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門川市長就任記者会見(2008年2月25日)

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2023年4月12日

平成20年2月25日門川市長就任記者会見

就任記者会見での門川市長

 本日はありがとうございます。
 市長に就任させていただきまして,改めて市民の皆さんの厚い期待を,そして今日,市役所の内部を短時間ですが駆け回りまして,職員が緊張感の中にも新たな気持ちで改革していこうという,そんな意欲を感じました。私自身,改めて,この職責の重大性に身の引き締まる思いであり,147万市民の幸せのために,そして歴史と伝統を大切にしながら,未来へ向かって新たな輝かしい京都づくりに邁進して参りたいと決意をしております。
 市長選挙への出馬を表明しましてから70日余り。あまりにも慌ただしく,また準備不足の中で,大変な日々でありましたけれど,多くの方々と出会い,感動を,また京都の未来についてビジョンを共有することができ,本当に学ばせていただいた70日間でした。自民党,民主・都みらい,公明党の各市議団会派の出馬要請を受けて,そして経済団体,連合京都,幅広い市民団体の皆さんの力強い御支援を得て,選挙戦を戦ってきました。
 そして,出馬表明から今日に至るまでの感動を忘れることなく,市民の皆さんにお約束したマニフェストを完全に遂行して参りたい,そのように決意を新たにしています。
 また,早朝から深夜まで,70日という短い間でしたけれども,何年分にも相当するほどの人に会い,学ばせていただき,京都のまちの素晴らしい可能性に改めて自信と誇りを持ちました。同時に市民の生活,更には伝統産業,地場産業,商店街など本当に厳しい現実に身につまされる思いであります。そうした中で,京都市政,桝本市政の福祉や環境行政,観光行政,あるいは行財政改革,景観政策,教育,等々に高い評価をいただいており,それらをもう2歩,3歩進めて飛躍させれば,新たな展開ができていくと改めて確信を持つと同時に,不祥事は根絶しなければなりません。また,同和問題の解決は大事であります。大きく前進しております。しかし,同和行政に対する不信は払拭しなければなりません。そのことを改めて痛感いたしました。それと同時に私の10の基本政策,124のマニフェスト,これが改めて的確なものであるということにも確信を持つことができました。これを市民の皆さんと共に汗をかきながら実行していくこと,その重要性を改めて痛感し,決意を新たにしております。
 今日,登庁式で,また局区長会で申したことは私の今後の市政方針の全てでありますが,選挙の投票日の翌日には夕刻から東京に行きました。各党国会議員,各省庁等に挨拶すると同時に,翌日には中央教育審議会にも出席し,そしてその翌日はまずは現地・現場主義を徹底しようと早朝から現場におもむき,その後,連日休む日もなく現場を見てまわりました。下水,上水,ごみ,第二市場これは牛,豚の屠場でありますが,そこで毎日,毎日,万全の検査体制の下においしい京都肉がセリにかけられています。あるいは中央斎場つまり火葬場も行きました。動物園も昨日行ってきました。雪の中で動物たちが震え上がっておりましたけれども,改めて,京都市政が,京都市職員の仕事が,市民の安心・安全から危機管理,さらに日常の生活基盤も支えていること,そういう市民生活を支えながら同時に未来の京都をしっかりと創っていく,その役割も担っていること,その職責の重要性も改めて感じました。現場に神が宿る。細部に重要なことがある。現場である第一線の職員が変わらなければ,京都市政は改革できません。そのことを改めて痛感しました。同時に政策立案能力,これも大事であります。現場の第一線と,政策を立案し,予算をつけ,未来を展望していくというその機能を乖離させてはならない,また,市民感覚,市民の方々の生活と京都市役所の政策・意識とが乖離してはならない,そのために私自身が先頭に立って全ての事業所を回り,また市民活動の場に入っていく,市民の皆さんとの率直な対話を心がけていく,現地・現場主義を徹底していくことが重要である,そのことを改めて痛感いたしました。
 私自身が身を粉にして現場を回り,市民の声を聞き,私自身の行動が市政改革指針そのものである,という活動を続けていきたい,そのように思っております。
 不祥事については,それが起こる土壌を大改革していきたいと思っております。「信頼回復と再生のための抜本改革大綱」により大きく前進をしておりますが,しかし,今までの延長ではない仕組みを作り,抜本改革を進めて参りたい,そのために研修・評価を行い,あるいは民間からどんどん市民の代表が職場に入ってきていただくなど,風通しのよい職場づくり,そうしたものを更に推進していきたい,そして,この機会に,市民のために意識と行動を改革しない職員,公務員としての自覚のもとに頑張ろうとしない職員には職場から去ってもらう,そうしたことも決意を新たに毅然として取り組んで参りたい,と思っております。
 予算のことにつきましては,簡潔に申し上げます。来年度予算の概要ですが骨格予算としており,6,595億円,前年度予算から313億円,4.5%減となっております。147万人の市民の生活,福祉,教育,そうしたことに一時の停滞も許されませんので,必要な予算は,今日,議案発送させていただきました。そして,マニフェストを反映した予算につきましては,今日,私の任期が始まったばかりでありますので,早速,予算編成作業に着手するように指示をし,できるだけ早い時期に肉付け予算としてまとめまして,市会に新たに提案していきたいと思っております。
 何度も申しておりますが,スピード,パワー・力強さ,ハート・ぬくもりのある市政運営,そして現地・現場主義で市民の皆さんに「京都に住んでいてよかった」と実感していただける市政に誠心誠意,全身全霊を捧げていく決意を新たにしております。
 厳しい寒さで市長選挙の出陣式は雪でした。投票日も雪でした。先ほどの登庁式も雪が降りました。本当に何十年ぶりかの雪の京都でありましたけど,登庁式では雪がやんで少し陽が射してきました。困難な出発ではありますが,この天候は先の明るさを明示してくれている,私はそのようにプラスに捉えて頑張って参りたいと考えております。
ありがとうございました。

