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共同記者会見(2011年1月13日)

ページ番号93887

2023年4月12日

観光庁・京都市共同記者会見(「観光立国・日本 京都拠点」の実施に関する覚書の調印式について)

溝畑観光庁長官あいさつ

 京都は,世界に誇れる多くの観光資源を有しており,訪日外国人旅行者を増やすには,多くのコンテンツを有する京都の受入環境整備がきわめて重要であると考えています。従来から,京都市は積極的に受入環境の整備に取り組まれており,観光庁でも今年度,受入環境整備として,ICT化の活用,言語バリアフリー化事業などに取り組んでいます。
 今後,訪日外国人旅行者を3000万人にするには,日本の顔である京都の受入環境を整備することが必要不可欠であり,そのことが,日本全体の観光立国としての大きな弾みになると考えています。
 具体的な取組としては,京都での外国人旅行者の受入環境の整備やILTM Asiaの誘致実現へ向けた取組などを積極的に行っていきたいと思います。
 今回の調印は観光立国実現の一つの契機と考えており,今後,京都が観光立国の実現に向けて大きな活躍をしてほしいと期待しています。

門川市長あいさつ

 我が国は,持続可能な国づくりを進めるため,観光立国を新経済成長戦略の1つに掲げ,21世紀の国づくりの柱として,国を挙げて取組を進めています。
 観光は,地域経済の活性化,雇用の創出,国際理解,文化交流などに大きな役割を果たすと私は考えています。
 「日本に,京都があってよかった。」京都は,説明なしで,こんなフレーズが使えるまちです。また,京都を訪れたヨーロッパの大統領に「京都を知らずに帰ったら,日本を誤解するところだった。」とおっしゃっていただける都市です。日本の奥深い文化,日本の心を理解してもらうために,京都が果たすべき役割,責任は大変大きい。
 この度,京都市を観光立国・日本の戦略拠点に位置付けていただいたことに大変感謝しています。昨年6月には,上海において,観光庁と連携してILTM Asiaの誘致を行うなど,外国人観光客の受入環境の整備等を積極的に行ってきたところであり,こうした活動の結果が今日の調印式に結びつきました。
 これは画期的なことであり,観光庁とのパートナーシップをより強固なものに昇華することができました。京都が持つ奥深い日本の文化と100年にわたって積み上げてきた観光振興の様々なノウハウに,観光庁が持つ幅広いネットワークや海外へのプロモーション力などを融合させ,我が国の閉塞感を打破し,観光立国の実現を京都が力強く推進していきたいと思います。

 ここで,うれしい報告があります。京都は修学旅行生をはじめ国内外から多様で幅広い皆さんにお越しいただいていますが,ラグジュアリー層の受け入れ体制が不十分とのご指摘をいただいています。ラクジュアリー層を中心とした外国人観光客の誘致については,経済の活性化,伝統産業の次世代への継承・世界発信などに繋がるものであり,早速,来週の1月17日~19日に,私が上海でお会いしたILTM Asiaの開催責任者を京都にお招きすることが決定しました。この調印後の最初の取組として,観光庁長官と共に京都開催と同時に京都の魅力を強くアピールしたい。開催責任者に京都の魅力を実際に見ていただけるこの機会を活かし,何としても京都開催を実現させたいと思います。

 共同プロジェクトでは,受入環境の充実にも積極的に取り組みます。まずは,多言語での情報発信,とりわけ外国人観光客の言語面の不安解消に取り組みたいと考えています。特に,病気・怪我・トラブルなどの緊急時の対応が一番の問題です。今後,観光庁と共に検討していくことですが,24時間体制の緊急対応のコールセンターなどを共同で運営していくことを考えています。
 観光立国の実現なしに,日本に未来はない。京都の未来はない。そうした覚悟でこの共同プロジェクトに,幅広い市民の皆さんとの協働により積極的に取り組んでいきます。

質疑応答(要旨)

(事業期間について)
記者 事業期間は何年か。
長官 契約のような事業期間の設定は考えておらず,事業効果を検証していきたいと思います。
市長 今回の共同事業が日本全体に広がっていき,訪日外国人旅行者3000万人の達成に貢献できるものにしていきたいと思います。漠然と事業を継続するのではなく,2年目に事業効果を検証していきます。

(実施体制について)
記者 実施体制は。
市長 体制は産業観光局観光部に設置し,週2回程度,観光庁又は近畿運輸局から職員に来ていただき,事業に取り組んでいきます。
長官 まずは,ILTM Asiaの誘致について,京都での開催を実現することが重要であり,全力で取り組んでいきたいと思います。
 業務内容が多岐にわたり,密度の濃い仕事になるため,緊密な連携が必要となります。人数については,業務の内容に応じて変動はあると思いますが,専門的な知識を有した職員を考えています。

