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京都市の基本構想・基本計画(資料編)/京都市基本計画第1次案/第1次案 第2章

ページ番号35768

2001年2月1日

第2章 華やぎのあるまち

・景観や緑地を保全するとともに,地域住民のまちづくり活動や美化活動に対して支援を行い,「美しいまち」の実現をめざすとともに,文化の創造,発信,交流の推進,担い手の育成等により,芸術文化の振興を推進し,成熟した文化の実現を図る。また,国内外との多彩な交流を進め,京都の豊富な学習資源を生かした生涯学習を推進し,魅力あふれるまちをめざす。
・ものづくりの伝統を生かし,産学官の連携による京都独自の産業システムを発展させるとともに,地域に密着した商業や農林業の振興を図る。また,21世紀の京都を牽引する観光を創造するとともに,大学の集積・交流を進め,若者がいきいき学び働くことができる活力あふれるまちをめざす。
・さらに,「保全・再生・創造」を基本とし,多彩で個性的な機能をもつ魅力あるまちづくりを進めるとともに,「歩くまち・京都」の理念の下,市民のくらしとまちを支える基盤づくりを進める。

 

2010年の市民のくらしとまち

 

第1節 魅力あふれるまち

1 まちを美しくする

基本的方向
 魅力あふれる美しいまちであり続けるため,まちの美化を進めるとともに,「保全・再生・創造」を基本に,地域の個性や自然的,歴史的な条件を十分に考慮して,景観や緑地の保全と向上に努める。
 そのためには,規制の強化のみによるのではなく,住民みずからがまちのゆとりと潤いについて考えるための機会や情報の提供,地域住民のまちづくり活動や美化活動に対する支援等,市民と行政の信頼に基づく協力関係が必要である。市民と行政が一体となって,自然的,歴史的な風土と調和したまちを保全・再生するとともに,京都の華やぎを後世に伝える,新しい景観を創造するための取組を進めていく。

 

(1) まちの美化の推進

ア 市民,事業者,行政一体の美化活動の推進[P53「4歩いて楽しいまちをつくる」(1)ア(ア)に再掲]

 (ア) まちの美化推進活動

 「世界一美しいまち・京都」を実現するため,ひとりひとりが決してごみを捨てない,また,捨てさせない意識を築いていくよう,市民,事業者,行政が一体となって,美化推進に取り組む。また,身近で日常的なまちの美化活動の定着を図るため,まちの美化推進住民協定の締結拡大を促進する。

 (イ) 公園の美化推進活動

 花と緑のくつろぎ空間でもある身近な公園を,市民の協力のもと,適正に維持管理していくため,地域で自発的に結成された公園愛護協力会の活動を支援する。

 (ウ)河川の美化推進化活動

 鴨川をはじめとする市内の河川を美しく保つため,各河川ごとに付近の住民を中心に自発的に結成されている河川愛護団体の活動を支援する。

 (エ)放置自転車対策

 歩行者空間をはじめとする道路の景観を美しく維持するため,自転車の適正な利用マナーやルールの啓発等に取り組む地域の自転車等駐車対策協議会の設置を推進する。

イ まちの美化に向けた監視・指導

 不法投棄監視パトロールの体制の強化,廃棄物の発生抑制や指導取締りの強化を行うとともに,放置自転車等撤去,違法駐車等の防止・啓発活動を推進する。

 

(2) 個性的で美しい景観の形成

ア 自然と歴史的な景観の保全[P54「4歩いて楽しいまちをつくる」(1)エ(イ),P79「1個性と魅力あるまちづくり」(1)ア(ア)に再掲]

 (ア) 歴史的風土の保存

 三方の山々やその山すそなどの歴史的意義が高い景観地域を保全するため,「歴史的風土保存区域」においては,建築物の新築,宅地の造成などの現状変更行為の届出に対し必要がある場合,助言勧告を行う。とくに重要な価値をもつ「歴史的風土特別保存地区」においては,現状変更行為を原則的に禁止し,それに伴い土地利用に著しい支障をきたす場合には,土地利用者の申出により土地の買入れを行う。また,これらの買入地については,適切な施設整備や維持管理を行う。

 (イ) 歴史的風土特別保存地区や緑地保全地区の創造的活用

 「歴史的風土特別保存地区」や「緑地保全地区」においては,現状を凍結的に保全する規制や指導を行い,歴史的風土や緑地の保全を図るとともに,公園等の施設整備を通じて,それらを創造的に活用する。

 (ウ) 自然景観などの保全

 「風致地区」や「自然風景保全地区」においては,開発に際して,自然景観や緑豊かな住宅地を保全するため,きめ細かな規制と誘導を行う。とくに,「自然風景保全地区」においては,市民の自然風景保全育成活動に対する支援や助成を行い,景観保全施策の一層の強化を図る。

イ 市街地のきめ細かな景観誘導[P54「4 歩いて楽しいまちをつくる」(1)エ(ア),P79「1個性と魅力あるまちづくり」(1)イ(ア)に再掲]

 (ア)景観保全や整備に関する地区の指定

 景観の保全や整備を図るため,景観上一定のまとまりのある地域を調査し,その地域の実情に応じて,「歴史的景観保全修景地区」,「界わい景観整備地区」,「沿道景観形成地区」等に指定し,地区の景観の維持向上を支援する。
 また,これらの地区を中心に,電線類の地中化を推進するとともに,道路の舗装や照明のデザインを工夫するなど,道路の景観を向上させる。

 (イ) 歴史的意匠建造物の指定等

 歴史的な意匠を有し,周辺の景観整備のシンボルとなるようなる建物を指定することにより,その外観の保存を図るとともに,所有者及び周辺住民に対し景観をはじめとする地域のまちづくりへの関心を誘発する。また,良質な市有建築資産の再生活用を図るなど,地域の景観資産を大切にし,活用するような,きめ細かな景観誘導を行う。

 (ウ) 景観整備に関する活動をする団体に対する支援

 地域の景観を整備するため,住民などが主体的に締結した協定の認定や,地域住民で構成された景観整備に関する活動を行う団体への助言者派遣等を行う。

 (エ) 屋外広告物の規制・指導等の強化[P53「4歩いて楽しいまちをつくる」(1)ア(イ)に再掲]

 屋外広告物に関する条例に基づき,屋外広告物等を地域の特性に調和したものになるよう規制や指導を行うとともに,違反広告物の撤去や歴史的意匠屋外広告物の指定制度等を活用した啓発活動等を強化する。

 (オ) 都心部における町並み景観保全方策の検討

 都心部における文化財の周辺環境や京都らしい町並み景観を保全するため,都市計画規制のあり方や歴史的景観資源周辺環境保全のあり方についての検討を進める。

ウ 「(財)京都市景観・まちづくりセンター」と連携した市街地景観向上への支援

 地域の身近なまちづくりを支援している「(財)京都市景観・まちづくりセンター」と連携して,シンポジウムやコンクール等により,市民の景観保全・再生・創造活動を支援する。また,京都独自の景観をかたちづくっている京町家の保全・再生等に向けた取組を市民とともに進める。

 

(3) 水と緑のネットワークの形成

ア 自然や歴史環境を生かした特色ある公園等の整備

 (ア) 水と緑のネットワーク

 三方の山々と鴨川・桂川・宇治川など大きな川を骨格に,公園・緑地・農地・中小河川などとも連携して,市域全体で水と緑のネットワークを形成する。その核となる施設として,市民が優れた自然や歴史環境にふれあえるように,「新・子どもの楽園」を中心とした宝が池公園,桂川緑地の整備や淀城跡公園の再整備等,特色ある公園緑地を整備する。

 (イ) 宝が池公園「新・子どもの楽園」の整備[P37「2子どもを安心して産み育てる」(5)ア(イ)に再掲]

 周辺の自然環境を生かした都市防災,自然教育や憩いなどの多様な機能をもつ宝が池公園において,自然とのふれあいやさまざまな体験を通じて子どもたちの感性を豊かにし,次代の京都を担う人材を育(はぐく)んでいくための活動拠点を創出する。

 (ウ) 桂川緑地の整備

 国の協力のもと,桂川河川敷に,安全な親水空間,スポーツなど自由に利用できる多様なレクリエーション空間を創出するとともに,災害時には広域避難地や災害支援の拠点としても活用できる場を整備する。

 (エ)淀城跡公園の再整備等

 地域の歴史を示し住民の憩いの場や観光資源として活用できる淀城跡公園再整備のほか,自然休養レクリエーションの場としての大見公園,市民の緑化や環境保全意識の向上を図る都市緑化植物園,環境保全型公園の整備を検討する。

イ 身近な地域の公園の整備

 地域のひとたちが,レクリエーション,心のふれあいの場,憩いの場として,歩いていける範囲に適正に配置されるよう,街区公園などの身近な地域の公園緑地を整備する。また,スポーツ施設と合わせて公園を整備する。

ウ 水辺環境の整備

 治水対策を念頭に置きながら,ひとに快適な水辺,生物を育む水辺,きれいで豊かな水を保つ水辺の環境を整備する。
 とりわけ,川のもつ多面的な役割をまちづくりに生かすため,西高瀬川と連携した堀川の水辺環境の整備や多自然型川づくりを推進する。

