いしてきました。

 

(職員不祥事について)

記者

 職員が不祥事により逮捕されてから1か月経ちますが,中途採用の在り方についての見直しの状況はどうなっているのか。また,先日の報道で公印の管理についても指摘されていますが,そのあたりどうなっているのか。

市長

 昨年8月に,市民の方の訴えから発覚しましたが,ただちに警察に相談し,警察の捜査に全面的な協力をしてきました。時間がかかりましたが,今後も警察の捜査に全面的に協力していきたいと思っています。あとは捜査段階のことですので,私どもとして現段階では言えません。

 なお,公印の管理については,厳正に取り扱っているということであります。捜査の結果を待ち,改革すべき点があれば改革したいと思っています。

 

記者

 大きな不祥事はなくなったという話ではありますが,例えば今回の公印の話にしても,不祥事を生む芽のようなものが,たくさん残っているような状況ではないのか。

市長

 新規採用の職員が悪意を持って業者の方を欺こうとし,周囲の職員に気付かれないよう行動する。それに対するシフトをきちんととるというのは非常に難しい問題だと思います。監視体制ばかり強化したら,仕事は進んでいきません。ですから,採用の在り方についても,今,もう一度点検を加えております。ただ,職員採用に当たって,個人の資産等の調査をすべきではないという国の指針があることも事実です。したがって,財産がどれだけあるか,借金がどれだけあるかということは調べるべきではない。これは大事なことだと思います。その辺りで,法令や国の指針,その趣旨をしっかり生かしながら,こうしたことを二度と起こさない採用の在り方について十分に検討して,決めていきたいと思っています。

 

(人口減少について)

記者

 先般,専門的な調査で,国全体の長期的な人口減少が発表されたことについて,京都市も例外ではないと思うが,女性が減少している中,市長はどのように対応していかなくてはならないと思っているか。

市長

 人口減少社会とどう向き合っていくかが,京都市に課せられた大きな課題であります。保育所整備や子育て支援,男女共同参画社会の推進,スマートシティ,都市格やブランド力の向上,留学生にお越しいただく交流都市の推進など,あらゆる政策が人口減少社会に対する取組であり,奇をてらった政策ではダメだと思います。

 人は魅力あるところに住みたい,訪ねたいという欲求がありますので,都市の魅力を向上させていくことが,王道であると思います。京都では,都市格を向上させるために,建物の高さ制限を大胆に実施しました。また,高速道路は京都のまちに合わないということで,東京や大阪のようなまちづくりはしていません。京都の周辺では規制緩和を実施されているところも多く見受けられますが,京都は都市格や景観を大事にし,ブレない政策によって,まちの魅力を向上させてまいります。

 また,今年2月に東京で開かれた指定都市市長会シンポジウムにおいて,調査結果を発表された増田元総務大臣ともお話ししましたが,東京一極集中を打破することで意見が一致しました。そして,政令指定都市や全国の小さな都市も含めてしっかりと連携して,都市の活力,地域社会の活力を維持し,向上させていくことが何よりも大事だと思っています。

 リニア新幹線についても,名古屋‐大阪間の同時開業,関西国際空港への延伸,京都駅コースの3点で取り組んでいますが,このことについても,シンポジウムでも議論していただきました。

 人口が,100年経てば50%減少するところを30%に食い止めなければならないということが,現在の日本の置かれている状況ではないかと思います。100年経てば人口が50%になるにも関わらず,東京に一極集中している現状を打破して,全国の鉄道の駅のあるまちをしっかりと維持していくことが一番大事だと思います。今あるインフラを最大限活用して,鉄道の駅のあるまちが中心になって,周辺のまちと連携することができる政令指定都市,国政でなければなりません。

 京都駅は,JR東海道本線,山陰本線,湖西線,北陸本線,奈良線,あるいは近鉄,市営地下鉄がきちっと連結しています。リニア新幹線の現在のコースは,41年前に決められたものであり,東京と大阪を一直線でつなぐ東京一極集中の発想でしかありません。東京一極集中打破について,しっかり取り組んでいくことが,地方を代表する京都市の役割ではないかと思います。

