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国際交流・協力部会第3回会議議事録

ページ番号25286

2008年2月7日

 

1 日  時  平成19年10月1日(月)午後2時~4時

 

2 場  所  ザ・パレスサイドホテル 2階 会議室「モデラート」

 

3 出 席 者

   座 長  横山 俊夫(京都大学副学長) 

   委 員 アンドレアス・シーコーファー(京都ドイツ文化センター所長)

          太田 佐知子(元中京中学校長(京都市特別社会教育指導員))

          唐津 ふき子(市民公募委員)

          斎木 宣隆((独)国際交流基金京都支部長)

    オブザーバー 井上 八三郎(財団法人京都市国際交流協会事業課長)

    事務局 京都市総務局国際化推進室

 

4 議  事

 ⑴ 開会

 ⑵ 審議

  ア 第1・2回会議の継続案件の審議

  イ これまでの論点整理と素案の取りまとめについて

  ウ その他

(1)開会

 

(2)審議 (○顧問・委員/●事務局)

ア 第1・2回の継続案件の審議

○ 本日は,まず「第1・2回の継続案件の審議」として,前回までの審議で言い足りなかった部分,とくに観光や経済分野,あるいは追加・補足しておくべきご意見などを幅広く伺って行きたいと思います。

その後,これまでのご意見や論点の整理と,次回に向けての素案のとりまとめについて話し合って参りたいと思います。

そして最後に時間があれば,推進体制について少しだけ触れていければと考えています。では,まず事務局より,プラン素案の全体構成案など配布資料について説明してください。

● まず,資料1「プラン素案の全体構成案」ですが,1ページ目には大まかなプラン構成を掲げています。冒頭「Ⅰ」には,策定の趣旨,及び策定に係る経過,社会情勢や目的を,そして「Ⅱ」には,国際化の目標として3つの柱に絞って掲げております。今回は本市の大きな取組である京都創生に焦点を当て,京都の魅力向上を一番前にもってきています。次に「Ⅲ」には,目標ごとに掲げた柱ごとに実際のプランの内容を配置する予定でございます。最後に,「Ⅳ」に各目標全体に関わるプランの推進体制を持ってくる構成になっております。点線で囲った部分がこの交流・協力部会での審議分野です。

次に,2ページ目には本部会の審議分野である,目標の1・2に掲げた柱に基づき,さらに下位の施策目標を掲げております。例えば,「1 京都の魅力向上・発信分野」の下位には⑴から⑷までの施策の方向性を掲げていますが,これらは今までの先生方のご意見を踏まえまして,大きなまとまりとして分野ごとに構成し直したものでございます。そしてさらに,その下位にア,イ,ウなどの項目を頂戴したご意見を基に構成に沿って並べております。

内容的には,1京都の魅力向上・発信分野としては,まず,⑴京都の国際的な魅力の向上のための取組として,観光・景観・文化,ここまでが京都創生の施策で,そこに環境都市であるとか,大学のまちといった京都の魅力が加わっています。そして,⑵京都からの情報発信,⑶京都の魅力を伝え,世界に発信する人づくり,最後に⑷外国人に分かりやすく活動しやすい施設機能の充実といったことが掲げられています。また,2の国際交流・協力分野では,まず⑴姉妹都市交流の多様化と新たな展開ということで,ア市民中心の姉妹都市交流があり,そしてそれを基にしたイ国際協力の推進,ウのパートナーシティとなっています。続いて⑵京都の特性を生かした多様な国際交流・国際協力の促進ということで,ア歴史都市,イ環境都市,ウその他京都の特性を生かした交流の促進とあり,最後に,⑶青少年交流として,ア姉妹提携などの学校間交流,イ青少年交流というようになっております。

次に,資料2「論点整理シート」につきましては,資料1の構成にしたがって頂戴したご意見を記載したものです。これをみますと,観光,経済,文化,環境,姉妹都市交流,国際協力といった分野につきまして本日もう少しご議論を賜りましたらと存じます。

そして,資料3「京都市内学校・民間団体姉妹都市提携アンケート調査報告書」ですが,これは前回お配りした速報版について,アンケート対象者に再度,追加・修正等について確認を取ったもので,現時点の最新版でございます。今後さらに追加・修正等があれば随時直して行きたいと考えています。 

最後に,資料4「推進体制について」ですがこれは,現行の大綱に基づき,行われている推進体制の現在の状況を簡単にまとめたものでございます。本日は お時間がないかもしれませんが次回のご審議の参考のためにお配りさせて頂きました。

以上簡単ではございますが本日の配布資料についてご説明させて頂きました。

○ どうもありがとうございました。この全体の章立ては後ほどにするとして,今まで議論を深めてこなかった分野,例えば観光など世界から見た京都の魅力について議論して参りたいと思います。

 

  <観光について>

○ 観光客として家族や友人が京都へ訪れてくるときに,みんな帰るときには京都に住めていいですねというが,外国人の自分はそうは思わない。そういう人は皆,私が京都でどう生き抜いているか知らないのです。寺社仏閣の観光程度なら,たしかに良いところなのかもしれない。しかし観光の後では,店,レストラン,テレビ等どこをみても日本語しかない。英語の情報がないのでせいぜいマクドナルドしかない。したがってお金を使う意欲はあっても使い方が分からない。これでは経済的にも相当な打撃ではないか。

○ 日本のレストランにある蝋(ろう)でできた見本のメニューは非常に便利と思う。ただアメリカへ行ったときには特に不便は感じなかったが。

○ 英語のメニューや写真があればいいとおもうが,そもそも外国人には料理店の種類,中身も分からない。地下鉄はわかりやすく便利だが,バスは前から乗るのか後ろから乗るのかわからないし,行き先もよくわからない。

○ 11月に親類がレストランを開く予定ですが,英語のメニューについては,商工会議所のHPに翻訳のアシスト機能があるそうです(※)。余り知られていないと思います。写真のメニューを掲げているところもある。外国人でも行きやすい,どうにかなる商店街もあるというモデルケースとして,街をあげて外国人を誘致してはどうでしょう。適マークのような表示があれば外国人が入りやすい。

● たしかに商工会議所のホームページには,メニュー翻訳サービスがあり,お客様対応マニュアルもあります。パソコンのない人のための代行サービスや,オリジナルメニューの割安翻訳があります。

<※ 翻訳メニュー提供サービス(日本商工会議所HPより)>

◆ おもてなし翻訳メニュー提供サービスを3月開始(京都商工会議所) (2006.1.19)

京都商工会議所はこのほど,京都市などと協力し,市内の飲食店に対するサービスとして,外国人観光客向けの和食メニューの英訳作成サービスを今年3月から開始することを発表した。同サービスは,京料理をはじめ,京都の飲食店での利用頻度の高い約2000品目に関してメニューが自動作成できるほか,食材や食べ方などの関連情報も利用可能。2月1日から利用登録を開始し,3月から専用サイトを通じて希望する飲食店に提供する。英語メニューを導入した店には,注意点や応対に必要な簡単な四カ国語会話をまとめた「海外からのお客様への対応マニュアル」と英語メニューを備えていることを表示するステッカーも配布するほか,従業員向けの「外客おもてなしセミナー」も実施することにしている。
 詳細は,専用サイトを参照。http://kyo-honyakumenu.jp/index.html外部サイトへリンクします

 

○ 今の時代は料理の成分も重要だったりしますからね。国際交流協会で出している京都市生活ガイドなどはどうでしょうか。ちょっとサバイバルのための冊子とは違いますね。食べ歩きの外国語版のようなイメージでしょうか。

