スマートフォン表示用の情報をスキップ

市長記者会見(2000年1月17日)

ページ番号13361

2023年4月12日

平成13年1月17日 桝本市長定例記者会見資料

はじめに

 

 本日は,「5000万人観光都市・京都」の実現を目指して,このたび策定いたしました「京都市観光振興推進計画 ~おこしやすプラン21~」につきまして,その概要をご説明させていただきます。

 

1 京都市観光振興推進計画 ~おこしやすプラン21~

 

 近年の社会経済状況の変化による自由時間の増加や,心の豊かさ,生活のゆとりを 求めるという人々の価値観の変化に伴い,観光に対する関心は飛躍的に高まってきて おります。「世界観光機関(WTO)」によりますと,今後,東南アジアを中心に国際観光客 が爆発的に増加し,1998年には約6億3千5百万人であった国際観光客数が,2010年 には約10億人に達すると見込まれております。観光は,観光施設や宿泊施設はもちろん,交通機関や飲食業,製造業に至るまで, 非常に裾野の広い経済波及効果をもたらすもので,21世紀の京都経済を牽引する基 幹産業になることは間違いありません。

 このように観光の振興は,京都のまちの発展にとりましても,経済の活性化はもと より,新しい文化の創造,快適で魅力的なまちづくり,国内外との交流の促進など, 都市活力の創造の鍵を握るものであり,私は,京都市基本構想と京都市基本計画に掲 げました「安らぎのあるくらし」と「華やぎのあるまち」を築いていくための中心政 策の一つに位置付けております。そしてこのたび,「年間入洛観光客数5000万人構想」を実現すべく,京都市基本計 画の策定に至る議論や,市民の皆様や関連団体,学識者の方々から頂戴しました貴重 なご意見を踏まえ,私が議長を務めております「京都市観光振興推進会議」で議論を 重ねたうえで,推進計画を策定いたしました。

 それでは,計画の内容でございます。 まず,計画の目標は,「2010年に年間5000万人の観光客が訪れる我が国を代表する『5000万人観光都市・京都』を実現する」ことでございます。なお,この計画は,2010年までの目標年次の前期5年間の計画であります。 次に,計画の特色のうち特徴的なものを二つ申し上げます。 一つは,「ほんものによる通年型観光の推進」でございます。京都観光は季節によ って観光客数の格差が著しいため,一年を通してにぎわいのある観光振興を図ってま いります。今一つは,「界わい観光の振興」でございます。世界有数の観光資源に恵 まれている環境を生かし,リピーターとして何回も京都を訪れていただけるよう,各 地域の個性を生かした新しい観光資源を発掘・創出し,歩いて楽しめる界わい観光の 振興を図ってまいります。そして,「5,000万人構想」を達成するため,5つの重点戦略を定め,これに 基づく25の重点事業を計画いたしました。

重点事業の中からいくつかをご説明申し上げます。

 

 重点戦略1の「ほんものによる通年型観光の推進」では,「フィルムコミッション」 の設立がございます。撮影に係る各種の許可手続きや宿泊施設の斡旋などの撮影協力を 行うことにより,京都におけるロケーション撮影を誘致・支援し,国内外に京都のほん ものの魅力を発信しようというものでございます。 また,新しい風物詩として,日本情緒豊かな光により,京都のまちに似合う,陰影の ある明かりの一大イベントを実施いたします。

 

 重点戦略2の「界わい観光の振興」では,地域における観光振興の取組支援や観光基 盤を重点整備する「界わい観光モデルゾーン」を創設いたします。 また,豊富な観光資源に着目し,例えば,大学では,京都を題材とする文学作品に沿 った観光コースを設計するなどの活動もされておりますが,小説の舞台や歴史上の人 物など,様々な観点から多彩なテーマで観光コースを1万通り以上紹介する「ぶらり京 都1万選」を作成いたします。 そして,懐の深い京都の魅力を存分に堪能していただくための集大成として,各方面 で活用いただくことといたします。 さらに,主要駅と接続し観光地を巡回する市バスの運行コースの充実や京都らしいバス 車両の導入がございます。

 

