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市長記者会見(2002年6月5日)

ページ番号13437

2013年6月7日

平成14年6月5日 桝本市長定例記者会見資料

はじめに

 

 本日は,皆様方にお伝えしたいことが3点ございます。
 1点目は,「京都バイオシティ構想」の策定及びその具体化に向けた取組であります。2点目は,第3回世界水フォーラムに向けて京都市が独自に実施する事業についてであります。今一つは,本年8月に京都で開催される「第5回国連軍縮京都会議」についてでございます。

 

1 「京都バイオシティ構想」の策定及びその具体的化に向けた取組について

 

 まず最初に「京都バイオシティ構想」の策定及びその具体化に向けた取組についてでございます。  
 科学技術創造立国を目指す我が国の基本的戦略におきましては,ライフサイエンスいわゆる生命科学,情報通信技術(IT),環境,ナノテクノロジー・材料の4分野が重点分野とされております。 
 とりわけライフサイエンスを支えるバイオテクノロジーは,非常に幅広い分野との融合が可能な,今世紀の世界の産業をリードする基盤技術であり,京都市には,京都大学をはじめとする多彩な研究成果を誇る多くの大学や最先端の高度な技術力を誇る先端企業の集積という優位性がございます。 
 京都市では,去る5月28日に,ご案内のとおり,「京都市ライフサイエンス推進懇談会」から「ライフサイエンスの振興による都市活性化に関する提言」をいただきましたが,この提言を受けて,このたび,バイオ産業を大きな柱とする新世紀型の産業政策,更には都市戦略として「京都バイオシティ構想」を策定いたしました。  
 この構想では,提言を踏まえ,バイオ産業の振興に重要な役割を果たす,バイオベンチャー企業を育成・支援するための具体的施策とともに,「バイオシティ・京都」の実現に向けた体制整備のための具体的施策をまとめております。 
 この構想の推進は,本年3月に策定致しました「京都市スーパーテクノシティ構想」において,時代のニーズに対応した新たな成長分野における施策として位置づけており,単なる経済政策にとどまるのではなく,本市の永続的な発展を目指した都市戦略としての役割も有しております。 
 私は,この構想を推進することにより,本市の活性化はもとより,我が国の国家戦略として取り組まれている関西圏におけるライフサイエンスの国際拠点形成の一翼を担ってまいりたいと考えております。今後,この構想の実現に向けた取組を進めてまいりますが,早急な実施が必要な施策につきましては,今般,早速,具体的に着手することと致しましたので,その内容について,お手元の資料にもございますが,ご紹介致します。
 まず,一つ目はバイオベンチャー企業などの創業を円滑に進めるため,インキュベート施設(ベンチャー企業支援施設)を月桂冠(株)の旧酒蔵と京都リサーチパーク地区内に開設致します。
 旧酒蔵を活用した施設でございますが,ITと生物学とが融合したいわゆる「バイオインフォマティクス」すなわち生命情報科学関連のベンチャー企業を支援するため,伏見区にある月桂冠㈱の旧酒蔵をお借りして,8室の専用のインキュベート施設を国の補助事業を活用して無料で開設致します。3年間であります。いわば「酒蔵バイオ」と呼んでもよいユニークな施設であります。また,隣接して,日本バイオインフォマティクス学会の会長であります金久(かねひさ)實(みのる)京都大学教授がセンター長を務めておられます「京都大学化学研究所バイオインフォマティクスセンター」の分室がここに設置される予定で,このセンターによる技術相談などにより,迅速でレベルの高い事業化の取組が可能となります。将来有望視されているこの分野のベンチャー企業がこの施設から続々と誕生していくことを期待いたしております。
 もう一箇所は,京都リサーチパーク地区内において,京都市,(財)京都高度技術研究所,京都リサーチパーク(株)の三者の協力連携により,ライフサイエンス分野の研究・開発に欠かせない設備を完備した5室のケミカルラボ(実験室)を開設するもので,家賃助成を行うほか,(財)京都高度技術研究所における情報提供,各種相談,入居企業交流会などのソフト支援も受けることができます。
 ケミカルラボ(実験室)は本市として初めて設置する施設になります。
 この二つの施設につきましては,7月中の開設に向けて,現在,整備を進めているところで,6月中旬に入居者の募集を行う予定でございます。
 二つ目は,京都市ベンチャー企業目利き委員会の委員に,バイオ分野におきまして我が国を代表する著名な経営者である,タカラバイオ(株)代表取締役社長の加藤郁之進氏を,新たに委嘱いたしました。
 目利き委員会では制度発足以来,既に29社の企業をAランク認定しておりますが,加藤氏の参画により,目利き委員会において,バイオ分野の新たなベンチャー企業を積極的に発掘,育成してまいりたいと考えております。
 更に,秋までに,大学,企業,行政等が一体となって「バイオ産業フォーラム(仮称)」を設置し,関係者や市民へのPRを行うためのシンポジウムの開催や専門家による各種情報の交換など,バイオ産業の振興に向けた多様な事業を展開してまいります。
 また,科学技術の研究・開発・調査機関,産業支援機関として重要な役割を果たしている(財)京都高度技術研究所で,ライフサイエンス分野において,情報収集機能や研究開発プロジェクトをまとめるコーディネート機能の強化を図るほか,本市の公設試験場におけるライフサイエンス分野に関する研究開発機能や産業化支援機能の強化を図ってまいりたいと考えております。
 加えて,大学や公設試験場,企業による共同研究を支援してまいります。
 今後とも,市民の皆様はもとより,「産」,「学」の皆様との強固な連携のもと,この構想を着実に推進し,新たな活力と魅力を創出することにより,京都が「ものづくり都市」として,また「学術の都」として,更なる飛躍を遂げることができるよう,「バイオシティ・京都」の実現に向けて全力をあげて取り組んでまいります。