エ 緑化の推進

 家の庭や生け垣から社寺,公園の花や緑などさまざまな規模や形態の緑化を促進し,道路や河川のような連続した緑と連結する。そのため,「生け垣緑化助成事業」や「区民の誇りの木選定事業」,「保存樹木,保存樹林の指定」を推進しつつ,市民と一体となって取り組む協議会の設置,「緑のボランティアリーダー」の育成,「国際伝統庭園研究センター」の設立について検討する。
 このように市民とともに花と緑の空間をつなげることにより,小鳥や昆虫など小動物の生息空間をつなぎ,魅力的で豊かな都市の生態系を拡大していく。

  

(4) 木の文化が息づくまちづくり[P26「2すべてのひとがいきいきと活動する」(1)エに再掲]

 三方を山で囲まれ市域の7割近くを森林が占めるまちでもある本市は,町家建築,社寺建築,庭園文化をはじめ,漆器,木工品,竹細工などの工芸品を育て,伝統行事とも密接な関係を保ちながら木づくりの文化を守ってきた。このような,これまで育ててきた木の文化を守り育てるため,木造公共施設の整備,京町家にみられるような伝統的な意匠による木造建築物の誘導,京都の伝統を受け継ぐ木造建築の技能継承等への取組支援など木の文化が息づくまちをつくる。
 また,環境や防災面等を考慮した新素材や新技術を活用した木造建築物の開発など,京都の風土に合った新しい木造住宅の開発・普及について検討する。

 

 

2 成熟した文化が実現する

基本的方向
 芸術文化振興の拠点として設置した「京都芸術センター」の機能を十分に発揮しながら,文化の創造,発信,交流の推進,担い手の育成,市民文化の醸成等に向け,効果的な施策を展開するとともに,他の文化施設についてもソフト・ハード両面にわたる機能の向上を図り,新たな時代のニーズに対応した芸術文化振興の取組を行う。
 また,京都のまちを構成する主要な要素である文化財について,未指定,未登録の文化財の調査を行うとともに,今後の文化財保護施策の基盤となる考え方を確立し,文化財の保護を進める。
 さらに,市民との連携や文化・観光・産業の連携を一層強めることによって,文化首都をめざす,より積極的な取組を進めていく。

 

(1) 文化の創造・発信に向けた総合的な取組の推進

ア 「京都芸術センター」における活動・情報・交流センター機能の活用

 本市における芸術を総合的に振興するため,「京都芸術センター」の機能を活用し,多様な芸術に関する活動を支援し,芸術に関する情報を広く発信するとともに,芸術を通じた市民と芸術家等の交流を行う。

イ 「芸術祭典・京」の発展・充実と発信力の強化

 優れた文化の創造をめざし,京都を文化・芸術の発信基地としていくため,京都全体を劇場,美術館としてさまざまな取組を行ってきた「芸術祭典・京」について,「京都芸術センター」をはじめ,芸術文化に関する施設や観光との連携により,更なる発展・充実と情報の発信力を強化する。

ウ 「芸術文化振興計画推進プログラム」の策定

 「芸術文化振興計画」に掲げた具体的施策について総括するとともに,新たな時代に対応した具体的施策を盛り込んだ推進プログラムを策定し,「芸術文化振興計画」に掲げた目標のさらなる追求を行う。

エ 神社仏閣などを会場とした伝統芸術振興施策の実施

 京都の伝統芸術の総合的な振興を図るため,伝統的な文化遺産である神社仏閣などを会場とした芸術文化事業を実施し,伝統芸術の普及,担い手の育成,観光集客力の向上をめざす。

オ 京都の歴史を総合的に物語る「歴史博物館」の整備

 1200年という世界的にも貴重な永い歴史を持っている京都が,みずからの歴史を総合的に物語る「都市の記憶装置」として,新しいタイプの都市史博物館を設置し,多角的に京都の歴史・文化資源を掘り起こすとともに,資料の収集,保存,展示等の活動を通して京都のまちづくりに生かし,京都の価値を市民だけでなく,全国,世界に伝える。

 

(2) 市民文化の振興

ア 市民文化活動支援体制の確立

 市民の文化力の向上を図るため,文化ボランティアの育成を行うとともに,市民文化活動の支援や情報の提供を行う。

イ 市民文化活動顕彰制度の創設

 活動が全国的規模で特に優れた評価を受けたり,地道な日常活動で文化創造に貢献した個人・団体を顕彰する制度を創設し,市民文化の振興を行う。

 

(3) 多彩な芸術文化交流の推進

ア 市民と芸術家との多彩な交流事業の推進

 「京都芸術センター」に国内外の芸術家を受け入れ,その芸術活動を支援するとともに,芸術家と市民,または芸術家相互の交流事業を推進する。

イ 国際芸術文化交流の推進

 京都が世界の芸術文化交流の拠点となることをめざすため,本市と関係の深い姉妹都市だけでなく,文化的風土の近いアジアの都市などさらに視野を広げる契機となる都市との芸術文化交流を行う。
 また,大阪市が招致している2008年のオリンピックと連動して,世界の芸術が京都において一堂に会する「世界芸術祭」の開催を検討する。

 

(4) 芸術文化の新たな担い手の育成

ア 芸術文化特別奨励制度による若手芸術家等の支援 [P77「4若者が集い能力を発揮できる」(1)アに再掲]

 京都の芸術文化の担い手を育成するため,公募した将来有望な若手芸術家等に審査のうえ奨励金を支給する。

イ 「京都芸術センター」などにおける制作・発表支援事業の推進 [P77「4若者が集い能力を発揮できる」(1)アに再掲]

 活動の場を求めている国内外の芸術家・団体を公募・審査し,「京都芸術センター」において活動の場を提供するなど,制作・発表の支援を行う。

ウ 「市立芸術大学」の振興 [P76「3大学の集積・交流が新たな活力を生み出す」(5)イに再掲]

 「日本伝統音楽研究センター」や大学院美術研究科博士(後期)課程の設置により,その機能を生かして最先端の研究とともに伝統的な芸術文化の振興を行い,国内だけでなく国際的な芸術文化の情報発信基地となるよう充実をめざす。

エ 市内にある芸術系大学の相互連携による芸術家の育成 [P76「3 大学の集積・交流が新たな活力を生み出す」(5)イに再掲]

 「(財)大学コンソーシアム京都」などを通じて,京都市内にある芸術系大学の連携を強めるとともに,公共の場所での作品発表の機会の確保を図るなど,将来の芸術文化の担い手となる若手芸術家の育成を行う。

 

(5) 豊かな文化資源を生かした芸術文化の振興

ア 「京都映画祭」の開催,「京都シネメセナ(映画製作助成)」の実施

 日本で初めて映画が上映されたまちであり,映画の撮影所が集積していた京都をテーマとした映画製作に対して製作費の助成を行うとともに,京都に蓄積されている日本映画を育(はぐく)んできた人材や技術・経験を生かして新たな映画文化の創造をめざす。

イ 「京都音楽祭」の開催

 京都コンサートホールを音楽文化の発信基地とした京都に相応しい良質な音楽を市民に提供し,音楽芸術を通じた国内外の文化交流を図るとともに,市民の音楽に対する親近感を深めるため,「京都音楽祭」を開催し,市民が音楽活動にみずから積極的に取り組む活動を促進する。

ウ 文化施設機能の向上

 地域の身近な文化創造の拠点である地域文化会館において,京都会館や京都コンサートホールとともに,市民がより広く文化活動を展開できる環境づくりを行う。また,芸術・文化に親しみ,集い,語らい,学べる空間として,美術館の活動や展示環境等の充実を図るとともに,二条城においては,貴重な文化財として恒久的保存に努め,築城400年を契機として,二条城の歴史や文化についての情報発信を行う。

 

(6) 文化財保護の推進

ア 未指定・未登録の有形・無形文化財の調査の実施と,それらに基づく文化財の指定や登録

 調査ができていない貴重な文化財を計画的に調査し,文化財としての重要性や保存の緊急性を明確にするとともに,効率的かつ効果的な文化財の指定や登録制度を検討する。

イ 新たな文化財の保護及び活用施策の実施

 点の保存を基本とするこれまでの文化財保護の考え方から,歴史や景観という視点をあわせた面の保存への移行を検討するとともに,文化財の資料をデジタル化し,京都の文化財情報を広く発信する。また,市民ボランティアとの連携により,後継者不足により存続が困難となっている伝統・民俗文化の存続等を図るための方策を検討する。

 

(7) 文化・観光・産業のネットワークづくり

ア 芸術文化と産業の連携の推進 [P68「1産業連関都市として独自の産業システムをもつ」(1)ア(ア)に再掲]

 新進・若手の芸術家のデザインを販売・流通する場を創出するなど本市がコーディネーター機能を果たし,地元企業と芸術家との交流・連携を積極的に進める。

イ 文化と観光の連携の推進 [P72「2魅力ある観光を創造する」(1)ウに再掲]

 「二条城」,「大学のまち交流センター(キャンパスプラザ京都)」などの文化施設の活用や社寺などとの連携により,観光客に魅力ある芸術文化事業やイベントを実施し,観光集客力の向上と文化事業の発信力の強化を図る。

 

 

3 国内外との多彩な交流を行う

基本的方向
 伝統や文化を守りながら,世界との自由な交流により新たな創造を続ける文化首都・京都としての発信力を一層高め,まちの魅力や地域経済の活性化につなげていくため,姉妹都市交流や留学生交流,文化・スポーツ交流などにおいて,市民ひとりひとりが主役として活躍できるよう,多彩な市民レベルでの国際交流活動を推進,支援するとともに,地球規模の問題や歴史都市としての共通の課題の解決のため,京都の特性を生かした国際協力を推進する。
 また,近隣自治体などとの地域間交流を進めることにより,市域を越えた連携による都市活力の増進を図る。