● あえて挙げるとすれば京都ではタブロイド版で京都ビジターズガイド(KYOTO VISITOR’S GUIDE)(※)が出ております。

<※ 月刊英文観光情報誌KYOTO VISITOR’S GUIDEについて(HPより抜粋)>

◆ KYOTO VISITOR’S GUIDE(京都ビジターズガイド)

国際文化観光都市KYOTOの魅力を紹介する毎号新鮮な英文観光情報誌

国際観光都市・京都の魅力を届ける月間無料英文観光情報誌。『京都の魅力,関西の楽しさを,より多くの外国人旅行者に知ってほしい』『在住の外国人の皆さんへ,より充実した観光,ビジネス情報の提供をめざす』をコンセプトに,1987年から20年間発行を継続。京都の観光情報,歴史,伝統文化のみならず,移りゆく京都,新しい京都の魅力をタイムリーに届ける。 

現在,京都ビジターズガイドの趣旨に賛同された方からの協力,協賛により,京都・大阪・東京など国内350ヶ所,海外90ヶ所で配布。

ネイティブによる編集で,外国人旅行者に求められる情報を的確に詳細に提供。京都の歴史や,タイムリーな情報,社寺情報や現代の京都の表情を,きめ細やかな情報と美しい写真で紹介。わかりやすい地図,ウォーキングに役立つ日英併記の地図とバスルートをカラーで掲載。

 

〔概要〕

・創刊   1987年7月  

・発行部数 月刊15,000部(レギュラー配布分)

・発行回数 年11回(12月,1月は合併号)

・体裁   B4タブロイド版 

・頁数   28頁(カラー8頁・2色20頁)

〔発行支援・サポート〕

国立京都国際会館,京都府観光連盟,京都市観光協会,

京都商工会議所,京都文化交流コンベンションビューロー,京都市産業観光局観光部観光振興課

〔主な配布先〕*日本国内約350ヶ所 海外約90ヶ所 にて無料で配布

京都市観光案内所(京都駅ビル2F),京都駅八条口インフォメーション(京都駅1F八条口),京都ツーリスト

インフォメーション(京都駅ビル9F),京都市,京都府,京都文化交流コンベンションビューロー,京都商工会議所国際部,国際交流基金京都支部,京都府観光連盟,京都市観光協会,国立京都国際会館,京都市国際交流会館,京都文化博物館,京都ハンディクラフトセンター,JTB西日本サンライズセンター,京都御池地下街㈱ゼスト御池,関西日仏会館,京都市内各ホテル,他

〔ホームページ〕

http://www.kyotoguide.com/ver2/japanese/j-adbrain.htm

○ ボランティアでも自分自身が知らないから案内できないのでしょうか。市民みんながまずどこへ声をかけたらよいか理解すべき。京都駅の観光案内には結構達者な方がいます。宇治市観光協会には声を掛けると通訳者につながるシステムがあります。

○ 非常に理想的ですね。個人により幅もありますが。では外国人の目線から見て大事なのは何でしょうか。 

○ 市役所のHPにインタラクティブのマップをつくり,レストランのオーナーも参加して,レストランのメニューの価格帯や英語対応の可否がわかるようにすればどうか。メニューの英語表記だけでもよい。友人はラップトップのパソコンを持っているので随時見ることができる。そういうシステムがあれば問題は解決するのでは。

○ 宗教上やベジタリアンの人などのために困ったことをあぶりだすために英語で紙を置いておけばどうでしょうか。アンケート的に5問程度。また,困ったときの駆け込み寺的な機能がどこかにあればよいと思います。JETプログラムの参加者をボランティアで起用することもいいと思います。

○ ホテルでいえばある種のコンシェルジュみたいな,観光案内を総合的に引き受けることができる人たちですね。京都は,グッドサマリタンクラブという同志社と立命館と京都大学でやっているクラブがあって,この1番のOBが京大を卒業して定年になっていますから,おそらく40年ぐらい経っている。そういう人たちがかなりの数,行っているけれども大変なようです。準備から何から,事前に勉強して,それこそ相手とメールでやり取りをして希望を聞いて,レストランもいろいろと厳しく注文があるので探し回って,そしてお礼をもらわないのです。それでかえって,頼むほうも雇ったのではないから命令はできないし,人間的に難しくなる場合もあるようです。そういう京都の若い人たちの活動というのは,学生さんたちだけの集まりではなくて,例えば商工会議所ですとか,もう少し年配の人たちの集まりなどにもいていいと思います。

○ これは私の理解が正しくない部分もあるかもしれないが,御所は,日本の歴史をきちんと知らない人たちで,天皇と将軍の違いとか,天皇は実質的に国を治めたわけではないとかそういった違いもわからない人たちが入って行くと,「これはなんだ」となると思う。立派な皇居みたいなものを期待するのですけれども,壁しかないということで,一歩入って反対側から出て,「これは何だったのだろう」ということで終わってしまうわけです。ですので,もう少し説明が必要になってくる。例えば,二条城に行くと期待通りで,もちろん案内もあるし,建物の様子も期待通りということでいいのですが,御所は理解しにくいようです。

○ 一般の観光ガイドというのは非常に難しく,普通に立て札が立っていて何年から何年と書いてあるものを他の言葉に翻訳しても意味が伝わらないことが大変多いのです。ですから,これは前から私も言っていますが,いろんな解説の工夫が,少なくともビジターズが多いところに関しては,市役所が旗を振ってもいいし,よりマシな解説を立てて欲しい。きれいな白木の物でこっちに墨で書いてあって,横に英語で書いてありますが,ほぼ誰かがそのまま翻訳したという感じです。足利義満を初めて聞いてもわからないのです。何代将軍といわれるよりも,この人はエキセントリックだったので,こんな庭を造りましたという方がいい。そこのあたりの工夫は,実は他のことにも全部関わってくる問題で,自己満足で終わったらダメ。それに,そのほうが公開するほうも自分で魅力を発見し直すことになると思う。こういうふうに言ったら向こうが喜んだので,私も発見し直したという仕組みができたらいいと思います。

○ そういう観光をプロモートする,あるいは今話題になっているようなことを考えてサジェスティングを出しているような組織があったらいいのでは。観光協会ではなくて,国際交流協会でしょうか。ある種のネットワーク組織,もう少しゆるやかな人のつながりがあったらいいのですが。

● 今日は,観光関係が来ていないので正確なことは言えませんが,京都府,京都市,そして観光協会それぞれありまして,その連携の中でいろいろ討議して,インターネットなどを使って,先ほども申しましたコンシェルジュの発想などいろいろとやっているようなことを書いてあるのですが,ちょっと詳しいことはわかりません。

○ 京都駅のオフィスも合体するのですか。あれはまた違うのですか。

● 元々は,ツーリストインフォメーションというものが,駅前に国の機関としてありまして,かなりよくやってもらったのですが,組織改正になって廃止になりました。そこで,その受け皿としてどうするかとなった時に,京都駅でやるということで,観光案内所が一元的に受けますけれども,言葉の問題とかについては,京都府の国際センターを使って下さいということで,こちらのほうで旅館とか宿とか観光とかの案内は一応しているということになっています。ただ,便利かどうかというとちょっと問題があるのですけれども,そのへんがもう少し改善される必要があるのではないかと感じています。

● 最近,京都市の英語の観光情報「英文観光ホームページ京都オフィシャルトラベルガイド」(※)をこの19年4月に立ち上げました。その中にまだお店の情報等までは充実していませんが,徐々にそちらも充実させていき,世界中の人たちがどこからでも見られるよう細かいところまで提供できるようにしていくということが必要だと思っています。京都市HPから項目をクリックしたら出てきます。

