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門川市長記者会見(2008年9月3日)

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2023年4月12日

平成20年9月3日門川市長記者会見

京都市名誉市民の内定

みなさんこんにちは。それでは,私からいくつか発表させていただきます。

まず,京都市名誉市民の内定であります。このたび,京都大学の名誉教授岡田(おかだ)節人(ときんど)先生に,京都市名誉市民の称号をお贈りすることを内定いたしました。昭和28年の湯川秀樹先生以来,48人目であります。

岡田節人先生におかれましては,皆様御承知のとおり,世界で初めて水晶体細胞の培養に成功されるなど,その後の再生医療の発展に繋がる成果を数多(あまた)生み出され,発生生物学の世界的な権威であります。今,最も脚光を浴びております再生医療分野の先駆者と言っていい方だと思います。昨年11月には,栄えある文化勲章も御受章されております。

また,岡田先生は,クラシック音楽に関する御造詣も大変深く,財団法人京都市音楽芸術文化振興財団の理事長,あるいは京響友の会の会長,昨年には京響50周年の記念事業の実行委員長も務めていただきました。幅広い活動をしていただいております。そして,京都市の芸術文化の振興に多大の御貢献をしてきていただきました。

これらの御活躍は,京都はもとより我が国の学術文化,さらに世界の学術文化の進行・発展に大きく寄与するものであります。

147万人京都市民の尊敬の的と仰がれておられます岡田節人先生の御功績を称え,名誉市民の称号をお贈りしたい考えであります。今後,京都市会の御同意をいただいたうえで,10月15日の自治記念式典において,表彰させていただきたいと考えております。

蹴上浄水場における景観に配慮した太陽光発電設備の完成について

次に,蹴上浄水場における景観に配慮した太陽光発電設備の完成についてであります。

9月1日で「新景観政策」が実施一年を迎えました。6月に行われましたトルコでの世界歴史都市会議,あるいは先日来のG8外相会合等におきましても,京都の新景観政策について,高い評価を国内外から得ております。しっかりと進めていかなければならないと考えております。この新景観政策ですが,市街地景観の形成,保全はもちろんのこと,建築物の規模を制限することによって,温室効果ガスの抑制にも繋がる,「景観」と「環境」を「融合」した政策のひとつであります。これを更に進める取組として,蹴上浄水場における新しい太陽光発電設備について,御紹介します。

上下水道事業は,自然環境の中で循環する水を,安全・安心,良質な飲料水にして,各御家庭,市民の皆さまにお届けするとともに,家庭等で排出された汚水を浄化して,自然に戻す。正に環境保全事業そのものでございます。その一方で,多くのエネルギーを消費することも事実であります。

このため,消費電力の削減をはじめとする省エネルギーの対策を推進して参りました。小水力発電,太陽光発電の導入など,地球温暖化対策に力を注いでいるところであります。

このたび,蹴上浄水場に太陽光発電設備を新たに整備し,年間19,000キロワットの発電を見込んでおります。発電した電力は浄水場の機械を動かす電力として活用いたします。

また,蹴上浄水場は,本市の風致地区条例に基づく風致地区内にございます。したがって,太陽光発電設備に,景観に配慮したいろんな工夫を凝らしました。ひとつは,パネル部分を黒い色にすること,2点目は,パネルの裏側のバックシートを通常の白色から黒色にすること,3点目は,パネルの枠をこげ茶色にすること,4つ目は,パネルの表面を太陽光が反射しないような加工をすることの4点であります。

施工者であります京セラ株式会社と知恵を重ね合わせまして,協働のもとに,景観に配慮したものとすることができました。

今後とも,こうした一つ一つの政策を融合して,京都ならではの先進的な取組を進めて参りたいと考えております。

なお,この設備は明日4日から供用を開始することとしており,合わせて午前9時30分から報道機関に対し,現地見学会をさせていただきます。

日本プロバスケットボールリーグへの新規参入について

最後になりますが,つい先ほど,京都にとってたいへん喜ばしい,胸弾むニュースが入ってまいりました。プロバスケットリーグに関することであります。

 日本プロバスケットボールリーグ「bjリーグ」において,京都チームが新規参入することが正式に決定いたしました。

京都サンガFCに続く,京都で二番目のプロスポーツチームの誕生であります。京都市を挙げて,心から歓迎したいと思っております。

京都が誇る先端企業でありますアークレイ株式会社が京都チームの親会社であります。地域に密着した,市民に愛されるチームとして発展していくことを大いに期待し,共々に努力してまいりたいと思っております。

私も,先ほど,この喜びをアークレイの土井社長にお伝えするべく,電話させていただきました。土井社長も非常に喜んでおられまして,同時に「これがスタートです。皆さんで大いに盛り上げて欲しい。」と仰られていました。

 「bjリーグ」の詳細につきましては,運営会社から説明が改めてあろうかと思いますが,私のお聞きしている概要をお話ししますと,皆さん御承知のとおり,東京,大阪,あるいは   新潟,大分など現在,全国で12チームがございます。来年度から2チーム増やす,そのうちのひとつに京都チームが正式に決定しました。年間52試合が行われ,その内の半分の26試合,土曜日,日曜日連続で年13週,京都で試合が行われるということであります。

以前,リーグ参入を目指しておられる頃に,会場確保に頭を痛めておられるということをお聞きしましたので,私からぜひ,西京極の京都市体育館を「ホームアリーナ」にしていただきたいとお願いしておりましたが,その方向で話が進んでおります。