 

(1) 多彩な国際交流の推進

ア 姉妹都市交流を中心とした国際交流の推進

 市民が一層幅広く参画できる芸術・文化・スポーツ交流事業などを通した姉妹都市交流を進めるとともに,市民・民間団体などによる自主的な交流活動に対する支援を行う。

イ 新しい形態の都市提携による交流の推進

 特定分野に限定した新たな形態の都市提携である「パートナーシティ」提携による,より柔軟かつ多様な都市間交流を進める。

ウ アジアの諸都市との交流の推進

 市内に居住する外国籍市民の多くがアジア国籍の市民であり,歴史的にも密接な関係にあるアジア諸国との交流を広げ深めていくため,「アジア映画祭」など各種イベントの開催やアジア理解を促進する講座の開催などを通じて,アジア諸都市との市民レベルでの交流活動を促進する。

エ 地域住民と外国籍市民との多彩な交流の促進

 国際交流協会や外国文化センター,大学,留学生寮,市民・民間団体などと連携し,学術,芸術,伝統文化,経済,スポーツなどさまざまな分野における多彩な交流を促進するとともに,地域住民と留学生をはじめとする外国籍市民が参加しやすい国際交流事業の企画・推進を図る。

オ 国立京都迎賓館の建設促進

 京都の伝統的な産業と文化が「しつらい」「もてなし」に生かされた,後世に誇り得る和風の国立京都迎賓館の建設を促進し,国際交流や文化交流の場として関西圏の活性化・国際化を推進する。

 

(2) 京都の特性を生かした国際協力の推進

ア 歴史都市としての国際協力の推進

 「世界歴史都市会議」の提唱都市として,世界歴史都市連盟の活動を通じた保存と開発という歴史都市共通の課題解決のため,1200年の蓄積ある京都の豊富な経験と知識,そして人材を生かして,各歴史都市との国際協力に貢献する。

イ 市民・民間団体などとの連携による国際協力の推進

 「京都国際交流団体連絡協議会」をはじめとする多くの民間交流団体との協力のもと,市民レベルの国際協力を進める。

ウ 行政分野における国際協力の推進

 「(財)自治体国際化協会」との連携のもと「自治体職員協力交流事業」による海外自治体の研修員の受け入れなどを通して,文化,芸術,伝統産業など日本を代表する歴史都市としての特色を生かした行政分野における国際協力を進める。

エ 環境先進都市としての国際協力の推進

 「APEC環境技術交流促進事業運営協議会」及び「国際環境自治体協議会(ICLEI)」を通じて,公害や地球規模の環境問題に取り組んできた本市の経験・知識の情報発信などにより,環境分野での国際協力に貢献する。

 

(3) 都市の活力を生む地域間交流の推進

ア 地域間交流の推進による新しい関西の創造

 広域化,多様化した地域課題に対応するとともに関西の総合力を高めるため,産業,歴史,文化など関西の各都市が有する優れた特性を最大限に生かしながら,さまざまな分野で広域的な連携を図り,関西の発展に寄与する組織である,「関西広域連携協議会」や京阪神3都市の連携,京都都市圏ネットワーク会議を通じた交流事業の推進や協議組織などへの支援など,既存の行政単位を越えた広域的な連携を進める。

イ 小京都をはじめとする自治体連携の促進

 小京都をはじめとする京都ゆかりの市町や,和装産地である市町村など全国に散らばる京都と共通性を有する自治体との連携を促進する。

ウ 「大学のまち交流センター(キャンパスプラザ京都)」を核とした,豊かな「知」の交流の促進[P75「3 大学の集積・交流が新たな活力を生み出す」(1)イ(イ)に再掲]

 新たな「知」の創出や学生の豊かな創造力をまちづくりに生かす場として,京都の玄関口という立地条件を生かした「大学のまち交流センター(キャンパスプラザ京都)」を核として,京都の大学はもとより,関西,ひいては日本,世界の「知」の交流を促進する。

 

 

4 生涯にわたってみずからを磨き,高める

基本的方向
 京都は神社仏閣,大学・研究機関,匠の技や伝統文化・芸能など豊富な学習資源に恵まれており,この特性を生かして,市民はもとより国内外の生涯学習ニーズにもこたえる創造的な学びの機会・場・しくみづくりを進める。
 また,地蔵盆をはじめ京都ならではの催事を活用するなど,世代を超えてともに楽しみながら学び,学習の成果を分かち合うことで,地域での学習の輪を広げる。

 

(1) 多彩な学習機会の確保・提供

ア 京都ならではの学習機会の確保・提供 [P75「3大学の集積・交流が新たな活力を生み出す」(1)イ(ア)に再掲]

 京都に古くから伝わる遊びや生活の知恵などを伝え合い,共有化する世代間の交流講座を実施するとともに,博物館を活用した巡回展や移動教室,豊富に存在する神社仏閣など恵まれた生涯学習資源を活用した学習機会の確保・提供に努める。
 また,京都の大学の集積を生かした社会人向けの総合的かつ体系的な生涯学習講座「シティーカレッジ事業」を充実する。

イ 社会的課題についての学習機会の確保・提供

 人権文化の構築やノーマライゼーションの推進,環境の保全など社会的課題についての学習機会を確保・提供する。

ウ バリアフリーの生涯学習の推進

 外出しにくい市民や遠隔地の市民に対し,情報通信技術(IT)を活用した学習機会の提供を進めるとともに,手話通訳者,要約筆記者の配置や託児サービスの実施などを伴う各種講座等の実施に努める。

 

(2)時代に応じた学習関連施設の充実

ア 図書館機能の充実

 (ア) 新中央図書館の整備

 21世紀の「京都学」を育(はぐく)み,京都のすべてがわかる「京都大百科辞典」機能を有する新中央図書館を整備する。

 (イ) 市民に役立つ,使いやすい図書館機能の充実

 図書の相互検索など市立図書館と国立・府立・大学等の図書館とのネットワーク化を進める。
 また,地域図書館の夜間・祝日開館を充実する。

イ 生涯学習関連施設の整備

 「生涯学習総合センター(京都アスニー)」,「青少年科学センター」や「学校歴史博物館」など生涯学習関連施設の時代の進展に応じた整備を行う。

 

(3) 新たな学習のしくみづくり

ア 民間と連携した生涯学習支援体制の構築

 生涯学習の総合的な推進を図る「生涯学習新世紀プラン」に基づき,さまざまな生涯学習の関連機関や企業・団体等との連携を図り,学習支援の新たなしくみづくりに努め,豊富に存在する民間の学習資源や学習プログラムを段階的・系統的に活用できるしくみを構築する。

イ 魅力ある学習資源の内外に向けた情報発信 [P72「2魅力ある観光を創造する」(1)アに再掲]

 京都の豊富な学習資源を生かし,滞在しながら本物の歴史,文化,伝統の粋に触れる体験学習を中心とした滞在型の学習プログラムを開発し,内外に向けて情報発信する。

ウ 学習資源の創出・展開

 博物館等が有する文化財や伝統産業などの学習資源のデジタル情報をネットワーク化した「電脳博物館」をつくる。
 また,博物館施設で実際に展示品に触れられる展示方法(ハンズ・オン)や体験展示の手法などを研究・開発し,その成果を活用した事業を推進する。

 

(4) 世代を超えてともに学ぶ地域づくり

ア 地域での学びを支える人材育成

 学んだ成果を広く社会に還元するために,地域の学びや遊びのリーダーとして活躍できるしくみづくりを行うとともに,地域の生涯学習活動を支援するための企画・相談に応じるコーディネーターの養成を行う。
 また,伝統技能保持者をはじめ地域の住民が地域に受け継がれている文化,伝統,歴史を学校の教壇で教えるなど,経験のなかで培われた豊富な知識,技術が社会において適正に評価されるしくみを構築する。

イ 地域の学習の場・機会づくり

 学校の余裕教室等を地域に開放する「学校ふれあいサロン事業」や,校区を越えて交流する「学校コミュニティプラザ事業」を推進し,身近な生涯学習の場づくりを進め,そこを拠点に子どもから高齢者まで幅広い世代のひとびとが世代を超えて学び,ふれあう「ようこそ・まなびや事業」を行う。
 また,地域住民の作品展示など身近な公共・民間施設内へのギャラリー設置や民間企業が保有する研修施設や福利厚生施設など地域への開放を働きかける。

 

第2節 活力あふれるまち

1 産業連関都市として独自の産業システムをもつ

基本的方向
 さまざまな産業がそれぞれの技術により相互に支え合う「産業連関都市」を構築し,産学官の連携により新しい社会に対応した京都独自の産業システムを発展させる。 また,まちづくりと連携し,地域に密着した商業や農林業の振興を図るとともに,流通体制の整備を進める。

 

(1) 京都独自の新たな産業連関都市の構築

ア 環境,福祉,文化,観光,情報通信技術などに着目した産業の展開

 (ア) 芸術文化と産業の連携の推進 [P63「2成熟した文化が実現する」(7)アに再掲]

 新進・若手の芸術家のデザインを販売・流通する場を創出するなど本市がコーディネーター機能を果たし,地元企業と芸術家との交流・連携を積極的に進める。

 (イ)地域に密着した観光産業の振興

 観光産業を本市の戦略産業として位置付け,経済波及効果が大きい宿泊・滞在型,体験型観光の推進等により,観光産業の振興を行う。

 (ウ) デジタルアーカイブの推進 [P85「3高度情報通信社会に対応できる基盤づくり」(2)に再掲]