(観光客の受入環境整備について)
記者 これまで受入環境整備が進まなかった理由は。
長官 進まなかったのではなく,門川市長には市長就任直後から積極的にプロジェクトの実現向けて取り組んでいただいています。観光庁としては,訪日外国人旅行者3000万人の受入を考えた場合に,日本のどこかにモデルケースを作る必要がありました。京都の受入環境は日本の他都市と比べて進んでいるが,これを世界で一級品にまで高めて日本のモデルとしたいと考えています。
市長 本市は1930年に観光課を設置するなど日本の中では先進的な観光都市ですが,世界的に見れば改善の余地があります。以前,河合元文化庁長官から,「京都はすばらしい遺産を多く有しているが生かせていない。」と指摘を受けたこともあります。これらの遺産を活かして,国が掲げる訪日外国人旅行者3000万人誘致に貢献していきたいと思います。

(効果検証の方法について)
記者 効果検証の具体的な方法は。
長官 ラグジュアリー層の増加割合や,観光スポットにおける言語のバリアフリー化などICT化の整備状況,訪日外国人旅行者の満足度やリピーター率の把握などにより,事業効果を検証していきたいと思います。
 今後,言語のバリアフリー化など観光のICT化を世界トップ水準にできるかが重要だと考えています。

(観光客誘致の方策について)
記者 今後,京都市はラグジュアリー層に限定した観光客誘致を展開するのか。
市長 昨年3月に策定した新計画では,7つのプロジェクトを掲げ,京都を訪れる全ての人の満足度を高めていくこととしており,そのために観光都市としての質を高めることとしています。ラグジュアリー層に限定するのではなく,ラグジュアリー層の受入体制が不十分であるため,この点を改善していきたいと思います。
 例えば,京都には3ツ星レストランが7つあり,市民1人当たりのレストランの割合は世界で1番多いが,5ツ星ホテルは1つも無い状況で,京都の七不思議と言われています。また,京都に修学旅行生の宿泊施設は多くあるが,ラグジュアリー層が宿泊する施設は無い状況です。 
 世界には,旅行に1億円かける人が10万人いると言われていますが,そのような方々で京都を訪れる人は少ない。京都はものづくりに関しては世界トップ水準ですが,サービス業に関しては改善の余地があります。
 質を高めるには,観光に従事する人のモチベーションを高めていくことが重要ですが,観光は季節変動性が大きく,観光に従事する人は非正規雇用が多くなりがちです。観光に従事する人が高いモチベーションを持つ質の高い観光都市を目指し,京都が日本のモデルとなっていきたいと思います。

(資料)観光庁・京都市共同プロジェクト「観光立国・日本 京都拠点」の実施に関する覚書の調印式について

産業観光局観光部観光企画課・観光振興課    電話:222-4130

 

観光庁長官と門川市長による看板設置

 我が国を取り巻く社会経済環境は,本格的な人口減少・高齢化社会の到来等により大変厳しい状況にあります。将来にわたって持続可能な国づくりを進めるため,地域経済の活性化,雇用機会の創出,国際相互理解の増進等に資する観光立国の実現は,我が国の21世紀の国づくりの柱として,ますます取組を強化することが求められています。とりわけ,伝統,文化,自然,和の精神など,日本文化の源を確認することができる歴史都市・京都市が,観光立国・日本の実現のために果たすべき役割,責任は大変大きくなっています。

 そこで,観光庁と京都市は,連携を密にし,それぞれが持つノウハウ,ネットワーク等を融合して観光立国,更には観光大国の実現に向けて取り組むため,共同プロジェクト「観光立国・日本 京都拠点」を実施することとし,この度,観光庁長官,京都市長により覚書の調印式を執り行いましたのでお知らせします。

1 日時

  平成23年1月13日(木曜日) 午後3時~午後3時45分

2 場所

  京都市役所第一応接室

3 調印者

  溝畑 宏  観光庁長官

  門川 大作 京都市長  

4 共同プロジェクトの内容

(1)ラグジュアリー層を中心とした外国人観光客の誘致

(2)外国人観光客受入環境の充実

(3)外国人観光客動向の調査

(4)京都を活用した広域観光の推進

(5)休暇取得・分散化の促進(「家族の時間づくり」プロジェクトの実施等)

(6)その他,観光立国日本の実現に資する事業

お問い合わせ先

京都市 総合企画局市長公室広報担当

電話:075-222-3094

ファックス:075-213-0286

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