 

2 第3回世界水フォーラム京都市独自事業

 

 次に,第3回世界水フォーラムに関連して,実施いたします京都市の独自事業についてでございます。その前に,昨日,皆様にお知らせいたしましたとおり,フランスのカンヌ市で開催されている第4回カンヌ国際水シンポジウムにおきまして,京都市が「国際カンヌ水と都市賞」を受賞いたしました。来年3月に開催されます第3回世界水フォーラムの開催都市・京都への世界の人々の期待が,栄えある受賞として結実したものと誠に喜ばしく,光栄に存じている次第でございます。今回の受賞を契機に,第3回世界水フォーラムを実り多きものとするため,全力で取り組む決意を新たにしているところでございます。
 さて,第3回世界水フォーラムは,120箇国以上の国や地域から, およそ8,000人が参加し,世界各地において深刻化している水問題の解決に向けて,それぞれの立場で議論し,具体的な行動を検討する大変重要な国際会議でございます。
 京都市におきましては,昨年12月に京都市第3回世界水フォーラム推進本部を設置し,会議の成功に向けた支援体制を整えるとともに,フォーラム本番に向けて,市民の皆様に「水」への関心を高めていただくため,京都市として独自に取り組む事業の検討を進めて参ったところでございます。それでは,お手元の資料によりまして,6つの事業と市民参加による事業の推進体制について御説明いたします。
 一つ目は,「京都市立小学校全校への雨水貯蔵タンクの設置」についてでございます。京都市立小学校全校では,これまでから河川の水質調査や牛乳パックからトイレットペーパーへのリサイクルなど,さらには学校周辺の門掃きなど,環境教育についても,先進的な取組を進めてきたところでございます。世界水フォーラムが開催されることを機に,京都市の児童が全世界に目を向け,深刻な水不足が発生していることや日本でも近年,渇水問題や集中豪雨の際の都市型洪水などが発生していることを認識し,水に関する環境のあり方や水資源の確保を身近な問題としてとらえることができるように,指定都市で初めて179校の小学校全校に雨水貯蔵タンクを設置いたします。7月以降順次設置を行い,500リットル程度の雨水が貯蔵できるこのタンクを教材としても活用し,花壇への散水や降雨量調査などに生かして参りたいと考えている次第でございます。
 二つ目は,「ウォーターランド・ジュニアアドベンチャー」でございます。これは小学生がアドベンチャーチームを編成し,8月と9月に,野外活動施設において自然探索や共同生活を行い,水とのかかわりを体験,学習するもので,子どもたちの豊かな感性と観察力により,自然と水とのかかわりをしっかりと学んでいただけるものと考えております。
