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市長記者会見(2002年6月25日)

ページ番号13438

2023年4月12日

平成14年6月25日 桝本市長定例記者会見資料

はじめに

 

 本日は,市民応対窓口サービスの向上と全市的な業務の改善を図るために新たに取り組む3つのチャレンジについてお知らせいたします。

 

「プラス・アクション21」の取組に3つのチャレンジを導入  

 

 私は,前例や慣行に捕らわれず,市民の目線で積極果敢に行動する「明るく元気な京都市役所づくり」を目指し,平成8年から,つまり7年前から若手職員を中心とした「もっと元気に京都市職員チャレンジ・プロジェクト」など,様々な取組を展開して参りました。 
 とりわけ,昨年度からは,「京都新世紀市政改革大綱」の大きな柱である「市民感覚,市民の目線で良質なサービスを提供する市役所づくり」と,そしてもう一つは「職員の意欲と能力が最大限市民のために発揮される市役所づくり」を具体化させるため,「プラス・アクション21」と名付けた新たな取組をスタートさせ,まずは,市民の皆様に最も身近な区役所などにおける市民応対窓口サービス向上の大運動を行い,一層の市民サービスの向上と庁内活性化を推進して参ったところでございます。 
 更に,今年度からは,「プラス・アクション21」の取組をより効果的に推進するため,市民の皆様にもご参加いただくとともに,民間的な経営手法も取り入れた3つのチャレンジを導入することといたしました。  

 まず1つ目のチャレンジは,「京都市市民応対窓口サービス評価制度」の導入についてでございます。  
 行政サービスの大半は市場競争が存在しない分野であり,行政サービスの質の改善や向上を図るためには,行政自身の自律的な取組が不可欠となります。 
 そこで,今回,新たに導入する「市民応対窓口サービス評価制度」は,京都市の自治体運営の基本である市民参加の観点から,区役所などに来庁された方に応対の仕方や案内表示の分かりやすさといった,窓口サービスの基本的な事項についてアンケートを実施し,満足度を5段階で評価していただき,その結果を踏まえて必要な改善を行うものでございます。 
 ご案内のとおり,区役所・支所におきましては,6月17日から窓口業務における市民サービスの向上を図るため,「窓口フロア・サービス員」を配置し,好評を得ているところでございますが,その区役所・支所をはじめ,情報公開コーナーや公の施設など,広く市民の皆様がご利用いただく窓口におきまして,7月から8月末までの期間に,概ね400枚のアンケートの回収を目安に実施して参ることといたしております。評価の対象となった職場では,集計結果が平均点3.5点に満たない項目について,その原因を検証し,集計後2週間以内に具体的な改善策を策定のうえ,すべての評価結果とともに,次にご説明いたしますモニターによる第三者評価を受け,その結果を含めて全て公表する仕組みとなっております。また,3.5点以上の評価をいただいた項目につきましても,更に高い評価をいただけるよう,継続的に取組を進めます。 

 次に,2つ目のチャレンジである「京都市市民応対窓口サービスモニター制度」の導入についてでございます。  
 これは,利用者の満足度をより向上させるため,区役所や公の施設での応対時のサービスの提供や運営方法などについて,ご意見やご提案をいただく「窓口サービスモニター」30名を公募,委嘱するものでございます。 
 「窓口サービス評価制度」が,サービスの「受け手」の市民の皆様の参加であることに対し,このモニター制度は,それを一歩進めて行政と協働型で参加いただく仕組みといたしたいと考えております。 
 具体的な活動といたしましては,本市の区役所や公の施設等を利用される際に気付かれた意見や要望,提案などを3箇月に1回程度,レポートとして提出していただくほか,1つ目のチャレンジでご説明いたしましたアンケートによる窓口サービスの評価結果や改善策について,第三者としての立場から評価を行っていただきたいと考えております。また,共通のテーマを決めていただいたうえで,モニターと本市の職員を交えたワークショップ形式によるモニター会議を開催し,具体的な改善策についてもご提案をいただきたいと考えております。 
 こうした制度は,政令指定都市では初めてであり,市民の皆様の目線で職員の応対や施設の運営方法などについて,率直なご意見を賜りたいと考えております。 
 「市民応対窓口サービス評価制度」や「窓口サービスモニター」の導入が,サービスの担い手である職員にとって,常に市民の皆様から注視されているという良い刺激となり,このことが職員の志気を高め,更に質の高いサービスの提供を目指そうという原動力になるものと考えております。 

