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門川市長記者会見(2008年5月14日)

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2023年4月12日

平成20年5月14日門川市長記者会見

おむすびミーティングについて

 皆さんこんにちは。門川大作です。現地現場主義で,市民の皆様と交流していきたい。そして,市民の皆様の声を,心を私自身がしっかりと受け止めて,市政に反映させていきたい。同時に,私の思いを,あるいは京都市に今どういう課題があって,どういう市政を推進していこうとしているのか。きちっと説明責任を果たしていきたい。こういったことを進めるためのひとつの仕組みとして,マニフェストで「おむすびミーティング」を挙げました。「おむすび」といいますのは,別に「おそば」でも何でもいいのですが,軽い食事をしながら,気軽に,忌憚のない意見交換をして,市民の皆様と心が通う関係を作っていきたい。そして,地域主権時代のモデルとなるような京都市政を地域から作っていきたいと念願したものです。

市長に就任して80日が経ちましたが,まずは職員の意識と行動改革からだ,と今日で,116箇所の現場を回ってきました。そしてこの度,お約束したおむすびミーティングを始めさせていただきます。

まず第1回目は,左京区の大原地域で観光農村育成事業の中核施設としまして,都市農村交流拠点施設「里の駅 大原」が整備されました。これは,地域の皆様の熱意により,1億円近いお金がかかりましたが,その3割を地域の方々が負担し,そして,京都市や国が支援して整備されました。5月31日にオープンを迎えます。地域の方々が,非常に熱心に取り組んでおられます。同時にこの地域は,非常に歴史も深く,文化も豊かで,すばらしい地域でありますが,「市街化調整地域」で,過疎化,少子化,高齢化という課題が顕著に出ている。そこで,地域ぐるみで,すばらしさを活かしつつも,中期計画を作って,若い世代に移り住んでもらおうと取組を始められています。その場に私自身が飛び込みまして,第1回のおむすびミーティングを始めたいと思っています。NPO法人や「里の駅 大原」の経営主体などの関係者,地域の方々と忌憚のない対話を行っていきたいと思っております。

 京都市では,様々な地域で志の高い市民の方々が,まち興しに取り組んでおられる。また,環境問題に取り組まれるなど様々な活動をしておられます。そうした場へ,どんどんと入っていき,4年間で50回を超える,おむすびミーティングを進め,市民の皆様の声をきっちりと京都市政に反映していきたいと思っております。

ハートミーティングについて

 それから,もうひとつは,おむすびミーティングの職員版とでも言える「ハートミーティング」であります。第一線の職員の声をしっかりと受け止めたい。そして,がんばる職員,市民のために果敢に挑戦しようとする職員,あるいは時には,行き詰って悩んでいる職員,課題を抱えている職員,そうした職員と私自身で,忌憚のない意見交換を行う場を作っていきたい。環境局でごみ収集業務に直接従事している職員が,一昨年8月にごみ収集業務を如何に改善していくか。さらに,ごみ収集以外のサービスをどのように展開できるのかを検討する研究組織を立ち上げて,今,積極的な提言と活動で,活躍しています。そうした職員「環境局ごみ収集業務研究グループ」と6月に懇談の場を持ちたいと考えております。京都市には,すばらしい職員がたくさんいます。私自身116の現場を回って,そのことを実感しました。現場職員の声をボトムアップで,吸い上げて,そして京都市政全体に反映させていく。そうした取組を進め,風通しのよい職場を作っていきたいと思います。緊張感が大事でありますが,同時に職員と私自身の一体感が大事であると思っております。

災害時専門家アドバイザー制度の創設について

 大きく2点目でありますが,「災害時専門家アドバイザー制度の創設」等についてであります。「市民のいのちを守る」,私のマニフェストの第一番に掲げました。特に災害,先だってからの中国あるいはミャンマー,国内でも様々な災害が起こっております。こうした中,災害からいのちを守る取組の一環としまして,全国的にも先進的なふたつの取組を新たに開始することにしました。

ひとつは,「災害時専門家アドバイザー制度の創設」であります。

事例を申し上げますと,京都は市域の4分の3が山と森の豊かな緑に包まれております。同時に,土砂災害等の危険な地域がたくさんあります。大雨によって,土砂崩れが起こり,周辺住民に避難勧告を発令した。大雨が収まった後,現場に出向いたそれぞれ専門の職員が,丹念に調べるものの,二次災害がまだ続くのかどうか,現場の京都市の職員だけでは,判断がつきかねる。避難勧告の解除をいつの時点で出すのか。非常に難しい問題に直面することがあります。そうした時に,大学の先生,専門家にお願いし,現地に来ていただいて,専門的な知識に基づいて調べ,助言をいただく。こうしたことを既に行っている例があります。これを制度化しようと,この度アドバイザー制度を導入することとしました。