 三つ目は,第3回世界水フォーラム開催記念「京都水の語らい(京都水考房・きょうとみずこうぼう)」でございます。森清範(もりせいはん)清水寺貫主や西島安則(にしじまやすのり)京都市立芸術大学学長,平田精耕(ひらたせいこう)天龍寺派管長など「京都と水の関わり」に造詣が深い方々を語り手に招き,世界文化遺産に登録されている寺院などを舞台といたしまして,「京都と水」をテーマにいたしました座談会や対談などを開催することと致しており,第1回目となる9月の座談会には,私も参加させていただく予定でございます。また,3回目となる11月の座談会は,醍醐山上の「国宝清瀧宮拝殿(せいりゅうぐうはいでん)」において行いますが,この拝殿は,このたび,初めて一般に公開されるものであります。
 四つ目は,「疏水十石舟(そすいじゅっこくぶね)めぐり」でございます。フォーラムを記念して建造する木造和船2艘を,お手元の資料にございますとおり,疏水記念館前から東大路通を越えて夷川ダムまでの往復約3キロメートルの航程で運行いたします。乗船を通して,水に挑み,水と共に生きた京都の先人の営みを振り返っていただける機会にして参りたいと考えております。
 五つ目は,「雅楽船の運行(疏水舟遊び)」でございます。京都市勧業館(みやこめっせ)における水フェア京都会場の開催に合わせ,お手元の資料にございます,三船祭に使用されている車折(くるまざき)神社の龍頭船(りゅうとうせん)などを疏水記念館前に浮かべて雅楽の演奏を行い,平安の趣を再現したいと考えております。
 六つ目は,「歓迎コンサートとレセプションの夕べ」でございます。国連水の日である3月22日に,閣僚級国際会議参加者を含むフォーラム参加者を主な対象として,京都市交響楽団や京都市少年合唱団による水にちなんだ名曲コンサートや歓迎のレセプションを,おもてなしの心を込めて開催して参ります。  続いて,市民や団体の皆様が積極的に世界水フォーラムを盛り上げていただくための取組についてでございます。
 具体的には,京都市地域女性連合会や京都青年会議所,地元報道機関などによりまして,「京都水環境文化フォーラム(仮称)」を6月下旬に設立していただき,事業の具体化や幅広い広報・啓発活動などに取り組んでいただくことといたしております。
 また,市民の皆様に,直接事業運営に携わっていただく,「市民アシストパートナー」をボランティアとして募集し,通年での活動をいただきたいと考えております。
 また,このほかにも,名水をめぐる体験エコツアーが盛り込まれました京(みやこ)エコロジーセンターでの「環境まちづくり交流会2002」や,京都市防災水利構想に関するシンポジウム等を行う「命の水」シンポジウムなど,各局等において,水フォーラムに関連する様々な事業を予定いたしております。
 以上,水フォーラムに関する事業についてご説明申し上げましたが,それぞれの事業についての詳細計画はまとまり次第,順次発表させていただきます。 世界水フォーラムの開催に向け,京都市独自の事業はもとより,広報啓発や会議支援,地元京都の実行委員会事業や流域連携事業につきましても,関係機関と緊密な連携を図るなど,全庁挙げて積極的に取り組んでまいる決意でございます。

 

3 第5回国連軍縮京都会議について

 