 京都の市民文化の発展,産業経済の振興をめざし,京都の豊富な資産をデジタル化し,蓄積・発信・活用できるシステムであるデジタルアーカイブの研究開発を,産学官の緊密な連携のもと,「京都デジタルアーカイブ研究センター」で行うとともに,その普及・啓発を行う。

 (エ) 次世代産業の創造をめざす「21世紀産業振興ビジョン」の策定・推進

 高度情報通信社会,環境調和型社会,高齢社会に対応し,21世紀の京都産業のあるべきすがたを示す「21世紀産業振興ビジョン」を策定し,その施策を推進する。

イ 新事業創出に向けたベンチャー企業等の支援

 (ア) 新事業創出を図るための地域プラットフォーム事業の実施

 新事業の創出を促進するため,中小企業等に対して,「(財)京都高度技術研究所」を中核的支援機関として,産学官の連携により,技術開発,資金調達への適切な支援を提供する地域プラットフォーム事業を推進する。

 (イ) ベンチャー企業等に対する発展段階に応じた支援

 ベンチャー企業目利き委員会,創業支援工場(VIF),ベンチャー企業育成施設(VIL)の運営等とともに,職住一体となった創業支援オフィスの創設の検討等により,発展段階に応じた支援を行うことによって,ベンチャー企業等の発掘や育成を推進する。

 (ウ) 研究開発型企業の立地支援 [P85「3高度情報通信社会に対応できる基盤づくり」(3)イに再掲]

 ベンチャー企業等の研究開発型企業の立地を促進するため,情報通信技術(IT)の活用による企業連携の支援,創業支援工場(VIF)や既存工場の近代化を推進するための賃貸工場などの整備を推進する。

 (エ)ベンチャー企業等に対する多様な資金調達システムの構築

 ベンチャー企業等の育成を図るため,発展性のあるベンチャービジネスに投資する会社であるベンチャーキャピタルとの連携等により,多様な資金調達システムを構築するためのしくみづくりについて検討する。

 

(2) 活力ある産業活動の構築

ア 企業の経営革新等への支援

 (ア) 中小企業へのきめ細かな支援体制の整備

 中小企業基本法の改正に合わせ,民間人材の活用を視野に入れた中小企業の支援体制のしくみづくりを検討する。

 (イ) 新しい消費者ニーズに対応した商品開発による需要・販路拡大の推進

 業界との連携により,消費者の求める商品情報を迅速かつ的確に把握し,新たな商品開発等に生かすとともに,国内外への積極的なPRの推進などを行い,需要や販路の拡大を行う。

イ 「ものづくり都市・京都」の発展に向けた支援と情報受発信機能の強化

 (ア) 企業立地に関する総合相談の実施

 工場等の市域外流出を防止するための総合相談窓口を開設し,工場等の市域外流出防止や誘致支援に必要な情報提供と誘致支援制度の検討を行う。

 (イ)情報関連産業の振興 [P85「3高度情報通信社会に対応できる基盤づくり」(3)アに再掲]

 既存施設をベンチャー企業育成施設(VIL)として機能強化するとともに,光ファイバー等の収容空間となる情報BOXや電線共同溝などの情報通信基盤の整備を行うことにより,情報関連企業の入居促進や育成支援を図り,情報通信技術(IT)を通じた産業振興を行う。

 (ウ)京都経済の国際化への支援

 海外での見本市への参加などにより,京都をものづくり都市として世界に情報発信していくとともに,経済のグローバル化に対応するため,海外との交流事業を行うなど,ひと・もの・情報の交流を促進し,京都経済の国際化を支援する。

 (エ)首都圏の総合的な情報受発信拠点である「京都館」の充実

 首都圏における京都の観光はもとより,産業全般の総合的な情報受発信拠点として開設した「京都館」の機能の充実を行う。

 (オ)工場等制限法等の京都の都市特性に応じた弾力的な運用 [P76「3 大学の集積・交流が新たな活力を生み出す」(4)に再掲]

 著しい人口の減少や産業の空洞化等が生じている都心部をはじめとする既成都市区域の活性化や本市産業の高度化,学術研究機能の向上を図るため,工場等制限法の抜本的な見直しに向けた働きかけを国に行うとともに,工場等制限法に基づく工場等の新増設の許可に対する弾力的な運用を行う。また,地区計画制度等の活用により,土地利用や市街地環境の保全を図りつつ,企業の誘致や流出防止の取組を進める。

ウ 伝統産業の再生と新たな展開

 (ア)伝統工芸技術を生かした新たな京都ブランドの創造・展開の推進

 染織意匠のデジタル・データベース化により新商品の開発等を図る染織デジタルアーカイブ事業等,これまでの技術,伝統を生かし,業界,経済団体等と一体となった新たな京都ブランドの創造と展開を推進する。

 (イ) 職住一体の産地の振興・宣伝の推進

 西陣をはじめ職住一体となった産地機能の活性化を図るとともに,空家となっている京町家の保全・再生を図り,観光資源とあわせた宣伝活動を推進する。

 (ウ) 繊維に関する総合的な振興拠点施設となる「繊維産業振興センター」の整備

 繊維産業の活性化と高度化を促進し,活力ある産業へと再構築を図るため,染織試験場を発展的に整備拡充し,繊維に関する総合的な振興拠点施設として整備する。

 (エ) 産業の継続的発展を支える後継者育成・伝統技術の承継の推進  [P77「4 若者が集い能力を発揮する」(1)イに再掲]

 京ものブランド町家工房事業,試験機関と連携したみやこ技塾や顕彰制度の実施などにより,次代を担う優秀な人材・後継者の育成とともに,技能・技術の伝承と向上を図る。

 

(3) 地域に密着した商業の振興

ア 魅力ある商店街づくりに向けた支援

 競争が激しくなるなかで,安心して買い物ができ,観光客にも魅力ある商店街づくりをめざして,中小小売商業の情報活用力の向上を図る取組などへの支援を行う。

イ 商業の活性化と都市基盤整備を一体的に進める「中心市街地活性化事業」の推進 [P53「4 歩いて楽しいまちをつくる」(1)イ,P81「1個性と魅力あるまちづくり」(2)イに再掲]

 歩行者優先的な地区などにおいて,商業の活性化と都市基盤整備を一体的に進めるため,中心市街地活性化法に基づく国の事業を導入し,まちづくりと連携した商業振興により,観光客も含めた集客を行う。

ウ 卸売市場の活性化

 市民の食生活の安定を図るため,中央卸売市場における配送関連業務施設の整備等を行う。

エ 次期「商業振興ビジョン」の策定・推進

 21世紀の商業振興の方向を定め,産業連関都市の実現に向けた施策の構築を図るため,現在の「商業振興ビジョン」に代わる,次期「商業振興ビジョン」を策定し,施策を推進する。

 

(4) 市民に身近で環境にやさしい都市農林業の育成

ア 持続的な都市農林業の展開

 (ア) 「京の旬野菜推奨事業」及び京野菜の伝統継承・発展方策の充実

 新鮮な地場産野菜を旬の時期に生産・供給する体制を整備・拡充するとともに,伝統的な京野菜の保存や新たな京野菜の開発等により,京野菜の伝統を継承し発展させる。

 (イ) 都市農業の推進と農業生産環境の整備

 良質リサイクル堆肥の生産供給体制の強化により,減農薬・減化学肥料農業及び有機農業を推進するとともに,安全で環境にやさしい農産物生産体制を確立する。また,周辺自然環境の保全・改善に配慮した農業生産環境の整備などにより,地域農業の活性化を図る。

 (ウ)林業生産基盤の充実と間伐の推進

 林道・作業道網の整備・拡充等により森林管理体制を強化し,森林の持つ多面的機能の維持・増進を図るとともに,間伐の促進と間伐材の需要拡大に取り組む。

イ 市民生活に密着した農林産物の流通体制の整備

 (ア)多面的機能を有する花き卸売市場の整備

 花き消費の多様化や流通,情報技術の向上に対応するため,市場機能に地域交流機能を加えた施設として,花き卸売市場を整備する。

 (イ) 生産者の顔が見え消費者が安心して購入できる農林産物流通体制の整備

 生産者と消費者の交流,直売システムの整備や生産地・生産者名表示を推進するとともに,市場関係者との連携により,生産者の顔が見え消費者が安心して購入できる農林産物の流通体制づくりを進める。

ウ 農林業のもつ多面的機能の積極的活用

 (ア) 農のあるまちづくりの推進

 農林地を活用した緑の空間による景観保全や水田の持つ貯水機能の活用など,農地と森林のもつ多面的機能を生かした都市型の農のあるまちづくりを推進するとともに,防災空間としての活用を検討する。

 (イ)自然学習の場など農林業の多面的機能の積極的な活用

 地域・学校での自然体験学習や生涯学習の場として,また,医療・保健機関が進める園芸療法の場として,さらには観光客が自然体験できる新たな観光資源として,農林地を積極的に活用する。

エ 市民の「農・林」活動への参画促進

 (ア)市民交流活動の充実

 遊休農地等を活用した市民農園の設置や市民参加による棚田や森林の整備など,多様な市民交流活動を展開する。

 (イ) 新規就農希望者の受入れ体制の整備と森林管理担い手の育成

 農業従事者を確保するため,青年層をはじめ定年退職後の就農を含めたあらゆる世代の新規就農者の受入れが可能な体制を整備する。また,森林管理の担い手を育成するとともに,森林ボランティアとの連携などにより地域の実情に応じた森林整備を推進する。

