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市長記者会見(2004年2月4日)

ページ番号13622

2023年4月12日

平成17年2月4日 桝本市長臨時記者会見資料

はじめに


 本日は,来年度の予算編成が最終段階を迎えましたので,予算案の規模・特徴と予算編成に当たって政策的に盛り込みました主な項目について,ご説明いたします。
 なお,本日発表いたします案件以外の予算案の内容につきましては,後日,担当部局から発表いたしますので,どうぞよろしくお願いいたします。

 

平成17年度予算案の概要

 

 わが国の経済は,緩やかな回復基調にあり,税収見通しもやや上向いておりますが,国や地方の財政は非常事態を脱し得ず,依然として大変厳しい状況にございます。
 来年度の予算編成に当たりまして私は,こうした厳しい現実を踏まえ,まずは財政の健全化をしっかりと見据えながら,さりとて縮小一辺倒に陥ることなく,「ますもとマニフェスト」で市民の皆様にお約束した政策をすべて実行する,そういう決意をもって臨んでまいりました。
 予算編成に際しまして,私が特に留意したことが3点ございます。
 まずは,昨年7月,「ますもとマニフェスト」をすべて盛り込んで策定しました「京都市基本計画第2次推進プラン」を年次計画に従って着実に推進することでございます。
 2つ目は,直面する財政危機にしっかりと対応するため,財政健全化への歩みを確かなものにすること。3つ目は,そのために,事務事業の見直しや人件費の抑制をはじめ,聖域なき市政改革の取組をこれまで以上に推し進めること。併せて,京北町との合併につきましても,「合併してよかった」と実感していただけるように万全を期したところでございます。
 平成17年度一般会計当初予算案は,お手元の資料のとおり,総額6,902億円,今年度当初予算と比較しまして,350億円,5.3%増としております。この予算増の主な要因といたしましては,厳しい経営環境にある中小企業の皆様を支援するための金融政策や生活保護費,そして,京北町との合併に伴うものなどであります。これを除きますと,今年度予算とほぼ同規模の「プラス0.5%」となっており,私がマニフェストで市民の皆様にお約束した政策,すなわち,市民生活の安心安全と将来の京都のために,厳選した政策を実行するうえで是が非でも必要な予算を,引き続く厳しい財政状況の下で編成したところでございます。
 予算編成におきまして,最も苦慮いたしましたのが財源の確保でございます。
選択と集中の徹底,人件費総額の抑制,事務事業評価に基づく徹底した事業見直しにより歳出抑制を図り,また,市税軽減措置の整理合理化による歳入確保に努めるなど,聖域なき改革を断行いたしました。
 また,本市の来年度予算に係る国予算の確保の状況でございますが,新たに一般財源化される国庫補助負担金25億円に対して,税源移譲による増収で,ほぼ均衡を保つことができ,また,地下鉄東西線の延伸をはじめとする必要な国費もしっかりと確保いたしました。
 こうした取組の成果に加えて,景気回復による市税収入の増もあり,当初見込んでおりました財源不足額325億円を187億円まで大幅に圧縮したうえで,暫定的な財源確保策を講じ,必要な財源を何とか確保できる見通しがついたところでございます。こうした財源の確保の上に立った来年度当初予算は,
 まず第1に,安心安全ネット戦略プランや水災予測システムの整備等の市民生活の安心安全,
 第2に,歴史都市京都のまちなみと三山の景観保全や電線類地中化の集中的取組などの国家戦略による京都創生の推進,さらには,保育所及び学童保育の待機児童の解消に代表される子育て支援,
 これらの政策に重点をおいたところであり,言わば,「市民の安心安全と将来の京都を見据えたマニフェスト実現の有言実行予算」でございます。
 それでは,とりわけ私が政策的な判断により盛り込みました特徴的な項目を,いくつかご説明申し上げます。
 はじめに,市民の皆様の安心・安全など暮らしを守る政策からご説明いたします。
まず,水災から市民の皆様の生命と財産を守る「水災予測システムの整備」でございます。