 最後に,3つ目のチャレンジである「全庁的な業務改善運動」の展開についてでございます。
 市政改革を更に強力に推進するためには,トップダウンによる大胆な改革に併せ,職場レベルでの自律的で継続的な改革・改善運動が不可欠でございます。 
 そこで,今年度からは,すべての職場において民間企業の改革手法でありますTQM(トータル・クオリティー・マネジメント:総合的品質管理)の手法を活用し,「市民応対窓口サービスの向上」はもとより,それぞれの職場の役割使命に応じた具体的な改革目標を定め,それに沿った業務改善運動を行い,その結果を点検して次年度の新たな改善につなげていく,いわゆる「PDCAサイクル」による継続的な業務改善運動を展開していくことといたしております。この取組を効果的に推進するため,6月末から所属長であるすべての課長級約500人を対象に研修を実施するとともに,私を本部長とする「京都新世紀市政改革推進本部」において,各職場の取組の定期的な点検,評価を行います。 
 「京都新世紀市政改革大綱」では,NPM(ニュー・パブリック・マネジメント:新公共管理法)理論による行政経営システムの改革を理念として掲げております。これを簡潔に申し上げますと,民間の経営理念,手法を行政運営にもできる限り導入するということでございます。前述の3つのチャレンジのうち,1つ目の「サービス評価制度」は「CS(カスタマーズ・サティスファクション:顧客満足度)調査」,2つ目の「モニター制度」は「モニタリング調査」,そして3つ目の「全庁的な業務改善運動」は「TQM」という民間的な経営手法を取り入れたもので,こうした3つの取組を総合的に実施するのは,全国的にも極めて先進的であると自負いたしております。 
 こうした3つのチャレンジによって,市民感覚でのサービスを目指す「顧客志向」を組織全体にしっかりと根付かせ,全職員の英知を結集することにより,常に市民の立場に立った高品質で満足度の高いサービスが提供できるよう,今後とも,市民の皆様の声をお聞きし,反映させながら成長していく市役所づくりに取り組んでまいりたいと考えております。 

 

市役所第一応接室における学校文化財の展示替について

 

 最後に,本日,ここ第一応接室に展示しております絵画の展示替えを行いましたのでお知らせしたと思います。
 第一応接室におきましては,市役所を訪問される国内外の賓客の方々に,京都市の学校を卒業された芸術家などから寄付されました,学校所蔵の文化財の素晴らしさを知っていただくため,平成8年9月から,学校文化財の展示を行っております。
 来年3月に,京都市を主会場として開催されます「第3回世界水フォーラム」に向けた京都市の様々な取組につきましては,先般お知らせをしたところでございますが,第一応接室を訪れられる皆様にも「水」への関心を高めていただくために,このたび,「水」をテーマにした4点の作品を展示することといたしました。
 作品の詳細につきましては,お手元の資料にご案内させていただいておりますので,ご覧いただきたいと存じます。

 

 私からは,以上でございます。

 

(市長記者会見資料)

平成14年6月25日
京都市
 総務局総務部行政改革課
222-3050

「プラス・アクション21」に3つのチャレンジを導入

~窓口サービス等の更なる向上に,市民参加と民間的経営手法を~

 京都市では,「京都新世紀市政改革大綱」に基づき,全庁挙げて市政改革を積極的に推進しているところです。 同大綱に掲げた「5つの市役所づくり」のうち,「市民感覚,市民の目線で良質なサービスを提供する市役所づくり」と「職員の意欲と能力が最大限市民のために発揮される市役所づくり」を具体化するために,昨年度から,職場ごとに自律的,継続的に改革・改善を進める「プラス・アクション21」をスタートさせ,まずは,「市民応対窓口サービス向上・大運動」について展開してまいりました。こうした取組をより一層効果的に推進し,常に市民の立場に立った高品質で満足度の高いサービスの提供ができるように,今年度から,本市自治体運営の基本である市民参加と民間的な経営手法を積極的に取り入れた3つのチャレンジを下記のとおり導入することといたしました。