オ 北部等山間地域活性化対策の推進

 (ア)北部等山間地域の活性化と農林業支援策の充実

 北部等山間地域に対して,国や府の制度を活用した支援策を行い,当該地域の農林業の振興に取り組むとともに,豊かな自然環境や美しい農山村景観を生かした観光農山村を育成し,地域の活性化を推進する。また,地域の活性化や都心地域との多彩な交流を支援するとともに,災害発生時における交通経路の多重性,多元性を確保するため,幹線道路の整備を推進する。

 (イ) 「山村都市交流の森」の活用

 市民に親しまれている「山村都市交流の森」において,森林ボランティアとの連携などにより,修学旅行生の受入れも含め,市民とのパートナーシップによる森づくりを推進する。

 

 

2 魅力ある観光を創造する

基本的方向
 観光は,京都市の経済の活性化はもとより,文化力の向上,まちづくりの推進,国際交流などにも大きく貢献するものである。21世紀の京都を牽引する観光を創造するため,京都ならではの都市特性を生かした観光資源の発掘や創出,幅広い世代のそれぞれのニーズに応じたきめ細かい情報発信,誘致活動の展開や周辺地域と連携した広域観光の推進,海外からの観光客誘致活動の強化及び観光客を温かくもてなすしくみづくりの構築を行う。
 さらに,市民,事業者,社寺,文化施設,大学等との有機的な連携によるネットワークづくりを進める。

  

(1) 21世紀の京都を牽引する観光の創造

ア 宿泊・滞在型,体験型観光の推進 [P67「4生涯にわたってみずからを磨き,高める」(3)イに再掲]

 じっくりと奥深い京都の魅力を体感してもらえる経済波及効果の大きい宿泊・滞在型,体験型観光を推進するため,夜の観光スポットの創出,宇多野ユースホステルの改築や京町家の活用支援などを図るとともに,京都の本物の歴史,文化,伝統の粋に触れる体験や生涯学習のためのプログラムづくりを進める。

イ 行政区や観光地ごとの界わい観光の創出

 各行政区における観光振興の機能を充実するとともに,各地域にある自然景観や有形無形の文化財,伝統行事,伝統産業などの豊富な観光資源を生かしながら,まちづくりとも連動して,四季折々に何回も京都を訪れたくなるような地域ごとの界わい観光を創出する。

ウ 文化と観光の連携の推進 [P63「2成熟した文化が実現する」(7)イ,P53「4歩いて楽しいまちをつくる」(1)イに再掲]

 「二条城」,「大学のまち交流センター(キャンパスプラザ京都)」などの文化施設の活用や社寺などとの連携により,観光客に魅力ある芸術文化事業やイベントを実施し,観光集客力の向上と文化事業の発信力の強化を図る。

エ 自然,環境を大切にするエコツーリズム,グリーンツーリズムの推進 [P43「1 環境への負担の少ない持続可能なまちをつくる」(1)エ,P53「4歩いて楽しいまちをつくる」(1)イ,エ(イ)に再掲]

 徒歩や自転車による環境にやさしい観光,観光関連サービスや施設のエコロジー化など,環境保全型・自然共生型のエコツーリズムを推進する。また,三方の山々やその山すそ等において,歴史文化や自然を歩いて楽しむ「京都一周トレイル事業」及び自然景観や美しい農山村景観を生かしたグリーンツーリズムを推進する。

オ 歩いて楽しむ「まちなか観光」の推進 [P53「4歩いて楽しいまちをつくる」(1)ウに再掲]

 都心のまちづくりと連動し,京都らしさを演出したにぎわいのある歩行者空間や京町家などの活用による個性あふれる店舗や工房などが集積するまちなか観光スポットを創出する。

カ 新しい観光資源の創出

 1200年の歴史都市としての多様な資源を活用する歴史博物館の整備や京都を舞台とする映画・テレビロケの誘致,若者や海外からの観光客を魅了するこれまでにない観光スポットの誘導等,新しい観光資源となる事業,イベント,集客施設を創出する。

 

(2) 観光情報の発信・誘客の強化

ア 情報通信技術(IT)の活用等観光情報の発信・収集機能の強化 [P86「3 高度情報通信社会に対応できる基盤づくり」(4)ウに再掲]

 京都市観光協会をはじめ,運輸機関,旅行会社,報道機関等との連携を強化するとともに,近年急速に発展してきた情報通信技術(IT)や印刷物など多様な手段を活用し,的確かつきめ細かい情報の受発信を行い,観光客のニーズの把握と強力な宣伝誘致活動を展開する。

イ 京都観光リピーターの原点となる修学旅行誘致の強化

 近年のグループ行動や体験学習志向など多様化した修学旅行の形態に対応した体験メニューの充実を図るとともに,学校等に対する積極的な情報提供と各種の宣伝誘致活動を展開する。

ウ 企業が事業活動の一環として行うインセンティブツアーの誘致の促進 

 経済界等と連携し,従業員の報奨,研修旅行や得意先の招待旅行など企業の事業活動の一環として行われるインセンティブツアーの誘致を行う。

エ 他都市等と連携した広域観光の推進

 京阪神や関西広域連携協議会,全国の小京都と呼ばれる都市等と連携し,イベントの開催をはじめ,他都市の歴史・文化,自然,施設等,多様な観光資源を活用した広域観光を推進する。

 

(3) 海外からの観光客誘致の強化

ア 外国人観光客のニーズに対応したきめ細かい地域別マーケティングの展開

 文化的背景や自然条件の違いなどにより,地域ごとに外国人観光客のニーズが異なるため,それらに対応したきめ細かい地域別マーケティングを展開するとともに,京都観光を宣伝する観光誘致団を海外に派遣する。

イ 旅行エージェント等への情報発信機能の充実

 海外の旅行エージェントや報道機関等を京都に招き,観光プランの開発につながる情報提供を行うとともに,英語版ニューズレターやインターネット等のメディアを活用した情報発信を行う。

 

(4) コンベンション誘致の強化

ア コンベンション誘致活動の推進

 「京都コンベンションビューロー」と連携し,会議主催団体,関係機関や大学等への誘致活動に努めるとともに,英語版ニューズレターの海外への発行やインターネットによる情報発信等により,コンベンション都市京都の広報宣伝活動を強化する。

イ コンベンション開催に対する支援事業の充実

 コンベンションの主催者に対し,会議開催準備資金の無利子融資や京都ならではの多彩な企画を提案するなど,京都でのコンベンションの開催に向けた支援を充実する。

ウ 国立京都国際会館の施設整備の促進

 国際会議及び国内会議の拠点施設として,多様化する利用者のニーズに対応するため,国立京都国際会館の施設整備の促進を図る。

 

(5) 観光客を温かくもてなすしくみづくり

ア 観光サービス機能の充実

 観光客が快適に京都のまちを観光できるよう,都心や観光地,主要ターミナルにおける案内サービス機能の強化を図るとともに,外国人をはじめ来訪者に親切な案内標識の計画的な整備に努める。
 また,携帯情報端末をはじめ情報通信技術(IT)を活用した観光案内システムの構築を図る。

イ 安全で快適な観光ができる環境づくり

 京都をあげての美化活動や防犯活動,高齢者や障害者等にもやさしく便利で利用しやすい交通機能の充実や歩道の整備などに取り組むことにより,安全で快適な観光ができる環境づくりを進める。

 

(6) 京都をあげての観光振興の推進

ア 「観光振興推進計画」の策定と推進

 年間観光客数5000万人をめざして「観光振興推進計画」を策定し,京都をあげて観光振興を推進する。

イ 観光振興ネットワークづくり

 市民参加型の「おこしやす京都委員会」を中心とした,市民ひとりひとりがもてなしの心に磨きをかけて来訪者と交流する「おこしやす運動」等を展開する。また,観光案内等のボランティア活動の担い手となる市民をはじめとして,事業者,社寺,文化施設,大学等と行政が連携した観光振興のためのネットワークづくりを進める。

 

 

3 大学の集積・交流が新たな活力を生み出す

基本的方向
 国公私立を合わせて37の大学・短期大学を中核とする高度で豊富な学術研究機能は京都の優れた都市特性であり,人口の約1割に相当する学生や教員,研究者などの多彩な人材,あらゆる分野の「知」の集積は活力あるまちづくりに欠かせないものである。
 この個性豊かな大学の集積を維持・発展させるとともに,地域社会や産業界との交流を深め,魅力に満ちた「大学のまち・京都」を推進する。

 

(1) 個性豊かな大学の集積を生かした交流の場づくり

ア 「(財)大学コンソーシアム京都」への支援強化

 大学と地域社会や産業界の連携を強めるとともに大学相互の結びつきを深め,高度な教育研究のさらなる向上とその成果の地域社会,産業界への還元をめざし,京都市を中心とする地域の49の大学・短期大学の連合体である「(財)大学コンソーシアム京都」への支援を強化する。

イ 「大学のまち交流センター(キャンパスプラザ京都)」を核とした交流の充実

 (ア) 開かれた大学活動の促進[P66「4生涯にわたってみずからを磨き,高める」(1)アに再掲]

 京都ならではの歴史や文化,癒(いや)しにかかわる講座などを社会人が学生と一緒に受講することができ,単位の修得も可能な総合的・体系的学習講座である「シティーカレッジ事業」や,大学間の特色の相互補完による京都市総体としての学ぶ魅力となっている「単位互換事業」など,職業や大学の枠を越えた開かれた大学活動を促進する。

