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市長記者会見(2003年6月19日)

ページ番号13571

2013年6月7日

平成15年6月19日 桝本市長定例記者会見資料

はじめに

 

 本日は,「ものづくり都市・京都」の更なる活性化を目指して創設する「きらめき企業支援融資」及び「ものづくり元気融資」についてお知らせいたします。

 

1 「きらめき企業支援融資」及び「ものづくり元気融資」

 

 京都市では,長引く不況の中,厳しい経営環境にある中小企業者の方々を支援するため,本年1月に,「中小企業あんしん借換融資制度」を創設し,京都市内でわずか4箇月余りの間に,3,300件,680億円を超える大変多くのご利用をいただいております。
 最近の京都における企業倒産件数を見てみますと,4月,5月と2箇月連続30件台という低水準で推移しており,民間の調査機関「帝国データバンク京都支店」の発表では,「あんしん借換融資の実施により,中小企業の方々の資金繰りが改善され,企業の倒産が抑えられている。」と,不況対策として高い評価をいただいております。
 こうした喫緊の不況対策にしっかりと取り組む一方,「京都市スーパーテクノシティ構想」を策定し,「桂イノベーションパークの整備」や「京都バイオシティ構想」の実現に向けた取組など,「ものづくり都市・京都」の活性化策を積極的に推進しているところであります。また,本年3月には,「第1回伝統産業の日」の事業として,「きものクラシックコンサート」をはじめ,「四条京町家」や「みやこめっせ」など市内各所での伝統工芸品の展示・販売など,20を超える事業を実施し,3万8千人もの市民や観光客の皆様に京都の伝統産業の魅力に触れ親しんでいただくことができました。
 このように,21世紀においても京都らしい魅力を存分に発揮し,光り輝く存在感のある世界の京都であり続けるため,多彩な政策を積極的に展開しておりますが,このたび,京都のものづくりの取組を更に推進,支援していくため,創業や新分野進出に取り組まれているベンチャー企業に代表されるキラリと光る事業者の方々や,京都の優れた技術や研究成果を生かし,元気に設備投資を図ろうとされるものづくり企業の方々を金融面から積極的に支援する2つの新たな融資制度を創設し,7月1日から実施することといたしました。
 まず,1つ目の「きらめき企業支援融資」についてでございますが,これは,本市が実施しているベンチャー企業目利き委員会等において高い評価を受けられた事業者の方々に,必要な事業資金を低利で融資する制度でございます。
 また,2つ目の「ものづくり元気融資」でございますが,これは,京都のものづくりを担う中小企業者の方々が,設備投資に踏み切れない現況下において,積極的に設備の一新や充実,更新を行っていただけるよう,必要な資金を低利で融資する制度でございます。
 これら2つの融資制度の特徴でございますが,まず1点目は,「あんしん借換融資」と同様,本市の制度融資の中で最も低利な「年1.5%」としている点でございます。
 そして,2点目は,融資申込時の自己資金要件を抜本的に見直し,利用しやすくした点でございます。具体的には,「きらめき企業支援融資」については,ベンチャー企業や第二創業に取り組まれる中小企業者の方々の自己資金要件を廃止すると同時に,新たに事業を開始される方々の要件を,従前の50%から20%に引き下げてまいります。また,設備更新等を行う中小企業の方々を対象にした「ものづくり元気融資」は,自己資金要件を廃止いたします。
 3点目は,優良なベンチャー企業等を発掘,育成し,大きな成果を挙げているベンチャー企業目利き委員会や京都起業家学校など,本市の支援施策と連動した金融支援策として実施し,施策の相乗効果を図ろうとする点でございます。
 そして,4点目は,中小企業者の皆様の利便性の向上と融資の迅速化を図るため,身近な金融機関で相談・受付ができるようにしている点でございます。
 以上,4点が主な特徴でございますが,各々の制度の詳細につきましては,お手元の資料を御覧いただきたいと存じます。
 今後とも,これらの新たな融資制度をはじめ,経営・技術面の相談や様々な情報提供など,きめ細やかな支援施策を積極的に展開することにより,「京都市スーパーテクノシティ構想」が目指す,あらゆる産業が融合しながら新たなものづくりが「創発」する「ものづくり都市・京都」を着実に推進してまいる所存でございます。

 

 私からは,以上でございます。

 

(市長記者会見資料)

 

平成15年6月19日
京都市
産業観光局商工部経済企画課
222-3333

 