近年,頻繁しております台風,集中豪雨,地震などの大規模な自然災害,あるいは放射能,生物剤,化学物質などのNBC災害への対応,これを迅速にかつ強力に進めていくため,明日5月15日から制度の運用を開始します。

この制度は,土砂災害,施設の事故やテロによるNBC災害の発生時に,私や副市長をはじめとする災害対策本部のトップ,さらには消防局長が各分野の専門家に要請して,24時間体制で高度な専門的見地からの助言や指導を求めることができるものであります。京都ならではの,世界に冠たる大学等のトップレベルの研究成果と全国トップを誇る京都市の消防力,これらが協働して,京都市民の安全確保に万全を期すという,大学のまち・京都ならではの取組であります。

土砂・放射線災害の分野では,京都大学に全面的な協力をいただくことにしました。また,他の分野におきましては,京都市における保健衛生部門のエキスパートであります衛生公害研究所,そして災害医療の拠点であります市立病院に役割を担わせるなど,災害種別ごとにアドバイザーを設けます。さらに今後とも,他の大学等の研究機関と協議を重ね,協力をお願いし,連携を強化していきたいと思っております。

特徴的な要素といたしましては,先ほど申し上げた事例は,2年前の北区雲ヶ畑の事例ですが,大学の先生に現場へ飛んで来て,丹念に調べていただいたところ,崩落した箇所が危険ではなく,かえって別の所の方が,専門的な見地からは危険性が高いということをアドバイスしていただき,非常に有効でありました。そうした事例に基づいて,準備をし,明日の日を迎えることができました。

国内では,年間1000件発生しております土砂災害,それらの二次災害を防ぐために,全国のモデルになる取組ができるのではないかと考えております。

市・府災害ボランティアセンター協定締結

 次に,二つ目でありますが,「京都市災害ボランティアセンターと京都府災害ボランティアセンターの災害時における相互連携に関する協定の締結」であります。この協定は,京都市内及び京都府下において,風水害や地震等の災害により住民生活に甚大な被害が発生した場合に,二つのセンターが合同本部を設置して一元的な運営を行うなど,相互連携と効果的な役割分担のもとに,被災地の復旧支援活動を展開することを目的としております。

また,京都府以外の地域において災害が発生した場合には,相互連携のもとに支援活動を行う内容も盛り込まれております。画期的なものであります。

この協定締結も全国で初めてであり,先ほど御紹介しましたアドバイザー制度とともに,私がマニフェストに掲げておりますNPOやボランティア等の活躍の場を広げ,自立・自治・協働のまちづくり,そして安心安全のまちづくりの実現に,着実な一歩となると確信しております。

なお,この協定調印式は5月25日に,中京区の「こどもみらい館」において行います。

私からは,以上でございます。

質疑応答(要旨)

(「おむすびミーティング」について)

記者
今後4年間で50回くらいを予定しているとのことだが,こういう分野について力を入れたいというお考えはあるのか。また,現場でいろいろな意見を聴いた場合,具体的にどのように市政に反映させていくのか,そのような仕組みが現時点であるのか教えていただきたい。

市長
私から,「このようなテーマで」という形で示していくのは,あまり良くないと考えています。市民の方々からの要請に基づいて,できるだけバリアをなくして取り組んでいきたい。実際には,「地域ぐるみのまちづくり」や,「環境問題」というテーマが考えられるのではないか。

市長に就任してからも3回くらい,大学生や大学を卒業し就職されたばかりという若い方々と話をしました。先日も50人くらいで集まって,ワイワイとやりましたが,若い人たちに非常に熱意があると感じました。その場でまた誘いを受け,3箇所くらい行く約束をしましたが,そういう場にもどんどん出て行きたいと思っています。
 また,市長に就任してから,原則として毎週一回,副市長とその時々の局長が集まり,議題を決めずにミーティングを行っています。その場で,私自身が現地現場主義ということから,現場を回ってみて,聞いたことや感じたことを,また,副市長や局長が感じたこと,聞いてきたことについて,ざっくばらんに話をして,そして,仕事に活かしていく取組を既に進めています。「おむすびミーティング」等で聞かせていただいた生の声についても,そうした場で活かしていきたい。また,場合によっては現地から,それぞれの担当者に緊急に対応を指示することもあるでしょう。

あわせて,市民の皆様からこういう意見があって,市ではこのようにお答えしたということをホームページで公開していきたいと考えております。

そして,京都市政が何を目標として,どう行動しているのかを市民の方々に分かっていただく。同時に市民の方々が参画していただきやすい京都市政を目指したいと考えています。

 

(「災害時専門家アドバイザー制度」の創設)

記者
制度の対象となる災害種別を更に増やしていくのか。

市長
この20年程の間に起こった災害を想定して対象分野を決めたが,今後どういった災害が起こってくるかは予見できないため,その都度,叡智を集めて増やしていきたいと考えている。