 近年,地球温暖化の影響とも言われる集中豪雨が多く発生しており, 本市においても昨年8月7日に,1時間当たり102ミリメートルの集中豪雨を記録いたしました。また昨年,全国各地に猛威を振るった台風による河川の氾濫や家屋,道路への被害はもちろんのこと,地下空間等への浸水被害が新たな問題としてクローズアップされております。
 そこで,本市では,水災の発生をいち早く予測し,迅速に市民の皆様にお知らせするため,平成19年度の完成を目指して「水災予測システム」の開発に着手してまいります。
 これは,市内37箇所の雨量計のリアルタイムデータや気象協会の降雨予測,加えて河川の水位や下水道の排水能力などをもとに,時間を追って,浸水被害がいつ頃どの地域にどのような規模で発生し拡大していくのかを予測する全国で初めてのシステムで,このシミュレーション結果を各区の災害対策本部に提供し,的確・迅速な判断の下,避難指示等を行ってまいります。また,災害情報につきましては,消防団や自主防災会など地域に的確・確実に提供できる仕組みも構築いたします。
 続いて,環境共生のまちづくりを進める「プラスチック製容器包装の分別・リサイクルの推進」でございます。
 本市では,環境負荷が少なく持続可能な循環型社会を実現するため,ごみの発生の抑制に重点を置きながら,缶・びん・ペットボトル等の資源ごみや廃食用油の収集・再資源化に積極的に取り組んでおります。このうち, トレイ,カップ,パック等のプラスチック製容器包装の分別収集・リサイクルについては,平成12年度からモデル収集を開始し,対象世帯の拡大を図りながら,昨年10月には,市内の約1割強に当たる7万2千世帯まで拡大いたしました。このプラスチック製容器包装の分別収集・リサイクルを今後更に強化し,平成19年度には,市内64万世帯の全世帯に拡大してまいります。そのため,平成17年度は,拡大に必要な選別・圧縮を行うための中間処理施設の場所を決定したうえで,整備に必要な環境影響調査や設計等に着手いたします。
 家庭ごみの容積比で約4割に相当するプラスチック製容器包装の分別収集の拡大は,ごみの減量と資源の有効活用に大きく貢献するとともに,本市が目指す温室効果ガスの削減目標10%のうち,概ね1.3%,1年当たり10万トンの削減が見込めるもので,市民の皆様のご協力を得ながら積極的な展開を図ってまいります。
 続いて,市民の足を守る「小型バス・乗合タクシー代替モデル実証実験」でございます。
 規制緩和の下で,徹底したコスト削減を実施してもなお赤字となる「生活支援路線」を,守り抜くことは,市バス事業の中でも最大の課題でございます。
 そのため,先般「京都のバス事業を考える会」からいただきました,全国的にも画期的な中間答申を踏まえ,利用人数に応じ,現在の大型バス・中型バスに替えて,小型バスや乗り合いタクシーを活用する4つのモデル・8路線の実証実験を本年7月から実施いたします。効率化と利便性の向上の両立を目指す本市の「生活支援路線」の確保策として,また,全国のバス事業のモデルともなるこの実証実験は,今後の京都のバス事業の展開を図るうえで,大きな鍵を握るものであり,市民の皆様のご理解をしっかりといただきながら,万全の準備を進めてまいります。
次に,京都の将来の発展に欠かせない京都創生の推進などについてでございます。
 歴史都市・京都創生の大きな柱である景観を保全・再生するため,本市は,これまで,全国に先駆けて美観地区,風致地区の広域的な指定や土地の買い上げなど,先進的な景観政策を推進してまいりましたが,京町家に代表される歴史的・伝統的な意匠を持つ建造物の減少や中高層建築物の増加などにより,風情ある京都の町並みが急速に変貌しつつあります。
 そのため,強制力のある措置や広域的な観点からの規制・誘導を可能とする「景観法」の制定を契機に, 「時を超え光り輝く京都の景観づくり事業」と「「守っていきたい京都の風景」保全ガイドラインの策定」に取り組み,日本人の心のふるさとである京都の景観を国と連携し,しっかりと守ってまいります。
 1つ目の「時を超え光り輝く京都の景観づくり事業」は, これまでの京都市の景観政策を総括し,「地域の特色に応じた規制・誘導の展開」と「景観重要建造物の指定」を取組の柱に,より効果的かつ総合的な景観制度として再編,拡充してまいります。具体的には,既存の規制地区の見直しと拡大,景観形成の重点区域となる「景観地区」の指定,京町家などを地域の景観上の核となる「景観重要建造物」に指定し,相続税の評価の引き下げ措置を受けられるようにすることなどでございます。