 最後に,「第5回国連軍縮京都会議」についてご紹介致します。
 京都市では,これまでから国際コンベンションの誘致に積極的に取り組んでいるところでございますが,本年,8月7日から9日までの3日間,「第5回国連軍縮京都会議」が国立京都国際会館で開催されることとなりました。インドとパキスタンの緊張が高まっている今日の状況の中,ここ京都の地で国連軍縮会議が開催されますことは,誠に意義深いことと考えております。
 この会議は,アジア太平洋諸国を中心とする世界各国の外交官をはじめ,軍縮専門家や報道関係者などがそれぞれ個人の資格で参加され,所属や肩書きを離れて,軍縮や安全保障問題などについて,自由闊達な議論が交わされる国連主催の国際会議でございます。
 平成元年に京都市で初めて開催されて以来,毎年我が国において開催されてきており,今回で第14回目,京都市におきましては第5回目となります。
 今回は,前国連難民高等弁務官として,世界中の難民援助活動に取り組んでこられました緒方貞子さんがお見えになり,基調講演が行われると伺っております。市民の皆様には,平和の大切さを見つめ直していただく貴重な機会でありますので,会議への傍聴希望者を募集することといたしており,募集計画がまとまり次第,改めて発表する予定でございます。
 「国連軍縮会議」が,世界の平和と安定のために大きな成果を挙げられますことを心から祈念致しますとともに,この絶好の機会を通じまして,平和都市「京都」,コンベンション都市「京都」を世界に広くアピールしてまいりたいと考えております。

 

 以上でございます。

 

(市長記者会見資料)

 

平成14年6月5日
京都市
総合企画局政策推進室政策企画課
222-3035
産業観光局スパーテクノシティ推進室
222-3434

 

「京都バイオシティ構想」の策定及び具体化に向けた取組について

 

 京都市では,去る5月28日に「京都市ライフサイエンス推進懇談会」(座長 堀場雅夫氏)から「ライフサイエンスの振興による都市活性化に関する提言」をいただきましたが,この提言を受けて,このたび,バイオ産業を大きな柱とする新世紀型の産業政策・都市戦略として「京都バイオシティ構想」を策定しました。
 この構想では,上記提言を踏まえ,バイオ産業の振興に重要な役割を果たす,バイオベンチャー企業を育成・支援するための具体的施策とともに,「バイオシティ・京都」の実現に向けた体制整備のための具体的施策をまとめております。
 本市といたしましては,今後,この構想の実現に向けた様々な取組を進めてまいりますが,早急な実施が必要な施策については,早速,具体的に着手することと致しました。
 一つ目は,バイオベンチャー企業育成のための支援施設を月桂冠(株)の旧酒蔵と京都リサーチパーク地区内の2箇所で7月中を目途に開設致します。旧酒蔵には,隣接して「京都大学化学研究所バイオインフォマティクスセンター」の分室が設置される予定であり,これにより,大学の研究成果を活かしたバイオインフォマティクス(生命情報科学)関連のベンチャー企業がこの施設から次々と誕生することが期待されます。
 二つ目は,京都市ベンチャー企業目利き委員会の委員に,バイオ分野で我が国を代表する経営者である,タカラバイオ(株)代表取締役社長の加藤郁之進氏を新たに委嘱し,バイオ分野において新たなベンチャー企業を発掘,育成していこうというものです。
 この他にも,秋までに産学公が一体となって「バイオ産業フォーラム(仮称)」を設置するとともに,(財)京都高度技術研究所におけるライフサイエンス分野の機能の強化を図るなど,バイオシティ構想の実現に向けて全力をあげて取り組んでまいります。



1 「京都バイオシティ構想」の策定について

 京都が有する産学公の力を結集して,バイオ産業を振興することで,京都の活性化はもとより,我が国の科学技術や産業の振興,クオリティーオブライフ(生活の質)の向上,更には深刻化する環境問題の解決に貢献することを目指して,「京都バイオシティ構想」を策定した。
 「ライフサイエンスの振興による都市活性化に関する提言」を踏まえるとともに,バイオベンチャー企業育成のための具体的な施策,知的クラスター創成事業との連携,「バイオシティ・京都」の実現に向けた体制整備のための具体的な施策について明らかにしている。
 「京都バイオシティ構想」は,京都市スーパーテクノシティ構想の重点施策であり,バイオシティ構想に掲げる事業を実施していくことで,京都市スーパーテクノシティの実現に大きく寄与することになる。