 (イ) 内外に向けた魅力の情報発信[P65「3国内外との多彩な交流を行う」(3)ウに再掲]

 新たな「知」の創出,ユニークな人材の輩出など「大学のまち・京都」の新たな魅力を創造する核となる「大学のまち交流センター(キャンパスプラザ京都)」を,京都の玄関口という立地を生かし,京都の大学はもとより,関西,ひいては日本,世界の「知」が集まる拠点として,その魅力を内外に情報発信する。

 

(2) 産学官の連携の推進

ア 産学官連携による起業・就業支援

 京都の地で活躍する起業家や専門家の生きた助言や大学における知的資源を活用し,21世紀に活躍する起業家を育成する「京都起業家学校」や,学生が在学中にみずからの専攻,将来の進路に関連した就業体験を行う「インターンシップ事業」を推進することにより,京都を基盤として活躍する人材の育成に努める。

イ 大学の枠を越えた共同研究の促進

 教員,研究者の知的資源を活用した,「京都」の学際的研究を産学官共同で進める「地域シンクタンク事業」を充実し,ここでの研究成果を市政や市民のまちづくりなどに生かす。
 また,「京都学」と言われる京都ならではの豊富な研究素材について多角的視点からの共同研究を促進する。
 さらに,「(財)大学コンソーシアム京都」のもつ大学研究者のネットワーク機能を活用して,個々の大学の枠を越えた他には見られないユニークな研究プロジェクトの形成を促進し,国内外のさまざまな研究テーマにおいて,広く世界にも注目を集める研究成果の創造を促す。

 

(3) 地域に開かれた大学づくりの促進

ア 大学施設の開放促進

 大学の垣根を低くするため,さまざまな大学施設を市民に可能な限り開放するなど,地域に開かれた大学づくりを働きかける。特に,図書館については,高額な専門書の大学間の相互有効活用を進めるとともに,市民への開放を促し,高度化・多様化する市民の学習ニーズにこたえることで,地域社会との交流を深める。
 また,市民が気軽に大学の講義が受けられる公開講座などを充実する。

イ 地域との人的交流

 大学から地域へまた地域から大学への情報発信を促し,大学と地域の交流イベントの開催や,学生の地域活動や伝統行事への参加,専門的知識を生かしたボランティア活動やまちづくりへの参画など,地域社会との交流を促進し,大学と地域の活性化につなげる。

 

(4) 大学施設整備への支援[P68「1産業連関都市としての独自の産業システムをもつ」(2)イ(オ)に再掲]

 用途地域や高さ制限等の都市計画法などに基づく各種規制に対し緩和措置を行い,大学の施設整備に対する都市計画上の支援を行う。
 また,都心部をはじめとする既成都市区域において大学等の立地や教室面積,学部の新増設を制限している工場等制限法の抜本的な見直しに向けた働きかけを国に行うとともに,京都の都市特性に応じた弾力的な運用を行う。

 

(5) 大学・学術研究機関の振興

ア 大学・学術研究機関の整備促進[P45「1環境への負担の少ない持続可能なまちをつくる」(2)エ,P79「1個性と魅力あるまちづくり(1)ア(ウ)」に再掲]

 地球規模の環境問題の解決に向け,人文・社会科学から自然科学までの幅広い学問分野を総合化し,新しい視点に立って研究を行う「総合地球環境学研究所」の建設を国に働きかける。
 また,京都大学の工学系学部が移転する「桂キャンパス」の整備に対し,都市計画の変更などの支援を行う。

イ 芸術系大学の振興[P62「2成熟した文化が実現する」(4)ウ,エに再掲]

 「(財)大学コンソーシアム京都」などを通じて,京都市内にある芸術系大学の連携を強めるとともに,公共の場所での作品発表の機会の確保を図るなど,将来の芸術文化の担い手となる若手芸術家の育成を行う。
 また,「日本伝統音楽研究センター」などを生かして,芸術文化の最先端の研究を行うなど,国内だけでなく国際的な芸術文化の発信基地となるよう「市立芸術大学」の振興を図る。

 

 

4 若者が集い能力を発揮する

基本的方向
 京都が培ってきた「たくみ」「こころみ」「きわめ」などの奥深い文化に魅力を感じ,全国,世界から若者が集い,いきいきと学び働くことができるまちづくりを進める。

 

(1) 芸術文化など,若者の幅広い活動への支援

ア 若手芸術などの支援及び活動の場の提供[P62「2成熟した文化が実現する」(4)ア,イに再掲]

 「京都芸術センター」における,若手芸術家などの活動の場や制作・発表の支援など,これから世界にはばたこうとする,京都の芸術文化の担い手への育成援助を充実する。

イ 伝統産業における後継者育成・伝統技術の承継の推進 [P70「1 産業連関都市として独自の産業システムをもつ」(2)ウ(エ)に再掲]

 京ものブランド町家工房事業,試験機関と連携したみやこ技塾や顕彰制度の実施などにより,次代を担う優秀な人材・後継者の育成とともに,技能・技術の伝承と向上を図る。

ウ 新たな若者文化の創造に向けた取組の推進

 「(財)大学コンソーシアム京都」との連携による「学生フェスティバル」の取組や「KYOTO青年元気まつり」など,21世紀の主役である学生をはじめとする青少年が企画・運営し活躍できる,新たな京都の舞台づくりのために,市民青年団体や学生層を中心とした,青年の青年による青年らしい取組を支援し,新たな若者文化の創造を促進する。

 

(2) 次代を担う若者の活動拠点の整備と社会参加・自主的活動への支援

ア 京都に学ぶ学生をはじめとする青少年の意見を市政に反映する場づくり

 市政への学生をはじめとする青少年の意見の聴取や提案の場づくりを行うことで,青少年の自覚と誇りを高め,青少年の意見の市政への反映に努める。

イ 青少年施設の再編とネットワーク化の推進

 ユースサービス(青少年の自己成長の援助)の一層の普及をめざして青少年の活動基盤を整備するため,青少年施設の再編を行うとともに,学生など青少年の自己成長と豊かな文化創造を支援するため,各青少年施設が独自のユニークな機能を発展させ,相互に連携する。

ウ 青少年の社会参加・自主的活動を支援する情報の提供

 青少年の自主的な活動を促進するとともに,今まで活動に参加していなかった青少年の参加を促すため,参加できる事業や団体,利用できる施設などに関する積極的な情報の提供や情報の受発信などを進める。

エ 青少年自身が主体性を発揮する,魅力ある多彩な事業の開発と展開

 「遊び」や「発見」の要素をベースにしながら,環境問題や国際交流などの事業を通じて,青少年の関心の深さに応じた魅力ある多彩な事業を開発,展開し,青少年の社会参加・自主的活動を支援する。

オ 青少年団体などの自主的活動を担うリーダーの養成

 地域における青少年団体やグループ・サークル活動を支援できるリーダーの養成を進める。

カ 地域コミュニティにおいて青少年がいきいきと活動できる環境の整備

 青少年の非行や問題行動が深刻化するなかで,取締りや規制強化という観点だけでなく,地域コミュニティにおいて青少年が主体的,積極的に参加し,いきいきと活動できるような環境「青少年の居場所」を確保する取組を進める。

キ 「新京都市青少年育成計画」の策定と推進

 青少年問題の社会的な関心の高まりなど,青少年を取り巻く状況が大きく変化する中で,今後の青少年施策を総合的,計画的に実施していくため,京都の将来を担う貴重な財産である学生をはじめとする青少年の意見を反映した「新京都市青少年育成計画」を策定する。

 

第3節 市民のくらしとまちを支える基盤づくり

1 個性と魅力あるまちづくり

基本的方向
 市域を「保全・再生・創造」の3つの大きな概念で捉え,永い歴史のなかで受け継いできた自然的・歴史的資源に恵まれた地域の個性を保全・再生し,都市の活力を創造・継続させつつ,それぞれの地域において,市民が快適に安心して生活でき,かつ,多彩で個性的な機能をもつような魅力あふれるまちづくりを進める。
 このため,行政は広く情報を公開し,市民と共有しつつ,各種都市計画制度を活用しながら,きめ細かな京都独自のまちづくりのしくみを整え,地域に根ざした市民と行政との協働の取組を進める。

  

(1) 保全・再生・創造を基調とするまちづくり

ア 自然と居住環境の保全

 (ア) 周辺の山々と自然環境の保全[P54「4歩いて楽しいまちをつくる」(1)エ(イ),P58「1まちを美しくする」(2)アに再掲]

 永い歴史に支えられた自然的風土である三方の山々,文化財や史跡の点在する山麓(ろく)部,鴨川など都市における自然環境の骨格となる河川沿い等の地域について,その豊かな自然を保全する。

 (イ) 居住環境の向上

 市街地周囲の山麓(ろく)部から平地部にかけての自然的・歴史的環境の豊かな住宅地の一帯は,その居住環境を保全し,向上に努める。また,点在する緑地,田園,耕作地については,それらが有する多面的機能を生かし,その保全,活用を進める。
 北部等の山間集落地域においては,簡易水道施設の整備により,地域住民が安心してくらし続けられる生活基盤の整備を進める。また,農林業の振興を軸としながら,自然環境との調和に十分留意しつつ,市民が自然とふれあうなかで心の豊かさを味わえる場として整備するとともに,都心地域等との交流・連携を強め,地域の活性化を進める。
 また,野外焼却行為等の違法行為の誘因ともなった乱雑な土地利用形態が依然存在する大岩街道周辺地域については,周囲の緑豊かな東山連峰の環境と調和した良好な土地利用へ誘導し,違法行為を許さず,良好な居住環境を育(はぐく)む。