○ これは,個人商店名が入ってもいいわけですか。

● そうですね,宿泊施設の情報はもうすでに入っています。海外から予約ができるというのが謳い文句です。外国にいながら,旅行をしているような画面がでてきて,しかも予約もできるというHPです。

○ そういうものを,ああしてくれ,こうしてくれという利用者側の声がうまく  フィードバックできてきたら,段々といいホームページになると思います。

● 日本語の観光案内では,個人のお店も全部載っています。

○ では,行政としては,かまわないということですね。逆に言えば,有料にして,もっと積極的にそのスペースを利用してもらうということも考えられるのではないか。

● それを京都市がやるのか,観光協会がやるのかで変わってくるとは思います。

 HPは観光推進協議会,京都市と商工会議所などが一緒にやっています。

● 確かなことではありませんが,京都府のほうでも観光客について携帯を使ったいろいろな案内をしていると聞いています。そういうこともどこまで使っているかなどなかなか周知できていないのですが,いろいろなツールがあるということを,できるだけ広く知らせるということが大事だと思っています。

○ 先ほどのレストランの話で,吸い上げた外国人からのアンケートについてのことですが,これをレストラン間で共有するために何かワークショップやセミナーみたいなものを開いて,共通項みたいなものを皆さんで分かち合うような場があってもいいのかなと思います。

 

<※ 英文観光ホームページ(2007年4月18日市長記者会見資料より抜粋)

◆京都市英文観光ホームページの開設について(平成19年4月18日開設)

京都市では,平成12年に「観光客5000万人構想」を宣言し,これまでに「京都・花灯路」や「界わい観光」の振興をはじめとする,京都ならではの特色を生かした新たな観光資源の創出など,100を超える観光施策を展開してまいりました。

この度,外国人観光客の一層の誘致を図るため,京都市観光協会や市内の観光事業者等と共同で,英文観光ホームページ「Kyoto Official Travel Guide」を新たに開設し,「5000万人観光都市・京都」の実現に向けた取組を更に進めてまいります。

(1) 特徴

ア 英語ネイティブライターが執筆し,外国人観光客に読み易い英文により,魅力的な京都観光の情報を発信

イ 外国の自宅に居ながらにして,宿泊施設や航空券の予約が可能

ウ 金閣寺,茶道,祇園祭,寿司等,外国人観光客に人気の高い観光情報等を「100セレクション」としてトップページに掲載

エ 交通案内,滞在案内,1日モデルコース等,京都を訪問するに当たっての実用的な情報をコンパクトに掲載

オ 「京都国際観光客誘致推進協議会」(※)が設置・運営することにより,観光施設や宿泊施設,飲食店等,民間事業者と連携した情報発信を実現

※京都国際観光客誘致推進協議会:京都市,京都市観光協会,京都商工会議所をはじめ,市内のホテル,旅行会社等の観光事業者により,平成5年に発足した協議会。会員数49(平成19年2月現在)。

(2)ホームページ構成

○ TOP ページ「100セレクション」や新着情報,以下のページへの入口を設置

・About Kyoto 京都の代表的な観光名所や一日観光コース等を紹介

・Places to go エリア毎に寺社等の観光名所を紹介

・What to do 日本や京都の伝統文化や文化体験ができる場所を紹介

・Events 京都の祭り・催事等を紹介

・Dining 京懐石やおばんざいなど京都らしい食事を紹介

・Accommodations 宿泊施設の紹介や予約案内

・Transport 京都へ至るまで,京都市内での交通アクセス情報を紹介

・Information 歴史・地理・気候などの基本情報を紹介

(3)運営主体  京都市,京都国際観光客誘致推進協議会

(4)京都市英語観光ホームページアドレス http://www.Kyoto.Travel

外部サイトへリンクします

 

○ その国際的な顧客層を想定して経営しているところの集まりとしては,確かに情報・ニュースがうまくできると全体に質が上がっていくことは期待できると思う。同じようなトラブルがあちこちで起こっていて,自分のところだけで悩んでいることもありますから。

○ もっと一般的な話になりますが,京都の魅力を海外の人に発信していくということで,やはりこの体制,日本側で情報提供サービスなり,先ほどの事務局の話ではないですけれども,名所・旧跡まわりをしていて,どうも一方通行的になりがちでわかりにくい。やはり双方向で,わからないところをぶつけあって,答えを引き出すような場が必要だと思います。

○ 定年退職をして時間を持て余していると言っては言葉が悪いですが,時間に余裕のある方たちで,海外旅行や海外経験をした人も多いと思います。そういう方たちをうまく吸い上げてボランティアとしてご活躍いただくというような制度ができると有効なのではないかと思います。

○ 検定であれだけ人気があるのだから,外国人のために京都をガイドしてくださる方を募るようなものがあったら,みんな一生懸命やるのではないでしょうか。

○ 私もカナダに行ってあちこち旅行した時に,訪問先の土地では定年退職したボランティアの人たちが無償で手取り足取り,いろいろと案内して説明してくれました。場所はトロントです。都市の中央部全部です。京都市には,まだそういう発想は根付いていないので,これからの課題だと思います。

○ ボランティアを楽しむ文化のひとつのきっかけになるといいですね。仲立ちする人がいるかいないかでずいぶん変わると思います。聞いていると,最近は,観光,観光と哲学は深まっていて,評論家も増えて,観光学会もできていますが,意外と昔から変わらないところがあるように思う。京都は大きな工場を建ててやろうというよりも,観光は主力産業でもあるわけです。ですから,それを独創的に意味のある観光ということを考えるのは,この委員会だけではとても時間的も足りないと思いますので,ひとつ次のステップとして柱を設けたほうがいいと思います。さっきのボランティアの組織化も含め,実際に観光客からでてくるよい意見を何とか生かすということから考えると,逆の情報の流れはちょっと薄いと思います。これ(情報提供サービス)は,英語だから分かる人には分かるはずという感覚でこれまできてしまっている。それがいい面もありますが。

○ ただちょっと危険なのは,例えば観光協会,あるいは市のHPなどで,例えばチャットみたいなものを設けた時に,いろんな意見が飛び交うと思うのです。レストランに行ったけど食べ物がひどかったとか,美味しかったけど値段が高かったとかいろんなことがあって,それをコントロールしきれないのではないかと思う。オフィシャルなウェブサイトなので,精査や検閲みたいなことをできないということもありますが,そのあたりをどうするか。前向きに考えたらレストランがそれを読んで,もっと美味しいものを作ろうという改善点に繋がるかもしれませんが。

○ 大学などはチャットでいつもぼろかすに言われています。たしかに工夫が要ると思います。

○ 京都には,人材バンク登録センターとかそういうものがありますか。京都市はあまりにも大きいのでわかりませんが,小さい都市,例えば周りの長岡京市や向日市だったら,人材バンクに登録します。

これは観光に限ってです。勝手に人材バンクに登録してもすごいことになりますから,私は観光ガイドの人材バンクに登録しますという形で分類をします。例えば,技術なら教えられますとか,農業のことについては教えましょうとかいうように分類をした人材バンクを,京都市は大きいですから4ブロックぐらいに分けて作ってはどうでしょう。私は退職後,長岡京市や宇治市,向日市在住の人でこういう次の仕事をすごく生き生きとしてやっている方を何人か知っています。ただ,私が知っているのは,京都市以外の方なので,京都市にはあるのか,京都市は大きいからこういうのはないのか,と思っているのですが,どうなのでしょうか。そんな人材バンクが,すでにあるのかもしれませんが。