2 具体的取組について

(1)バイオベンチャー企業の育成

 「京都バイオシティ構想」のバイオベンチャー企業育成支援に掲げる取組の一つとして,バイオ関連のベンチャー企業や創業者を対象とする2箇所のインキュベート施設(ベンチャー起業支援施設)を開設する。
 
 ① 旧酒蔵を活用したバイオインキュベート施設
 バイオインフォマティクス関連のベンチャー企業を支援するため,伏見区にある月桂冠(株)の旧酒蔵を借り上げ,インキュベート施設を開設する。併せて,京都大学化学研究所バイオインフォマティクスセンターの分室が隣接して設置される予定であり,入居者は,同センターによる技術相談などの支援を受けることができる。

 ア 所在地京都市伏見区本材木町 月桂冠(株)内旧酒蔵
 イ 入居室数 8室(16㎡~40㎡)
 ウ 入居対象 ①バイオインフォマティクス関連分野の中小企業
          ②バイオインフォマティクス関連分野の創業を目指す起業家
 エ 室料 無料(共益費は別途負担)
 オ 設置期間 3年間
 
 ② 京都リサーチパーク内に設置するバイオインキュベート施設
 京都リサーチパーク地区内に,本市として初めて,化学・医療品等のバイオ関連研究開発に適した給排気・水,ガス管設備を完備したケミカルラボ(実験室)を開設する。運営は,(財)京都高度技術研究所が行い,入居者は(財)京都高度技術研究所による情報提供,各種相談,入居企業交流会などのソフト支援を受けることができる。

 ア 所在地  京都市下京区中堂寺南町 京都リサーチパーク地区内
 イ 入居室数 5室(44㎡~56㎡)
 ウ 入居対象 バイオ関連分野の企業等(起業家を含む)
 エ 室料 家賃助成あり(入居者負担:1年目は室料の20%,2年目は40%,3年目は60%)
 オ 設置期間 3年間

 ③ 開設時期及び入居者募集について
 入居者募集の開始は6月中旬,開設時期は7月中の予定

(2)京都市ベンチャー企業目利き委員会の委員委嘱

京都市ベンチャー企業目利き委員会(委員長 堀場雅夫氏)の委員に,バイオ分野で我が国を代表す る企業家である,タカラバイオ(株)代表取締役社長の加藤郁之進氏を新たに委嘱し(6月1日付け), バイオ分野において新たなベンチャー企業の発掘,育成に努める。

3 その他,構想の実現に向けた主な取組

 ① 「バイオ産業フォーラム(仮称)」の設置
 京都に集積する大学,企業,行政等が一体となって,「バイオ産業フォーラム」を秋までに設置し,市民へのPRを行うためのシンポジウムの開催,研究成果の交流,情報交換など,バイオ産業の振興に向けた多様な事業を展開する。

 ② (財)京都高度技術研究所におけるライフサイエンス分野の機能の強化
 ライフサイエンス分野に関する研究開発プロジェクト等を効果的に展開していくため,(財)京都高度技術研究所における幅広い情報収集機能やプロジェクト全体をまとめる研究・コーディネート機能を強化する。

 ③ 公設試験場におけるライフサイエンス分野の研究開発・産業化支援機能の強化
 京都とゆかりの深い酵母や生分解性材料,蚕などに関して長年の研究の蓄積を有する京都市の公設試験場(工業試験場,染織試験場等)におけるライフサイエンス分野に関する研究開発機能や産業化支援機能を強化する。

 ④ 大学や公設試験場,企業による共同研究体制(コンソーシアム)の活動支援
 産学公共同によるライフサイエンス分野の実用化技術開発など,地域の特性を活かした共同研究体制の活動を支援し,国の研究開発プロジェクト等を積極的に導入できる環境づくりを行う。

 

(市長記者会見資料)

 

平成14年6月5日
京都市
建設局世界水フォーラム推進室
211-4215

 