制度の具体化に当たりましては,学識経験者や市民公募委員などで構成される審議会を設置して,検討を進めてまいります。
 2つ目の「守っていきたい京都の風景」保全ガイドラインは,神社仏閣や庭園からの「借景」に加えて,公共的な場所や橋の上などから鴨川や三山を見た場合などの優れた「眺望景観」を守るため,眺望場所や眺望対象を特定し,併せて保全するためのきめ細やかなガイドラインを策定するものでございます。
 続いて,「5000万人観光都市・京都」を目指す「京都ならではの新・観光推進事業の展開」でございます。
 本市では,オール京都で観光政策を積極的に推進し,入洛観光客は3年連続で過去最高を記録しております。新年以降も,「洛バス」路線の整備や携帯電話を活用した次世代型観光案内システムの構築,ロケ撮影支援事業など,京都ならではの観光政策の展開をすでに皆様にお知らせしたところでございます。
 こうした京都観光の流れを更に加速させ,観光客数の増加にダイレクトに繋がる通年型観光,滞在・宿泊型観光を促進すると同時に, これまでの名所・旧跡を訪れる物見遊山的な観光から参加体験型の観光へとシフトしてきている観光形態に対応するため,来年度は2つの新たな観光推進事業を展開してまいります。
 1つ目は,「新・体感型観光推進事業」で,冬のオフシーズンを中心に,地域に根ざした珠玉の観光資源を発掘・開発することといたしており,例えば,自分で作った茶碗で茶の湯体験など,京都でなければ体験できない多彩な体感型イベントを市内一円で100以上展開してまいります。
いま1つは,「京都・花灯路」の新展開で,京都の風物詩として106万人を超える方が来場された「京都・花灯路」を東山地域に加えて,新たに嵐山・嵯峨野地域でも開催いたします。
 次に,子育て支援都市・京都の最重要政策である「保育所及び学童保育の待機児童ゼロ実現」についてでございます。
 少子化や核家族化など世帯構造の変化が進む中,21世紀の主人公である子どもたちの成長を社会全体で支えていくことは,大変重要であり,様々な子育て施策の中でもとりわけ,保育所及び学童保育の待機児童をゼロにすることは喫緊の課題でございます。
 保育所につきましては, 17年4月当初に待機児童350人が見込まれますが,新たに3箇所の保育所を新設するほか,既存保育所の増築等により,365人の定員増を図り,併せて,保育需要が高い地域の児童を余裕のある保育所に送迎する事業を試行的に実施いたします。また,250人の待機児童が見込まれる学童保育につきましても,児童館4箇所の新設,4箇所の増築をはじめ,既存施設の再整備などにより,受入児童400人の増加を図ってまいります。このように,16年度の2倍以上に当たる約10億円の予算を平成17年度に投入し,保育所及び学童保育の待機児童ゼロを実現するための施設整備等を実施してまいります。
 最後に,信頼とパートナーシップによるまちづくりを推進する「個性豊かな区づくりを進める区政策提案事業」でございます。
 本市では,市民にとって最も身近な総合行政機関である区役所が,個性を生かした魅力あるまちづくりを推進し,良質なサービスを提供できるよう,全庁をあげて区政改革を積極的に推進しております。その大きな柱である「各区基本計画の推進と区民の声を市政に反映するためのシステムの構築」として,平成17年度予算編成から,「区政策提案予算システム」を導入いたしました。
 これは,区長のマネジメントによって抽出した区行政の重点課題のうち,各区が独自に企画・実施する事業について,区役所が直接政策重点化枠予算を要求できるようにしたものでございます。11区役所・3支所から合計36事業の予算要求があり,区民とのパートナーシップが結実したものや一層の強化が期待できるもの,更には,よりきめ細やかな施策の展開が見込めるものという視点から精査いたしました。文化観光資源の活用や緑化の推進,更には,交通事故や犯罪の防止など,各区の個性や工夫を凝らした5つの事業について予算を計上いたしました。
 