 重点戦略3の「都市マーケティングの強化」では,観光を巡る地球規模でのメガコンペ ティションの時代にあって,特に,アジアに重点を置いて観光誘致を進めますとともに, 今後,大きな観光マーケットとなる,企業が事業活動の一環として行う研修旅行など, インセンティブツアーのプログラムの開発と宣伝誘致を促進いたします。

 

 重点戦略4の「IT(情報通信技術)の活用」では,携帯情報端末機器を活用し,現在 地周辺の観光情報や市バスの接近情報などを伝える「京都界わい観光案内システム」を開 設いたします。

 

 重点戦略5の「快適な受入環境づくり」では,観光地における交通渋滞解消に向け,公 共交通への誘導や自動車交通の抑制など,具体的なTDM<交通需要管理>施策を交通社 会実験も視野に入れながら進めてまいります。  このほか,「京都市基本計画」において体系化した観光振興政策の項目に基づきまして, あらゆる行政分野において,ただ今申し上げました25の重点事業を含む119の多彩な 事業を掲げております。詳細につきましては,お手元にお配りしております冊子の9ペー ジ以降を御覧ください。

 

 今後は,この推進計画に基づき,全庁を挙げて,また,147万人の京都市民の皆様や 事業者,社寺,文化施設,大学,関係機関の皆様などと連携しながら,京都を訪れる人々 を温かくもてなす世界第一級の国際文化観光都市「5000万人観光都市・京都」の実現 を目指して着実に取り組んでまいりたいと考えております。

 

(市長記者会見資料)

 

平成13年1月17日
京都市
担当 産業観光局観光部
観光企画課 ℡222-4130

 

「京都市観光振興推進計画 ~おこしやすプラン21~」について

 

 京都市では,「5000万人観光都市・京都」の実現を目指し,「京都市観光振興推 進計画~おこしやすプラン21~」を策定いたしました。  この計画は,「京都市基本計画」(平成13年1月10日策定)に示した観光振興のため の政策を戦略的に具体化していくための行動計画として策定したもので,2005年(平成 17年)までに実施又は着手する施策・事業を掲げています。

  なお,計画の策定に際しては,京都市基本構想等審議会における「京都市基本計画」 に関する審議内容を踏まえるとともに,市民の皆様や関連団体,学識者からのご意見を 踏まえながら,京都市観光振興推進会議(平成12年6月設置,議長:京都市長)に おいて策定しました。

 

1 計画の特色
(1) 「京都市基本計画」に基づく最初の分野別計画であり,京都市の観光振興のための政策を戦略的に具体化した行動計画である。
(2) すべての行政分野に観光の視点を取り入れた総合的な施策・事業を掲げ,全庁あげて推進していく計画である。
(3) 5つの重点戦略を設けており,一年を通してにぎわいのある観光振興を図る「『ほんもの』による通年型観光の推進」や,それぞれの地域の個性を生かし,新しい観光資源として魅力を発掘・創出する「『界わい観光』の振興」などを掲げている。
(4) 具体的な推進事業として,119事業を掲げ,うち25事業を重点事業として取り組む。
主な事業例としては,全国の大都市で初めてとなる「界わい観光モデルゾーン」の創設や,携帯情報端末機器と市バス接近情報(ポケロケ)を連動させた「京都界わい観光案内システム」の開設,また,豊富な観光資源に恵まれた京都の特性を生かし,多彩なテーマで観光コースを紹介する「ぶらり京都1万選」の作成など。

 

2 計画の概要
(1) 計画の趣旨(推進計画の1~3ページ)
ア 計画の目標
京都市は,建都1200年の歴史と伝統と豊かな自然を守り,次世代に引き継ぎ,これらを背景に文化資源の魅力を活用,創造して,21世紀初頭(2010年)に年間5000万人の観光客が訪れる我が国を代表する「5000万人観光都市・京都」を実現する。
イ 計画の理念
「観光」を京都市の都市活力創造の基軸と位置づけ,観光と産業・文化・まちづくり・国際交流などの活動が相互に良好な循環をすることによって,都市全体が活性化する政策を確立する。
観光振興は,