第3回世界水フォーラム京都市独自事業について

 

 この度,第3回世界水フォーラムに向けて京都市が独自に実施する事業の概要がまとまりましたのでお知らせします。
 第3回世界水フォーラムは,世界各地における深刻な水問題の解決に向けて議論を深め,具体的な行動を検討する国際会議であり,平成15年3月16日から23日まで,京都市を主会場とする,京都,滋賀,大阪の琵琶湖・淀川流域において開催されます。
 京都市では,会議の開催を機に市民の皆様に水への関心を高めていただくとともに,会議の成功に向けて気運を高めるために,市民の皆様とのパートナーシップのもと,京都が育んできた歴史,文化,芸術に触れていただき,京都の持つ魅力と,京都と水とのかかわりの深さ,大切さを感じていただける事業を下記のとおり実施して参ります。

 

 

1 京都市独自事業の概要

(1)京都市立小学校全校への雨水貯蔵タンクの設置

 水フォーラム開催を機に,京都市の児童が,全世界に目を向け,深刻な水不足が発生している地域があることや日本においても,近年渇水問題や,集中豪雨の際の都市型洪水などが発生していることを認識し,水環境のあり方や水資源の確保などを身近な問題としてとらえることができるよう,京都市立小学校全校に雨水貯蔵タンクを設置し,花壇への散水等やタンクの水位による降雨量の調査などの活動を行います。また,子どもたちにきめ細かな指導を行うため,指導事例案を作成し,全校に配布します。
 市立小学校全校への雨水貯蔵タンクの設置は,政令指定都市初の取組です。
  
(設置時期)平成14年7月から順次設置
(対   象)全市立小学校 179校
(タンク概要)屋上の雨水樋からのバイパスを設置することにより,校舎横に設置する雨水貯蔵タンクに導水します。また,各校や地域の特色に応じて,酒樽型等のユニークな形状のものも積極的に導入します。
(基本仕様)円筒形のステンレス製500リットル,直径83センチメートル,高さ177センチメートル
   
[担当課:教育委員会事務局総務部調査課 ℡222-3792]

 

(2)ウォーターランド・ジュニアアドベンチャー~水と親しみ,水を知り,水を考えよう~

 次代を担う子どもたちがアドベンチャーチームを編成し,自然に囲まれた野外活動施設での自然探索や共同生活を通じて,水とのかかわりを体験し,学習します。さらに,野外活動で得たものを,水フォーラムに向けて,意見交換し,発表します。

① 野外活動

野外活動
冒険名日程場所
海と水のアドベンチャー8月19日~21日(2泊3日)奥志摩みさきの家
森と水のアドベンチャー9月15日~16日(1泊2日)花背山の家

※対象者:小学校4~6年生 各約40名(2~3人のグループでも参加可)

 

② 交流会(平成14年10月頃)
 野外活動についての報告(ビデオ放映)や体験の感想,意見交換を行い,水への意識を高めるとともに,子どもたちの交流を深めます。

③ 子どもたちからのメッセージの発信(平成15年2月8日(予定))
 人づくり21世紀委員会「人づくりフォーラム」の場で,学校での環境教育の成果と合わせて,子どもたちが野外活動を通じて学んだ水とのかかわり合いについてメッセージを発信します。
※本事業は,人づくり21世紀委員会との共催で,京都岡崎ライオンズクラブの協力を得て実施します。

[担当課:建設局世界水フォーラム推進室 ℡211-4215]

 

(3)第3回世界水フォーラム開催記念「京都水の語らい(京都水考房(みずこうぼう))」
 
 世界文化遺産に登録されている寺院などを舞台に,「京都と水のかかわり」について造詣が深い方を語り手に招き,「京都と水」をテーマとして,市民の皆様とともに座談会や対談などを行う「水を慈しむ心の考房」を開催します。

 

第3回世界水フォーラム開催記念「京都水の語らい(京都水考房(みずこうぼう))」
日程会場概要
平成14年

 9月30日(月)

