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門川市長記者会見(2010年1月4日)

ページ番号73625

2023年4月12日

平成22年1月4日門川市長記者会見

年頭に当たっての抱負

皆さん新年明けましておめでとうございます。
 今年,早いもので私の4年の任期の折り返し点を迎えます。市長就任以来,徹底して現地現場主義を貫き,昨年も現場を回らせていただきました。就任以来,市の職員の働く現場や市民の皆さんが活動される場へ,1500箇所を超えて訪ねさせていただきました。市民生活の厳しさを実感すると同時に,改めて京都の持つ強み,「地域力」「文化力」そうしたものを実感しております。こうしたことを全ての市の職員が感じて,市民目線に立って,内向きでなく積極的に取り組んでいく。未来志向が改めて大事だと思っておりますので,引き続き,努力して参りたいと思っております。
 景気の先行きは未だ不透明であります。京都市の財政も危機的な状況にあります。新型インフルエンザにつきましては,ピークを越えたとはいうものの,警戒心を緩めることはできません。こうした現状を踏まえまして,今年の抱負について申し上げたいと思います。
 昨年に引き続きまして,市民の安心安全をしっかりと守るセーフティーネットを強化する。年末にも,ワンストップサービスの現場を訪ねました。京都市の保護所も訪ねました。中小企業支援の相談センター,インフルエンザ対策等の相談体制の現場にも足を運び,改めて市民生活を効率的に守るのは京都市役所の役割だなと実感しております。
 インフルエンザ対策も市民への影響を最小限に食い止める。引き続き万全の体制で臨んで参りたい。また,景気の悪化によって,厳しい中小零細企業への融資枠の拡大など,支援策をしっかりと更に進めて参ります。雇用についても京都府と協調しながら更に取り組んで参りたい。
 こうした厳しい時こそ「ピンチをチャンス」と捉えまして,京都の先人たちを見習いまして,京都の持つあらゆる強みを活かした取組をし,50年後,100年後を見据えた取組,将来に評価される取組をしたい。
 そうした観点から,2点に絞って申し上げたいと思います。 
 第1点は,平成23年から10年間の京都の未来像と主要政策を明らかにする都市経営の基本となる「次期京都市基本計画」の策定についてであります。 
 昨年10月に,学識者や各種団体の代表,公募の市民など各界各層の方々からなる「京都市基本計画審議会」を設置しまして,現在,積極的に議論を進めていただいております。
 徹底した市民参加のもと,今年中に市会に提案し,策定していきたいと思っています。
 次に環境共生のまちづくりであります。「環境モデル都市」として,今年も全国を牽引する環境先進都市の取組を進めていきます。「DO YOU KYOTO?」を合言葉に市民ぐるみで低炭素社会の実現に向けて取り組みます。
 最大の環境対策は,「ごみ」減量の取組であります。平成18年の家庭ごみの有料指定袋制の導入以降,市民の皆様の積極的なご協力によりまして,家庭ごみは2割減少しました。平成17年が31万トン,平成20年は25万トンに減りました。今年は,今後10年間で家庭ごみと事業ごみを合わせたごみの総量を,平成12年のピーク時の半分を目指す「新たな循環型社会推進基本計画」を策定致します。平成12年は82万トンでした。それを平成32年には41万トンに減らす。こうした目標を掲げて,積極的に取り組みたいと思います。
 もうひとつは,公共交通を活かした「歩くまち・京都」の推進。これも答申をいただきました。京都市が先頭に立って,市民ぐるみで取り組んで参りたい。同時に,「木の文化を大切にするまち・京都」,「ライフスタイルの転換」,今年は,それぞれで立ち上げた市民会議から答申をいただきます。そうしたことをしっかりと踏まえまして,全国をリードする取組を進めて参りたいと思います。
 最後に,昨年,「地域主権」,「基礎自治体重視」を唱えた民主党政権が誕生しました。
 本格的な「地域主権」の実現を目指すこの年に,市民の皆様と行政が情報を共有し,夢や目標を共有し,同時に危機感も使命感も共有して,それを行動の共有に繋げていく。共に汗をかく「共汗」と政策の「融合」で,市民の皆様とともに,地域主権時代のモデルとなる京都を創っていきたいと考えております。