 (ウ) 文化・学術・国際交流機能の集積 [P45「1環境への負担の少ない持続可能なまちをつくる」(2)エ,P76「3大学の集積・交流が新たな活力を生み出す」(5)アに再掲]

 豊かな自然環境にある大学をはじめとした文化,学術,国際交流施設は,本市の優れた都市特性を生み出している。市街化調整区域や用途地域等の都市計画の決定,変更や大学等の新増設を規制している工場等制限法などの弾力的な運用を行い,文化,学術,国際交流機能の充実を支援・誘導し,魅力と活力に満ちたまちづくりを進める。
 「総合地球環境学研究所」や京都大学「桂キャンパス」の整備を支援し,地域と調和した大学施設等の整備を進める。

イ 調和を基調としたまちの再生

 (ア) 歴史的な市街地空間の継承・再生[P54「4歩いて楽しいまちをつくる」(1)エ(ア),P59「1まちを美しくする」(2)イに再掲]

 都心を中心とする市街地においては,永い歴史のなかで培ってきた職・住・文・遊が織り重なるまちの魅力を新しい時代にあったかたちで継承し,再生する。
 職住共存地区においては,地域ごとの豊かな個性に対応した地域協働型地区計画の策定を進めるとともに,文化財の周辺や京都らしい町並みなどの歴史的な景観を可能な限り保全・再生しつつ,新たな建築活動においても,既存の町並みと共生できる方策についての検討を進め,必要な措置を講じていく。
 また,地域と共生したマンションの建設,京町家の保全・再生,袋路における協調建替え,共同建替え等を促進し,受け継いできた地域の個性を生かした土地利用を進めるとともに,市民主体のまちづくり活動を促進し,地域コミュニティの再生を図る。住工が混在する地域については,産業と居住の共存する土地利用モデルを確立するなど,居住環境とともに,工場環境の向上をめざし,魅力ある定住環境と特徴ある産業環境を支える都市空間を維持・形成する。

 (イ) 職住共存地区における回遊都市空間の整備促進[P53「4歩いて楽しいまちをつくる」(1)ウに再掲]

 職住共存地区において,歴史的な町並み,にぎわいのある商店街,碁盤目状の歩きやすい街区形態等,地域がもっている資源を生かし,歩くことが楽しくなるような回遊都市空間の整備を促進する。

ウ 21世紀の新たな活力を創造する新都市の形成

 (ア) 南部の創造のまちづくり

 南部地域は,21世紀の本市の新たな活力を担う地域として位置付け,地域住民の生活の場であることを十分に認識したうえで,総合的に政策を展開する。そして,高い防災性をもち,環境と調和した持続可能なまちをめざし,地域の自然・歴史・産業環境を生かしつつ,都心部の歴史・文化に裏打ちされた知識・技術・情報と結びついた「新京都」を創造する。
 また,南部の創造のまちづくりは,市域を越えて乙訓,宇治など京都府南部地域との連携,さらには,整備が進む第二京阪道路等の広域交通網を介した国内外との広範なつながりを視野に入れて進める。
 このため,油小路通や京都高速道路油小路線・新十条通等の整備を促進するほか,地下鉄烏丸線の南伸を含む公共交通機関の整備についての検討を進め,南部地域の交通体系を明らかにするとともに,新しい住宅市街地の整備など都市基盤の整備を進める。また,高度情報通信社会に対応できる情報通信基盤の整備を支援する。

 (イ) 高度集積地区の創造

 民間の本社機能の進出などにより新しい活力が芽生えている高度集積地区は,21世紀の新しい都市活力を担う中心的な地区として,周辺地域,とくに歴史的な町並みの残る伏見旧市街地との調和を図りつつ,交通・情報分野を含む都市基盤の整備を進め,新しい都市機能の集積を促進する。

 (ウ) 「水垂地区土地利用基本計画」の策定・推進

 本市南部地域における大規模な市有地で,南部地域の新しい拠点として期待される水垂地区については,土地利用の基本計画を地域の意見を十分に配慮して定め,新しいまちづくりに取り組む。

 (エ) 良好な市街地の創造

 伏見西部第四地区,伏見西部第五地区,久我・羽束師地区,深草南部地区等,市域の郊外部において土地区画整理事業による質の高い新市街地の形成を進める。

 

(2) 多彩で個性的な機能をもつ地域のまちづくり

ア 駅周辺のにぎわいと潤いを創出するまちづくり[P83「2多様な都市活動を支える交通基盤づくり」(3)イに再掲]

 京都駅南口,二条駅,西大路駅,三条京阪駅,阪急西院駅,天神川駅(仮称)などの鉄道駅周辺の交通の利便性が高い地域においては,周辺居住環境との調和に配慮した都市機能の配置と市街地環境の整備を行い,民間活力を活用しながら,にぎわいと潤いのあるまちづくりを進める。

イ 商店街の活性化と連携したまちづくり[P70「1産業連関都市として独自の産業システムをもつ」(3)イに再掲]

 地域に密着している商店街の活性化は,まちににぎわいを与えると同時に,地域コミュニティの活気にもつながっていく。商業の活性化と地域の基盤整備を一体的に取り組む中心市街地活性化法を活用した伏見桃山・中書島地区におけるまちづくりなど,商店街の活性化と連携したまちづくりを進める。

 

(3) まちづくりを支えるしくみづくり

ア 持続的な都市の成長を支える都市計画

 成熟社会に対応し,規制型,開発型の都市計画から,持続的な都市の成長を管理制御する総合的なシステムとしての都市計画への移行をめざし,本市における都市計画に関する基本的な方針となる「都市計画マスタープラン」を策定する。
 その方針に基づき,特別用途地区制度や地区計画制度を積極的に活用していくとともに,地域特性に応じた開発許可制度の検討等を進め,地域社会の身近な都市空間を重視したきめ細かなまちづくりを進める。

イ 市民と行政との協働によるまちづくり活動を支えるしくみづくり

 地域に根ざしたまちづくりを市民と行政とが協働で取り組むために,市民,行政それぞれがまちづくりの主体として力量の向上に努めるとともに,まちづくりに関する情報の共有を深め,都市計画の立案や決定プロセスにおける市民参画機会の拡大や透明性の確保を図る。
 また,行政は,市民の自主的なまちづくり活動に対して,情報提供や専門家の派遣,学習活動に対する支援等さまざまなかたちで支えるしくみを充実する。 そのため,市民が主体的にまちづくりに参画できるよう,現行の土地利用の調整に係るまちづくり条例を市民参加のプロセス等の規定を盛り込んだ総合的なまちづく条例へと展開する。
 さらに,今後のまちづくりを考える際には,行政と民間企業等との役割分担を明確にしたうえで,望ましい都市空間のあり方を共有することが必要であり,民間企業等と幅広い情報や知恵を交換・共有するためのしくみをつくる。

ウ 「(財)京都市景観・まちづくりセンター」と連携したまちづくりの促進

 市民,事業者,行政のパートナーシップで取り組むまちづくりの橋渡し役として設立された「(財)京都市景観・まちづくりセンター」が取り組んでいるまちづくりにかかわる人材の育成や積極的な情報発信・相談事業やまちづくり活動支援事業等により,地域まちづくりを促進する。

 

 

2 多様な都市活動を支える交通基盤づくり

基本的方向
 人やものの円滑な流れを支える安全・快適な交通体系の構築は,ひとりひとりの市民の通勤・通学や買い物,生涯学習などに伴う移動はもとより,物流をはじめとする企業の経済活動にとって不可欠なものである。
 そのため,都市内交通に関しては,公共交通の拡充・連携と自動車利用の適正化を進め,安全快適な歩行空間を整備し,「歩くまち・京都」の実現を図るとともに,広域交通を含めて経済・文化活動や市民生活・防災活動を支える,安定性があり信頼性の高い道路機能の整備に努める。

 

(1) 歩くまちの交通網の整備[P54「4歩いて楽しいまちをつくる」(3)アに再掲]

 「歩くまち・京都」は,地域ごとの特性に応じた鉄道,バス,タクシーなどの公共交通機関の活用と,その端末交通手段(鉄道駅やバス停までの交通手段)となる歩行,自転車走行を支える空間の確保に努めることにより,ひとが過度に自動車に頼らず移動できる交通体系の実現をめざす。
 そのため,道路網の形成に当たっても,地域ごとの生活・商業・観光などの視点において,歩く機能の充実に努める。
 自動車交通についての対応は,自動車公害防止計画との整合を図りながら,企業を含む市民と警察を含む行政が一体となって検討し,円滑な流れが実現できるように努める。また,自動車だけでなく歩行者や自転車,バスなど公共交通機関のための道路として,街区形成の視点に配慮しながら,環状道路の整備や都市計画道路の計画見直しなど,効果的な道路整備・再編計画を推進する。
 さらに,現状道路空間を有効に活用するため,道路の利用の仕方に工夫を求める交通需要管理施策(TDM施策)を推進しつつ,道路機能の維持や管理に努める。

 