清水寺

(円通殿)

定員約300名

「水,命,こころ ~清水寺の語らい~」

 森清範清水寺貫主,西島安則京都市立芸術大学学長,桝本賴兼京都市長による座談会

平成14年

10月19日(土)

天龍寺

(大方丈)

定員約300名

「水の四徳 ~天龍寺の語らい~」

 平田精耕臨済宗天龍寺派管長によるお話

※曹源池庭園(史跡・特別名勝)及び法堂「龍の天井画」の鑑賞

平成14年

11月6日(水)

醍醐寺

(上醍醐

清瀧宮拝殿)

定員約200名

トレッキング「霊泉醍醐水を訪ねて ~醍醐寺の語らい~」

 仲田順和真言宗醍醐派宗務総長によるお話

※霊泉醍醐水を訪ねて醍醐山をトレッキング(所要時間約1時間半の登山)

※国宝清瀧宮拝殿の一般公開(初公開)及び醍醐水の源泉の公開

平成14年12月月桂冠大倉記念館

「伏見と水 ~伏見の語らい~」

 座談会を実施

平成15年 1月

平安神宮

(百年祭記念殿ホール)

「風水と平安京 ~平安神宮の語らい~」

 座談会を実施

[担当課:建設局世界水フォーラム推進室 ℡211-4215]

 

(4)疏水十石(じゅっこく)舟(ぶね)めぐり

琵琶湖疏水において水フォーラムを記念して建造する木造和船十石舟2艘を運行します。

(開催時期)平成15年3月上旬~下旬 (約20日間運行予定・延べ約7000人乗船見込)
(実施区間)疏水記念館前(乗下船場)~夷川ダムまでを往復(往復約3km)

※十石舟は,京都商工会議所が日本財団の助成を得て建造されます。

[担当課:建設局世界水フォーラム推進室 ℡211-4215]

 

5)雅楽船の運行(疏水舟遊び)

京都市勧業館(みやこめっせ)における水フェア京都会場の開催に合わせて,会場周辺の琵琶湖疏水において龍頭(りゅうとう)船(せん)を浮かべ,雅楽の演奏を行います。

(開催時期)平成15年3月21日~23日
(実施場所)琵琶湖疏水(疏水記念館前)

※龍頭船の装飾は,車(くるま)折(ざき)神社の御協力により三船(みふね)祭(まつり)のものを使用します。

[担当課:建設局世界水フォーラム推進室 ℡211-4215]

(6)歓迎コンサートとレセプションの夕べ ~国連水の日に~

閣僚級国際会議参加者を含むフォーラム参加者を対象に,歓迎レセプションと京都市交響楽団や京都市少年合唱団による水にちなんだ名曲コンサートを開催します。レセプション会場では京都の伝統産業などを紹介する展示を行います。

(開催日)  平成15年3月22日
(開催場所) 京都コンサートホール

[担当課:建設局世界水フォーラム推進室 ℡211-4215]


2 市民参加による事業の推進

(1)京都水環境文化フォーラム(仮称)の設立

本市が行う水フォーラム独自事業の企画の具体化や広報啓発を市民とのパートナーシップの下に実施するため,京都水環境文化フォーラム(仮称)を設立します。

(構成団体)京都市地域女性連合会,社団法人京都青年会議所,社団法人京都市観光協会,財団法人京都市国際交流協会,株式会社京都新聞社,株式会社京都放送,日本放送協会京都放送局  

(設立時期)平成14年6月下旬

(実施事業)次の本市独自2事業の企画の具体化に携わっていただくほか,水への意識を高めるための広報・啓発を行っていただきます。
 ・第3回世界水フォーラム開催記念「京都水の語らい(京都水考房)」
 ・ 歓迎コンサートとレセプションの夕べ ~国連水の日に~

(2)市民アシストパートナーによる推進

本市が行う水フォーラム独自事業に直接参加し,ボランティアとしてお手伝いいただくための市民アシストパートナーを募集します。

(募集時期)平成14年7月
(募集資格)市内在住または市内に通勤・通学の高校生以上の方
(実施事業)本市独自事業へのスタッフとしての参加や水への意識を高めるための啓発など通年での活動を行っていただきます。


