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門川市長記者会見(2009年5月22日)

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2023年4月12日

平成21年5月22日門川市長緊急記者会見(新型インフルエンザに係る緊急対策)

 昨日(5月21日),新型インフルエンザと確認された10歳の児童につきましては,熱は37℃台で,食欲もあり,お医者さんによると容態は安定しているということです。現在,全力を挙げまして濃厚接触者の健康観察を行っております。迅速検査の結果につきましては,昨日申し上げました11名と病院の関係者1名について,全員マイナス(陰性)でございます。もう少し正確に言いますと,一人はAプラス(陽性) でしたが,直ちにPCR検査(詳細検査)を実施した結果,A香港型H3N2ということが確定しました。したがいまして,新型インフルエンザではございません。ご家族も皆さん健康であり,迅速検査の結果はマイナスです。担任の先生も迅速検査の結果,マイナスでしたが,念のためPCR検査を直ちに実施し,マイナスが確定しております。引き続き,ご家族も含めて濃厚接触者については,厚生労働省の基準では必要ありませんが,念のためにPCR検査を進めております。

 開校しております,中京区,下京区以外の小・中学校,保育園におきましては,保護者と連携するなど健康観察に万全を期しており,現時点において異常の報告はございません。引き続き,各学校はもとより保育園,医療機関等々において安全確保,健康観察を行い,万全を期して参りたいと決意を新たにいたしております。

 次に,この新型インフルエンザ対策につきましては,147万人の市民の皆様の「いのち」,「健康」を守る。同時に年間5000万人の観光客の皆様の「いのち」と「健康」を守る,そして京都に滞在していただいている観光客の皆様に安心して京都観光に満足していただく,こうした視点が極めて大事であります。

 観光客の皆様に安心していただき,健康を守っていくため,24時間対応の相談窓口の開設など,これまでから努力して参りました。

 おりしも5月,6月は,京都は修学旅行のトップシーズンであります。新型インフルエンザの影響で,キャンセルや延期などの影響も現れてきており,昨日に,京都市内で初めて感染者が1人確認されたことが,更なる影響を与えるのではないか心配しております。幸い,先ほど申し上げましたように,現時点において当人の容態も安定しており,濃厚接触者に広がっているということは一切ございません。

 こうした事態を踏まえまして,またこうしたときこそ,「おもてなしの心」を発揮し,観光業界関係者の皆様と連携を密にしながら,国際観光都市・京都として,観光客の皆様の安心・安全に全力で取り組み,万全の体制で観光客の皆様に京都観光を楽しんでいただき,さらに観光客の皆様,修学旅行生の皆様をお迎えしたいと考えております。

 従いまして,本日は,とりわけ修学旅行生の皆様に特化した緊急取組を決定しましたので,その概要をお知らせさせていただきます。

 ちなみに,昨年5月の修学旅行生数は22万9千人で,年間101万人の修学旅行生の22.7%に当たります。6月は15万8千人で,15.6%であります。20日現在ですが,キャンセルの状況は530校,約8万人であります。そのうち延期とお聞きしているのが,6万人でございます。

 そこで,一つ目の取組として,修学旅行専用相談窓口を開設します。本日から年中無休で9時から21時まで電話相談の専用窓口を開設し,修学旅行のお問い合わせに丁寧に対応していきたいと思っております。産業観光局観光部の職員等が電話で対応します。

 次に,修学旅行専用ホームページの開設であります。現に京都に修学旅行に来ておられる学校や,今後,計画されている学校に向け,関連情報を発信する専用のホームページを開設いたします。

 さらに,観光関連業界緊急連絡網の開設であります。旅館,ホテル,飲食店,土産物店,交通機関など,観光関連事業者に対して,新型インフルエンザに関する情報を含めあらゆる状況を速やかに提供できるよう,メールによる緊急連絡網を開設いたします。