 チャレンジ1 来庁者に窓口応対などの満足度を評価していただく「京都市市民応対窓口サービス評価制度」の導入
 チャレンジ2 区役所や公の施設について利用者の視点から御提案をいただく「京都市市民応対窓口サービスモニター制度」の導入
 チャレンジ3 民間的経営手法を活用し,すべての職場で目標を定めて改善・改革を行う「全庁的な業務改善運動」の展開

 なお,このような3つのチャレンジを総合的に実施するのは,全国的にも極めて先進的な取組です。

【プラス・アクション21】
 全職員が一丸となって,市役所の制度,仕組みや仕事の仕方について,「プラス思考」で改革・改善の活動(アクション)を行い,21世紀型自治体・京都市を創造する取組の総称

【5つの市役所づくり】
 ①新たな発想・手法を採り入れた政策自治体としての市役所づくり
 ②市民の厚い信頼とパートナーシップによる市役所づくり
 ③市民感覚・市民の目線で良質なサービスを提供する市役所づくり
 ④職員の意欲と能力が最大限市民のために発揮される市役所づくり
 ⑤限られた行政資源を最大限効率的・効果的に活用する市役所づくり

チャレンジ1 「京都市市民応対窓口サービス評価制度」の導入

 市職員の接遇を中心とした市民応対窓口サービスの質の改善と向上を図ることを目的に,窓口職場等において,来庁者アンケートによる評価を実施し,集計結果による改善策を講じるとともに,その内容を公表するものです。



(1)実施方法 (参考資料1,2)
 ①来庁者アンケート評価
 評価用紙(別添の様式を基本として,各実施職場の実態に応じて,設問の追加等を行う)によって,「応対の仕方(あいさつや言葉遣いなど)」,「説明の仕方(わかりやすさなど)」,「身だしなみ」,「用事が済むまでの時間」,「案内表示」について,来庁者に5段階(大変満足・満足・普通・不満・大変不満)で評価していただきます。
 ②集計及び改善策の立案等
 評価の対象となった各課等(実施職場)の所属長は,回収した評価用紙を集計(アンケート期間終了後2週間以内)するとともに,3.5点未満の項目について,その原因を検証し,集計後2週間以内に具体的な改善策を立案(可能なものは直ちに実施)します。また,3.5点以上の項目についても,更に高い評価をいただけるよう,継続的に取り組んでいきます。
 ③京都市市民応対窓口サービスモニターによる第三者評価
 全市分の集計結果と改善策等について,「京都市市民応対窓口サービスモニター」に意見等を頂戴します。
 ④評価結果及び改善策の公表
 全市分の集計結果,改善策(窓口サービスモニターの意見等を含む。)を取りまとめ,その概要を広報発表するとともに,市民しんぶんやインターネット等によって公表します。

(2)来庁者アンケート評価期間
 今年度は,7月1日から8月31日までの2箇月間のうち,各職場の実態に応じて,概ね100~400程度のアンケートの回収を目安に実施します。

(3)実施職場
 区役所や市情報公開コーナーなど,原則として,おおむね月100人以上の来庁者がある職場(管理運営を委託している本市施設を含む)で実施します。

チャレンジ2 「京都市市民応対窓口サービスモニター制度」の導入

 区役所や公の施設での応対等のサービスの質や運営方法などについて,利用者満足度をより向上させる観点から意見や提案をいただくために,市民応対窓口サービスモニターを公募,委嘱します。

(1)窓口サービスモニターの主な活動 (参考資料3)
 ①モニターレポート
 本市の区役所や公の施設について,利用された際に気付かれた意見,要望,提案などを3ヶ月に1回程度(10,12,3月),簡単なレポートにまとめて提出していただきます。
 ②京都市市民応対窓口サービスモニター会議
 モニターと本市職員を交えたモニター会議を開催して,ワークショップ形式により,モニターレポート等に基づいて本市市民応対窓口サービスに関する具体的な改善等の提案をいただくほか,「京都市市民応対窓口サービス評価制度」による評価結果と改善策等についての第三者評価をしていただきます。(8,10,3月開催予定)

(2)窓口サービスモニターの委嘱
 ①対象
 市内に居住する18歳以上の市民(本市の公職者,本市職員を除く。)から公募し,応募者の中から,年齢,性別,住所地域等を考慮のうえ選定します。
 ②定数
 30名以内
 ③任期
 委嘱の日(平成14年8月1日予定)から平成15年3月31日まで