 以上,来年度の予算(案)の概要についてご説明申し上げました。
 
時代の大きな転換期,激動の時代にあって,「時を超え 美しく ひと輝く 歴史都市・京都」を築いていくことが,147万人の市民の皆様の願いであり,私の使命でございます。
 私自身が先頭に立って,全庁一丸となって,「日本に京都があってよかった」と実感できるまちづくりに全力を傾注してまいります。

 

 私からは,以上でございます。

 

(市長記者会見資料)

 

平成17年2月4日
京都市
理財局主計課
222-3291


平成17年度当初予算(案)について

 

1 一般会計予算の規模

一般会計予算の規模 

平成17年度(案)

平成16年度

差   引

伸 び 率

(64億円)

6,902億円 

6,552億円

350億円

5.3%

 

※ 「平成17年度(案)」欄の上段( )書きは,京北町との合併に伴い必要となる予算で内数

<参考>主な増要素 

中小企業金融対策預託金      +193億円(⑯282億円 →⑰475億円)

生活保護費                 + 58億円(⑯618億円 →⑰676億円)

 

2 主な財源

(単位:億円)

主な財源 (単位:億円)

区   分

平成17年度(案)

A

平成16年度

B

中期財政

収支見通し C

差  引

A-B

A-C

市税

(6)

2,362 

2,309

2,337

53

25

地方譲与税

府税交付金

(13)

363

327

323

36

40

地方交付税

臨時財政対策債

(32)

1,089

1,150

1,057

△61

32

地方特例交付金

その他

(0)

174

171

160

3

14

 

※ 「平成17年度(案)」欄の上段( )書きは,京北町との合併に伴う増加分で内数
※ 「中期財政収支見通し」欄は昨年7月に策定した「財政健全化プラン」に掲載した数値

 

3 予算編成の特徴
 「新京都市都市経営戦略」に基づき策定した「市政改革実行プラン」と「財政健全化プラン」の取組を進め,市税軽減措置の整理合理化をはじめとする歳入の確保と,事務事業の徹底した見直しなどによる局裁量枠の圧縮,職員数の適正化等による総人件費の抑制などによる義務費等枠の縮減に努めた。こうして確保 した貴重な財源により,「基本計画第2次推進プラン」を,年次計画に従い着実に推進する「市民の安心安全と将来の京都を見据えたマニフェスト実現の有言実行予算」として編成した。とりわけ,政策重点化枠については,「財政健全化プラン」に示したとおり40億円の財源を確保し,「政策重点化方針」に掲げる次の政策 分野に重点的に配分した。

(1) 歴史都市・京都の創生と文化の薫る美しいまちづくり
(2) 区役所を核とした市民参加による安心安全で魅力ある地域まちづくりの推進
(3) 環境をあらゆる政策の基本とした環境共生型都市の実現
(4) すべての市民が安らぎをもって暮らせる福祉のまちづくり
(5) 子育て支援と学校教育の充実
(6) 力強い京都経済の再生と都市基盤整備

 

4 主な施策・事業の一例
【安心・安全】
(1) 水災予測システム(仮称)整備(14,000千円)

昨年は,台風23号をはじめ,度重なる台風の上陸や局地的な集中豪雨による河川の氾濫など多くの水災が発生し,本市においても,1時間当たり102mmの集中豪雨が記録された。河川の氾濫や家屋,道路への被害の危険性はもとより,市街地・地下空間への浸水等に備えるため,市内37箇所にある雨量計の観測データ等を活用して,市内全域を対象に,どの地域で,いつ頃,どの程度の浸水被害が発生するかを予測する水災予測システムを全国で初めて開発し,避難指示等の的確・迅速な判断と情報提供を行う。

<事業概要>
○取組内容
(ア)水災シミュレーションの開発
河川の氾濫等による浸水をリアルタイムに予測するシステム開発
[活用データ]
降雨量データ,地域の高低差データ,下水・河川の排水処理能力データ,降雨予測データ等
(イ)市民への情報連絡体制の構築
(ウ)検討委員会の設置
 システムの整備に当り,学識経験者や関係機関で構成する委員会を設置し,以下を検討する
・水災シミュレーション
・避難指示のあり方等
・市民等への情報提供

○スケジュール(予定)
平成17年度…基本設計・検討委員会設置
平成18年度…実施設計
平成19年度…システム完成
平成20年度…運用開始

 

水災予測システム(仮称)イメージ図

 