地下鉄運賃改定の見直しについて

 京都市の地下鉄事業の財政状況は極めて厳しく,国の承認を得て,平成16年度から平成25年度までの10か年の計画を策定した現行の「地下鉄事業経営健全化計画」では,平成17年度の運賃改定以降,5年毎に5%の運賃改定が前提となっており,平成22年度にその時期を迎えます。
他方,これまでからバス事業を含めまして,全国トップ水準の大幅な人件費の抑制,平成20年度の1人あたり人件費は,平成11年度と比べて,交通事業全体で約20%の減となっております。更に,駅ナカビジネスの拡大など,コスト削減,増収・増客の取組を進めてきました。
 また,一般会計から多額の繰出しを行うとともに,国に対して繰り返し,制度改革を訴えてきました。とりわけ,平成25年度で終了する経営健全化出資制度の延長については,累積した資金不足,いわゆる不良債務の増加抑制に直接の効果があり,本市の最重点要望として国に強く働きかけて参りました。
 今回,来年度の運賃改定を見送る決断を致しました。その理由は2点でございます。 
 ひとつは,昨年来の景気の後退,雇用の悪化,更には最近の円高など,現在も厳しい社会経済情勢が続いていること。
 もうひとつは,国への要望活動が実りまして,先日発表された地方財政対策において,先程申し上げました制度の平成26年度以降の継続と拡充が認められました。これは,現状においては,京都市のみが活用できる制度であります。これによりまして,国の同意を得て一般会計が起債を行い,地下鉄会計に対して,今後平成30年度までの間に,従来の計画より約500億円を上回る金額を出資できる見込みとなり,計画にあった5年毎の画一的な運賃改定を回避できる見通しとなったことであります。
 以上の理由により,これまで熟慮を重ねてきた運賃改定については,有識者会議の提言も踏まえまして,来年度は見送ることと致しました。
 また併せて国に要望してきました企業債の償還期間の延長についても,地下鉄施設の耐用年数を考慮し,資本費平準化債の償還期限を現状の20年から30年に10年延長した形で計画を策定してもよいということが確認できました。
 これによりまして,償還期間を延長して平準化することで,今後の資金不足の増加を一定抑制することができます。
 しかしながら,平成30年度までの10年間を計画期間として,現在策定作業を進めております財政健全化法に基づく計画においては,133%に上る資金不足比率を,計画期間内に法の指標であります20%未満にまで引き下げることとしており,現在の厳しい状況を考えると,今回の措置だけで20%未満にまで引き下げることは難しく,次期の10年間の計画期間前半での運賃改定は見込まざるを得ないと考えております。
 今後,地下鉄の更なる増収・増客やコスト削減対策,一般会計からの支援等について検討を深め,運賃改定の時期も含めた新たな計画を次の2月市会までに取りまとめていきます。
 この新たな計画のもと,知恵と工夫を凝らし,ひとつひとつ課題を解決しながら,市民,観光客の皆様の大切な足である地下鉄の経営健全化に向けて,全庁一丸となって着実に取り組んでいきたい。また,市民の皆様にもご理解とご協力をお願いしたいと考えております。
 私からは以上であります。

質疑応答(要旨)

<地下鉄運賃改定の見直しに関する質疑>

(健全化計画に反映する事項について)