「きらめき企業支援融資」及び「ものづくり元気融資」の創設について
~「ものづくり都市・京都」の更なる活性化~

 

 本市では,長引く不況の中,厳しい経営環境にある中小企業者の方々を支援するため,本年1月,「中小企業あんしん借換融資制度」を創設し,大変多くの御利用をいただいています。
 こうした喫緊の不況対策に取り組む一方,平成14年3月に策定した「京都市スーパーテクノシティ構想」に基づき,「桂イノベーションパーク」の整備や「京都バイオシティ構想」の実現に向けた取組など,21世紀においても京都らしい魅力を存分に発揮し,光り輝く存在感のある世界の京都であり続けるため,多彩な政策を展開しています。
 この度,こうした未来を創造するものづくりの取組を更に推進,支援していくため,21世紀の「ものづくり都市・京都」の発展を担う,創業・新事業創出や第二創業,前向きな設備投資に積極的に取り組むベンチャー企業や中小企業者の方々を金融面から一層支援する,新たな融資制度を下記のとおり創設致します。



1 新たに創設する融資制度

 「京都市スーパーテクノシティ構想」を一層推進し,「ものづくり都市・京都」の更なる活性化を図るため,創業・新事業創出や第二創業,前向きな設備投資に積極的に取り組むベンチャー企業や中小企業者の方々への,新しい金融支援策として,「きらめき企業支援融資」及び「ものづくり元気融資」を創設する。

(1)「きらめき企業支援融資」(運転資金,設備資金)

 本市が実施するベンチャー企業等支援施策において高い評価を受け,創業や新事業創出,第二創業に取り組むベンチャー企業・中小企業者の方々が必要とする事業資金を低利で融資する制度

(2)「ものづくり元気融資」(設備資金主体)

 製造業,ソフトウエア業など,京都のものづくりを担う中小企業者の方々が設備の一新,充実・更新に必要とする資金を低利で融資する制度

 

2 主な特徴‥詳細は別紙1及び2のとおり

(1)低利な融資利率

 「中小企業あんしん借換融資」と同様,本市制度融資の中で最も低利な「年1.5%(固定金利)」とする。

(2)自己資金要件の廃止・引下げ

○きらめき企業支援融資

・ベンチャー企業や第二創業に取り組む中小企業者については自己資金要件を廃止する(10%→0%)。

・新規創業者については自己資金要件を大幅に引き下げる(50%→20%)。

○ものづくり元気融資

・自己資金要件を廃止する(10%→0%)。
(3)本市のベンチャー企業等支援施策と連動した金融支援策

 優良なベンチャー企業等を発掘,育成するなど,大きな成果を挙げている本市独自の支援施策と連動した金融支援策を実施する。(きらめき企業支援融資)

<本市におけるベンチャー企業等支援施策>
○ベンチャー企業や第二創業に取り組む中小企業者の発掘,育成

・「ベンチャー企業目利き委員会」によるAランク認定

・「バリュークリエーション支援制度」によるオスカー認定

○起業家の育成,支援

・「京都起業家学校」

・「京おんな塾」

○インキュベート施設(ふ化器)の提供等

・「酒蔵VIL」「バイオVIL」「VIF」「VIS」等

(4)金融機関での相談・受付

 中小企業者の利便性の向上と融資の迅速化を図るため,中小企業者に身近な金融機関(制度融資取扱金融機関)での相談・受付とする。


3 実施時期

平成15年7月1日

 

(別 紙 1)

「きらめき企業支援融資」

きらめき企業支援融資(運転資金,設備資金)

対象者(1)

ベンチャー企業目利き委員会のAランク認定企業

バリュークリエーション支援制度のオスカー認定企業

対象資金

事業に必要な運転資金,設備資金

融資利率

年1.5%・固定金利

融資限度額

2億円以内(うち運転資金8,000万円以内)

<自己資金不要(従前10%)>

融資期間

運転5年以内,設備10年以内

担保・保証人

原則として保証協会の保証が必要。保証人及び必要により担保

対象者(2)

京都起業家学校・京おんな塾の修了者,市指定のインキュベート施設の入居者(酒蔵VIL,バイオVIL,VIF,VIS等)

対象資金

事業に必要な運転資金,設備資金

融資利率

年1.5%・固定金利

融資限度額

1,500万円以内<自己資金20%(従前50%)>

融資期間

運転5年以内,設備7年以内

担保・保証人

原則として保証協会の保証が必要。原則,無担保・無保証人

 