3 その他

上記独自事業のほかに,各局等において次の4つの事業を初め,水フォーラムに関連した約70の広報・啓発事業などが予定されています。

○トイレ・水循環国際シンポジウム
水フォーラム開催期間中(平成15年3月21日~22日)に京都会館等において,日本トイレ協会との共催で,21世紀に目指すべきトイレ・し尿システムと水資源・水循環に関するビジョンについて議論します。平成14年11月には,プレイベントとして,「トイレ・水循環全国シンポジウム」を実施します。

[担当課:環境局事業部まち美化推進課 ℡222-3461]

○環境まちづくり交流会2002 ~京エコロジーセンターから広げようエコ市民の輪~
環境活動に取り組む市民の輪を広げる交流会の中で,水フォーラムの開催に向けて,雨水利用に関する分科会(平成14年6月29日)や伏見の名水をめぐる体験エコツアー(平成14年6月30日)などを実施します。

[担当課:環境局環境企画部地球環境政策課 ℡222-3452]

○「命の水」シンポジウム~水が育む豊かなくらしと災害への備え~
災害時の消火,生活及び医療用水の確保を目指す「京都市防災水利構想」に関するシンポジウムとパネルディスカッション等を京都会館等においてフォーラム開催期間中(平成15年3月23日)に行います。

[担当課:消防局防災対策室防災課 ℡212-6792]

○大学コンソーシアム京都における京都市寄付講座
「世界水フォーラムに向けて・水と私たちの暮らしを考える」
財団法人大学コンソーシアム京都が主催する講座の1つとして,本市が経費を負担し,水との関わりを学び,水について考える講座(公開シンポジウムを含む全13回:平成14年10月~平成15年1月)を開設します。(申込期間終了)

[担当課:建設局世界水フォーラム推進室 ℡211-4215]

 

(市長記者会見資料)

 

平成14年6月5日
京都市
産業観光局観光部観光振興課
222-4133

 

第5回国連軍縮京都会議について

 

 本年8月,京都市におきまして,国連主催の国際会議である国連軍縮会議が国立京都国際会館で下記のとおり開催されます。
 この会議は平成元年から毎年日本で開催されており,京都市では,平成元年,3年,5年,11年に続き5回目の開催となります。
 今回は,全体会議の開始に当たり,前国連難民高等弁務官の緒方貞子さんによる基調講演が行われ,その後,軍縮や安全保障問題などについて自由闊達な議論が交わされることとなっております。



1 会   期   平成14年8月7日(水)~9日(金) 3日間
2 会   場   国立京都国際会館
3 会議の表題 「国際安全保障と軍縮に対するテロリズムの挑戦 ―世界及び地域への影響―」
4 内   容  アジア太平洋諸国を中心とする世界各国の外交官,軍縮専門家,報道関係者などが個人の資格で参加し,所属や肩書を離れて軍縮問題について自由に論議が交わされます。
5 基調講演 緒方貞子氏(前国連難民高等弁務官)
6 参 加 者 約30人(海外12カ国約15人,国内約15人)
7 主   催 国連軍縮局,国連アジア太平洋平和軍縮センター
8 協力機関 外務省,京都市

※ なお,基調講演を初め,会議は公開で行われ,京都市が傍聴希望者の募集を実施する予定です。(後日,詳細が決定次第お知らせします。)


<参考>国連軍縮会議の目的
 その時々の国際情勢を反映し,軍縮,安全保障問題について,国連総会などの公式の場を離れて自由に議論することにより,問題点の識別とより良い理解を目指し,また,具体的な提案を公式の場での討論に繋げようとするものです。
 今回は,昨年9月11日の米国同時多発テロ攻撃を機に,世界の安全保障がどのように変化したか,軍縮の見地からどう対応すべきかを中心に検討が試みられます。

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京都市 総合企画局市長公室広報担当

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ファックス:075-213-0286

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