記者

昨年末に出た監査結果を受けて,新たな計画に反映する事項はあるのか。

市長

 有識者会議の中で既に議論されている内容も非常に多く,可能なものは計画に反映したいと考えています。
 しかし,中には実現困難なものもあり,例えば,烏丸線の京都駅と北大路駅の間は利用者が非常に多く,その他の区間では減ってしまうので,京都・北大路間のみで列車を増発してはどうかという内容がありました。非常にありがたい御提案ではありますが,その様なダイヤを組むと混乱が生じ,また,引き込み線を新たに作るには100億単位のお金が必要となります。折り返し運転はなかなか実現が難しいのです。会計の御専門の方々がしっかりと議論された内容だと思いますが,様々な課題もありますので,それぞれの専門家の方々で内容を検討していただきたいと思っています。
 経営状況は厳しいですが,市民の足である地下鉄をより便利なものにしていくことは,環境モデル都市としても,公共交通優先の「歩くまち・京都」を更に推進していくためにも大変重要であり,あらゆる知恵を絞っていきたいと思います。

記者

計画期間前半での運賃改定とは,どの程度の値上げを想定しているのか。

市長

 平成16年度に策定し,国の承認を得た現在の計画では,5年毎に5パーセントの運賃改定をすることとなっています。その改定時期が平成22年度であり,これについては,社会経済情勢が厳しい中,値上げは困難と苦慮していましたが,国への様々な制度改革の要望活動が実り,なんとか回避できる見通しがつきました。しかし,経営状況は依然厳しく,次の10か年計画を立てるに当たり,来年度に予定されていた5パーセント程度の値上げは,その計画期間前半に見込まざるを得ないと考えています。

記者

経営健全化のために,他に何か改善策は考えているのか。

市長

それらも含めて新たな計画でお示ししたいと考えていますので,もう少しお待ちいただきたいと思います。

(資本費平準化債の償還期間延長について)

記者

償還期間の延長が国に認められたとはいえ,国からお金がもらえるわけではなく,結局は京都市独自で借金を抱えなくてはならないと思う。結果として,将来へ負担を先送りすることになるのでは。

市長

 外部監査の提言でも,一般会計から資金を投入して地下鉄の債務を減らしていくことが大事であると言及されています。しかしながら,一般会計でも財政状況は厳しいわけですから,地下鉄経営健全化のためには,金利が低い今,国の承認に基づく起債をして出資するこの方法が最善であり,これ以外に道はないと考えています。
 烏丸線も30年経って収支トントンになってきました。地下鉄は,未来への大きな贈り物です。東京や大阪の地下鉄が黒字である理由は,早い時期に建設し,都市交通の基幹として活用されているためです。(京都市営地下鉄にとって)この20,30年が最も厳しいときであり,その時期に一般会計でしっかりと支えることは,市民の皆様のご理解を得られると思っています。他都市に例があるような,「1000億円の借金をしてビルを建て,それを80億円で売る」といったことではなく,市民の皆様にとっても,京都の未来にとっても大切な地下鉄を建設し,その経営を健全化するためのものですから,ご理解を得られると考えています。

<その他質疑>

【自転車対策】(今年の自転車対策の内容について)

記者

自転車対策について,今年何か考えている施策はあるか。

市長

 自転車対策のため,京都市では,いち早く自転車政策の基本計画を策定し,自転車政策課を設置しました。
 自転車対策として,まずはマナー向上を図ること。同時に,違法駐輪を無くすため,駐輪場を整備することが重要です。京都市では,都心部においてこの3年間で新たに2,200台分の駐輪場整備に取り組むなど,これまでに累計35,000台を超える駐輪場を整備してきました。
 「歩くまち・京都」推進のため,化石燃料を使わず,脱クルマ社会に繋がる自転車は大事だと思っています。しかし,京都は,1200年の歴史と伝統を有するまちであり,道路が非常に狭い。この10年間で交通事故は減っていますが,自転車と歩行者の接触事故は大きく増えています。自転車も,かつては交通弱者として被害者が多かったのですが,最近は加害者となる事故が増えています。こうしたことも含め,学校教育はもとより,市民ぐるみで色々な場で自転車の安全教室を行うなどの取組を強力に推進していきたいと考えています。同時に,御池まちかど駐輪場等民間の活力を導入した駐輪場の整備に一層取り組んでいきたいと思います。
 先日コペンハーゲンに行った際に感じたことですが,かの地は道路が広く,歩行者と自転車専用の道と自動車専用の道が分離されているところが市域全域に広がっていました。京都は,そもそも歩道自体が少なく,行政としても可能な努力はしていきますが,やはり利用者のモラル向上が一番ではないかと思います。

