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市長記者会見(2000年1月4日)

ページ番号13351

2023年4月12日

平成13年1月4日 桝本市長年頭記者会見資料

はじめに

 

 21世紀の新時代が厳しい状況の中ではありますが,穏やかに明けました。新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 いよいよ,21世紀という新しい時代が幕をあけ,すべての自治体がその力量を問われる本格的な「地方の時代」を迎えました。
 大晦日から元旦にかけて開催いたしました「21世紀京都幕開け記念事業」につきましては,多くの皆様のご協力・ご参加を得て,壮大な世紀越えを実現し,「二十一世紀京都宣言」として,新時代へのメッセージを全国・世界に発信し,素晴らしい新世紀の幕開けを迎えることができました。
 また,来年度の国家予算案につきましても,「21世紀・京都」の発展のカギを握る,地下鉄東西線の延伸や京都高速道路の整備,さらには,国立京都迎賓館や総合地球環境学研究所などが,要望どおり認められ,幸先のよい新世紀のスタートが切れたとたいへん喜ばしく存じております。
 本日は,年頭の記者会見でございますので,まず,「平成13年の市政推進にあたっての私の抱負」を申し上げ,引き続き,肢体障害のある方の日常生活を支援する介助犬の育成に関して,全国初の取組を皆さんにご報告申し上げます。

 

1  平成13年の市政推進にあたっての私の抱負

 

 まず,平成13年の市政推進にあたっての私の抱負でございます。
 今年は,21世紀のスタートという大切な年であり,京都市政にとりましても,新しい時代の京都を築く京都市基本計画の初年度という非常に重要な年であります。「安らぎのあるくらし」と「華やぎのあるまち」,そして,「市民の皆さんとの信頼の市政」を実現するため,基本計画の着実な実行を図ってまいりたいと考えております。

 本日は,新世紀元年の年頭にあたり,21世紀の京都の礎を築く政策として,当面,私が特に力を入れたいと考えておりますものを,幾つか申し上げます。 まず,「京都経済の活性化」であります。京都経済は依然として厳しい状況にあり,引き続き景気回復に全力を傾注いたします。
 そして,21世紀の京都を牽引する基幹産業である観光の振興を図るための「観光客5000万人構想」の達成や,21世紀社会に対応した次世代産業を創造するための,新たな「21世紀産業振興ビジョン」の策定に取り組みます。 また,介護保険制度の円滑な運営をはじめとして,高齢者の方々がいきいきと健やかに暮らせる「豊かな長寿社会の構築」や地球温暖化防止京都会議の開催都市としての「先進的な環境政策」,さらに,京都の魅力を求めて世界中の人々が訪れたくなる「世界一美しいまちの実現」や,「歩くまち・京都」を目指した「公共交通優先の総合交通政策」,また,何よりも,21世紀の京都を担う「教育・人づくり」に全力を挙げてまいります。
 そして,これらを確実に成し遂げるためにも,新しい市政改革の取組として,昨年とりまとめました「京都新世紀市政改革大綱(案)」をもとに,行財政全般にわたる改革を間断なく進めてまいりたいと考えております。
 ただ今申し上げました政策のうち,新たな施策の検討を具体的に進めております2つの政策につきまして,もう少しご説明申し上げます。
 「世界一美しいまちの実現」は,市民共通の願いであり,国際文化観光都市・京都のまちづくりを進めるうえでも,非常に重要な課題であります。
 しかし,ごみの散乱や不法投棄,特に,違法駐車,放置自転車等には,目に余るものがあり,こうしたモラルの低下は,子供たちの教育を考えるうえからも,誠に嘆かわしい事態であります。
 そこで,国に対し,違法駐車や放置自転車問題を,我が国の都市問題における最重要課題の一つに位置付け,国家的な政策として取り組むよう強く働きかけますとともに,私自身が本部長となって,「(仮称)京都市美しいまちづくり推進本部」を設置し,総合的な施策推進を図ってまいります。
 そして,当面,放置自動車対策として,所有者の責務や処理手続の明確化を図る「放置自動車防止条例」を制定したいと考えております。
 今後も,実効性の高い施策を検討し,できるものから,順次実施していきたいと考えております。
 次に,「公共交通優先の総合交通政策」につきましては,歩いて楽しい「歩くまち・京都」の実現を目指して,自動車交通の抑制や平準化等を図る「TDM< Transportation Demand Management=交通需要管理>」施策を進めてまいります。来年度は,具体的なTDM施策として,観光客5千万人構想実現の観点からも,観光地の交通対策について具体的なものを検討したいと考えております。 さらに,LRTなどの新しい公共交通のあり方についての検討も行い,利便性が高く,経済性にも優れた公共輸送サービスを提供するための方策も研究してまいります。

 以上,年頭にあたっての私の抱負の一端を申し述べました。

 激動する社会経済情勢の中,京都市政におきましても,様々な困難な問題を抱えておりますが,こうした時期にこそ,「立ち向かう楽観主義」「プラス思考」「我,ことにおいて後悔せずの精神」で市政に取り組み,21世紀における新しい「世界の京都」を実現してまいる所存であります。そして,京都から,「新しい時代における都市のあり方」を発信してまいりたいと決意を新たにしております。