● シルバー人材センターというのはあります。そこで筆耕とか障子を張ったりする人とか,通訳というのも見たことはあります。

○ そこで,私は英語ならできますとか中国語だったらできますとか分類しておくといいのではないでしょうか。

● あふれるほど登録されているかどうかは把握していないのですけれども,それが皆に知れ渡っているかというと,あまり市民の方は知らないかもしれません。

○ そういうところを活用して,市民に知らせるとできるのではないでしょうか。特に団塊の世代と言われている人たちの中には大勢いるのではないでしょうか。

○ ありがとうございました。とりあえず一度,観光から離れて,「目標と実現について」と2つの項があって,今日は両方やるということですので,今も観光に関してウォーミングアップ的に目標を,あまり普遍的には,話を進めなかったですけれども,実現化の手立てみたいなものは少しずつでていたと思います。

  

  <文化について>

○ 「文化,環境,防災,国際理解の教育」これぐらいのところで少し考えがありましたら,これまであまりでていなかったところについて発言いただくと有難いのですがいかがでしょうか。頂いた資料1の2ページ目,「京都の魅力向上・発信分野」と書いてあるところに「環境都市,大学のまち,国際化の実現に向けて」というのがあります。「景観」「文化」ということは,京都市の施策として大きな柱で動き出しているのですが,これについても議論をしておきたいという方はおられますか。景観を良くするための条例ができましたけれども,あそこは国際的な視点からも,良い景観とは何かということを考えようということも入っているのですか。

● 国際というのか,京都は日本の代表する歴史都市であると,その歴史都市を守るためには景観が非常に大切であろうという発想です。ひいては,それが世界に代表する都市になるという位置付けになるであろうということです。

○ 何かアドバイザリー委員会みたいなものを中で構成して,その中で日本の人,京都の人,以外の人も入っているみたいなことはなかったでしょうか。

○ 私は,広くいろんな意見を聞いて,誰かがこう言ったからこうしなければということはする必要なないと思いますが,他にどういう価値の見い出し方があるのかなとは思います。京都が国際都市であるのならば,そういう(広く意見を聞く)窓口も欲しいように思います。ただ,「これも基本政策はできていますから国際のこの委員会では何も言いません」というよりも,(基本政策が)あるからにはこちらからも声を寄せるという姿勢が必要かと思います。ですから,(いろいろな意見を踏まえた上で)国際的に見てより景観の価値が上がればなおいいわけです。枠組みをいがめて(無理にはめ込む)というのではなくて,(こちらからも声を寄せていく姿勢があれば)付ける意味が変わってくるというか。もちろん,観光の話もしましたけれども,これはまだまだ基本的なインフラができていないという印象です。

さて,文化については議論しにくいかもしれませんが,何かありますか。「独自の個性ある世界的な文化芸術都市を創生する」と京都市は謳っているのですが,これについて何かあればご発言下さい。

○ 京都というのは,本当に幸運なまちだと思います。これだけの人口規模を持つまちで,これだけの文化遺産であるとか博物館であるとか劇場,シアターなども含めて,とにかくないものがないというぐらい全てのものが揃っている。ですから,後はどうやってそれを効果的に提示するかということだと思います。まとめ上げて,来る人たちが訪問しやすい,見やすいような形にどうやってプレゼンテーションするかということだけ。本当にいい素材はあるのに,それを観光客あるいはユーザー側がきちんと捉えられていないというのが現状です。ひとつ理由としては,もしかして数が多すぎるということもあるのかもしれませんけれども,例えば,それを4,5日間,10日間などとブロックにまとめるような,行きやすいような形にまとめ上げるというような作業もいいかもしれません。私はプロではないので詳しいことはわかりませんが,外国の例でいいますと,パリではルーブル美術館があったり,ベルギーにはミュージアムアイランドといわれるものがあったりということになります。京都の場合は,それがちょっと分散化しすぎているということがあると思いますので,例えば,市でガイドを付けてシャトルバスみたいなものを出して,2,3ヶ所の神社とかお寺を回るとかいうことで,無料でもいいですし1000円ぐらいでもいいと思いますが料金を取って行うと,バスは満員になると思います。私のところに来る観光客も,そこに行ってしまえば問題はないのですが,行くまでが大変だということがあるので,その辺りを充実させたらいいと思います。

○ 自然に観光に絡んでいるのですが,それは文化となってくると,ぱっと見てもわからないので,何か体験しなければいけないということだと思う。今,京都市は町家ブームがこんなになっているのは,いろんな意味があると思うのですが,昨日,杉本家住宅の杉本さんのところで行われた会があったのですが,非常に倹約して,今の流行の言葉でいうとエコロジーにかなった暮らしがあったのですね。そういう文化に関心が高まっているのはすばらしいと言われているのですが,これは国際的にみても新しい光が当たる部分だと思います。これだけ地球環境のことが言われ,また京都が地球環境都市になっている,そうなると,暮らしている町家にどかどかと入るわけにはいきませんが,それに繋がるようなものを体験する,表現して配ってもらうということはいいと思います。これも国際化に繋がることだろうと思います。そういうことがすでに行われているのかどうか。最近,イタリア料理屋で町家を使っていると,しばらくはちゃんと流行るという不思議なブームになっていますね。

 

○ 町家のレストランは今もあるかどうかはわからないのですが,一時期,助成金があったということもあってものすごく増えたと思います。町家とか建物のことではないのですが,最近は着物を着る方が少なくなっていて,手書き友禅の年配の作家さんで,すばらしい腕を持っているのにそれを生かせる場がなく,全然仕事もなく暇を持て余しているという人がたくさんいます。それを,雑貨とかを扱っている私の知人の会社が,扇子1枚1枚にその友禅の模様を手書きで書いてもらって,3000円ぐらいのそんなに高くない値段で売り出しましたところ,今年の夏,大変売れました。これを書いてといった決まりきった模様しかないのですが,特に東京のほうなどでは大変好評だったということがあったので,そういう廃れていきそうになっている技術を生かし,新たな価値を付けて売り出せば,それはそれでまた残っていくものになると思います。それを行政がやるのは難しいかもしれませんが,技術を持っている方も横の繋がりというのがあまりないですから,そういうことを研究して何か生かせるようなシステムができたらいいのではないかと思います。

○ これがすばらしいと発見したのは,その会社の人だったのですね。

○ そうです。業界以外の方です。

○ 国際的にみて,京都の文化の個性を輝かせようとする時に,やはりこのテーマがあります。当たり前だと思っていることが,すごいいいということがあります。

○ 文化,もちろん観光もそうですけれども,なにかすごく華やかなものを想像します。例えば,町家などは華やかだとはいいませんが,残っているすばらしいところへ皆さん連れて行きますよね。でも,京都の本当に地味な文化というのは,もっといろんなものがあると思います。私が知っているのは,繊維関係で,自分の親も今は完全に潰れましたけれどもやっていました。そういうようなものをもっと残していくということ,そういうものを見るということがとても大事だと思います。今は周辺に住んでいますけれども,私は京都のど真ん中で産まれて育ちました。うなぎの寝床といわれる京都の真ん中の家は,ずっと奥に入っていきますね。私もそういうところで育ちました。そして,奥に非常に広いところがあって,そこで友禅,型板友禅(※)をやっている。手書き友禅というのは本当に観光として有名ですが,型板友禅というのは,価値でいうと少し低いのでしょうか,さほど知られていません。手書きは高いですが,型板も1つの柄を作るのに,型を何十枚と使います。私が姉妹交流をして,向こうの子を10日とか15日ぐらい学校で預かった時に,1番喜んだのはやはりそういうところに連れて行って見せるということだったと思います。ところが,今はそういうものがどんどん潰れていっています。後継者がないことがひとつ,着物の需要が少ないというのがひとつ,そういうことが積もっているのだと思います。ですので,そういうものを,もちろん通訳は要りますが,外国人の観光客に見せていくというのはいいのではないかと思っています。中京の校区でも,いくつもアパート,マンションに変わりました。間口は狭いですが,奥はとても広いのです。そういうところに入っていったら,型板の友禅をして着物を作っているということは,すごい感動なのです。そういうことは日本人も知りませんが,ぜひ見つけて,維持することは大切だと思います。地味で臭いもあるのですれども,それもある意味,京都のひとつの文化だと思っています。ですので,そういうものも維持できるし,そういうところに連れて行ってあげられるようなことはいいと思います。