【京都水族館】(展示内容等について)

記者

年末に,事業者が京都水族館の展示内容を公開されたが,それについてのご見解は。また,今後事業者と協議していくに当たり,要望等があれば。

市長

 私もじっくり読ませていただきましたが,水をテーマにいのちのつながりをみんなに感じていただく学習施設に,また,京都ならではの水族館にという意欲を感じました。このことを,事業主体であるオリックス不動産において,市民の皆様にしっかりと説明していただきたいと思っています。
 同時に,この厳しい社会経済状況です。京都市財政も危機に瀕しており,財政出動ができない。大きな借金をして,次の世代にそれを覆いかぶせるようなことはできない。そんなとき,いかに民間の知恵や資金,活力で,京都のまちを発展させていくかが,大きな鍵になると考えています。
 そして,水族館や鉄道博物館が,京都の歴史と伝統など多くの蓄積と融合して京都の発展に繋がると確信しております。
 京都には,家族で楽しめる施設が不足しています。その不足をカバーし,京都のまちの活性化や雇用の確保にも大いに貢献する施設にしていただきたい,そう期待しています。

(市税の投入について)

記者

京都水族館について,補助金やあるいは間接的な形でも,市税を投入する考えはないのか。

市長

 ありません。
 全国的には,民間施設を導入するため,都市が競い合って様々な誘致策を行っています。
 しかしながら,京都の水族館・鉄道博物館とも,施設の本体については全て民間の力でやっていただく。京都市には税金や土地の使用料が入り,更にはバス・鉄道・タクシーの利用客や間接的な雇用創出などを考えれば,大きな経済効果も期待できると思います。
 政令指定都市市長会などの場で,他都市の皆さんから「財政出動をせずにこんな大きな事業ができるとは,京都市はぜいたくですね。」と言われ,京都の魅力を改めて実感しました。
 そして,こうしたことを市民の皆様に丁寧に説明していく必要があると感じています。

【京都シティマラソン(仮称)大会】(スポンサー,コースについて)

記者

年末,京都シティマラソンのアンケート結果が出た。フルマラソンは,ハーフマラソン以上の出資が想定されるが,協賛企業,スポンサーの見通しは。

また,アンケート調査では,京都の名所をコースに入れてほしいという市民の要望が多かったが,市長のお考えは。

市長

 「京都のハーフマラソンをフルマラソンに」,これはマラソン愛好家の永年の悲願でありました。それに応えるため,3年間は中断してコースの検討等をする当初の予定を2年間に縮めて,フルマラソン化を目指したいという決断をいたしました。
 京都陸上競技協会,京都府警の積極的な御理解,御協力をいただきまして,平成23年度の実施に向けて前進してきております。
 厳しい社会経済状況ですが,京都市のフルマラソン「京都シティマラソン」の骨格,コースの概要をまずは固めて,その上でスポンサー探しをしたいと思っています。
 コースは,多くの方々が京都ならではのコースを希望しておられますので,ハーフマラソンを踏襲し,平安神宮をスタート・ゴールにしたいと考えています。そして現在,京都ならではの観光名所や都大路を巡るコースを研究していただいています。
 ハーフマラソンの倍となる15,000人が,倍の距離を走る想定で,様々な研究をしていただいております。京都府警,京都陸上競技協会,京都市の知恵を集めて,市民参加型のフルマラソンコースを設定したいと考えています。そして年度内には,コースを含めた大会の概要を京都陸上競技協会とともに発表したいと考えており,それを念頭に鋭意努力していきたい。その後,スポンサーの方々にお願いに上がりたいと思っています。
 平成23年度には,必ずフルマラソンを実施したい。お約束どおり2年間の中断で,新たにフルマラソンとして再開したいと考えています。東京や大阪,兵庫など多くの自治体でフルマラソンの話題が上がっており,良いタイミングで決断したと思います。
 「京都の都大路を走りたい」というマラソン愛好家がたくさんおられます。
 先日は,iPSの山中先生が昨年のハーフマラソンを走っておられたようで,「どうなりますか。」「京都ファンが待っておられますよ。」と仰っていただきました。市民参加型の素晴らしいフルマラソンにしたいと思っています。