 次に,4点目でありますが,修学旅行おこしやす事業として2つの取組を行います。一つは,現在京都に修学旅行にお越しいただいている皆さんに,気持ちよく京都を楽しんでいただき,京都旅行を一生の思い出としていただけるように宿泊施設を訪問し,記念品としてお菓子を京都市からプレゼントさせていただきたいと思っております。もうひとつは,京都への修学旅行を自粛された学校に,時期を改めて京都に是非とも来ていただけるように,時期が変わっても生涯の思い出として京都への修学旅行を楽しんでいただけるように,また京都で学んでいただけるように,宿泊施設と共同で,京都市からのメッセージと記念品として絵葉書,京都修学旅行ハンドブック,ジュニア日本文化検定テキストブックを送付したいと思っております。

 また,全国の都道府県,政令指定都市,教育委員会等に対して,もちろん手分けをしますけれども,私が先頭に立って,安心して修学旅行を楽しんでいただけるということを緊急に電話でお知らせし,要請していきたいと考えています。

 5点目でありますが,観光関連団体と緊急対策会議を開催いたします。新型インフルエンザによる修学旅行への影響について,対応策を協議するため,京都市内の観光関連事業者で構成する「京都観光推進協議会」の臨時総会を明日5月23日午前10時30分から旅館会館において開催します。関連業界の方々と心を一つにして必要な対策を講じるための緊急対策会議です。

 6点目ですが,観光関連事業者への経営支援であります。

 一つは,京都市の中小企業支援センターに経営,金融等の相談に応じる「新型インフルエンザ関連特別経営窓口」を本日開設し,観光関連事業者等の相談にきめ細かく対応して参ります。

 二つ目は,新型インフルエンザの発生により経営に支障をきたす恐れのある観光業者等への円滑な資金供給を図るため,セーフティネット保証の対象の拡大,さらに風評被害等に対する補償措置を京都府とも協調して国に要望して参ります。すでに地元選出の国会議員等々にも要望を行っているところでありますが,全力を挙げて参ります。

 こうした事態においては,市民の「いのち」,「健康」を守る,観光客の皆さんの「いのち」,「健康」を守っていくことが,緊急の大切な仕事であります。同時に,京都市は昨日も保育所を開所し,閉鎖いたしません。また,高齢者施設や障害者の福祉施設等においても閉鎖等は行いません。また,イベントも健康観察,健康管理に十分な配慮をしながら実施していきます。自粛の要請等もいたしません。安心・安全,「いのち」を守り,社会活動,経済活動にも大きな影響を与えない,この2点に注視しながら取り組んで参りたい。

 そして,修学旅行にはシーズンがあり,また,子どもたちにとって生涯の思い出となりますので,円滑に実施できるように,また,中止されたところにつきましても,京都の状況や安心・安全の対策について,十分にご理解いただき,日を改めてお越しいただけるように,関係業界と共に,全力を挙げて取り組んで参ります。併せて,大変な経営状況に陥っておられる旅館をはじめ,観光業界の方々への経営支援について,京都市としても全力で取り組むと同時に,京都府,国への必要な要望も行って参ります。

新型インフルエンザに係る発熱外来の受診時における国民健康保険被保険者 証明書の取扱い及び周知について

それから,国民健康保険資格証明書が交付されている世帯の方が発熱外来を受診された場合には,被保険者証と同じく3割負担とする通知が厚生労働省から発信されております。これを受け,京都市におきましても本日速やかに交付を行うとともに,区役所や発熱相談センター等の関係機関に周知徹底を図っており,資格証明書交付世帯に対し,個別にお知らせ文書を送付しております。資格証明書交付世帯数は京都市内4,189世帯であります。

私からは,以上です。

質疑応答(要旨)

(経営支援の具体案)

記者

経営支援について,具体的には何を想定されているのか。

市長

 まずは,低利の融資をすることが緊急の課題であると考えています。
 今,関係業界と相談しており,損害の状況等を把握しながら,府とも連携し,国への要望,協議を行って参りたいと思っています。
 具体的な案が固まっているわけではありませんが,低利の融資以外にも,最大限のことをしていきたいと思っています。

(融資の枠組みなど)

記者

 融資は,府市の財源で国の支援を受けるという形を考えているのか。

市長

 京都市が行う融資に国の支援をいただくということも考えていますし,国の特別な支援も求めていきたい。ただ,どれだけの業種に対象を拡大していくのかは,見極めていく必要があると思っています。