<※ 型(板)友禅(かた(いた)ゆうぜん)>

友禅染の技法の一つ。型紙と写し糊を用いて染める技法で,手描き友禅に対する語である。型紙友禅の略。型紙による多色染の型友禅は,明治初期に京都で,合成染料ともち糊を混ぜた色糊(写し糊ともいう)が考案されて以来,急速に発展し,現在は着尺地から帯地や長襦袢まで,幅広く使われている。

手描きの本友禅に比べて量産が可能なのが利点である。価格も安くなる。

型友禅は,多色を使って華やかに花鳥,風物を表現する模様染なのだが,型紙は一色に一枚を使い,数枚から中には数百枚もの型紙を使うものもある。何枚もの型紙を使い,取り替えて染めることには熟練を要する。京都で染められた型友禅のことを,京小紋ともいう。

(「きものせいかつHPより抜粋http://www.kimonoseikatsu.com/index.htm)

○ 西陣織会館などは織りのほうですけれど,あれはご覧になってどんな感じですか。また,そういう中で見るのとは違うのでしょうね。

○ 違いますね。西陣織のカタカタというのも,あれは,板を,紙を作る,そんなところは,皆さん嫌と言われるかもしれません。個人の家ですから。

○ それに分業をしていますから。

○ でも,わりに近くにありますから,3つほど回ると工程がわかるのではないでしょうか。ただ,観光にすると,家を掃除しなければいけないとかで嫌がられるかもしれません。私がやったのは,たまたま自分の校区でしたので,していただいたのかもしれません。ただ,そういうことをやって,それが多少の収入に繋がれば,維持できていくのではないかと思います。閉じていくところを見るのはとても辛いです。

● 以前,西陣の地域でやったことがあるのですが,受入れる方がそんなにしょっちゅうは嫌だと言われるのです。ですから,それがお金の儲かるほうに持っていかないと,毎回仕事の邪魔をされるのはかなわないというのがあるようです。それが仕事として,うまくいくようにならないといけないのかなと思います。

○ 家の人は黙って仕事していて,別にちゃんと説明をする人がいるという形だったらいいのではないでしょうか。

● 私が上京にいた時にありました。ものすごく好評だったのですが,受ける側が困るようです。

○ それが,京都の文化の底を流れているような気がして仕方がありません。

○ ですから,そこを初めから見せるように,きちっと通路もあって,仕事をしていても見られるようになっていればいいと思うのですがどうでしょうか。

○ まさにそのあたりが大切だと思います。あまりディズニーランド化してもということも先ほどお話ししたのですが,ただ,京都にはいけばなとか盆栽とか西陣織などの織物とかそういう文化があるのですけれども,来る人たちが,それを非常に深くまで見るということはなかなか難しいということがあると思います。ただ,京都の文化の一部,いけばなとか茶道とかいうものは京都が発祥になっているものもありますし,重要な文化の一部だと思います。ですから,その具体的な提案としまして私は,御所が非常に広くて野球場4つぐらい入ると,その野球場1つ分ぐらいの場所を確保して,ちょっとした伝統工芸村みたいなものを造ったらいいと思います。そして,この伝統的な建物の中では,入場料を取って,織物とか茶道とか盆栽とかいうものが1ヶ所で見ることができるということにするのです。そして,お客さんに品物を買ってもらわなくてもいいように,市が,職人さんたちが損をしないように経済的に援助して,そこで30分なり1時間なり過ごせば,例えば5つの日本の主な伝統文化についてざっと知ることができる,職人さんの作業を見ることができるということにすれば,これは外国からの人のみならず,渋谷の若い女の子たちも日本の伝統文化をあまり知らないと思いますので,非常に勉強になると思います。

○ 韓国で民族村を造って,最初はその通りに復元していろいろと職人さんを入れていたのですが,次の世代になると,自分たちは見世物ではないと言ってきたので,困ってしまったということがあるようです。ある時代だけを代表させるということはものすごく難しいことだと思います。琵琶湖博物館は逆に面白くて,博物館そのものを滋賀県の湖と人間の付き合う文化を知るための玄関であるという位置付けにしています。ですので,ここに訪れた人が,さらに詳しく見たいのでどこに行ったらいいのか,誰に会ったらいいのかなどのガイドも兼ねてやっています。京都の場合は,琵琶湖よりも複雑なものを持っていますので,一体どんな形がいいのか。話を聞いていると,入っていく深さはともあれ,まずとっつきにくいというところがあります。そこでひっかかりがないということでしょうか。

● 施設的には,例えば,お茶とかお花でしたらギオンコーナーで一通りのことはやっていますし,工芸の関係でも,みやこメッセの地下に京都工藝館というのがありまして実践も含めてやっています。ただ,ひとつにまとめてというところは,今のところありません。

○ まとめることが必要かどうかはまた別のこととは思います。ただ,少なくとも今言われた場所などの地図があればいいと思います。こういうことに関心を持つ人はここに行ったらいい,きっかけはここで掴めますという形にしたらどうでしょうか。

● 京都の博物館ガイドブックというのが,180ぐらいの京都のまちの中に置いてありましたが,これは英語と日本語と併記されていて,地図も前にできていたのですが。

○ あれを,立派なものでなくていいので,持って歩ける形でもうちょっといいように改善したらどうでしょうか。

● あれを欲しいと言う人は,結構おられたのですが,教育委員会が今は作っていないようです。

○ 美術館・博物館に出ているもののその奥にある文化というものを含めてというのは,京都に初めて来た人,外国から来て暮らし始めた人たちが,どうふうにしてそこに行けるかというちょっとシミュレーションみたいなことをやるようにしたらいいのかもしれません。こういうタイプの人がきたらどうなるかという,さっきの食事のことも含めて。ウィーンは,200ぐらい博物館がありまして,そこまでは行けるのですが,では町の人たちがどういう暮らしをしているのかというとまた違います。知り合いがいたらいいのですが。ですから,そういう文化の面での魅力をより向上して,かつ伝えていくという工夫について,ちょうど予定していた話題にもうひとつあります。メディアによって発信するとか人に会って情報を伝えるとかというのがありましたけれども,情報の広げ方についてご意見ありますか。景観・観光・文化を含めてでもかまいません。京都の魅力をどうやって伝えるかということです。

○ 本当にこれは事実なのですが,京都に来る人は芸者さんが見たいということが,いかんせんどうしようもない事実で,日本の人たちは芸者さんのちょっと神秘的なオーラ的なものといいますか,そういったところについて,どうやって十分見せたらいいかというところの工夫がされていないという部分があると思います。   私のところに来た人たちは皆さん祇園に行きたいというので連れて行くのですが,運が良ければ芸者さんたちがタクシーから降りてお座敷に行くところをちょっとだけ見ることができることがあります。もちろん見ることができない時もあります。そういう時には,私が知っている限りの芸者さんの歴史やどういう所に住んでいてとか舞妓さんと芸者さんの違いとか教育の話とか,いろんなことを話します。要するに,皆さん,白塗りしたああいう芸者さんが見たいと,これはどうしようもない事実なので,そのあたりをどうしたらいいのかなと思います。