【環境】
(2) プラスチック製容器包装の分別・リサイクルの推進(130,000千円)
 環境負荷が少なく持続可能な循環型社会を実現するため,トレイ,カップ,パック等のプラスチック製容器包装の分別収集・リサイクルを,現在,市内の約1割強に当たる7万2千世帯で実施しているが,平成19年度には,市内64万世帯の全世帯に拡大していく。
 そのため,平成17年度は,拡大に必要な中間処理施設の場所を決定したうえで,整備に必要な環境影響調査や設計等に着手する。

<事業概要>
収集計画量  11,283トン/年(平成19年度)
収集体制   現行方法(パッカー車)
中間処理施設 環境局所管の既存施設を活用する方向で検討 能力:60トン/日
スケジュール 

平成17年度 環境影響調査,設計等
平成18年度 着工
平成19年度 施設稼動 <分別収集全世帯拡大>

 

「プラスチック製容器包装の分別収集・リサイクル」のイメージ図

 

【交通・市民生活】
(3) 小型バス・乗合タクシー代替モデル実証実験(10,000千円)
 「京都のバス事業を考える会」からの「生活支援路線のより効率的・効果的な確保策」についての中間答申を踏まえ,生活支援路線の利用人数に応じ,現在の大型バス・中型バスに替えて,民間交通事業者の創意工夫を活かした小型バスや乗合タクシーによる代替モデル実証実験を行う。

<事業概要>
○代替モデル実証実験の候補路線(実証実験の4つのモデルケースと,候補となる8路線)
・小型バスにより終日代替運行するもの(16号,南8号)
・乗合タクシーにより終日代替運行するもの(84号,臨南5号)
・乗合タクシーにより早朝・夜間代替運行するもの(42号,43号)
・小型バス又は乗合タクシーにより早朝・夜間一部区間を代替運行するもの(31号,65号)
○事業内容
・小型バス,乗合タクシーによる代替運行(本予算には含まず※1)
・利用者,沿線住民等へのアンケートの実施等モデル実証実験の検証
○実施期間
平成17年7月から平成18年3月まで

※1
 代替運行に要する主な経費として,人件費,運賃箱の設置や行き先等の表示といった車体改造費等が必要であり,別途,公営企業会計から支出予定。
 なお,民間事業者の参画状況や運営体制に応じて,代替運行に要する経費が算出されるため,現時点では,金額は未定。

 

【京都創生】
(4) 歴史都市・京都の景観づくりの推進
時を超え光り輝く京都の景観づくり事業(20,000千円)

 市では,歴史都市・京都創生の大きな柱である「景観の保全・再生」のため,これまでから全国に先駆けて美観地区,風致地区などの広域的な指定や土地の買い上げなど,先進的な景観政策を推進してきたが,都心部での京町家の急速な減少や中高層建築物の増加などにより,景観の保全・再生は困難な状況に直面している。
そのような状況の下,平成16年に日本で初めての景観に関する総合的な法律である「景観法」(平成17年完全施行)が制定された。これを契機に,これまでの本市の景観政策を総括し,「地域の特色に応じた景観の規制・誘導の展開」と「景観重要建造物の指定」を取組の柱に,より効果的,総合的な景観制度として再編・拡充する「時を超え光り輝く京都の景観づくり事業」を実施する。

 

<概要>
○地域の特色に応じた景観の規制・誘導
・既存の規制地区の見直しと拡大
・景観形成の重点区域となる「景観地区」の指定
・景観重要公共施設(景観計画に定めた道路・河川等)と一体となった
景観創出  等
○「景観重要建造物」の指定
・京町家などを地域の景観上の核となる「景観重要建造物」に指定し,相続税の評価の引き下げ措置を受けられるようにする
・景観整備機構(良好な景観形成のための業務を行う財団法人やNPO等)が景観重要建造物を管理できるようにし,所有者の維持・管理等の負担を軽減
(17年度の取組)
・「時を超え光り輝く京都の景観づくり審議会」(仮称)の設置
・第1次景観計画(既存の景観政策や景観重要建造物の指定方針などを盛り込んだもの)策定
・景観重要建造物及び景観整備機構の指定

 