(3)年間スケジュール予定

 ・6月26日~7月15日 モニターの募集
 ・8月上旬        委嘱式・第1回モニター会議
 ・10月中旬       第2回モニター会議
 ・3月下旬        第3回モニター会議

(4)モニターの応募方法
 ◆募集ビラ(京都市役所市政案内所,情報公開コーナー,区役所・支所の地域振興課などで6月26日から配布)
 ◆応募方法
  住所・氏名・年齢・性別・職業・連絡先電話番号と「応募の動機(400字以内)」を記載し,はがき又はFAX,電子メールのいずれかの方法で応募
 【郵 送】〒604-8571 京都市総務局行政改革課(住所の記載は不要)
 【FAX】075-222-4027
 【電子メール】 [email protected]

チャレンジ3 「全庁的な業務改善運動」の展開

 すべての職場において,民間企業の改革手法であるTQMの手法を活用して,「市民応対窓口サービス向上」はもとより,各職場の役割使命に応じた目標と改善計画(Plan)を定めて,具体的な改善活動を実施(Do)し,その結果を点検(Check)し,直すべき事項は速やかに是正(Action)し,次の計画につなげていくという,いわゆる「PDCAサイクル」による継続的な業務改善運動を行います。
 また,市長を本部長とする「京都新世紀市政改革推進本部」等で,各職場での取組を定期的に点検,評価,支援などを行うことによって,全庁的な業務改善運動を本格的に推進し,更なる市民サービスの向上など市政改革の推進を図ります。

【TQM(total quality management;総合的品質管理)】
 内部管理を含めて企業活動の全段階にわたって,経営者から管理者,監督者,作業員等まで企業メンバーの全員の参加と協力のもとに,品質管理(品質とは単に製品の質でなく,サービスをはじめ広く「仕事の質」を指す)を行う活動。

(1)各職場での取組
 ①交通,水道などの他任命を含めたすべての課等において,所属長が所属の職員との十分な討議等を通じて,遅くとも9月末までに当該年度における重点テーマ,具体的目標,活動計画等を策定し,これに基づいた具体的な改善等の取組を推進し,年度末に,その結果の自己評価等を行い,次年度の取組につなげます。
 ②各局区等に設置されている局長等を委員長とする「京都新世紀市政改革推進委員会」と,市長を本部長とする「京都新世紀市政改革推進本部」によって,各課等の取組状況について,点検,評価及び必要な指導,助言などを行います。

(2)プラス・アクション21実践講座
 全職場において,各職場の役割使命に応じた明確な目標を定めて,自律的・継続的な改革・改善活動を展開するために,所属長である全課長級職員(約500名)を対象として,TQMの手法等に関する研修会を,6月末から延べ6回実施します。

(3)プラス・アクション21推進委員会の設置
 全庁的な観点から,プラス・アクション21の取組を推進するために,他任命を含めた各局等の庶務担当課長などで構成する「プラス・アクション21推進委員会」を市政改革推進本部の下部機関として,5月28日に設置しました。

【プラス・アクション21推進委員会の構成】
 委員長  総務局総務部長
 副委員長 総務局人事部長,職員研修所長
 委員   行政改革課長,人事課長,給与課長,職員研修所担当課長,区政推進課長,各局等庶務担当課長(他任命を含む),区長会当番区企画総務課長

<参考>
「プラス・アクション21」の13年度の主な取組

 ①職場での取組
 ・13年6月から「パイロット職場」として,3職場(市民スポーツ振興室,中京区役所,子育て支援総合センターこどもみらい館)でモデル的に活動を実施
 ・13年10月から「実施職場」として拡大実施し,128職場(228課等)において,それぞれの職場実態に応じて取組を展開

【取組事例】子育て支援総合センターこどもみらい館
職員全員が自分の応対を自己採点した他,利用者にアンケートを実施。359件の回答が得られ,職員の言葉づかい,態度等について,「大変満足」「満足」が70%と高い評価を受けた一方,「冷房が強すぎる」「夕方5時を知らせる合図が欲しい」などの意見・要望も得られ,できることから直ちに対応しました。現在,この結果を参考に,更なる応対サービスの向上に努めています。