○ 元々はちょっとエクスクルーシヴ(exclusive:非開放的,排他的な)な世界です。日本の人もみんなが知っているわけではないと思います。ギオンコーナーに行くと,そういう説明がちょっとはありますね。

○ とにかく,私は立場上,お座敷に呼ばれることもあるのですが,普通の観光客の人たちが,お値段が高いので見ることができないということで,ちょっと誤解もあると思います。職業についても,売春をしているのではないかという誤解を持っている人もいるので,お金が高すぎて芸者さんをお座敷に呼ぶような現場に立ち会えないのであれば,関心がある分野なので,少なくともそのあたりをきちんと理解ができるような説明がどこかにあればいいと思います。

● どこまでそういう説明があるかわかりませんが,ギオンコーナーで舞妓さんの踊りとかお茶のデモンストレーションとか全部あるので,気軽に見ることができるのはそこぐらいかと思います。

○ 行ったことはあります。でも,暗くて,夜だとあまり何も見えないという印象です。芸者さんに会いたかったら夜に行かざるを得ないですし。

○ ギオンコーナーの在り方を提言してみてもいいようですね。というのは,最近は利用者が少ないと聞いていました。

○ 私は最近,行きました。芸者さんにつきましては,非常に問題なのですけれどもエクペンシヴ(expensive:高価な)ですね。日本人にもちょっとわかりにくいところがあるわけでして,それは外国の方と立場的にはあまり変わらないと思います。ただ,たしかに,結構VIPな方が行かれても芸者さんの踊りを見たら喜ばれるという事実もありますし,これは何と聞かれることもあります。それをどういう形で説明をする機会を設けたらいいのか。たしかに費用がかかるということも事実ですので,先ほどもありましたが,とりあえずギオンコーナーに行ってもらったら一通りの知識を得られるようなシステムをつくる,ここから始めないと仕方ないのかなという気がします。

○ おおきに財団(※)もちょっと努力をしてもらいましょうか。おおきに財団というのは祇園の花街の人たちが,文化をプロモートするために作っているのですが,国際的な説明があったほうがいいということを伝えてみたらどうでしょうか。

若い人たちで舞妓さんの格好を喜んでやっている人たちがいますね。

<※ おおきに財団>

◆ 財団法人京都伝統伎芸振興財団(愛称:おおきに財団)

京都の伝統芸能後継者の育成,五花街と伝統芸能の保存継承のため,平成8年(1996)5月に社団法人京都市観光協会と京都花街組合連合会が設立した財団法人。京都府,京都市,京都商工会議所,観光業界の支援を得て伝統芸能後継者の育成,伝統芸能特別公演等のイベント案内など様々な事業を行い,五花街の保存と伝統芸能の保存継承に努めている。 

所在地:京都市東山区祇園町南側570-2弥栄会館内

公式WEBSITE: http://www.ookinizaidan.com/

   

  <環境について>

○ 環境,大学についても国際的にというのは,今日,特に一言言いたいことがありましたら,お願いします。

○ スピーチを聞かれたかどうかわかりませんが,1ヶ月ほど前にドイツのメルケル首相が入洛された時に,首相にとって京都は,もちろん神社・仏閣についても知っているのですけれども,10年前,環境大臣だった時,京都議定書が策定された京都に来ていたので,京都議定書のまちだという認識が1番強いと言っていました。ですから,京都議定書について,あるいは環境面で何をしているか,どういった動きがあったかということに関心を持って今回来たという話でした。やはりその面でも京都議定書というものが締結されたのが京都なのですから,それについてもそのあたりのシンボル的なものについてもきちんと提示していないという気がします。例えば,ある建物があって,そこで本当に京都議定書を掲示しているか,触れられるようなものがあるか,例えば,市長室に京都議定書が貼ってあるかとか,そういう具体的なことは何かあるのでしょうか。間もなくまた違う地球温暖化の議定書が京都以外で結ばれることになると思います。そうなると,もう京都と議定書のことは結びつけて思い出してもらえなくなるかもしれません。その前に記念的なことをやっておかないといけないのではないかと思います。

○ ポスト京都プロトコールが議論されていますね。

○ ポストでも何でも京都と入っていればまだいいのですが,パリ議定書とか全く違う方向にいってしまうかもしれません。

● 具体的には,京都市としては,温暖化防止条例を全国に先駆け作っていますし,世界的にも,国と国とは別にありますが,都市との連携,「ICLEI」(※)というのもあります。また,京都市長が議長を務める「世界温暖化防止市長会議」というものがあります。それを今年の2月に開催して,そこでも新たな都市としての宣言を行っています。

○ そういう動きをもう少し市民がわかっている,“知る”という工夫があれば,自分たちのまちの意識も変わると思います。あまり知られていないのではないでしょうか。ICLEIと聞いても何の省略なのかわからないと思います。大学も同じでして,大学の国際化などをやっていても,中にいる人が知らないことは結構多く,情報をうまく伝えるようなことが欲しいと思います。

<※ICLEI(イクレイ)について>

イクレイ-持続可能性をめざす自治体協議会(ICLEILocal Governments for Sustainability

ICLEI」とは,International Council for Local Environmental Initiativeの略称) 

イクレイは,1990年,国連主催「持続可能な未来のための世界会議」に参加した42 カ国200以上の自治体と国連環境計画,国際地方自治体連合などの国際機関の提唱により設立された国際的な自治体協議会である。

  情報誌や調査報告書等の出版などを通じて,環境問題をはじめ,生命の尊重,人権・福祉の保護,平和の推進など,持続可能な社会作りへの地域社会の取組を促進するとともに,国連の公式協議機関として,自治体の主張を各国政府に伝える活動を行っている。

  事務局本部はカナダ・トロント市に置かれており,会長には南アフリカ・ヨハネスブルグ市長のアモス・マソンド氏が就任している。

  会員数は現在,世界67カ国約470の自治体・自治体連合が加入し,日本では22自治体が加盟している。なお,京都市は平成8年に加盟している。

※ WEBSITE: http://www.iclei.org/index.php?id=875

  

<教育について>

○ 教育ということで,京都議定書についてのポスターみたいなものを学校に貼るということはとてもいいことだと思います。細かいことを書いても子供は絶対に読みませんし,小学校は漢字が読みにくいかもしれませんが,少なくとも2つか3つぐらいの大事なこと,これとこれは自分たちでも守れるのではないかというようなことをポスターにするのです。紙などもすごく無駄遣いをしていると思います。だからそういうことを書いて学校などに貼ったらどうでしょうか。または,PTAの会長さんのところに貼ってもらうとか。私はそういう範囲ぐらいしかわかりませんけれども。京都といえば京都議定書と言われるぐらい有名になってしまっていますから,子供も日本語でいいから議定書の説明をできなければいけないと思いますし,各学校,少なくとも公立の学校にいかがでしょうか。学校というのは,いろんなポスターが来るのですが,そういうものはあるのですか。

○ 今までだと環境省がやっていて,国として批准したのだからと思っていたのですが,やはり京都ですから,京都のまちはこういう国際的な約束が成り立つようにしていかなければいけないですね。開催地は,京都が運動したわけではなくて降ってわいた話で,京都の会議場で行われたということなのですが。でも京都の財産として,国際化推進室でも少し動いてもらう方がいいのではないでしょうか。