(大会開催への市長の思いについて)

記者

京都シティマラソンについて,どんな大会にしたいか。

また,市民アンケートでは京都らしいコースを望むなどの様々な声があるが,市長の思い描くコースとは。

市長

千年の古都・京都の都大路を走りたい。市民も全国の方もそう思っておられる。その思いにふさわしいコースを設定したい。

平安神宮を出発し,平安神宮に戻って来る。京都の観光地をコンパクトにまとめる。遠くまで行ってしまうより交通規制も非常にコンパクトで済み,市民生活に大きな影響を与えません。ただ,狭い範囲ですと,曲がることが多いので,直線を走るよりタイムが出にくいという課題があります。しかし,タイムを争うよりも市民参加で多くの市民の皆さんに走っていただくことを目指した「京都ならでは」のフルマラソンにしていきたいです。

コースについては,現在,一所懸命考えていただいております。

また,ハーフマラソンと違って出発時間が少し早くなると思います。前の日から来て,泊まっていただいて,そして京都の宿を楽しんでいただく。それから走っていただいて,出来ればもう一泊でもしていただく。そんな経済効果もあるシティマラソンにしていきたいと思っています。

記者

環境に配慮して欲しいという意見について。

市長

イベントそのものをあらゆる意味で環境配慮型にしていきたいです。

例えば,京都学生祭典では1回目,2回目にあまりにもゴミが多いことで,環境問題に徹底的にこだわり,3Rを推進していこうとしています。こうした取組をしていきたい。事業をすればいろんなゴミがでますが,京都議定書誕生の地として「京都市らしさ」を見える形でアピールできる大会にしたいと考えています。

【平成22年度予算】(手数料及び人件費について)

記者

値上げを考えている手数料はあるか。また,総務省が発表した京都市のラスパレイス指数は100を超えていたが,人件費のより一層の削減は難しいというお考えについて,市民理解を得られると思うか。

市長

 現在,予算編成の最終段階に入っており,なお110億円の財源不足があります。その中で予算編成は難渋しております。現時点で申し上げにくいですが,現在の社会経済状況を踏まえながら,市民生活を守るため,手数料等の値上げについては出来るだけ抑えたいと思っています。
 同時に,先ほどから話しておりますように,次の世代に負担を先送りすることは問題ですので,バランス感覚を大事にした予算編成をしていきたいと思っております。
 京都市職員の給料は,トータルとして全国の水準を上回っていることはございません。ラスパイレス指数は,経験年数などを含めて非常にわかりにくい制度でございます。
 ただ,京都市全体として人件費が他の政令指定都市より高いのは事実であります。最近,政令指定都市への加入が増えていますが,そういう都市は大学を持っておられません。市立高校のない都市もあります。また,大阪と京都を比べたら京都はうんと人件費が低い。
 一方で例えば,消防署の数,消防出張所の数,消防職員人数は政令指定都市の中でも充実しています。しかしこの結果,消防団の防災・防火活動も含め,市民ぐるみの活動により,京都市は,昨年も火災がさらに減りました。大都市における人口1万人当たりの火災発生件数で見ますと,他の大都市が3.7件に対して,京都市は1.3件という成果が上がっております。これについてどう評価をされるのか。また,京都市は生活保護率が高い。従いまして,ケースワーカーの人数が他の政令指定都市より多い。このことは,きめ細かい,健康で文化的な生活を送ることができるよう,基礎自治体として大きな役割を京都市が果たしていることを,トータルとして評価されるのではないかと思います。
 同時に,外部の有識者にとりましては,そうした構造的な財政問題を,今までやってきた京都ならではの取組の結果として人件費比率が高い点をどうしていくのかは,非常に難しい判断になろうかと思います。
 また,京都市立芸術大学や京都市立高校は,京都の宝だと私は思っています。
例えば市立高校は,塔南高校を除いて,全て100年の歴史があるような学校であります。他の政令指定都市はそのような学校をもっておられません。したがって,京都市は人件費が高いわけです。