 ②市民応対窓口サービス向上検討委員会
 総務部長を委員長に関係部課長で構成。13年度に8回開催。

 ③研修
  ・13年8~9月に所属長である全課長に「市民応対窓口サービス講座」を実施
  ・13年10月に全職場で「市民応対研修」を実施

 ④「市民応対窓口サービス向上のための五箇条」の策定,実践
【市民応対窓口サービス向上のための五箇条】
 1 私たちは,明るく気持ちの良いあいさつを行います。
 2 私たちは,進んで声をかけ,相手の話をよく聞きます。
 3 私たちは,わかりやすく,ていねいな言葉づかいを心がけます。
 4 私たちは,服装やみだしなみに気を配ります。
 5 私たちは,チーム(課,係等)で連帯して「市民の目線」で行動します。

 ⑤名札の着用の推進など

(市長記者会見資料)

 

平成14年6月25日
京都市
教育委員会学校歴史博物館
 344-1305

 

市役所第一応接室における学校文化財の展示替について

~「第3回世界水フォーラム」に向けて~

 市役所第一応接室において展示を行っている学校文化財について,本日,下記のとおり展示替を行いましたのでお知らせします。 今回の展示は,「第3回世界水フォーラム」の開催に向けて「水」への関心を高めていただくため,「水」を題材にした作品を選んだものです。 市役所第一応接室における学校文化財の展示については,京都市役所を訪問される国内外の賓客の方々に,京都市の学校を卒業した作家などから京都市の学校に寄贈された美術工芸品(学校文化財)の素晴らしさを知っていただくため,平成8年9月から実施しているものです。

 


1 展示替実施日
 平成14年6月25日(火)

2 展示場所
 市役所第一応接室(本庁舎3階)

3 展示作品
(1)「湖辺の風景」 曲子光男(まげしみつお)   元教業小学校蔵
(2)「嵐山」     岩佐古香(いわさここう)    元龍池小学校蔵
(3)「渓流新緑」   大橋孝吉(おおはしこうきち) 元生祥小学校蔵
(4)「農耕図」     海老名正夫(えびなまさお)  元春日小学校蔵

4 作者略歴,寄贈経過等
別添資料参照

 

(別添資料1)市役所第一応接室展示作品

 

1「湖辺の風景(こへんのふうけい)」 曲子光男  元教業小学校蔵
外寸1690×1355 内寸1435×1100   紙本着彩(しほんちゃくさい)

題箋(せん)に「昭和三十三年校舎新築記念 曲子光男先生 教業校 昭和二年卒」と記載されている。

曲子光男(まげしみつお) 男性 (大正4(1915)~)
北海道に生まれる。
昭和9年東丘谷社(とうきゅうしゃ)に入塾し,堂本印象に師事。
昭和11年京都市立絵画専門学校本科卒業。
新文展,日展と発表を続ける。
昭和26年日展で特選・朝倉賞を受賞。
昭和59年京都府文化功労賞受賞。

(『日本美術家事典 1991年度版』 オーアンドエムリミテッド)

2「嵐山(あらしやま)」 岩佐古香  元龍池小学校蔵
外寸740 ×817  内寸742 ×817  絹本着彩(けんぽんちゃくさい)

額縁の裏側に「龍池校」という焼き印が押されている。

岩佐古香(いわさここう) 男性 (明治17(1884)~昭和26(1551))   名古屋に生まれる。
京都に住み谷口香きょうに師事。
京都絵画専門学校に学ぶ。
香きょう没後,竹内栖鳳(せいほう)に師事。
文展,帝展に出品。

(『大日本書画名家大鑑』第一書房 1984 『美術家名鑑1986』 美術倶楽部)

3「渓流新緑(けいりゅうしんりょく)」 大橋孝吉  元生祥小学校蔵
外寸923 ×1133 内寸710 ×918 キャンバス油彩(ゆさい)

大橋孝吉は生祥校を卒業。額縁に「昭和丙子頌春(ひのえめんしょうしゅん) 渓流新緑 大橋孝吉」と記載があり,昭和11年に作者から寄贈されたと推定できる。子供が4人北白川小学校を卒業したため,北白川小学校にも1点寄贈されている。