バスケットボールは,子どもたちにたいへん人気のあるスポーツであります。京都市立小中学校,あるいはスポーツ教室で,現在,5,700人の子どもたちが,バスケットボールに取り組んでおります。子どもたちがプロのチームの試合を間近に観戦できる。さらには,京都市民が地元チームを心ひとつにして応援できる。京都の子どもたちにとっても,市民にとっても,素晴らしいニュースであります。

そして同時に,京都市民のスポーツ文化がさらに向上する。あるいは,スポーツビジネスがさらに広がるような機会にもなればと期待しております。

来シーズン,私もぜひ京都チーム,西京極「京都市体育館」へ応援に行きたい。体育館でプロバスケット京都チームが,同時にメインスタジアムで,京都サンガがJ1リーグでがんばっている。こういうことを思うとわくわくしてきます。大いに盛り上がって欲しい。そのために,私どもも努力したいと思っています。

私からは以上でございます。

質疑応答(要旨)

(日本プロバスケットボールリーグへの新規参入)

記者

 全国各地で,地域密着型を謳い,プロ・スポーツを活かして地域を盛り上げていこうとする動きが見られる。この新規参入が決まって,市長が今後何かしていきたいと考えていることは。

市長

第一に,多くの方々に,子どもたちを含めて家族ぐるみで応援に行っていただきたいと思います。

同時に,京都サンガにも実践していただいていますが,プロの選手が学校や幼稚園,保育園を回り,子どもたちに直接指導いただいています。これが子どもたちのモチベーションをすごく高めることなのです。私は,洛風中学校という不登校の子どもたちの通う中学校に,サンガのメンバーが行って,指導している現場を目にしたことがありますが,そのときの子どもたちの表情,目の輝きというのはすごいものでした。このプロバスケットボールチームにおいても,そういったことをしていただきたいと考えています。

今,子どもたちの学び育ちの現状を見ると様々な課題がありますが,スポーツは,「目標を持って努力する」,「努力すれば成果が見える」,「一人ではできない。力を合わせるチームワークが大事だ」そういったことを五感で味わえ,学べる素晴らしい機会であると思っています。

(太陽光発電設備の普及に向けた取組)

記者

 太陽光発電の普及というのは国でも取り組まれており,京都市も「環境モデル都市」のプランの中で,太陽光発電の促進という提案があるが,今後更に普及促進していくための具体的なお考えを聞かせていただきたい。

市長

国家政策として補助制度がありました。財政状況が厳しい中,それが一旦終わり,かつては日本が非常に進んでいましたが,現在ではヨーロッパの方が進んでいるという状況にあります。しかし,京セラはじめ,生産量は今でも日本が一番多いという状況です。これまでも,公の建物において設置に取り組んできましたが,これからも積極的に取り組んでいきます。

また,蹴上浄水場は風致地区にあるため,景観と太陽光パネルとの調和が非常に難しかったのですが,今回の取組の中で,風致地区でも設置することができました。これまで,屋根に太陽光パネルをつけたいという非常に志の高い方々に対しまして,景観の面で御遠慮いただいたことも一部でありましたが,この面でも大きく前進することができたと考えています。これからもメーカーと十分協議し,景観に配慮した太陽光パネルの開発を引き続き要請していきたいと思っています。

(福田首相の辞任による地球温暖化対策の取組への影響)

記者

 福田首相の辞任の件でお伺いしたい。福田首相が,非常に熱心に取り組んでおられたのが消費者庁の設置と地球温暖化対策だったと思うが,京都市も「環境モデル都市」に応募しながら,候補都市という少し宙ぶらりんな状態の中で突然の辞任となった。今後の地球温暖化対策がどうなるのか,京都市としても心配されているのではないかと思うが,辞任によって,どのような影響出てくるとお考えか

市長 

 突然の辞任,驚きました。余程の御判断だったのだろうと思います。

なお,環境政策については,我が国がG8サミットでも世界に公約していることであり,制度として,我が国として取り組んでいくことだと思っておりますので,そのことについて政策がぶれるということはないと確信しております。

(京セラとの関係)

記者

 前市長の時は,京都市と京セラとの距離感が遠いという指摘もあったが,今回の太陽光発電設備を共同開発されたことなどを聞いていると,「雪解け」というか,双方の距離が近づいてきた感がある。

今回,プロバスケットボールチームに市体育館を貸されるということだが,一方で京セラとの間には,サッカーのメインスタジアムの課題がある。

京セラとの関係について,門川市長御自身が感じていることは。

市長

 前市長の時にも,稲盛財団の京都賞の受賞式典には毎年,市長が出席されており,私も教育長として出席させていただいた。京都の環境問題など,京都市政と京セラ,稲盛財団は,以前から非常に友好的な関係であったと思っています。「雪解け」という表現より,より温かい関係が深まっていると感じています。

 なお,サッカー・スタジアムについては,商工会議所・京都府・京都市の三者が,場所の問題も含め,今後も叡智を集めていかなければならない非常に難しい課題でありますが,難しい課題であればこそ,みなさんとともに知恵を出し,検討していきたいと思っています。

記者

 京セラ側から市長へ,積極的に協力をしてもらいたいといった要請はあるのか。

市長

具体的にはまだございません。

市長記者会見資料

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京都市 総合企画局市長公室広報担当

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