【岡崎地域の再整備】(再整備の内容について)

記者

岡崎地域の再整備について,ある程度内容は固まってきているのか。

市長

これから市民参加でじっくりと議論したいと考えています。
 「未来まちづくり100人委員会」に毎回のように参加しています。その中のチームの一つである「岡崎ホールディングス」では,動物園や美術館を含めた岡崎を活性化していこうという熱い議論をされております。
 また,来年度の京都会館開館50周年に向けてどうしていくか。あるいは,平安神宮から旧武徳殿,国際交流会館もあり,疏水は来年度120周年を迎えます。そうしたあらゆる岡崎に関わる魅力を融合させ,更に「MICE計画」や観光振興,京都の学術の発展などに貢献するゾーンにしていきたいと思っています。
 建都1100年で出来た岡崎公園,建都1200年を記念して出来た梅小路公園,こうした地域の再活性化が京都の発展に大きな役割を果たすと考え,市民参加により力強く進めていきたいです。

記者会見資料                                       平成22年1月4日    

京都市交通局企画総務部企画課電話:863-5061

                    地下鉄運賃改定の見直しについて

京都市では,現行の「地下鉄事業経営健全化計画」において来年度に予定していた地下鉄運賃の改定について,見送ることとしましたのでお知らせします。

1 背 景
(1)地下鉄事業の現状と市の取組
  地下鉄事業の財政状況は極めて厳しく,これまでからバス事業も含め全国トップ水準の大幅な人件費の抑制(※)や駅ナカビジネスの拡大など,コスト削減や増収・増客の取組を進めるとともに,一般会計から多額の繰出しを行い,また,国に対しても,繰り返し財政支援策の充実や補助制度の拡充を訴えてきた。
  ※ 平成20年度の1人あたり人件費は,平成11年度と比べ,交通事業全体で約20%の減となっている。

(2)現行計画(計画期間:平成16年度~平成25年度)
 国の承認を得て策定した,現行の「地下鉄事業経営健全化計画」では,平成17年度の運賃改定以降,5年毎に5%の運賃改定が前提となっており,平成22年度にその時期を迎えるにあたって,運賃改定の実施について熟慮を重ねてきた。

2 運賃改定を見直す理由
(1)現在の厳しい社会経済情勢を鑑みると,市民の皆様に新たな御負担をお願いできる時期にはないこと。
(2)先日発表された「平成22年度地方財政対策」において,経営健全化出資制度の平成26年度以降の継続と拡充が認められた。これにより,一般会計が起債を行い,地下鉄会計に対し,平成30年度までの間に従来より500億円を上回る金額を出資できる見込みとなり,計画にあった5年毎の運賃改定を回避できる見通しが立ったこと。

3 今後の方針
 現在策定作業を進めている財政健全化法に基づく計画(計画期間:平成21年度~平成30年度)においては,133%(平成20年度決算)に上る資金不足比率(累積資金不足額/営業収益)を計画期間内に法の指標である20%未満にまで引き下げることとしており,現在の厳しい状況を考えると,今回の措置だけで20%未満にまで引き下げることは難しく,計画期間前半での運賃改定は見込まざるを得ない。
  この運賃改定の時期も含めた新たな健全化計画は,更なる増収・増客やコスト削減策,一般会計からの支援等について検討を深めたうえで,次の2月市会までに取りまとめる。

お問い合わせ先

京都市 総合企画局市長公室広報担当

電話:075-222-3094

ファックス:075-213-0286

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