○ 若い子に知らしめることが必要です。

○ これは,先ほど先生が言われた記念の建物や記念碑みたいなものでもいいと思うのですが,アメリカでもベトナム戦争のモニュメントがあって,そこに戦死した兵士の名前が彫られているわけですが,そういうものでもいいので,例えば鴨川の河川敷に石碑みたいなものを3つから4つぐらいの言語で京都議定書の内容を入れて作って,歩きながら読めるみたいなものもいいかなと思います。

● 理念は大事なのですけれども,すでに市役所の中でも循環型社会に適応するように,できるだけ電気を消しましょうとか,分別してゴミを出しましょうとか具体的な段階に入ってはきています。

ISO14001を京都市の事業所はすべて適用しているのですけれども,全ての学校で適用されているかは承知しておりません。

○ 学校に貼るのはいいと思います。掲示板は必ずありますから。「京都議定書を 知っていますか」とかね。

● ISO14001はかなり基準が厳しく,今は市役所もゴミ箱が全然なくて,分別の物しかないとか,コピー用紙も両面使いましょうとか裏を使いましょうとか徹底的にやっていますが,そういうことがまだ学校でされていないのでしたら,そちらのほうにもまたISOを広げていくということも大切かと考えます。

○ 今は,裏を使いましょうとか,そういう努力はすごいです。それは職員が一生懸命やっています。ただ,子供が小さい時から,京都議定書というのが京都で  10年前に発行されて,京都といえば議定書で,観光より金閣寺よりもむしろ有名なんだというぐらいのことを意識することはすごく大事だと思います。「忘れていませんか」みたいなタイトルでボンとやったらどうでしょうか。

○ 環境先進国といえば,私がいうのもおこがましいのですがドイツだと思います。ゴミの分別を始めるのもとても早かった国だと思いますが,それの始まりというのが,ある小学校で水槽にミミズを飼っていた時に,そのミミズの中に何種類かゴミを入れて1週間,2週間経った時に,どのゴミが無くなっていて,どのゴミが無くならないかというのを観察していました。そして,その無くならないゴミというのは捨ててはいけないゴミだということを話したら,子供たちが家に帰ってから「お母さん,スーパーでナイロン袋をもらってこないで」などと言い始めて,親の意識が変わったという話を聞いたことがあります。ですので,小学校教育でポスターを貼るだけではなく,そういう簡単な実験とかで子供の目からウロコが落ちるようなことをすれば,家庭から変わっていくのではないかと思います。

○ カリキュラムに書かなければいけませんね。

○ 今日,実はプラスティックゴミの分別の日です。ようやく始まりました。

○ 京都は分別が遅かったですね。周辺の都市はすごくやっています。

○ 今,委員が言われたような国際的な動きを子供同士が分かれば,ちょっと面白いかもしれません。今の他の国の子供たちが,どういう体験をして,社会問題,地球環境の問題についてどういう取組をしているかというような情報が流れたら,実にいいと思います。

● そういう意味では,この前,報告しました本市の事業で8月に9つの姉妹都市の高校生を招き,国際青少年みらい環境会議(※)をさせてもらいました。 

そしてその時は,それぞれの都市の雨水を持ってきてもらいまして,堀川高校で分析して勉強し合いました。また,紫野高校で省エネを勉強する機会もありまして,最終,国際交流会館に全員集まって,自分のところの取組や我々は高校生としてどうしていったらいいのかということを話してもらいました。ですので,そういう取組というのは一つ一つの大きな力になっていくのではないかと思っています。

○ それは継続されるのですか。

● とりあえず今年の事業でして,予算的に厳しい中で頑張ってやったという経緯があります。ただ,会議ができるかは別にしてなんらかの形で情報交換をしていこうという話にはなっています。

○ 「世界水フォーラム」でも子供版があって,そこでいろいろと招待していますね。沖縄の宮古島だったかの子供が優勝したと聞いています。みらい会議は,私は終わってからちょっと新聞で見ただけですけれども。

 

<※「国際青少年みらい環境会議2007 in KYOTO」>

 京都市姉妹都市交流事業50周年記念プレイベント

地球温暖化防止京都会議(COP3)開催10周年記念事業

「国際青少年みらい環境会議2007 in KYOTO

 2007年度は,京都市が姉妹都市交流事業開始後50年目という大きな節目を迎える前年度であり,また,地球温暖化防止京都会議の開催後10年目に当たることから,京都市のすべての姉妹都市及び友好都市が一堂に会し,環境をテーマとした会議を開催した。

 ※姉妹都市9都市:パリ市(フランス共和国),ボストン市(アメリカ合衆 

国),ケルン市(ドイツ連邦共和国),フィレンツェ市(イタリア共和国),   

キエフ市(ウクライナ),西安市(中華人民共和国),グアダラハラ市(メ

キシコ合衆国),ザグレブ市(クロアチア),プラハ市(チェコ共和国)

1 内容

会議では,環境をテーマに,各都市代表の青少年から,身近な生活レベルの環境保護の  取組や,都市における環境保全の取組などの発表を行うとともに,意見交換により環境への理解を深めた。最後にメッセージを採択し,会議後は交流パーティーを行った。また,町家見学,企業訪問や市内視察,学校訪問,一般家庭へのホームステイなどを行った。

2 開催概要                       

⑴ 参加者 9姉妹都市から高校生2名(引率1名)及び京都市立紫野高校等の市内高校生

⑵ 日 程 平成19年8月4日(土)~8月6日(月)〔3日間〕

⑶ 主 催 国際青少年みらい環境会議2007 in Kyoto実行委員会

 (京都市・京都市教育委員会・京都市立堀川高校・京都市立紫野高校・京都市国際交流協会)

⑷ 共 催 京都洛中ロータリークラブ

⑸ 後 援 フランス総領事館をはじめとする姉妹都市各国大使館及び総領事館,

NHK京都放送局,KBS京都,京都新聞社

⑹ 会 場 京都市国際交流会館(イベントホール)

 

 

● それぞれ国によって体制が違いますので,アメリカのボストンの子などは,アメリカが議定書を承認していないことを私は恥に思うと非常に素直な発言をしていましたし,それぞれの立場での発言があって,なかなか興味深く,後の交流会も含めて相互の立場を理解するという意味では非常に有益だったと思っています。

○ 是非続けて下さい。

● 次回は他の姉妹都市でやっていただくと有り難いのですが。たまたま10周年記念というひとつの節目がありましたので,京都でやらせてもらいました。

○ やはりそういうイベントがあった時の後の知らせ方とか事前の準備とか,まだまだ宣伝が行き届いていないと思います。自分が後でちょっと見ただけなのでいけないのかもしれませんが。もうちょっと工夫があったらいいかもしれません。

● いろいろと走りながら連携してきたところもありましたが,考えた以上の成果が得られたと思っています。広報をもっとうまくやる方向にしていきたいと思っています。

○ 教育面で国際理解を深めるということで,他に発言がございますか。今週の金曜日ですが,タイの京都留学生の会,「京都クラブ」というのがありまして,その会長さんが来るのですが,それは京大だけでなくて,京都に学んだ人が結構団結しているのです。100人ぐらいは名簿が揃っていて,それ以外の人にも声を掛けようとしているのですが,やはりまちに対する思いがあるようです。ただ,京大だけで引き受けるわけにはいかないので,やはりまちになると思います。ですので,そういう流れをどういうふうに受け止めていったらいいのかということは,これからの課題だと思います。やはり京都は学ぶ場所として魅力があったと思っている人たちがいると思います。