① 21世紀の京都経済の活性化に大いに寄与する。

② 新しい文化の創造と国内外への発信の契機となる。
③ 快適で魅力的なまちづくりを進める原動力となる。
④ 国内外との交流を促進し相互理解を深める。

(2) 5つの重点戦略と25の重点事業(推進計画の4~8ページ)
○重点戦略1 「ほんもの」による通年型観光の推進
京都の持つ「ほんもの」の魅力の再発見,向上を図るとともに,季節に影響されることなく集客できる新しい観光の魅力を創出することによって,一年を通してにぎわいのある観光地の創出を図る。

【重点事業】
①障壁画の展示室を設けた収蔵庫の建設,記念イベントなど「二条城築城400年事業」の実施
②映画,テレビ番組のロケーションを誘致・支援する組織「フィルムコミッション」の設立
映画やテレビ番組などのロケーション撮影を円滑に進めるための非営利組織を設立し,警察・消防の許可取得,宿泊施設の斡旋や関係業者の紹介などの撮影協力や誘致活動を行う。
③「光」をテーマとした京都の新しい風物詩の創出
日本情緒豊かな光により,京都のまちに似合う,陰影のある明かりの一大イベントを実施する。
④京都の歴史を総合的に物語る「歴史博物館」と「フィールドミュージアム」の構想の推進
⑤伝統文化・伝統芸能が観賞できる「ギオンコーナー」の再整備
⑥歴史と文化に育まれた文化や産業に触れる滞在型の体験学習プログラムの開発

○重点戦略2 「界わい観光」の振興
地域の個性を生かした新しい観光資源の発掘・創出を通して,歩いて楽しむことができる「界わい観光」を振興するとともに,界わい
観光地間を結ぶ「界わい観光ネットワーク」を創出する。

【重点事業】
①地域の観光振興の取組支援や観光基盤を重点整備する「界わい観光モデルゾーン」の創設地域(ゾーン)を指定して,保勝会や商店街など地域の観光振興の取組支援や,道路,街灯,ベンチ・観光案内板などの観光施設の整備,電線類地中化などの景観形成を進める。
②地域ごとに多彩なテーマの観光コースを紹介する「ぶらり京都1万選」の作成何度でも京都を訪問していただけるよう,各地域の豊富な観光資源について,例えば,小説の舞台や歴史上の人物,建築物,ファッション,産業などの様々な観点から,1万コースに上る観光コースを設定し,京都の魅力を紹介する。
③オープンカフェなどの都心や観光地におけるにぎわい空間の創設,休日やイベント(路上大道芸など)開催時の歩行者天国の実施
④岡崎文化ゾーンにおける各種文化イベントの集中開催による「(仮称)京都フェスティバル」の開催
⑤主要駅を接続し観光地を巡回する市バスの運行と京都らしいバス車両の導入
現在,一般路線バスのうち,観光地を巡回する市バスとしては,「東山コース」と「二条城・金閣寺コース」があるが,観光地を効率的に周遊できるよう,主要駅との接続も含めたコースの充実に取り組むとともに,観光客に喜んでいただける京都らしいバス車両を導入する。

○重点戦略3 都市マーケティングの強化
都市の魅力を全面に打ち出した都市マーケティングを強化し,徹底した市場分析により,地域が一体となった京都の観光開発を行い,リピーターの確保や新しい観光客市場を創出するシティーセールスを実行する。

【重点事業】
①アジアに重点をおいた観光ミッションの実施
②インセンティブツアーのプログラム開発と宣伝誘致の促進
これからの大きな観光マーケットである,従業員の報奨・研修旅行や得意先の招待旅行など,企業が事業活動の一環として行う団体旅行(インセンティブツアー)について,経済界等と連携して,プログラム開発などを行い,国内外に向けて宣伝誘致活動を積極的に行う。
③旅行会社や交通機関と連携したユニバーサル・スタジオ・ジャパンと組み合わせた観光客誘致活動の実施
④マーケティング調査に基づく年次ごとのテーマ設定による京都ウェルカムキャンペーンの展開

○重点戦略4 情報通信技術(IT)の活用
情報通信技術(IT)を積極的に活用し,京都観光に関する情報を国の内外に受発信するとともに,多様なニーズに応じた情報を効率的
・効果的に提供できる地域体制づくりを進める。