 

2 介助犬育成・啓発事業

 

 次に,介助犬の育成助成及び啓発事業についてでございます。
 介助犬につきましては,肢体に障害のある方々の日常生活を支援する犬として,全国的に大きな注目を集めております。しかし,盲導犬とは異なり,法令上の定義や育成方法等が確立されていないため,昨年6月,国において,「介助犬に関する検討会」が設置されたところでございます。
 これまでに全国で16頭の介助犬が育成されておりますが,このうち9頭が京都市内に本拠を置く団体で育成され,現在3頭が京都市内で活躍しております。また,岐阜県にお住まいで,今春から同志社大学で学生生活を送られる館林(たてばやし)さんの介助犬アトムも京都市内で育成された一頭です。
 このように,京都市は介助犬との関わりが深く,昨年2月,指定都市で初めて,肢体に障害のある市民の方の自立と社会参加をより一層促進するため,地下鉄を含む市立施設等への介助犬の同伴を認めたところであります。
 そして,本年4月からは,全国初の取組といたしまして,介助犬の育成費用を助成するとともに,啓発事業にも取り組むことといたしました。
 助成内容といたしましては,京都市内の育成団体において訓練,育成され,市民の方に貸与された介助犬につきまして,1頭につき30万円を限度に交付いたします。
 また,啓発事業につきましては,パンフレットや介助犬を同伴できる施設に掲示するステッカーを作成し,皆様のご理解を広げるとともに,介助犬を同伴できる民間施設等の拡大を図っていくものでございます。
 このたびの新たな取組により,介助犬についての市民の皆様方の理解が深まり,障害のある方々の自立と社会参加がより一層進みますことを期待しております。

 

 私からは以上でございます。

 

(市長記者会見資料)

 

平成13年1月4日
京都市
保健福祉局福祉部障害福祉課
TEL 251-2385

 

介助犬の育成助成及び啓発事業について

 

 京都市では,このたび,下記のとおり,全国初の取組として介助犬の育成に要する費用の一部を助成することといたしました。併せて,市民の方々の理解を広めるとともに,介助犬の同伴できる民間施設等の拡大を図るための啓発事業を行うことといたします。
 介助犬につきましては,肢体に障害のある方の日常生活を援助し,社会参加を支援する役割を果たすものとして,全国的に大きな注目を集めており国においても,平成 12年6月,厚生省に「介助犬に関する検討会」が設置され,介助犬についての論議が高まっているところです。
 京都市におきましても,昨年2月1日から指定都市初の取組として,地下鉄を含む市立施設等におきまして介助犬の同伴を認めてきましたが,今回の育成助成及び啓発事業により,障害のある市民の方々の自立と社会参加がより一層促進されるものと考えております。

 



1 介助犬育成助成
(1) 趣 旨
介助犬の訓練・育成を進めるため,介助犬の育成に要した費用の一部を助成 する。
(2) 内 容
京都市内に本拠をおく育成団体(3団体)が育成し,肢体に障害のある市民 に貸与された介助犬について,1頭当り30万円を限度に助成する。(年間3 頭分)
助成対象経費は,仔犬購入費,予防接種,去勢・避妊費及びハーネス(胴輪) 等の物品購入費とする。
* 介助犬の育成に要する費用を助成するのは,全国初の取組です。  

[京都市内に本拠をおく育成団体]
〇 日本介助犬育成の会 (代表 飯田 博巳)  
山科区竹鼻サイカシ町6-9
℡ 075-582-4181 
〇 介助犬を育てる会 (代表 坂根 穀彦)   
北区紫竹東大門町39-2 
℡ 075-495-0419 
〇 日本介助犬トレーニングセンター (代表 安達 利明)
左京区高野清水町86-1

(3) 実施日
平成13年4月1日

2 介助犬啓発等事業
(1) 趣 旨
介助犬についての市民の理解を広げるとともに,介助犬の同伴利用ができる 民間施設等の拡大を図る。
(2) 内 容
介助犬についてのパンフレットを作成するとともに,介助犬を同伴して利用 できる施設等に掲示するステッカーを作成し,その普及・啓発を図る。
<参考> ○介助犬育成状況
全国 16頭(うち1頭はリタイヤ)
うち京都市内 9頭 … うち3頭が現在京都市内で活躍中。
… 残る6頭のうちの1頭が「アトム」
〇介助犬活動数
全国   15頭(推定)
うち京都府内   5頭(京都市内:3頭,府下:2頭)
〇国等の動向
平成10年度~3ヵ年:厚生省「介助犬の基礎的調査研究」
平成12年2月:京都市,市立施設等の同伴利用を可能に

お問い合わせ先

京都市 総合企画局市長公室広報担当

電話:075-222-3094

ファックス:075-213-0286

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