● この前の多文化共生部会の会議でも話がでましたが,京都ファンを増やすという意味では,そういう方々はとても貴重な財産だと思います。

○ 会長さんはウィーワットさんという人ですけれども,この前までチュラロンコーン大学の教授で,今は新しいナノテク,日本でいうと通産省工業支援所みたいなところの所長になられています。聞いてびっくりしたのですが,父,祖父の代から2代か3代続けて,戦前から京大に留学したそうです。そういう人もおられますので,京都の中だけで考えないで広く考えたらいいと思います。本当は,機会を見つけてその人たちが小学校に行って話をしてくれるようなことがあると面白いと思いますが。

● 今年は2回目になりますが,タイの総領事館主催で,タイフードを中心とした文化紹介ということで,新風館で開催されました。1回目はちょっと少なかったのですが,今年は屋台もたくさんでていましたし,たくさんの方に来ていただいて賑わっていました。その時にいらっしゃったかどうか分かりませんが,そういう機会にでも活用されればいいと思います。

○ ちょっと認識しておかなければいけないのは,若い20代前半の人たちの交流の仕方というのが私たちと全く違うということです。例えば,彼らはサイトでブログなど日記みたいなことを書いて交流を図っています。そういったあたりで,若い人たちの心を掴むのは,私たちの従来の方法では無理だと思います。ですから,ある程度の予算を与えて,市のHPでバージョンⅡみたいなものを開き,  一番若手の職員の人たちに任せて自由にやらせるというような体制が大切ではないかと思います。そういう若い世代の人たちにとって,インターネットというのは情報を得るというところだけではなくて,生活の欠かせない一部になっています。私たちの世代だとテレビ,その前の世代だとラジオだったのですが,今の世代の人たちは,インターネットに1番時間を費やすということですので,いくらかはわかりませんが,ある程度の予算を与えて彼らに任せてしまうのが1番有効なのではないかと思います。

○ でもそれだけになってしまうのもダメだと思いますが,大事な問題と思います。

 

イ これまでの論点の整理と素案の取りまとめについて

 

○ 無限に意見は出てきますので,それをもっと取り入れていいレポートにしていきたいのですが,今日事務局のほうから出していただいた資料1の「Ⅰ策定の趣旨」「Ⅱ目標」「Ⅲ実現に向けて」という構成の推進プランの書き方でいいのかどうかということ,ご意見がございますか。

○「2国際交流・協力分野」の(2)にある防災対策の促進なのですが,防災対策というのは,理解されにくいところもあるように思います。例えば,災害ということで神戸とかサンフランシスコとか大きな災害にあったことのある街もありますし,防災対策がまちで非常に大切だという考えは非常に日本らしい考え方です。でも,例えばアメリカのミネソタの人たちがこれをみて,「なぜこんなものが入っているのだろう」という違和感を持つような気がします。

○ 実は,これは私が入れたらいいのでは,という意見を持っているのですが,何か言葉を変えた方がいいかもしれません。たしかに言葉が怖い印象を与えるので,日本に来た時に地震がきたらどうしようとか思われるかもしれません。今,環太平洋全体がちょうどアクティブピリオド(active period:活動期)に入っていますし,京都の場合は,花折断層などがあります。京都は,ちょっとでもビルが倒れたら消防車が入れないのです。

○ 金曜日にドイツの建築家が来た時に,建築物の耐震性などについて調べたり見たりしていたのですが,庁舎を見て,これだけの規模でこんなに耐震性の強いものはドイツでは見たことがないと言っていました。例えば,地下にスプリンクラー用の水を40L確保したりですとか,壁も非常に厚いものを設けたりということをしているのですが,京都でそんなに大きな災害があったとも聞かないのにどうしてだろうと言っていたので,私もちょうど今,先生が言われたようなことを説明したところです。ですから,アーティストインレジデンスのプログラムをやる時には,そのあたり彼らが不安に思わないようにした方がいいと思います。

● これにつきましては,京都の防災技術を世界に紹介するというか,技術指導という意味で書いています。京都の防災の特徴として,一つは住民組織がとてもしっかりとしていて,地域に一つずつ自治防災組織というグループが各町内にありますとか,文化財保護の面で住民と行政が共同で火事などがあった場合には運ぶとか,京都大学などで,どこの岩盤が強いとか弱いとかを全部調べて,いざ何かが起こった時に防災のシミュレーションが正確にできるというようなこととか,他の国に教えられるようなものを持っていると,そういう意味で国際貢献ができるのではないかという意味の京都の特徴ということで書かせてもらいました。

● 今ご説明したことにつきましては,共生分野のほうでも京都に住んでいる外国籍の方々,特に言葉の不自由な方々に災害が起きた時にどうしようかと,いかに適切に伝えるかということが課題と思っておりまして,検討してもらっています。

○ いろいろとありがとうございます。こうやってやり取りをしていると,言い方や見方を変えたら大事なこともあるし,出てきますね。

今日頂いた書類の中で推進体制という1枚ものがあったと思いますが,資料4ですね。京都市の市役所のほうで,取り組まれている仕組みがここにでています。これについて今日はもう時間がないのですが,見ておいて頂いて次の会合までにこういう推進体制ではここが手ぬるいとかここがすばらしいとかご意見がありましたら寄せていただくということでお願いします。特に事務局の方からこの辺に特に注目して欲しいということがありますか。

● 今日は斉藤委員がご欠席ですけれども,京都市の中の体制の整備というのも 大事だと思うのですが,他に例えば経済界ですとかの連携とかももう少しできればと思っています。

○ 教育委員会とも連携を取ってください。

○ 教育委員会はあまり出てこないですね。

● 教育委員会は京都市ですから,当然連携をとっていきます。

○ ここでは,京都市国際交流会館がよく書かれていますが,それについて何かありますか。国際交流会館さんでは,取組体制について,場面によってはもう少し市とは独自に展開したいとかありますか。今,予算の面では大変ご心労,ご尽力いただいていると思いますが。

○ 全然話は違うのかもしれませんが,私どもとしましては,10年振りに改定することに合わせまして,今後の事業の運営とか合わせていかなければいけないと思っています。やはり京都市あってのうちの協会だと思っていますので,これはすごく大事だと思っています。ただ,おっしゃっていただいたように予算に関しては厳しい面がありますので,どうやってしていけばいいのかと考えていかなくてはいけないと思っています。

○ 商工会議所との連携は,この会議でちょっとみえてきていますが,今まであまりなかった部分ではないかと思います。協会ともう少しダイレクトにやらなくてはいけないのでしょうか。例えば,錦小路とフィレンツェが何かやろうと思ったら,食材の交流はうまくいかなかったと言われたのですが,どちらも保存食については乾物ありチーズありで,すごくリッチな文化があるわけです。ですので,ちょっと工夫したらもう少し面白いやり方があるのかなと,今日来ておられたら聞いてみたかったのですけれども。京都はやはり保存食文化が大きいと思います。それは,始末することとも絡んでいると思いますし,ちょっと一つの例ですが。

   時間が参りました。有意義なご意見をありがとうございました。

○ もう一つの分科会に興味がありましたら,お出掛けを下さいという案内をいただくのですけれども,それは都合がなかなか付かないのですが,どんな話をなさっているかは,一度いただけたら参考になるので,いただけないでしょうか。私たちの話し合ったことは逐次いただくのですけれども,そういうことが可能ならお願いできたらいいなと思います。

● また会議録を送らせていただきますので,ご覧いただければと思います。そしてできましたらまた仰って頂けましたら出させて頂きたいと思いますので,よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

お問い合わせ先

京都市 総合企画局国際交流・共生推進室

電話:075-222-3072

ファックス:075-222-3055

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