大橋孝吉(おおはしこうきち) 男性 (明治31(1898)~昭和59(1984))
京都市に生まれる。
京都市立美術工芸学校,京都市立絵画専門学校卒業。
川端画学校で洋画を学ぶ。
大正13年~昭和2年渡欧。
帰国後,国画会展に出品,昭和3年会員となるが,15年退会。

(『20世紀物故洋画家事典』 岩瀬行雄・油井一人編 平成9年 美術年鑑社)

4「農耕図(のうこうず)」 海老名正夫 元 春日小学校蔵
外寸1054×2295 内寸702 ×1554 紙本着彩(しほんちゃくさい)

海老名正夫は大正15年春日校尋常科を卒業。
落款(らっかん)は「昭和三十五年四月正夫作」。

海老名正夫(えびなまさお) 男性 (大正2(1913)~昭和55(1980))
京都市に生まれる。
父は日本画家海老名長紅(ちょうこう)。
昭和7年京都市立美術工芸学校絵画科卒業。
昭和10年京都市立絵画専門学校を卒業,15年研究科修了。
菊池契月(けいげつ)に師事。
新文展,日展などで活躍。
京展賞を受賞,審査員をつとめるなど京展でも活躍。
昭和30年師契月の没後は宇田荻邨(てきそん)に師事。
昭和31年荻邨の画塾白申社の結成に参加。
京都小御所(こごしょ)の襖絵を制作。

(『20世紀物故日本画家事典』 油井一人編 平成10年 美術年鑑社)

 

(別添資料2)

 

第一応接室における学校文化財展示の趣旨
 京都市立学校には,卒業生の芸術家などから寄贈された美術工芸品(学校文化財)が多数所蔵されていますが,これらは,京都の伝統産業や地場産業の人材育成のため,かつて京都の学校が絵画教育に独自に取り組んできた賜であるとともに,地域の方々の学校に対する愛着の顕れでもあり,全国に例のない,京都市の学校独特のものです。
 第一応接室における学校文化財の展示は,市役所を訪問される国内外の賓客の方々に,学校文化財の素晴らしさを知っていただくため,平成8年9月から実施しているものです。

 

これまでの展示経過
期間「作品名」作者名所蔵校
平成8年9月~同年12月「凝視」 山口 華楊
「松とベスビオス」 梅原龍三郎
「カーネーション」 安井曽太郎
「海」 向井 潤吉
「大原女」 由里本景子
元格致小学校
元格致小学校
元生祥小学校
元豊園小学校
元生祥小学校
平成8年12月~平成9年6月「牛」 小松 均
「麦秋」 太田喜二郎
「草花」 寺松国太郎
「北信濃早春」 向井 潤吉
「狂言」 三宅 凰白
元格致小学校
元桃薗小学校
元日彰小学校
元豊園小学校
元龍池小学校
平成9年6月~平成10年5月「牧場の初春図」 望月 玉成
「柘榴」 須田国太郎
「海」 伊藤 快彦
「つつじ図」 太田喜二郎
「農婦」 海老名正夫
元竹間小学校
元西陣小学校
元修徳小学校
元小川小学校
元待賢小学校
平成10年5月~平成11年8月「富嶽図」 木島 桜谷
「山桜之図」 猪原 大華
「芥子の花」 福井 勇
「琉球山原船」 川端弥之助
「御朱印船の図」 平岡 旦陵
元明倫小学校
伏見南浜小学校
納所小学校
元生祥小学校
元聚楽小学校
平成11年9月~平成13年6月「唐獅子図」 伝 横山 清暉
「湖港」 川端弥之助
書蹟「剛健」 若槻礼次郎
「カーネーション」 依岡 慶樹
元日彰小学校
元生祥小学校
元明倫小学校
乾隆小学校
平成13年6月~平成14年6月
平成13年6月~平成14年6月
平成13年6月~平成14年6月
平成13年6月~平成14年1月
平成14年1月~平成14年6月
書蹟「敬天愛人」 西郷 隆盛
「波にかもめ」 橋本 関雪
「わらべ」 板倉 星光
「桃の花」 川越 篁治
「雨滴」 林 文塘
六原小学校
元教業小学校
元豊園幼稚園
元桃薗小学校
乾隆小学校

お問い合わせ先

京都市 総合企画局市長公室広報担当

電話:075-222-3094

ファックス:075-213-0286

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