「ものづくり元気融資」

ものづくり元気融資(設備資金主体)

対象者

製造業,ソフトウエア業等を営む中小企業者で,技術改善等の事業計画を有するもの

対象資金

設備施設の設置,更新等に必要な資金

融資利率

年1.5%・固定金利

融資限度額

8,000万円以内<自己資金不要(従前10%)>

融資期間

10年以内

担保・保証人

保証協会の保証が必要。保証人及び必要により担保

※上記融資の相談・受付は,制度融資取扱金融機関とする。

(UFJ銀行,京都銀行,滋賀銀行,京都信用金庫,京都中央信用金庫,商工組合中央金庫)

 

(別 紙 2)

 

<現行制度との比較:融資利率・自己資金要件>

(現行制度) 

 

(新制度)

「ベンチャー企業・新事業育成支援融資」  「きらめき企業支援融資」

・融資利率:年1.8%(ベンチャー企業等) → 年1.5%

 年2.0%(新規創業者) → 年1.5%

・自己資金要件:10%(ベンチャー企業等) → 廃止(0%)

50%(新規創業者) → 大幅引下げ(20%)

 

「設備資金関連の融資制度」   ※ 「ものづくり元気融資」

・融資利率:年2.0%~2.8% → 年1.5%

・自己資金要件:原則10% → 廃止(0%)


※「先端技術導入・技術開発融資」「新製品開発助成融資」

「伝統産業設備改善融資」「中小企業振興融資(設備資金)」

「中小企業経営改善融資(事業転換多角化資金,伝統産業体質改善資金)」

 

(参考資料)

 

1 京都市ベンチャー企業目利き委員会

・次代の京都経済をリードするベンチャー企業を発掘,育成するため,全国から事業プランを募集(常時)し,同委員会においてプランの事業性,技術・アイディアなどの審査・評価(年3回。7月,11月,3月)を行う。Aランク認定企業=事業成立可能性大

・平成9年4月に同委員会設立。これまで32企業をAランク認定。

 

2 バリュークリエーション(企業価値創出)支援制度

・中小企業者が新たな事業展開や新商品の開発,第二創業等を通じて,経営革新を図り,自社の企業価値を高めようとする事業計画「バリュークリエーション計画」を公募(年2回。5月,11月)し,バリュークリエーション審査委員会において優秀な事業計画の選抜(オスカー認定)を行う。(事業主体:(財)京都市中小企業支援センター)

・平成14年1月に制度創設。これまで21件をオスカー認定。

 

3 京都起業家学校

・次代を担う起業家たちを育成する起業家人材育成システム。京都の大学・産業界・専門家等で構成された100機関,300名を超えるアドバイザリーグループが,総合的,段階的に起業家の育成,支援を実施している。(会場:キャンパスプラザ京都)

・平成12年9月開講。これまでの修了生110名のうち,16名創業。

 

4 京おんな塾

・起業を考えている女性,起業に関心のある女性に対する起業家セミナーと,セミナー修了生を対象に個々の相談に応じる個別事業相談により構成。(会場:ウィングス京都等)

・平成8年度から実施。これまでの修了生247名のうち,51名創業。

 

5 酒蔵VIL(VIL=ベンチャービジネス・インキュベーション・ラボラトリー)

・バイオインフォマティクス(生命情報科学)分野の中小企業者・創業者に対する,旧酒蔵を活用したインキュベート施設。事業主体:(財)京都市中小企業支援センター。

・平成14年8月開所(伏見区本材木町),8区画。

 

6 バイオVIL
・バイオベンチャー企業のスタートアップ期を支援するための,給排水設備等完備のインキュベート施設。事業主体:(財)京都高度技術研究所。
・平成14年7月開所(下京区中堂寺南町・京都リサーチパーク内),5区画。

 

7 VIF(ベンチャービジネス・インキュベーション・ファクトリー:創業支援工場)
・ベンチャー企業目利き委員会のAランク認定企業が,創業時から経営が安定するまでの一定期間(スタートアップ期),低家賃で入居できる賃貸工場。
・平成11年5月開所(南区上鳥羽鉾立町),8区画。

 

8 VIS(商業ベンチャー・インキュベーション・ショップ:商い創出事業)
・商業・サービス業分野での起業支援のため店舗賃貸料等の補助などを行う事業。

・平成15年度開始事業。現在,募集中。

お問い合わせ先

京都市 総合企画局市長公室広報担当

電話:075-222-3094

ファックス:075-213-0286

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