質疑応答(要旨)

肉付け予算について

記者
肉付け予算については,できるだけ早期に編成されるとのことですが,その時期と規模は。

市長
まだそこまで熟慮できていませんので,改めて説明させていただきたいと思います。率直にいいまして,非常に厳しい財政状況であります。したがって,初年度からの大胆な肉付け予算編成には厳しさを感じておりますが,しかし市民とお約束したマニフェストを実現するため力強い予算を組んでいきたいと考えています。

任期について

記者
任期について,桝本前市長は当初から3期12年を目途にしていたとおっしゃていましたが,門川新市長は。

市長
3期を超える長期政権が好ましくないというのは,桝本前市長と同じ考えであります。ただ,私は,現在は,まずこの4年間に全力投球し,そして,4年後に審判を受ける,そういう考えであります。1期1期全力投球をしていきます。

初登庁の感想について

記者
教育長としてではなく,市長として登庁されたお気持ちは。

市長
建物も風景も同じでありますが,この70日間で私自身,多くの方々から多彩なことを学びました。私自身の視野が大きく広がりました。同時に市民や職員が私を見る視線にも熱いものを感じました。したがって,同じ建物,同じ部屋ではありますが,これほど違うのかな,ということを痛切に感じました。

人事について

記者
人事について,特に特別職についてどのようにお考えか。

市長
現時点では全くの白紙であります。2人の副市長から辞職願が出ておりますが,じっくり考えたいと思っています。

記者
2人の副市長から辞職願ということですが,それはいつの段階ですか。

市長
今日付けでいただきました。

記者
今は留保ということですか。

市長
はい。

記者
人事については桝本前市長の体制を継承されるのか,あるいは刷新されるのですか。

市長
人事は,門川人事を行います。

記者
それは,特別職も含めて大きく変わるということですか。

市長
早急にじっくりとヒアリングを受けて,実行したいと思っています。変えるべきところは変えますが,変えることが目的ではありません。私自身,70日間,あまり新聞も読まず,テレビも見ずにひたすら選挙戦を戦ってきました。したがって,今は白紙の状態であります。

肉付け予算と財政健全化プランについて

記者
肉付け予算編成はこれからということですが,財政健全化プランでは特別な財源対策を83億円以下に抑えるという数値目標を掲げています。マニフェストに示した政策を実現するためには,その数値目標を超えるということも考えられるのですか。それとも,やはり財政健全化プランの数値目標以内に止めることになるのですか。

市長
それも白紙であります。財政健全化は大事であります。同時に市民生活をきちっと守って,未来への展望を拓いていかなければなりません。その両立をするために何が正しいのか,ベストなのかということを熟慮していきたいと思っています。

人事について

記者
人事については外部からの登用もあるのですか。

市長
まずは「未来まちづくり100人委員会」や人事,評価,研修システムの中に市民の代表が積極的に入ってもらうとか,そういうことを念頭に置いて実施していきたいと考えています。

記者会見のスタイルについて

記者
今日は,記者会見を立たれてされていますが,何か気持ちは込められていますか。

市長
教育再生会議の委員をさせてもらっているときに,官邸の会見室で会見をさせていただいたことがありますが,ちょうどこのようなスタイルであったので,今後,こういうスタイルでやっていきたいと思っています。

記者
スピード感を出していくということも含まれていますか。

市長
立って喋るほうが喋りやすいですし,私の言葉で,私のメッセージをきちっと記者の皆さん,市民の皆さんにお伝えしたいと思っています。

肉付け予算について

記者
肉付け予算については,限られた財源の中で,ここだけには使っていくというものがあれば。

市長
肉付けといいましても,本当に極めて質の高い,筋肉質の予算だと思います。予算の金額の問題ではなく,効果的にどう予算が使えるか,市民の参画を得て積極的なボランティアが共に汗をかく,「共汗」していただいて,予算額としては少ないけれども,非常に市民の満足度の高い生活に効果が挙げられる,未来への展望が拓ける,そうしたことを重視していきたいと思っています。予算の金額の大きさでもって市民にアピールする時代はもう終わったと考えています。

記者
肉付け予算については,前年よりも縮小するとか,少なくとも平年並みになるとか,そういう見通しがあれば。

市長
予算の規模にはこだわりません。

記者
肉付け予算の方針としては抑えるのか。

市長
マニフェストでお示しした124項目の優先度をどのようにするのか,これも市民の皆さんの参画を得て議論しながら決めていきたいと考えています。今,就任したばかりですので,ここで予算規模をどの程度にしたいということについては御容赦願いたいと思っています。

記者
市民と議論しながらとのことですが,これは譲れないとか,そういうものはありますか?