(2) 国際的,全国的な広域交通網への結節機能の整備

ア 広域高速道路網,広域高速鉄道網構想への対応

 空港(関西国際空港や大阪国際空港など)及び港湾(神戸港,大阪港,舞鶴港など)等へつながる広域鉄道や高規格幹線道路の結節点と接続する交通基盤については,市域全体のまちづくりのあり方を念頭に置きながら,構想,計画や事業を促進する。
 国際的な観光・文化・学術会議など広域交流を支える関西国際空港の整備を支援するとともに,国外への玄関口である空港,港湾へのアクセス強化として,第二京阪道路の整備を促進する。また,さらなる機能の強化を図る京阪連絡道路については,整備効果などを研究する。
 現在事業調査中の「中央新幹線」や「北陸新幹線」など全国的な新幹線網については,本市の交流促進に効果的なものとなるよう,関係機関と協議を進める。

イ 都市圏内外の高速道路網の形成

 全国高速道路網と連絡する京都高速道路新十条通,油小路線の整備を促進する。また,堀川線,久世橋線,西大路線の整備については,計画の推進を図る。
 京都第二外環状道路については,市内中心部への通過交通を減少させるとともに,本市及び京都府南部と京都府北部・日本海圏域との交流を促進するなど京都都市圏内外の交通網の強化に効果のあることから,地域のまちづくりや景観などを十分に配慮しつつ,整備を促進する。

 

(3) 都市圏内の交流を支える交通網の充実

ア 鉄道網の充実[P55「4歩いて楽しいまちをつくる」(4)ウに再掲]

 (ア) 地下鉄線鉄道網の充実

 地下鉄線鉄道網は,高速かつ安全確実に市内を連絡する本市の交通施設の基幹である。一方,その整備及び維持管理には巨額の資金が投入されており,市民生活やまちづくりに一層効果的なものとなるように努める必要がある。
 そのような認識のもと,多くの市民がさらに利用しやすく快適便利な地下鉄であるとともに,まちの活性化,京都都市圏の交通網の充実に資するため,東西線の延伸については,六地蔵~醍醐間の建設事業,二条~天神川間の事業化を推進するとともに,他の鉄道駅との結節計画を推進する。
 地下鉄東西線の更なる延伸(天神川~洛西間の事業化検討,洛西~長岡京間の計画)については,周辺のまちづくりの動向や新しい輸送システムの調査研究を進めながら,効果的な整備計画について検討する。
 また,南部地域の鉄道基盤整備は,高度集積地区や水垂地区の整備を視野に入れながら,地下鉄烏丸線南伸を含む公共交通機関の整備について検討する。

 (イ) JR線鉄道網の充実

 JR線は,国内交通網としての役割とともに,市民の都市内の移動手段,市内観光の移動手段として,また,駅を中心としたまちの活性化にも重要な役割を担っている。JR奈良線,山陰本線の輸送力増強のため複線化を促進するとともに,まちの分断解消,交通渋滞解消に効果がある高架化については,山陰本線(花園~嵯峨嵐山間)において,市民生活や景観について十分に検討を加えたうえで,計画を促進する。また,JR新駅(東海道本線西大路~向日町駅間)については,周辺の土地利用と調整を図りながら設置計画を策定し,整備を促進する。

 (ウ) 民鉄線鉄道網の充実

 民鉄線は,近畿圏の交流を支える重要な役割を担う鉄道網である。地下鉄線と一体的に利用できる「スルッとKANSAI」や企画切符により総合的な鉄道網としての利用機能を充実させるなど,輸送サービスの充実促進を図るとともに,まちづくりや交通渋滞に効果のある鉄道高架化等(京阪本線淀駅付近高架事業化,阪急京都線(桂駅以南)の高架化と新駅の計画検討事業化)を促進する。

イ 交通結節点としての駅の機能充実[P80「1個性と魅力あるまちづくり」(2)アに再掲]

 ひとや公共交通のみならず,自動車交通との連携にも重要な役割を果たす交通結節点としての駅については,すべてのひとの円滑な移動を支える機能を充実させるとともに,ひとが集まる拠点として,地域のまちの活性化に貢献できるような施設整備を促進する。
 とりわけ,周辺地域のまちづくりを活性化させる三条京阪駅前広場や二条駅周辺の整備を推進するとともに,京都駅南口周辺のまちづくりを先導する京都駅南口駅前広場整備計画,地下鉄東西線の当面の始発駅となる天神川駅(仮称)周辺整備計画については,計画の策定,事業化を推進する。
 また,阪急西院駅周辺の整備計画を策定し,事業化を進める。

ウ 道路網の充実

 (ア) 広域国道網の充実

 慢性的な渋滞状況にある国道9号の西立体交差事業,国道9号(東御前通~西大路通間)の拡幅整備,国道24号八条坊門立体交差事業,京都第二外環状道路整備等,国の事業を促進する。
 また,都市間交通の円滑化を図るとともに,地域の生活の活性化に資する,国道162号,367号,477号については,拡幅等整備を推進する。

 (イ) 広域国道網へ通じる主要道路の整備

 広域国道網を補完する道路として,また,緊急時の代替道路として,地域間交流や地域の活性化に資するため,京都広河原美山線,幡枝葵森線,沓掛上羽線等の整備を推進する。また,大原花背線については,地域の事情を勘案しながら事業化に向けて検討を進める。

 (ウ) 市街地中心部を迂回する環状道路の整備

 広域幹線道路である第二京阪道路の東西の分散路として,また,外環状線や地域内道路の混雑緩和,本市南部地域及び乙訓地域・山城中部地域の東西交流促進のため,六地蔵神足線の計画及び整備を促進する。

 (エ) 都市計画道路網などの整備

 「歩くまち・京都」の理念の下,地域ごとの個性的なまちを支える,道路ネットワークの形成を促進するため,都市計画道路網を見直し都市計画を決定する。
 南北主要幹線道路である油小路通,鴨川東岸線,葛野大路の整備,地下鉄の西伸計画に整合した御池通西進事業を推進する。
 また,深草大津線,久世北茶屋線,西小路通の立体交差化,桂川橋梁(久世梅津北野線),第二久世橋(向日町上鳥羽線),久我橋(伏見向日線)の整備を進める。
 その他,地域の道路交通渋滞・交通安全対策については,市民とともに検討し,適切な道路機能の整備に努める。

 

 

3 高度情報通信社会に対応できる基盤づくり

基本的方向
 世界的規模で急速に進展し続ける情報通信技術(IT)革命は,経済をはじめ社会の構造を根底から変革している。このような背景のもと,高度情報通信社会への移行を促進し円滑化するとともに,その経済的,社会的及び文化的な利益を,市民,団体,企業があまねく享受できるしくみづくりに取り組む。

 

(1) 高度情報通信社会に対応するための基盤整備

ア 「京都情報通信ネットワーク」の構築

 光ファイバー等の収容空間となる情報BOXや電線共同溝などの情報通信基盤の整備を進めることなどにより,民間活力による高度な情報通信ネットワークの構築を促進し,市民生活における高度情報化の展開を支援する。

イ 都市型CATVの全市域への整備促進

 市内の高度な情報通信基盤の一つとして,インターネットなどの双方向通信ができる都市型CATVの全市域への一層の整備を促進する。

ウ 情報格差(デジタルデバイド)の解消

 情報通信技術(IT)を使いこなせるかどうかなどの違いにより,生活の質に大きな格差が生まれる問題を解消するため,市民への情報通信技術(IT)に関する講習会の開催等の普及啓発,身近で利便性の高い情報基盤の整備促進などの各種施策を展開する。

  

(2) デジタルアーカイブの推進 [P68「1産業連関都市として独自の産業システムをもつ」(1)ア(ウ)に再掲]

 京都の市民文化の発展,産業経済の振興を目指し,京都の豊富な資産をデジタル化し,蓄積・発信・活用できるシステムであるデジタルアーカイブの研究開発を,産学官の緊密な連携のもと,「京都デジタルアーカイブ研究センター」で行うとともに,その普及・啓発を行う。

 

(3) 情報基盤を活用した企業活動の支援

ア 情報関連産業の振興 [P69「1産業連関都市として独自の産業システムをもつ」(2)イ(イ)に再掲]

 既存施設をベンチャー企業育成施設(VIL)として機能強化するとともに,光ファイバー等の収容空間となる情報BOXや電線共同溝などの情報通信基盤の整備を行うことにより,情報関連企業の入居促進や育成支援を図り,情報通信技術(IT)を通じた産業振興を行う。

イ 研究開発型企業の立地支援 [P68「1産業連関都市として独自の産業システムをもつ」(1)イ(ウ)に再掲]

 ベンチャー企業などの研究開発型企業の立地を促進するため,情報通信技術(IT)の活用による企業連携の支援,創業支援工場(VIF)や既存工場のニューファクトリー化を推進するための賃貸工場などの整備を推進する。

 

(4) 行政の高度情報化の推進

ア 「電子自治体」の確立

 あらゆる行政活動,行政サービスにおいて高度情報化を推進し,市民が知りたい情報をより早く,より簡単に入手できるしくみや市民の意見・提案等が市政の各部門に確実に伝わるしくみを構築するなど,より高度な行政サービスが展開できる「電子自治体」の確立をめざす。

イ 3次元の地理情報システム(GIS)の整備促進

 今後のあらゆる活動の基盤となり得る3次元のデジタル地図の整備を促進する。

ウ 情報通信技術(IT)の活用等観光情報の発信・収集機能の強化[P73「2 魅力ある観光を創造する」(2)アに再掲]

 京都市観光協会をはじめ,運輸機関,旅行会社,報道機関等との連携を強化するとともに,近年急速に発展してきた情報通信技術(IT)の活用等により,多様な手段による的確なきめ細かい情報の受発信を行い,観光客のニーズの把握と誘致活動を展開する。

 

 


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