「守っていきたい京都の風景」保全ガイドラインの策定(5,000千円)
 京都の市街地から三方の山並みを遠くに望む風景(眺望景観)は,市民のみならず,国内外の多くの人々から広く愛されてきた。
 しかし,近年の町並みの変化により,眺望が阻害される事例が次第に増えてきていることから,従来の庭園からの「借景」にとどまらず,公共的な場所や橋の上などから鴨川や三山を見た場合などの優れた眺望景観を守るため,眺望場所(視点場)や眺望対象を特定するとともに,保全するためのきめ細やかなガイドラインを策定するものである。

 

<事業概要>
 今後実施する眺望景観に関する市民意見募集を踏まえ,保全すべき眺望景観について,視点場や背景となる景観の選定,阻害要因等の詳細調査を実施し,それぞれの景観特性や課題などを明らかにしてガイドラインを策定する。
○スケジュール
平成17年度 調査の実施
平成18年度 ガイドラインの策定

※ 眺望景観
神社仏閣の建物や庭園をはじめ,河川や橋,道路といった近くの景色と,その背景に広がる山並みなどが調和したもの(借景も含まれる)

 

眺望景観のイメージ図

 

【5000万人観光都市】
(5) 京都ならではの新・観光推進事業の展開(81,000千円)
 京都市では,「5000万人観光都市・京都」の実現を目指し,オール京都で京都ならではの観光政策を積極的に推進しており,入洛観光客数が3年連続で過去最高を記録している。こうした京都観光の流れを加速させ,更なる観光客数の増加を図るためには,参加体験型への観光形態の変化に対応し,オフシーズンの集客,滞在・宿泊型観光を促進する事業展開が不可欠である。そこで,新たな体感型観光事業を創出するとともに,京都の風物詩として定着した「京都・花灯路」を嵐山・嵯峨野地域でも開催する。

 

<事業概要>
新・体感型観光推進事業(15,000千円)
 観光形態がこれまでの物見遊山的な観光から,参加体験型にシフトしてきている中,こうした変化に的確に対応していくために,冬のオフシーズンを中心に,旅行会社,地元観光関連業界の協力を得て,京都府等とも連携しながら,地域に根ざした珠玉の観光資源を発掘・開発し,多彩なジャンルにわたって京都でなければ体験できない100以上の体感型イベントを市内一円で実施する。

ジャンルとそのイベント例
「京の味」・・・京野菜収穫と京の味・技体験 
「京のながめ」・・・プロカメラマンとともに世界文化遺産を巡るフォトウォーク
「京のものづくり」・・・自分で作った茶碗での茶の湯体験
「京のくらし」・・・花街に残る「おばけ」の風習にちなんだ京風仮装イベント
「京の芸術」・・・寺院や神社・町家等で行うクラシック音楽の演奏
「京の伝統」・・・五条大橋から義経の時代に思いを馳せ,琵琶弾き語りを鑑賞
「京のまなび」・・・京都ゆかりの文学者の足跡を解説つきで辿るウォーク

京都・花灯路「東山事業」,「あらしやま さがの事業(仮称)」(66,000千円)
 「5000万人観光都市・京都」実現のシンボル事業として,京都市が中心となってオール京都の体制で東山地域において平成14年度から毎年3月に開催してきた「京都・花灯路」を,平成17年度から新たに嵐山・嵯峨野地域でも開催する。
内容:露地行灯による「灯りと花の路」等。「あらしやま さがの事業」では渡月橋周辺でのライトアップも予定。
開催時期:
1)あらしやま さがの事業  平成17年12月(予定)
2)東山事業         平成18年3月(予定)

 

【子育て支援】
(6) 保育所及び学童保育の待機児童ゼロ実現(1,041,070千円)

少子化や核家族化など世帯構造の変化が進む中,21世紀の主人公である子どもの成長を社会全体で支えていくことは,重要であり,施設の整備等により,保育所及び学童保育の待機児童をゼロにする。

 

<事業概要>
(ア)保育所待機児童の解消
 保育所の新設や増築,及び定員増による入所枠の拡大等を図り,待機児童を解消する。
○保育所整備等による定員増(合計365人)
1)新設による増…240人(3箇所)
2)増築による増…75人(3箇所)
3)定員増…50人(4箇所)

 

※<平成17年度 保育所整備等>

区名名称
1)新設中京区京都市御池保育所(仮称)⑯~継続
西京区桂坂地区保育所(仮称)
伏見区羽束師地区保育所(仮称)
2)増築右京区西京極保育所
西京区つみき保育園
西京区みつばち保育園
3)定員増左京区実相院保育園
東山区東福寺保育園
山科区大宅保育園
山科区椥辻保育園