市長
結論はもう少し待っていただけますでしょうか。

記者
肉付け予算についてですが,財政健全化プランにおける「特別な財源対策」を83億円に抑えるという目標を達成するには,肉付け予算編成時には,行政改革推進債を14億円以内にしなければならない。先ほど,財政健全化も大事だし,市民の生活も大切だとおっしゃった。つまり,場合によっては83億円を上回る可能性もあるということだと思いますが,桝本市政を継承するとして市長に当選された門川新市長が,桝本市政において策定した財政健全化プランに掲げた数値目標を超えるというのは,市民との約束を破ることになると思うのですがいかがでしょう。

市長
一度じっくりと考慮したいと思う。今ここで結論を出すわけではありません。ただ,私は4年間の政策を推進していくなかで,初年度,マニフェストの政策実行にどれだけの予算を使うのか,1年1年の計画まで,また金額までが前任者が決めた範囲内でなければならないというのはおかしいと思っています。

記者
優先順位としては,まずはマニフェストの124項目であるということですか。

市長
それと,財政健全化を両立させることであります。

裏金問題について

記者
大阪市では,裏金の問題が表面化していますが,京都市ではそのようなことはないのですか。

市長
私は,裏金は一切ないと確信しています。

記者
改めて調査することはあるのですか。

市長
ありません。既に徹底した調査がなされています。

同和問題の払拭について

記者
同和問題の払拭と不祥事をなくすということは,選挙中から,就任後1年で達成すると言っておられるが,肉付け予算の編成を待たずに何か行動をとっていかれるお考えは。

市長
「同和行政終結後の行政の在り方総点検委員会」は直ちに人選も含めて指示をしましたし,年度内のできるだけ早い段階で立ち上げたいと思っています。不祥事根絶についても,一昨年,一番厳しい問題が続発した現場へ,敢えて市長就任前に事実上抜き打ち的に現場視察を行いました。もちろん不祥事防止のためだけに行っている訳ではなく,市政のあらゆる課題を自分自身の目で確認したいという思いから行った訳ですが,行動を開始しているということで,明日からも毎日,朝,現場に出て行きたいと考えています。

記者
「同和行政終結後の行政の在り方総点検委員会」については人選が気になるが,市役所内部ではなく客観性を担保するような仕掛けは考えておられるのですか。

市長
人選を見てもらったらなるほどと市民の方が納得していただけると思いますし,納得していただけないような人選では払拭はできません。払拭するための委員会ですので,人選をしっかりと見ていただいて,なるほど,門川市長はやる気だなと感じていただけるようなメンバーにして,そして,これをやることが同和問題の解決になるんだという決意で臨みたいと思っています。

自立促進援助金について

記者
自立促進援助金について,門川市長として対応をどのようにお考えですか。

市長
既に今年度の予算については執行を留保しています。そして来年度の骨格予算においても計上していません。法的にも過去の経過も含めて非常に難しい問題ではありますけれども,これも「同和行政終結後の行政の在り方総点検委員会」で議論して答申をいただきたいと思っています。

経済政策について

記者
伝統産業の推進も最初に取り組む主要な経済政策かと思われますが,経済政策についてはどのようにお考えですか。

市長
商工会議所をはじめとした経済界が一番求めておられるものは何なのか,その意識を共有する,課題を共有する,そして,最も効果的な手立てをそこから考えて始めていきたいと考えています。京都商工会議所の立石会頭,京都経済同友会の渡部代表幹事,村田代表幹事をはじめ,多くの方々と選挙戦を通じて話し合いを重ねていますが,スピード感を持って,緊張感を持って,そういった話し合いを進めていきたい。そして,具体的な政策,「知恵産業融合センター」を作るとか,ベンチャー企業を起こす仕組みを作ることについては既にお約束していますが,その具体化を図るということであります。

「同和行政終結後の行政の在り方総点検委員会」について

記者
総点検委員会を立ち上げられ,市長になられて一番最初に優先的に取り組んでいく課題だと認識していいのですか。

市長
京都市政の課題はいくつもあります。「総点検委員会」はそのひとつであります。しかし,そのひとつでありますけれど重要な課題であり,今日,早期の立ち上げを指示しました。不祥事根絶につきましても,今日の局区長会で,あるいは登庁式で市民の皆さんの前で職員にも明確なメッセージを出しました。同時に直ちに具体的な仕組みも含めて着手を指示しております。

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