 

記者

 発表された試算を踏まえた上で,新たな事業を検討することは考えていないということか。

市長

 京都市は,人口減少について,最悪のケース,最善のケースを踏まえて10年間のプランをつくっております。

 数字を見て衝撃を受けておられる方が多いわけですが,我々は,100年経てば人口が半分になるときにどうするのかということを考えておりまので,急に対応を求められる発表ではないと思っています。

 

(新駅設置について)

記者

 京都商工会議所から梅小路に新駅を設置してほしいという要望書が提出されたが,請願駅は地元もかなり負担を求められるケースが多い。京都市としても財政状況が厳しい中で,費用を負担してでも新駅が必要とお考えか。

市長

 商工会議所が,地域に根差した京都経済の活性化という視点から様々な議論を重ねられ,JR西日本に要望されました。京都市にも,「要望を提出したので京都市としても検討してほしい。」という要望がありました。JR西日本におかれては,「駅の利用状況,採算性,地域の活性化等を踏まえて検討する。」とコメントされたと聞いております。

 ただし,これは京都市からの請願駅ではございません。JR西日本の主体的な御判断で,京都市ならびに商工会議所と御検討いただき,地域の活性化のために御英断をいただくということはありがたいことだと思っております。

 京都駅の西部地域というのは,様々な魅力はありますが,まだ活性化されていない場所であります。今後,議会も含めて説明させていただき,地域はもとより,京都の未来にとって素晴らしいものになるように,JR西日本内でも十分議論いただき,我々もJR西日本と話をしていきたいと思います。

 

記者

 商工会議所が京都市に提出した要望書には,JR西日本と京都市が新駅設置に向けた検討を進められたいという文言だったが,請願駅に向けた協議という意味ではないのか。

市長

 そういう意味ではないですね。

 

記者

 また,6月26日の関西電力の株主総会について,大阪市の橋下市長は直接出席して経営陣の責任を問うという方針を示されているが,市長はどうされるのか。

市長

 株主総会についてですが,我々が主張していた1項目は,すでに関西電力の方で検討され,主張を受け入れられましたので,その項目については取下げています。

 私も出席したいのですが,株主総会当日の26日は,青島に海外出張しています。京都市とパートナーシティ盟約を結んだ青島市が,国際庭園博を開催されていますが,青島市の御好意によって,「ぜひ京都の庭園を出してほしい。」との依頼があり,通常は,主催者が土地を提供して,残りはすべて出店者が工事を行うのですが,設計は京都市,工事は青島市でやっていただきました。

 その国際庭園博のオープニングと重なってしまい,残念ですが出席できません。1年目は京都,大阪,神戸の3市長が揃いましたが,今回は海外出張ということで,物理的な理由で出席できませんので,塚本副市長に代わりに出席してもらい意見表明していただきます。

 

(元首相の脱原発法人設立について)

記者

 小泉,細川元首相が脱原発に向けて,法人を設立したが,原発に依存しない社会を目指す京都市として,元首相が会を立ち上げたことについてどう思うか。

市長

 日本全体が活発な議論をして未来をつくっていく。あらゆる方々に幅広い議論が保障されている社会というのは素晴らしいことだと思います。 多様な議論をしていただくとともに,国としてのコンセンサスづくりに貢献していただけたらありがたいなと思っています。

 京都市は一貫して,原発に依存しない社会をできるだけ早くつくるということを,議会を含めた総意であると考えています。その方針からブレずに,省エネ,創エネ,スマートシティ,コンパクトシティや京都ならではのイノベーションを起こす取組に,官民を挙げて全力投球していきたいと思います。

 

記者

 設立された法人に関わっていくことはあるか。

市長

 ないですね。

 

お問い合わせ先

京都市 総合企画局市長公室広報担当

電話:075-222-3094

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