 

○地域間格差是正のための送迎事業の試行実施
 保育需要が高い地域の児童を定員に余裕がある保育所へ送迎する事業を試行的に実施する。

(イ) 学童保育待機児童の解消
 児童館の新設や増築,地域学童クラブの開設や学童クラブ分室の整備,臨時職員の配置による受入れ児童数の拡大を図り,待機児童を解消する。
○施設整備等による受入増(合計400人)
1)児童館新設による増…240人(4箇所/うち2箇所120人分は,17設計のみ)
2)児童館増築等による増…80人(4箇所)
3)地域学童クラブ開設による増…20人(1箇所)
4)仮設学童クラブ分室の整備による増…60人(3箇所)

 

平成17年度 学童保育施設整備

 

※学童保育
 両親の共働き等の事情により,昼間留守になる家庭の低学年児童を対象に,放課後の児童の生活の場として,児童館及び学童保育所(小学校等の施設を活用するものを含む)において実施している。 
※地域学童クラブ事業
 児童館,学童保育所が近隣にない地域において,児童館を整備するまでの間,社会福祉法人等が自主的に,放課後の児童の生活の場として,保育園等で実施している。
※仮設学童クラブ分室
 学童保育需要の高い地域において,児童館を整備するまでの間,放課後の児童の生活の場として,小学校の空き教室などを活用して実施する。

 

【信頼とパートナーシップ】
(7)個性豊かな区づくりを進める区政策提案事業(37,000千円)

 個性を生かした魅力あるまちづくりの推進と,市民の目線で良質なサービスを提供できる区役所づくりに向けて,全庁を挙げて積極的に区政改革を推進している。その大きな柱である「各区基本計画の推進と区民の声を市政に反映するためのシステムの構築」を図るために導入した「区政策提案予算システム」により,新年度予算に向けて初めて,全ての区役所・支所が工夫を凝らした全36事業を提案した。この中から,①これまでの区民とのパートナーシップの取組が結実したもの,②今回の予算化を契機に区民とのパートナーシップの強化が一層期待できるもの,③区の特性を踏まえ,よりきめ細かな施策(地域の安心安全を進める事業等)を展開するもの,という3つの視点から精査し,次の5つの事業について予算に計上した。
*「区政策提案予算システム」:区長が区民の声を踏まえて自らのマネジメントにより抽出した各区の重点課題に基づき,区役所が主体的に独自事業を企画し,予算要求も行う新たな仕組み。平成17年度予算要求で試行実施した。

 

<事業概要>
上京区役所上京歴史探訪館(仮称)の開設(6,000千円)
 区内の歴史・文化資産の活用と地域の活性化を図る「上京歴史小路構想」を推進し,観光情報の収集・発信などの拠点となる「上京歴史探訪館」(仮称)を開設するとともに,地域住民を核とした運営団体を設立する。
中京区役所まちなかの緑化推進(中京区総合庁舎屋上等緑化)(10,000千円)
 芝生敷設などの緑化により中京区総合庁舎屋上等を緑化啓発の拠点に位置づけ,区民参加による維持管理や子どもの集う「みどりの広場」としての活用などを通じて,緑化運動を推進する。
山科区役所「交通安全やましなプラン」の推進(11,500千円)
 交通事故防止のため区民自らが策定した「交通安全やましなプラン」において改善が必要とされた危険箇所について,カーブミラーの設置など簡易で効果の高い改善を区民とのパートナーシップにより実施する。
西京区役所「なくそう犯罪」みんなで進める西京安心安全のまちづくり(7,500千円)
 地域住民にとって身近な「町」を単位とする自主的な防犯活動に対する支援などにより,「犯罪のない安全なまち」の実現を図る。
伏見区役所いきいきタウン「伏見/東灘」(仮称)(2,000千円)
 「酒どころ」としての酒蔵や町家そして伝統行事など多くの文化観光資源を有する両区がまちの魅力を競い合い,相互発信し,地域の活性化と観光振興を図る。

 

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京都市 総合企画局市長公室広報担当

電話:075-222-3094

ファックス:075-213-0286

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