記者

 基本的には,損害補填のような形で低利の貸し出しを考えているのか。

市長

 低利の融資は,迅速に実行しなければならないことだと考えています。
 京都市の中小企業等への融資制度は全国でもトップレベルのものですが,今回の事態に特化した融資を検討して参ります。

(修学旅行生以外の観光客への影響など)

記者

 修学旅行生以外の観光客ではどのくらい影響があるのか。
 観光業界は,いつぐらいから市に対して要望を上げているのか。

市長

 京都観光は,GWの連休が終わった後,修学旅行シーズンのピークを迎えます。今回の事態で,キャンセルや順延など,最も影響を受けているのは修学旅行です。そこで今,修学旅行に焦点を絞った取組が最も喫緊であると考えますが,全体的な観光への影響がどういう状況になっているかは,明日,関連業界と話をしたいと思っています。
 幸い,一昨日まで,京都は発生地ではありませんでしたが,それでも関西地方ということで影響を受けてきました。昨日の事態を受け,これからが最も大事なときであり,緊急に対応していきたい。
 京都で発生する前から,観光業界の方々とはこうした取組の相談をしておりました。特に昨日あたりから,支援を望む声が大きくなってきております。
 いち早く取り組んできましたが,新たな事態に対応して取組を加速させたいと考えています。

(修学旅行生へのメッセージ等)

記者

 緊急対策として行う相談窓口やホームページ等の「開設」の目処はいつ頃になるのか。また,修学旅行生に対するメッセージ等を簡潔にお願いしたい。

市長

 只今準備中で,本日(22日)中には開設します。修学旅行生へのメッセージですが,人生にとって大切な修学旅行の時期に,非常に不安な気持ちになっておられることは,残念であります。しかし,今回の新型インフルエンザは従前の季節型インフルエンザと大きく異ならないことが明らかになってきております。各自で十分な健康管理をしていただくとともに,京都市は市民の皆様や観光業界の方々と共に,徹底して「おもてなしの心」で皆さんの安心・安全を確保して参ります。どうぞ,ご安心して京都の修学旅行を楽しんでいただきたい。同時に,京都にお越しいただきたい。こうした事態であっても,京都は皆さんを十分に満足させる,感動していただける旅を実現できるまちであることを私は確信しております。よろしくお願いします。

(新型インフルエンザに関する政府の対応)

記者

 今朝,政府が新型インフルエンザの対策として地域を分割して弾力的に対応していくという方針を示した。このことについて市長の評価は。

市長

 昨日も舛添大臣と電話で直接話しました。そして,本日7時半から閣僚会議をされ,8時から記者会見をされることを大臣から聞いておりました。新たな対応策もお聞きしております。大臣には,京都市の保育園を閉鎖しない,高齢者施設,障害者施設も閉めないという対応について,ご理解いただいております。本日厚生労働省が示された方針を,先取りした形での限定的な対処を京都市として,昨日の時点で独自に判断したものです。やむを得ず休校にします小・中学校も京都市全域とせず,下京区と中京区に限定しました。この下京区,中京区というのは当該学校がまたがっているためであります。こうした限定的な対応について,市民の方々にもご理解いただけると確信しております。まずは,封じ込めるこということが大事であります。そして,市民の方々に冷静な行動をお願いするとともに,徹底して健康観察を進めながら,経済活動や市民生活への影響を最小限に食い止める,といった取組を引き続き進めていきたいと思っています。これは,この度の厚生労働省の判断と方向性が一致するものです。

(観光関連業界緊急連絡網)

記者

 観光関連業界緊急連絡網ですが,団体,企業数はどのくらいか。

市長

 京都市観光協会への加盟が1,300団体ですので,こうした団体に働きかけていこうと思っています。修学旅行生はこの5年間で対象生徒数が15%減っているにも関わらず,京都への修学旅行生は5%増えています。京都への人気が高まっている時期ですので,こうしたことに自信を持ちつつ丁寧な対応をしていきたいと思います。

市長記者会見資料

お問い合わせ先

京都市 総合企画局市長公室広報担当

電話:075-222-3094

ファックス:075-213-0286

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