また,京都には多くの大学があり,様々な研究をされている。この制度が動き出したら,積極的に協力しようとする方々が,出てきていただけると思う。僭越な言い方だが,大学で研究されている方も,フィールドがあることで研究が深まる,より実践的になるといった声も聞いている。研究機関・研究者と行政の新しい関係を作っていけるのではないかと思っています。

 

(災害ボランティア協定)

記者
現在,京都府と京都市は災害時にどのような連携をとっているのか。また,今回のボランティアセンターの災害時の連携と従来の取組とが,どのように機能するのか教えていただきたい。

市長
京都府と京都市は,防災対策協議会を平成14年度以降定期的に開催し,連携を密にしております。

また,私と知事とは専用電話,ホットラインを設置し,行政機関同士の話をトップで判断しなければならない時は,常に連携が可能な状態にあります。同時に,京都市消防局のヘリコプターからの映像情報を京都府に提供し,共有化していますし,災害発生時に市町村長が知事に応援を求めれば,直ちに応えなければならない旨の法律の定めもあります。

更に,近畿コカ・コーラボトリング株式会社と京都府・京都市で協定を結ぶなど,全国に先駆けた取組も進めていますし,そのほか,先週も,水防訓練を長岡京市や向日市を含めた近隣府県・市町村と一緒に行いました。

私から説明するまでもなく,被災者の救援,援助におけるボランティアの役割は非常に大きいものがあります。去年,京都で災害ボランティアの大きな会議がありました。そのシンポジウムで,災害ボランティアの活動家の方が,「よそ者,若者,ばか者」と地域の人から言われたことがあり,そういうことを認識して活動しなければならない,とおっしゃっていました。非常に謙虚な姿勢で取り組んでおられることに感服しました。ボランティアが有機的に機能し,一元的に取り組んでいけるよう,現地に行ったけども何をしてよいのかわからないという状況にならないよう,そして,このボランティアの方々の活動をより広めていくためにも,行政がボランティアの方々の善意をしっかりと活かせるような役割を果たすことが重要であります。

同時に,京都府と京都市がボランティア先進都市として,中国まで派遣とはいきませんが,近隣府県で災害が発生したときには協力し,率先してタイムリーに活動していただくような役割もできるのではと考えています。

また,本協定の締結は,災害ボランティアのリーダーの方々に,非常に喜んでいただいていると聞いております。

 

(府市協調)

記者
今回の協定締結により,門川市長が市長選の時から掲げられていた府市協調が実際に結実したと思います。今後も,府市協調の観点から,行政サービスの向上や行政効率化に向けた政策を進めていかれるとは思いますが,是非この分野で取り組みたい案件がありましたら,お聞かせいただきたい。

市長
昨日,一昨日と近畿市長会でした。また,大阪では近畿の知事・市長が胡錦濤さんをお迎えした集会や関西広域機構の会議がありました。様々な場で,橋下知事や京阪神の市長とお会いしますが,京都市と京都府との関係は,課題がありながらも,じっくりと話をしてうまくいっている方だと感じています。

同時に,より一層二重行政を解消し,課題を明確にして府市協調の実をあげていくべきだとも考えています。

政令指定都市ですので,身近な市民サービスの大部分は,京都市が実践しておりますが,一番の課題は,京都市に権限のない警察行政です。例えば,市バスの定時制を高めて,歩いて楽しいまちなか戦略をしていこうという時に優先レーンや専用レーンについての課題があります。こうしたことについては,京都府の更なる全面的な協力がほしいと痛感します。今後とも,一つ一つ話し合っていきたいと考えております。

 

(「おむすびミーティング」について)

記者
職員の方が市民の現場に出掛けられて,京都市の状況を説明される,これはどこの自治体もやっておられる。今回,市長自身が出掛けて市民の方と対話されるというものだが,対話の相手となる市民等を取捨選択されるのか,要望を聞きながら50回ほどされるということだが,対象は地域なのか団体なのか,例えば,選挙戦で競争された各種団体もあると思うが,そういう方とも対話されるのか。

市長
現にいろんなところで話をしている。本気になって幅広い市民の声を私自身が受け止めて,京都市政に反映していきたいと思っていますので,いろんな形で進めていきたいと思っています。

記者
ということは,こちらからはあまり取捨選択しない。様々なルートを使って実施していくということでいいか。

市長
取捨選択ということが,具体的にどのようなことかが分かりにくのですが,住民組織とか,いろいろなものがありますので,そこへフランクに飛び込んでいきたいと思っています。対立を深めるだけの場にしても意味がない。形式にとらわれず実施していきたい。

 

(道路特定財源について)

記者
昨日,国では,「道路整備費の財源等の特例に関する法律」が改正され,自治体では道路財源が何とか確保されようとしている。京都市では,5月補正予算で40数億円をすかさず追加補正するのか。

市長
43億6800万円,これはできるだけ速やかに追加提案して,先に議案を提出ししている肉付補正予算と合わせて,市会で御審議していただければありがたいと思っています。

市長記者会見資料

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