【重点事業】
①情報通信技術(IT)を活用した次世代型観光案内システムの研究・開発
②携帯情報端末機器の活用による周辺観光情報と市バス接近情報(ポケロケ)などが連動した「京都界わい観光案内システム」の開設
携帯情報端末機器と市バス接近情報(ポケロケ)を活用して,観光客に現在地周辺の観光地情報や最寄りバス停への市バスの接近情報などを伝える便利で親切な案内システムを開設する。システムの活用により,観光客に一人一人のオリジナルな観光を楽しんでいただく。
③「観光文化情報システム」における情報内容の充実,多様なホームぺ-ジとのリンクの促進
④インターネットを活用した行政区別観光情報システムの開発

○重点戦略5 快適な受入環境づくり
京都を訪れた観光客に,「再び京都を訪れたい」という気持ちを抱かせるような受入環境を総合的に充実するため,公共交通の利便性の向上,安全で交通渋滞のない交通環境の確保,環境に配慮した京都をあげての受入体制づくりを進める。

【重点事業】
①地下鉄東西線の延伸や市バスをはじめ観光客が便利で利用しやすい公共交通サービスの充実
②観光地における交通問題解決に向けての全市民的な取組の実施
 観光地周辺を中心とした交通渋滞は,観光地の魅力低下や市民生活に対する悪影響をもたらしているため,地元や事業者などの御協力をいただきながら,具体的なTDM(交通需要管理)施策として,公共交通への誘導,自動車交通の抑制など,交通社会実験も視野に入れた観光地の交通対策を推進する。
③公共建築物,公共交通機関,道路や歩道,公園,観光関連施設のバリアフリー化の推進
④市民,事業者,社寺,文化施設,大学,関係機関などと行政が連携した観光振興のネットワークを推進するためのフォーラムづくり
⑤宿泊施設,観光施設など,観光関連事業者の京都版環境管理認証制度や国際規格ISO14001の認証取得の促進
⑥観光交通対策も視野に入れた新しい公共交通機関(LRTなど)のあり方の検討

(3) 推進事業(推進計画の9~16ページ)
「京都市基本計画」に示した観光振興のための政策項目に基づいて,119事業を掲げる。(25の重点事業を再掲している。)
1 21世紀の京都を牽引する観光の創造
(1) 宿泊・滞在型,体験型観光の振興…10事業
(2) 新しい観光資源の創出…14事業
(3) 地域ごとの界わい観光の創出…7事業
(4) 歩いて楽しむまちなか観光の振興…6事業
(5) 環境や自然を大切にするエコツーリズム,グリーンツーリズムの推進…9事業 
(6) 文化と観光の連携の推進…13事業  

2 観光情報の受発信と観光客誘致
(1) 観光情報の受発信機能の強化…10事業
(2) 京都観光リピーターの原点となる修学旅行の誘致強化…6事業
(3) 企業が事業活動の一環として行う団体旅行の誘致促進…1事業
(4) 他都市等と連携した広域観光の推進…5事業

3 海外からの観光客誘致の強化
(1) きめ細かい地域別マーケティングの展開…7事業
(2) 海外の旅行業界等への情報発信

4 コンベンション誘致の強化
(1) コンベンション誘致活動の推進
(2) コンベンション開催に対する支援…7事業
(3) 国立京都国際会館の施設整備の促進

5 観光客を温かくもてなすしくみづくり
(1) 観光案内サービス機能の充実…7事業
(2) 安全で快適な観光ができる環境づくり…11事業

6 京都をあげての観光振興の推進
(1) 観光振興ネットワークづくり…6事業
(2) 観光振興推進計画の推進

合 計  119事業

<参考>策定経過
平成12年 6月     京都市観光振興推進会議の設置
平成12年 8月~12月 観光関連団体(23団体・4協議会・6社寺)からの意見聴取
平成12年 9月     職員提案制度「入洛観光客数5千万人構想アイデア」の募集(応募件数 126件)
平成12年11月~12月 アドバイザー(学識経験者等)の助言聴取
平成12年11月     京都観光シンポジウムの開催
平成12年11月~12月 「京都観光の振興に向けて」意見募集
(応募者数 124人・3団体)

お問い合わせ先

京都市 総合企画局市長公室広報担当

電話:075-222-3094

ファックス:075-213-0286

フッターナビゲーション